賞与の社会保険料 計算ツール|ボーナス手取り・税金・健保/厚生年金の控除額を即時算出
支給賞与額を入れるだけで、健康保険料・厚生年金・介護保険・源泉所得税を計算し賞与の手取りを表示。前月給与の所得税率に応じて源泉徴収税率が決まる仕組みも反映した令和7年版完全無料ツール。日本の賞与(ボーナス)は標準賞与額(賞与額を1,000円未満切り捨てした額)に対して健康保険料率・厚生年金保険料率18.30%・介護保険料率1.60%を乗じて社会保険料を算出。年3回以内の支給に限り「賞与」として扱われ、これを超えると「毎月の給与」として月々の標準報酬月額に加算されます。健保上限は年累計573万円、厚生年金上限は1回150万円と規定。所得税は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で前月給与÷扶養数から決定されます。賞与は住民税が引かれないため手取り率が高く、額面の75〜80%が手取りとなるのが一般的です。
賞与社会保険料・手取り計算機
計算式と2つの料率
標準賞与額 = 賞与額 (1,000円未満切り捨て)
健康保険料 = 標準賞与額 × 健保料率(都道府県別) ÷ 2 (労使折半)
厚生年金 = min(標準賞与額, 150万円) × 18.30% ÷ 2
介護保険 = 40-64歳のみ 標準賞与額 × 1.60% ÷ 2
所得税 = (賞与額 − 社会保険料) × 前月給与ベース税率
手取り = 賞与額 − 健保 − 厚年 − 介護 − 所得税
賞与から控除されるのは社会保険料と所得税のみで、住民税は控除されません(住民税は前年所得ベースで毎月給与から12分割)。このため賞与の手取り率は毎月給与よりも高くなり、額面の75〜80%が手取りになるのが一般的です。年収500万円・賞与年2回計100万円の場合、控除は約20-25万円、手取りは約75-80万円が目安です。
健康保険料率(都道府県別・令和7年度)
健康保険料率は協会けんぽ(全国健康保険協会)が都道府県別に設定。健保組合の場合は各組合の独自料率(通常8-11%)が適用されます。以下は令和7年度(2025年3月〜)の主要県。
| 都道府県 | 健保料率 | 介護なし労使折半 | 介護あり労使折半 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 10.31% | 5.155% | 5.955% |
| 東京 | 9.98% | 4.99% | 5.79% |
| 神奈川 | 10.02% | 5.01% | 5.81% |
| 愛知 | 10.03% | 5.015% | 5.815% |
| 大阪 | 10.34% | 5.17% | 5.97% |
| 兵庫 | 10.28% | 5.14% | 5.94% |
| 福岡 | 10.31% | 5.155% | 5.955% |
| 沖縄 | 9.44% | 4.72% | 5.52% |
| 全国平均 | 10.00% | 5.00% | 5.80% |
厚生年金料率と上限
厚生年金保険料率は全国一律18.30%(労使折半で各9.15%)。標準賞与額の上限は1回あたり150万円で、これを超える額には厚生年金は課されません(健康保険は年累計573万円が上限)。
| 賞与額 | 標準賞与額 | 厚生年金上限適用 | 厚年本人負担 |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 50万円 | なし | 45,750円 |
| 100万円 | 100万円 | なし | 91,500円 |
| 150万円 | 150万円 | 上限適用 | 137,250円 |
| 200万円 | 200万円 | 150万円で頭打 | 137,250円 |
| 300万円 | 300万円 | 150万円で頭打 | 137,250円 |
高額賞与を受け取る役員などは、標準賞与額150万円以上の部分は厚生年金料が控除されないため手取り率が高くなります。ただし将来の年金額算定にも反映されないため、老後年金は増えません。
源泉所得税の算出
賞与の所得税は国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で決定。前月給与(社保控除後)×扶養数で税率区分を決めます。
| 前月給与-社保 | 扶養0人 | 扶養1人 | 扶養2人 | 扶養3人 |
|---|---|---|---|---|
| 〜68千円 | 0% | 0% | 0% | 0% |
| 68〜79千円 | 2.042% | 0% | 0% | 0% |
| 79〜252千円 | 4.084% | 2.042% | 0% | 0% |
| 252〜300千円 | 6.126% | 4.084% | 2.042% | 0% |
