社会保険料シミュレーター|定時決定・随時改定・賞与時上限まで対応|協会けんぽ都道府県別料率【2026年版】
月額給与・通勤手当・賞与年額・都道府県・年齢を入力すると、健康保険・厚生年金・介護保険・雇用保険の本人負担額・事業主負担額を精密計算します。標準報酬月額の決定ロジック(4-6月平均→9月改定/2等級差3か月継続の随時改定)、賞与時の標準賞与額(1,000円未満切捨・上限あり)、40歳到達時の介護保険加算まで完全対応。事業主負担分の可視化で「実質年収」を見える化します。
社会保険料シミュレーター
計算プロセス(内訳)
賞与時保険料の内訳
| 項目 | 標準賞与額 | 本人料率 | 本人負担 | 事業主負担 |
|---|
結果の見方
社会保険料は「標準報酬月額」という区分値を基準に決まるため、実際の給与から直接何%と計算するわけではありません。月々の給与が299,000円でも300,000円でも、同じ標準報酬月額(30万円等級)に括られる限り保険料は同額です。
- 月額本人負担:健保+厚年+介護(40歳以上)+雇用の合計。額面月給35万円・東京在住・40歳未満なら月々約5.3万円が天引きされます。
- 標準報酬月額:4月〜6月の3か月平均から決定し、9月分から翌年8月分まで適用(定時決定)。給与が2等級以上変動して3か月継続すれば途中で改定(随時改定)。
- 事業主負担:健保・厚年・介護は労使折半、雇用保険は事業主のほうが大きい。一般に「事業主が労働者と同額以上を負担」しており、企業が支払う「実質年収」は本人手取りの1.5倍前後になります。
- 賞与時保険料:賞与額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に月給と同じ料率をかけて算出。1回あたり健保573万・厚年150万の上限あり。
計算の仕組みと数式
健康保険料(協会けんぽ)
健康保険料(本人)= 標準報酬月額 × 都道府県別料率 ÷ 2
2026年3月分(4月納付)以降の協会けんぽ料率は都道府県ごとに9.35%(新潟)〜10.35%(福岡・佐賀)と1%程度の幅があります。組合健保はさらに別料率で、規約により本人負担率が労使折半より軽減されているケースもあります。
厚生年金保険料
厚生年金保険料(本人)= 標準報酬月額 × 18.3% ÷ 2 = 標準報酬月額 × 9.15%
2017年9月以降18.3%で固定(労使折半9.15%ずつ)。標準報酬月額の上限は65万円(32等級)、下限は8.8万円。月給100万円でも標準報酬月額は65万円で頭打ちとなり、厚年保険料は本人59,475円が最大です。
介護保険料(第2号被保険者)
介護保険料(本人)= 標準報酬月額 × 1.60% ÷ 2 = 標準報酬月額 × 0.80%
40歳の誕生日の前日を含む月から徴収開始。65歳到達で第1号被保険者となり、市区町村から所得段階別に年額徴収されます(給与天引きなし)。
雇用保険料
雇用保険料(本人)= 月次給与総額(賞与含む) × 事業区分別料率
2026年度は一般事業6/1,000、農林水産・清酒製造7/1,000、建設7/1,000(労働者負担分)。健保・厚年と異なり標準報酬月額ではなく実際の給与額に料率を掛けます。
標準報酬月額の決定ロジック
定時決定(算定基礎届)
毎年4月・5月・6月に支払われた報酬(残業手当・通勤手当・住宅手当含む)の平均を7月10日までに「算定基礎届」で提出。決定された標準報酬月額はその年の9月分から翌年8月分まで適用されます。4月に昇給した人は6月支給までに反映され、標準報酬月額は上がりやすい構造です。
随時改定(月額変更届)
次の3条件すべてを満たすと、途中で標準報酬月額が改定されます(定時決定を待たない)。
- 昇給・降給などで固定的賃金が変動した
- 変動月からの3か月間の平均で標準報酬月額が2等級以上変動した
- 3か月とも支払基礎日数が17日以上ある
例:月給30万円(22等級)から36万円(25等級)に昇給し3か月連続で支給されれば、4か月目から新等級で計算。逆に減給時も同様で、給与ダウン後は保険料も速やかに下がります。
資格取得時決定と産前産後休業終了時改定
