計算ツール
住宅ローン控除住宅税優遇所得税

住宅ローン控除 計算ツール|年末残高から年間・13年総額を即算出、2024年度制度対応

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を年末借入残高と住宅種別から瞬時に算出。認定長期優良住宅・ZEH・省エネ基準適合住宅・一般住宅それぞれの借入限度額(2,000万〜5,000万円)、子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せ枠、控除率0.7%、控除期間(新築13年・中古10年)の総控除額を国税庁2024年度税制に沿って計算。床面積要件・合計所得金額要件・入居年別借入限度・住民税からの控除振替まで、住宅取得を検討するご家庭・工務店・不動産営業・税理士事務所が使える実務基準を解説します。

最終更新:2026-08-08/監修:計算ツールズ編集部

住宅ローン控除 計算機

計算式と控除の仕組み

基本式

年間控除額 = min(年末借入残高, 借入限度額) × 0.7%

13年総額 = 年間控除額 × 13年(2024年度入居の場合)

住宅ローン控除は正式名称「住宅借入金等特別控除」で、住宅取得のために組んだ借入金の年末残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除する制度です。所得税で控除しきれない額は住民税からも控除(上限あり)されます。2022年度の税制改正で、控除率が1.0%から0.7%に引き下げられた一方、控除期間が10年→13年へ延長、環境性能に応じた借入限度額の傾斜配分が導入されました。

対象となる借入金

控除対象は「償還期間10年以上の住宅ローン」で、金融機関(銀行・住宅金融支援機構・信用金庫等)からの借入が対象です。親族からの借入や勤務先からの利率0.2%未満の借入は対象外。フラット35・変動金利・固定金利・ミックスプラン、いずれも要件を満たせば対象になります。

控除期間

新築住宅・買取再販住宅の入居は13年間、既存(中古)住宅の入居は10年間が原則。ただし2024年以降入居の一般住宅は、原則として控除対象外(省エネ基準を満たさない一般新築住宅は控除適用外に)となる可能性があります。詳細は最新の税制改正を国税庁で確認してください。

住宅種別と借入限度額(2024年度入居)

環境性能等級ごとに借入限度が段階的に設定されており、性能の高い住宅ほど控除額の上限が大きくなります。2024年入居分からは一般世帯の限度額が一段階引き下げられた一方、子育て世帯・若者夫婦世帯には2023年入居と同じ水準を維持する上乗せ枠が設けられました。ここでいう子育て世帯・若者夫婦世帯とは、19歳未満の扶養親族がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯を指します。

住宅種別借入限度額(一般世帯)借入限度額(子育て世帯・若者夫婦世帯)控除期間年間最大控除(一般/子育て)
認定長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円5,000万円13年31.5万円/35.0万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年24.5万円/31.5万円
省エネ基準適合住宅3,000万円4,000万円13年21.0万円/28.0万円
その他の新築住宅(省エネ基準を満たさない)0円(原則対象外。経過措置該当時のみ2,000万円・10年)
既存(中古)住宅・認定住宅等3,000万円10年21.0万円
既存(中古)住宅・一般2,000万円10年14.0万円

参考までに2023年入居までは、一般世帯でも認定住宅5,000万円・ZEH水準4,500万円・省エネ基準適合4,000万円・その他の新築3,000万円という枠でした。子育て世帯特例はこの水準を据え置くための激変緩和措置という位置づけです。年度ごとに限度額・特例の延長状況が変わるため、最新の内容は国土交通省 住宅ローン減税ページで確認してください。

適用要件(床面積・所得・入居)

住宅ローン控除を受けるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

要件基準
床面積登記簿上の床面積が50m²以上(合計所得1000万円以下の場合40m²以上に緩和)
居住割合床面積の1/2以上を自己の居住用に使用
合計所得金額2,000万円以下(40m²緩和適用時は1,000万円以下)
入居時期住宅取得後6か月以内に入居し、控除を受ける各年12月31日まで居住
ローン償還期間10年以上
中古住宅(木造)1982年1月1日以降建築(新耐震基準)であること
中古住宅(RC等)築25年以内、または耐震基準適合証明・既存住宅性能評価書・保険加入で緩和
特別控除等との併用3000万円特別控除、買換え特例等との併用不可(選択適用)

床面積は登記簿上の内法面積(壁の内側で測る)で判定します。マンションのパンフレット記載の「専有面積(壁芯)」より通常5〜8%小さくなるため、パンフ表記50m²のマンションが要件を満たさないケースが実務で頻発。契約前に登記簿・重要事項説明書で必ず確認してください。