| 300〜334千円 | 8.168% | 6.126% | 4.084% | 2.042% |
| 334〜363千円 | 10.210% | 8.168% | 6.126% | 4.084% |
| 363〜395千円 | 12.252% | 10.210% | 8.168% | 6.126% |
| 395〜426千円 | 14.294% | 12.252% | 10.210% | 8.168% |
| 426〜550千円 | 20.420% | 14.294% | 12.252% | 10.210% |
| 550〜647千円 | 23.368% | 20.420% | 14.294% | 12.252% |
| 647〜952千円 | 30.630% | 23.368% | 20.420% | 14.294% |
| 952〜1,496千円 | 32.672% | 30.630% | 23.368% | 20.420% |
| 1,496千円〜 | 35.714%〜 | 32.672%〜 | 30.630%〜 | 23.368%〜 |
前月給与の税率で計算されるため、月給が変動する営業職や、前月に大型手当が付いた場合は所得税率が跳ね上がる可能性があります。年末調整で最終的な過不足調整があるので、賞与の所得税が高くても心配は不要です。
賞与額別の手取り目安
| 賞与額 | 健保(東京) | 厚年 | 介護40-64歳 | 所得税(前月30万・扶養0) | 手取り |
|---|---|---|---|---|---|
| 30万円 | 14,970円 | 27,450円 | 2,400円 | 6,240円 | 248,940円 (83%) |
| 50万円 | 24,950円 | 45,750円 | 4,000円 | 10,400円 | 414,900円 (83%) |
| 80万円 | 39,920円 | 73,200円 | 6,400円 | 33,760円 | 646,720円 (81%) |
| 100万円 | 49,900円 | 91,500円 | 8,000円 | 54,320円 | 796,280円 (80%) |
| 150万円 | 74,850円 | 137,250円 | 12,000円 | 100,320円 | 1,175,580円 (78%) |
| 200万円 | 99,800円 | 137,250円(上限) | 16,000円 | 175,240円 | 1,571,710円 (79%) |
※東京・40歳未満・扶養0人・前月給与30万円・介護保険なしの試算
シーン別の使い方
ボーナス支給前の手取り予測
賞与支給日前に額面から手取りを予測。ローン返済・大型買物・投資計画に活用。額面の75-80%が手取り目安。
賞与年収の把握
年2回×額面60万円なら年間120万円だが、手取りは約94-100万円。額面ベースの支給表と手取りの差を正確に把握。
退職時の賞与判定
退職月の賞与から社保が引かれるかは月末在籍で決まる。月末退職なら社保控除あり、月半ば退職なら控除なし(手取り率アップ)。
役員賞与の設計
厚生年金の上限150万円/回を超える部分は厚年控除なし。役員は複数回に分けるより一括150万超の設計が手取り率高い(ただし将来年金には反映されない)。
共働き夫婦の合算
夫婦それぞれの賞与手取りを試算し家計計画。共働き会社員なら年間200-300万円の賞与収入が住宅ローン繰上返済・投資原資に活用可能。
賞与の使い道戦略
1. 生活防衛資金3ヶ月分、2. iDeCo・NISA投資、3. 住宅ローン繰上返済(元金充当)、4. 高利返済カード優先返済、5. 家族旅行・教育投資。
よくある勘違い
1. 賞与から住民税も引かれると誤解
住民税は毎月給与から12分割で天引きされ、賞与からは控除されない。このため賞与の手取り率が毎月給与より高く感じる。年収500万で毎月手取り率75%でも、賞与は80%程度になる。
2. 賞与の所得税率が高すぎると誤解
前月給与ベースの高い税率で徴収されても、年末調整で精算される。仮に賞与時に30%課税されても、年収ベースの実効税率が20%なら差額が還付される。過剰徴収を心配する必要なし。
3. 月末退職なら社保が引かれない
逆。月末退職なら社保あり、月半ば退職なら社保なし。日本の社会保険は「月末時点で在籍していれば当月分保険料発生」の原則。退職日を月末避ければ手取りアップ。
4. 賞与額が大きいほど手取り率が下がる
逆。厚生年金の上限150万円と健保上限(年573万円)があるため、高額賞与ほど手取り率が上がる。役員賞与400万円などは手取り率78-80%になることも。
5. 年4回以上の支給を「賞与」と誤解
年3回以内の支給が「賞与」、4回以上は「毎月の給与」扱い。四半期賞与や毎月インセンティブは毎月給与に加算され、標準報酬月額の再計算対象。