入社時は初任給を「報酬月額」として1か月分から等級決定。産休・育休明けは3か月平均が1等級でも変動していれば「産前産後休業終了時改定」で標準報酬月額を下げられます(申請必要)。
標準報酬月額表(主要な区分)
| 等級(厚年) | 標準報酬月額 | 報酬月額の範囲 |
|---|---|---|
| 1 | 88,000円 | 〜93,000円未満 |
| 10 | 200,000円 | 195,000〜210,000円未満 |
| 17 | 280,000円 | 270,000〜290,000円未満 |
| 22 | 360,000円 | 350,000〜370,000円未満 |
| 27 | 470,000円 | 455,000〜485,000円未満 |
| 30 | 590,000円 | 575,000〜605,000円未満 |
| 32(上限) | 650,000円 | 635,000円以上 |
ケーススタディ:月給別の保険料負担
① 若手一般職:月給25万円/東京/28歳/扶養なし
入社数年目の一般的な水準。— が月額本人負担。標準報酬月額26万円で、健保約13,000円・厚年約24,000円・雇用1,500円。介護保険はまだ発生せず。手取り率は約85%。
② 中堅:月給35万円/東京/35歳/扶養1人
係長〜課長クラスの一般水準。—。標準報酬月額36万円で健保・厚年合計が月々5万円台。扶養1人でも本人保険料は同額(人頭割なし)。
③ 管理職:月給50万円/東京/45歳/介護保険該当
部長クラスかつ介護保険該当。—。40歳以上で介護保険0.80%(本人分)が上乗せされ、月給35万円のときより保険料負担が「介護分+等級上昇」の二重で重くなる。
④ 高収入:月給75万円/東京/50歳
執行役員・専門職クラス。—。標準報酬月額75万円(健保上限相当・厚年は65万円で頭打ち)。厚年59,475円が上限に張り付き、健保だけが等級上昇に比例して増える構造。
⑤ 経営層:月給100万円/東京/50歳
役員・経営層クラス。—。月給100万円でも厚生年金は標準報酬月額65万円で天井(本人59,475円)、健保は139万円等級まで存在するため負担が増える。事業主負担も同額発生する点に注意。
賞与時の保険料
賞与にも社会保険料がかかります。ただし月給とは別ロジックで計算するため、賞与額が大きい場合は上限規制の恩恵を受けられます。
標準賞与額の計算
標準賞与額 = 支給額から1,000円未満切捨
健保上限:年度累計573万円
厚年上限:支給1回あたり150万円
介護上限:健保と同じ年度累計573万円
健保は「年度(4月〜翌年3月)累計」で上限管理、厚年は「1回ごと」の上限管理と、上限の考え方が異なる点に要注意。
賞与時保険料の実際
- 賞与100万円・東京・40歳未満:健保約49,900円・厚年約91,500円・雇用6,000円 → 本人負担合計約14.7万円/同額を事業主も負担
- 賞与200万円・東京・40歳未満:厚年は150万円で頭打ち・本人137,250円、健保は約99,800円 → 本人負担合計約25万円
- 賞与500万円・東京・40歳以上:健保は年度累計573万円で頭打ち、厚年は150万円で頭打ち → 上限効果で保険料率は表面ほど高くならない
「賞与集中戦略」の是非
厚年に150万円/回の上限があるため、賞与を年1回で大きく支給すれば厚年保険料を抑えられる…という節約策があります。しかし2003年の総報酬制導入で「賞与も月給と同じ料率」となり、かつ将来の年金額は標準賞与額も算入されるため、賞与を抑えると将来の年金額が下がります。事業主にとっては短期の保険料節減効果、労働者にとっては将来の年金減少というトレードオフです。
扶養と40歳前後の変化
健康保険の扶養に入る条件
- 年間収入130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)
- 被保険者の年収の1/2未満(同居時)
- 被保険者と生計維持関係にある