残高別 年間控除シミュレーション

2024年入居の借入限度額をもとに、年末残高ごとの年間控除額(残高×0.7%、限度額で頭打ち)を早見できるようにまとめました。左の3列が一般世帯、右の3列が子育て世帯・若者夫婦世帯です。

年末残高省エネ/一般
(3000万上限)
ZEH/一般
(3500万上限)
認定/一般
(4500万上限)
省エネ/子育て
(4000万上限)
ZEH/子育て
(4500万上限)
認定/子育て
(5000万上限)
1,000万円7.0万7.0万7.0万7.0万7.0万7.0万
2,000万円14.0万14.0万14.0万14.0万14.0万14.0万
3,000万円21.0万21.0万21.0万21.0万21.0万21.0万
3,500万円21.0万24.5万24.5万24.5万24.5万24.5万
4,000万円21.0万24.5万28.0万28.0万28.0万28.0万
4,500万円21.0万24.5万31.5万28.0万31.5万31.5万
5,000万円21.0万24.5万31.5万28.0万31.5万35.0万
6,000万円21.0万24.5万31.5万28.0万31.5万35.0万

ローン残高が借入限度を超えた分は控除対象外。したがって借入額そのものより「限度額の低い住宅性能ランク」で購入した場合、控除メリットが薄れます。省エネ性能を上げる工事費と控除増額分を比較し、費用対効果を検討することが実務では重要です。

住民税からの控除と振替

年間控除額が所得税額を上回った場合、控除しきれない残額は翌年度の住民税から控除されます(所得税の課税総所得金額等の5%、上限9.75万円)。会社員の給与明細ではこの住民税控除は「翌年6月からの住民税減額」として反映され、実感しづらいものの、住宅ローン控除の実効メリットの2〜3割を占めるケースもあります。

共働き夫婦のペアローンでは、それぞれの持分割合に応じて双方が控除を受けられます。所得の低い側は所得税だけでは控除枠を使い切れず住民税に振替されることが多いため、持分比率の設計時に「控除フル活用できる比率」を試算しておくのが実務のコツです。

確定申告と年末調整の手続き

初年度は確定申告(必須)

入居した翌年の2月16日〜3月15日に、所轄税務署へ確定申告書に加えて以下の書類を提出します。

  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 — 国税庁サイトから入手
  • 住民票の写し・登記事項証明書 — 入居日・床面積の確認
  • 売買契約書または請負契約書の写し — 住宅取得価額の確認
  • 住宅ローンの年末残高等証明書 — 金融機関から10〜11月頃郵送
  • 認定長期優良住宅認定通知書・省エネ性能評価書等 — 住宅性能の証明(該当の場合)
  • マイナンバー確認書類・本人確認書類

2年目以降は年末調整

会社員・公務員は、初年度に確定申告を済ませた後、2年目以降は年末調整で控除完結します。10月頃に税務署から「住宅借入金等特別控除申告書」(9年分または12年分)が本人宛に一括送付されるため、その年分を給与所得の年末調整書類と一緒に勤務先に提出します。

ローン金利別 最適借入戦略

住宅ローン控除の実質メリットは「支払い利息よりも控除額が上回る期間」で最大化します。金利水準と借入額の組み合わせで、繰り上げ返済すべきかの判断が変わります。

金利借入3000万円年間利息(初年度)年間控除(3000万残)実質負担
0.5%(変動)月返済77,876円約15万21万(省エネ)控除が利息超過
1.0%(短期固定)月返済84,685円約30万21万(省エネ)年9万マイナス
1.5%(フラット35)月返済91,855円約45万21万(省エネ)年24万マイナス
2.0%(長期固定)月返済99,378円約60万21万(省エネ)年39万マイナス

変動金利0.5%環境では「控除メリット>支払利息」となる逆転現象が発生。この場合は繰り上げ返済せず控除期間フル活用が正解です。金利上昇局面では控除終了後の繰り上げ返済で総返済額を圧縮する戦略が有効。

ペアローン・連帯債務・単独ローンの比較

共働き夫婦の住宅ローン方式は「ペアローン」「連帯債務(フラット35)」「単独ローン+連帯保証」の3方式があり、住宅ローン控除の適用範囲・控除フル活用の可否が異なります。