6. 標準賞与額の1,000円切り捨てを忘れる
賞与50万3,500円の標準賞与額は50万3,000円(1,000円未満切り捨て)。切り捨て後の額で社保が計算される。数百円の誤差だが正確な手取り予測に必要。
7. 賞与から社保を差し引かない役員
役員賞与でも報酬性のものは社保対象。事前確定届出給与として税務署に届出れば損金算入可だが、社会保険料の対象にはなる。名義上の「賞与」でも実質的に社保計算される。
参考リンク・公的資料
- 協会けんぽ 都道府県ごとの保険料額表 — 令和7年度健保料率
- 日本年金機構 厚生年金保険料額表 — 厚年料率・上限
- 厚生労働省 健康保険制度 — 健保の仕組み
- 国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」 — 所得税率表
- 国税庁 令和6年分年末調整のしかた — 精算方法
- 厚生労働省 年金制度 — 厚生年金と将来受給
- 厚生年金保険法(e-Gov) — 法律条文
- 健康保険法 — 法律条文
- e-Tax(国税電子申告) — 年末調整・確定申告
- ねんきんネット — 厚生年金加入記録確認
本ツールは令和7年度(2025年3月〜)の健康保険料率・厚生年金保険料率・介護保険料率・所得税源泉徴収率に基づく概算計算です。実際の控除額は勤務先の健保組合(協会けんぽ以外)の独自料率、年齢・扶養家族数・前月給与の詳細・住民税との調整で変動します。所得税は前月給与ベースで暫定徴収され、年末調整で年間所得ベースの正確な税額と精算されます。個別の給与明細については人事・給与担当者、税理士・社会保険労務士にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
賞与の手取りはざっくり何割?
額面の75〜80%が手取り。年収500万円・賞与50万円なら控除10〜13万円で手取り37〜40万円。住民税が控除されないため毎月給与よりも手取り率が高い。高額賞与(150万円超)は厚生年金の上限により手取り率がさらに上昇。
退職時の賞与は社保どうなる?
退職月に支給される賞与でも、月末日で在籍していなければ社会保険料は控除されません(退職日が月末なら控除あり)。月半ば退職なら手取り率アップ。ただし住民税は前年所得ベースなので退職後も普通徴収で継続。
賞与で住民税は引かれる?
引かれません。住民税は前年所得をベースに毎月の給与から12分割で天引き。賞与から住民税は控除されないため手取り率が高く感じます。会社員の場合は特別徴収通知書で確認可能。
健康保険料率は都道府県で違う?
協会けんぽの場合、都道府県ごとに料率が異なる(9.44%〜10.42%)。北海道・大阪・福岡は高め、東京・神奈川・沖縄は低め。健保組合の場合は各組合の独自料率で通常8-11%。
厚生年金の上限はある?
標準賞与額の上限は1回あたり150万円。これを超える額には厚生年金は課されません。健康保険料は年累計573万円が上限。高額賞与を受け取る役員は手取り率が高くなるが、老後年金にも反映されない。
賞与の源泉所得税の決まり方
前月給与(社保控除後)から扶養家族数を引いた金額を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」(国税庁)に当てはめて税率決定。2.042%〜35.714%まで13段階。年末調整で最終精算される。
賞与の年末調整で還付される?
賞与時の源泉徴収は前月給与ベースで暫定的に課税されるため、年収ベースの実効税率が下回れば年末調整で還付される。特に賞与時に高い税率で徴収された場合は還付額が大きい。
年4回以上の賞与は?
年3回以内の支給が「賞与」、4回以上は毎月給与扱い。四半期賞与や毎月インセンティブは毎月給与に加算され、標準報酬月額の再計算対象。社会保険料負担が変わる。
介護保険料は何歳から?
40歳〜64歳の期間、健康保険料と一緒に介護保険料(1.60%)が徴収される。65歳以降は年金から特別徴収で介護保険料が引かれる(賞与時の控除はなし)。
賞与の使い道の優先順位
1. 生活防衛資金3ヶ月分確保、2. 高利返済カード優先、3. iDeCo・NISA積立、4. 住宅ローン繰上返済、5. 家族・自己投資。iDeCo・NISAは節税効果もあり優先度高い。
賞与から社保が上限を超えた場合
健康保険:年累計573万円超過分は健保料の徴収なし。厚生年金:1回150万円超過分は厚年料の徴収なし。大企業の役員・高額賞与者は手取り率が高くなる仕組み。
賞与が支給されないケース
雇用契約で賞与規定なしの企業、業績連動賞与で目標未達、業績悪化での支給停止など。労働基準法上、賞与支給義務はないため就業規則を確認。中小企業では賞与なしの企業も約3割ある。