方式控除対象団信諸費用特徴
ペアローン(夫婦別契約)双方適用双方加入2契約分控除枠最大化、離婚時のリスク
連帯債務(フラット35)持分比率で双方主債務者のみ1契約分諸費用抑制・妻の団信は別途要検討
単独ローン+連帯保証主債務者のみ主債務者のみ1契約分妻は控除対象外・シンプル
収入合算(単独名義)主債務者のみ主債務者のみ1契約分審査枠拡大・控除は片方のみ

控除フル活用の観点ではペアローンが最有利ですが、住宅取得時の登記費用・ローン契約費用が2倍かかること、離婚時の共有名義解消が煩雑になるリスクがあります。夫婦それぞれの所得税額と借入額のバランスを試算した上で選択してください。

業界・現場での使い方

住宅購入検討中の家庭

住宅性能ランクごとの13年間総控除額を比較し、上位ランクの追加費用(数百万円)と控除メリット(数十万〜100万円超)のバランスを試算。ライフプラン設計時の必須シミュレーションです。

工務店・ハウスメーカー

ZEH・長期優良住宅の販売訴求資料として「控除メリット+ランニングコスト削減」を提示。省エネ設計の追加費用を回収可能とする定量説明が契約決定率を高めます。

不動産仲介・営業

物件案内時の年収別ローン試算とセットで、住宅ローン控除の実効額を提示。中古住宅は築年数・耐震要件で控除可否が変わるため、事前確認が顧客信頼につながります。

税理士・FP事務所

確定申告支援業務、住宅取得資金計画のライフプランニング、共働き夫婦のペアローン持分設計における控除最適化。相続時精算課税と併用時の判定も。

金融機関(住宅ローン担当)

借入プラン提案時に控除効果を含めた実質金利表示。フラット35・変動金利・ミックスで手取り総額がどう変わるかを可視化。

マンションデベロッパー

床面積要件(登記簿50m²)を意識した設計。パンフ壁芯50m²でも登記内法が45m²で要件割れするケースを避け、購入者の資金計画に配慮したプラン設計。

2024年改正と経過措置

住宅ローン控除は2022年の大改正以降も毎年のように見直されており、とくに2024年入居分から適用対象そのものが絞り込まれました。購入時期と建築確認の時期によって扱いが変わるため、契約前に自分がどのケースに当たるかを確認しておく必要があります。

新築は省エネ基準適合が必須になった

2024年1月1日以降に入居する新築住宅は、省エネ基準(断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4)を満たさないと住宅ローン控除の対象外になりました。従来「その他の住宅」として借入限度3,000万円で控除を受けられた一般的な新築が、原則ゼロになったということです。新築を検討する際は、建設住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書で等級を確認してください。

その他の住宅の経過措置

ただし完全に打ち切られたわけではなく、2023年12月31日までに建築確認を受けた新築住宅、または2024年6月30日以前に建築された住宅については、借入限度額2,000万円・控除期間10年という縮小された枠で控除を受けられる経過措置が設けられています。この経過措置を使う場合、床面積要件は50m²以上となり、後述する40m²の緩和特例は使えません。

床面積40m²特例の適用条件

合計所得金額1,000万円以下の人が40m²以上50m²未満の住宅で控除を受けられる緩和特例は、建築確認を受けた時期に期限が定められている点に注意が必要です。中古住宅には適用されず、あくまで新築(特例居住用家屋)向けの措置です。単身者やDINKS世帯のコンパクトマンション取得で使われることが多いのですが、期限は税制改正のたびに見直されるため、契約前に国税庁の最新のタックスアンサーで確認してください。

控除期間の枠組みは維持

改正で削られたのは借入限度額と対象範囲であり、控除率0.7%、新築・買取再販の控除期間13年、既存(中古)住宅の控除期間10年という骨格は維持されています。また所得税から引ききれない分を住民税から控除する仕組み(課税総所得金額等の5%・最高97,500円)も継続しています。

よくある間違い・注意点

  • 床面積を壁芯で判定 — 住宅ローン控除の床面積は登記簿の内法で判定。マンションパンフ「専有面積50m²」でも登記内法45m²なら要件割れで控除ゼロ。契約前に登記簿・重要事項説明書で確認必須です。
  • 初年度の確定申告を忘れる — 初年度は必ず確定申告が必要。会社員でも自分で税務署に申告しないと控除は始まりません。2年目以降は年末調整で完結します。
  • 親族からの借入で申請 — 親からの借入や勤務先の低利融資(0.2%未満)は住宅ローン控除の対象外。金融機関からの借入であることが必須です。
  • 3000万円特別控除との併用不可を見落とす — 買換えで旧宅を売却した場合、譲渡所得の3000万円特別控除と住宅ローン控除は原則併用不可。買換え時はどちらが得か試算して選択します。
  • 中古住宅の築年要件を誤解 — 木造は1982年以降建築(新耐震)、RCは築25年以内が原則。ただし耐震基準適合証明書・既存住宅性能評価書・住宅瑕疵担保責任保険加入で緩和されます。
  • 控除しきれない額を放棄 — 所得税で控除しきれない額は翌年度住民税から控除されます(上限9.75万円)。所得の低い年でも控除効果はゼロにはなりません。
  • 入居前・入居後6か月超で申請 — 住宅取得日から6か月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで居住継続が必要。単身赴任等の例外要件は個別確認を。
  • 贈与税非課税措置と控除額の関係を誤認 — 直系尊属からの住宅取得等資金贈与非課税措置(500〜1000万円)を利用した場合、その金額分は取得価額から差し引いて控除計算する必要があります。頭金として親から受けた資金は借入額に含まれない点にも注意。
  • マンション修繕積立金一括拠出を取得価額に含めない — 新築マンション購入時に一括拠出する修繕積立金や、管理費前払い分は住宅取得価額に含まれず控除対象外です。契約書の内訳を必ず精査してください。

関連する規格・法令

  • 租税特別措置法 第41条 ― 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除。住宅ローン控除の根拠法。
  • 租税特別措置法施行令 第26条 ― 具体的な控除額計算・借入金の範囲・住宅性能の判定を規定。
  • 所得税法 第92条 ― 住民税からの控除振替の根拠(道府県民税・市町村民税の税額控除)。
  • 長期優良住宅の普及の促進に関する法律 ― 認定長期優良住宅の性能基準。所管行政庁の認定通知書が控除申請に必要。
  • 都市の低炭素化の促進に関する法律 ― 認定低炭素住宅の性能基準。
  • 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法) ― 省エネ基準適合住宅・ZEH水準の性能基準。
  • 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法) ― 住宅性能評価書の交付根拠。既存住宅性能評価は中古住宅の控除適用に活用されます。
  • 地方税法 第314条の6 ― 個人住民税における住宅借入金等特別税額控除。

参考文献・公的資料

住宅ローン控除は毎年の税制改正で借入限度額・控除期間・要件が改定されます。申告前に必ず最新の公的資料を確認してください。

※本ページの計算結果は概算値です。住宅ローン控除は毎年の税制改正で内容が変更されるため、実際の申告額は国税庁の最新タックスアンサー・確定申告手引きに従い、必要に応じて税理士・所轄税務署に確認してください。特に長期優良住宅・ZEH等の性能認定、共働きペアローンの持分設計、買換え特例との選択適用など個別事情がある場合は必ず専門家に相談を。

よくある質問(FAQ)

3,000万円の一般住宅を購入した場合の年間控除額は?

一般住宅の借入限度は2,000万円のため、対象残高2,000万×0.7%=14.0万円が年間控除額の最大値です。13年間フル控除でも上限は182万円。省エネ基準適合住宅なら限度3,500万円で年24.5万円、認定長期優良住宅なら限度5,000万円で年35.0万円まで可能です。

床面積の判定は何m²から?

原則登記簿上の内法面積で50m²以上。合計所得金額1,000万円以下の場合は40m²以上に緩和されます。マンションのパンフ「専有面積(壁芯)50m²」は登記内法で約45m²になることが多く、要件割れするケースが頻発するため契約前に必ず登記簿・重要事項説明書で確認してください。

認定長期優良住宅とは何?

長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づく認定住宅で、耐震性・省エネ性・維持管理容易性・可変性等9項目の基準を満たすもの。所管行政庁の認定通知書を得ることで住宅ローン控除の借入限度が5,000万円に上乗せされます。認定申請費用(15〜30万円)を要しますが、13年間の控除メリットで回収可能です。

ZEH水準省エネ住宅と省エネ基準適合住宅の違いは?

省エネ基準適合住宅は建築物省エネ法の省エネ基準を満たすもの、ZEH水準省エネ住宅はさらに強化された断熱・一次エネルギー消費量の基準(概ね20%減)を満たすもの。住宅ローン控除の借入限度は前者3,500万、後者4,500万円で、性能に応じた段階配分になっています。

中古住宅でも住宅ローン控除は受けられる?

受けられます。ただし控除期間は原則10年、借入限度は一般2,000万・省エネ以上3,000万。木造は1982年以降建築(新耐震)が要件で、それ以前でも耐震基準適合証明書・既存住宅性能評価・住宅瑕疵担保保険加入で適用可能。RCは築25年以内が原則です。

共働きのペアローンでもそれぞれ控除を受けられる?

持分割合に応じて双方が控除を受けられます。所得税だけでは控除枠を使い切れない側は住民税から控除(上限9.75万円)。合計所得の低い側は控除枠を余らせがちなので、購入時の持分比率設計で「控除フル活用できる比率」を試算するのが最適解です。

住宅ローン控除は所得税がゼロでも受けられる?

所得税がゼロなら所得税からの控除は0円ですが、翌年度の住民税から控除(上限9.75万円)されます。育休中や産休中で所得税が少ない年でも、住民税で一定額は取り戻せます。

繰り上げ返済で控除期間中に完済したら?

完済年以降は年末残高がゼロになるため、その年以降は控除ゼロ。ただし返済期間が10年未満に短縮されると控除自体が取り消しとなる(償還期間10年以上が要件)ケースがあるため、繰り上げ返済で返済期間短縮を選ぶ際は要注意です。「期間短縮型」より「返済額軽減型」を選ぶことで控除継続が可能です。

親からの借入で家を買った場合は?

親族(直系尊属含む)からの借入は住宅ローン控除の対象外。金融機関(銀行・住宅金融支援機構・信用金庫等)からの借入であることが要件です。ただし「直系尊属からの住宅取得等資金の贈与税非課税措置」は別制度で適用可能です。

初年度の確定申告に必要な書類は?

①住宅借入金等特別控除額の計算明細書、②住民票、③登記事項証明書、④売買契約書または請負契約書の写し、⑤住宅ローンの年末残高等証明書、⑥住宅性能証明書(該当の場合)、⑦マイナンバー確認書類・本人確認書類、が基本セットです。e-Taxで申告すれば一部書類の添付を省略できます。

年末調整で住宅ローン控除できるのはいつから?

2年目以降。初年度は必ず自分で確定申告し、その後税務署から「住宅借入金等特別控除申告書」(残り年数分を一括送付)が届きます。2年目以降はそれに年末残高証明書を添付して、勤務先の年末調整時に提出すれば控除が完結します。

住宅ローン控除と、すまい給付金は併用できる?

併用可能でした(すまい給付金は2021年12月引渡し・2022年12月契約分で終了)。後継の「こどもエコすまい支援事業」など各種補助金・給付金と住宅ローン控除は原則併用可能ですが、購入予定時期に適用可能な制度を国土交通省・自治体窓口で必ず確認してください。

省エネ基準を満たさない新築でも控除を受けられる?

2024年1月1日以降の入居では、省エネ基準(断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4)を満たさない新築住宅は原則として控除の対象外です。ただし2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または2024年6月30日以前に建築された住宅であれば、借入限度額2,000万円・控除期間10年という縮小された枠で控除を受けられる経過措置があります。この場合は床面積50m²以上が必要で、40m²の緩和特例は使えません。契約前に建設住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書で等級を確認してください。

控除期間中に引っ越したら控除は打ち切られる?

その年の12月31日時点でその住宅に居住していることが要件のため、転居した年から控除は受けられなくなります。売却・賃貸に出した場合も同様で、その後戻っても原則として復活しません。例外は単身赴任で、本人が転居しても配偶者や扶養親族が引き続きその住宅に住んでいれば控除は継続できます。また、やむを得ない転勤で家族全員が転居した場合には、所定の届出を行っておくことで帰任して再入居した年以降の残存期間について控除を再開できる取扱いがあります。転勤が決まったら、転居前に税務署へ「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を提出しておくのが確実です。

控除しきれなかった分は翌年に繰り越せる?

繰り越せません。住宅ローン控除はその年の所得税額が上限で、引ききれない分は翌年度の住民税から控除されますが(課税総所得金額等の5%・上限97,500円)、そこでも使い切れなかった分は消滅します。借入残高が大きくても所得税・住民税が少なければ満額は受けられないということです。ペアローンや連帯債務で持分を按分する際は、それぞれの納税額に対して控除枠が過大になっていないかを事前に試算しておくと無駄がありません。