被扶養者が何人いても被保険者本人の健保料は変わらず、被扶養者は保険料負担ゼロで健保サービスを受けられます(国民健康保険との最大の違い)。ただし配偶者の場合、健保の被扶養者になっても厚年の第3号被保険者手続きは別途必要です(会社経由で年金事務所へ)。
106万円の壁と130万円の壁
- 106万円の壁:週20時間以上・月収88,000円以上・従業員51人以上(2024年10月〜)で本人が社会保険加入対象。
- 130万円の壁:家族の健保扶養から外れる収入基準。2025年時点で暫定的な「連続2年まで超えてもOK」措置あり。
- 174万円の壁:配偶者特別控除38万円(満額)が段階的に縮小し始める所得税の壁(2026年分・令和8年分。改正前は150万円)。社会保険とは別軸で、上限は207万円(改正前は201万円)。
40歳と65歳の変化
- 40歳の誕生月から:介護保険(第2号)の保険料が給与天引きで加算開始。月給30万円なら月約2,400円上乗せ。
- 65歳到達月から:介護保険(第1号)となり、給与天引きから市区町村徴収に切り替わり。所得段階別で月額数千円〜1万円台。
- 70歳到達月から:厚生年金保険料は徴収終了。健保は継続。ただし在職老齢年金の支給停止基準が適用。
- 75歳到達月から:健保も脱退し後期高齢者医療制度に加入。健保保険料はなくなり後期高齢者保険料が発生。
よくある質問(FAQ)
標準報酬月額はどうやって決まりますか?
年1回の「定時決定」(4-6月支給の給与平均→9月改定)と、給与変動時の「随時改定」(固定的賃金の変動+3か月連続で2等級以上変動+3か月とも支払基礎日数17日以上)で決まります。入社時は初任給1か月分から決定、産休明けは「産前産後休業終了時改定」で1等級変動でも下げられる特例あり。定時決定の4-6月に残業が多いと年収の実態以上に高い等級で1年間固定されるため、可能なら繁忙期を避けたい。
定時決定と随時改定の違いは何ですか?
定時決定は年1回、全社員一斉に4-6月平均で標準報酬月額を決定し9月分から適用。随時改定は昇給・降給の都度、変動月+3か月平均で2等級以上動いた場合のみ改定。昇給幅が大きい人(20万→25万など)は数か月で標準報酬月額が上がりますが、微小な昇給(1〜2万円)では1等級以内におさまり、次の定時決定まで反映されない場合もあります。
賞与にも社会保険料はかかりますか?
かかります(2003年の総報酬制導入以降)。賞与額から1,000円未満切捨した「標準賞与額」に、月給と同じ料率(健保9〜10%・厚年18.3%・介護1.6%を折半+雇用0.6%)をかけて算出。ただし健保は年度累計573万円、厚年は1回150万円が上限です。100万円の賞与なら本人負担は約14.7万円(東京40歳未満)。事業主も同額を負担するため、労使合計で約29万円が賞与額の実質コスト。
40歳になると保険料はどれくらい上がりますか?
40歳の誕生日の前日が属する月から介護保険料(本人0.80%)が加算されます。標準報酬月額30万円なら月々+2,400円、賞与年120万円なら+9,600円で年間合計約3.9万円の負担増。事業主も同額を追加負担します。65歳到達で給与天引きは止まりますが、市区町村から所得段階別に年額徴収に切り替わるだけで、負担そのものは続きます。
扶養家族が増えると本人の保険料は変わりますか?
健康保険・厚生年金保険料は変わりません(人頭割なし)。扶養家族が0人でも10人でも、本人の標準報酬月額に応じた保険料は同額。これは国民健康保険(世帯人数×均等割あり)との最大の違いで、共働き→扶養に入る変更は世帯単位で保険料が下がる可能性があります。ただし配偶者を第3号被保険者にする手続きは会社経由で年金事務所への届出が必要です。
月収100万円だと保険料はいくらになりますか?
東京・40歳未満・月給100万円・通勤手当なしの場合、標準報酬月額は健保139万円等級・厚年65万円等級(上限)。本人負担は健保約69,300円・厚年59,475円・雇用6,000円で月合計約13.5万円。厚生年金は月給がこれ以上増えても増えず、健保だけが等級上昇に応じて上限139万円まで増加。事業主負担も同額なので、労使合計で月27万円が社会保険コスト。
都道府県によって保険料はどれくらい違いますか?
健康保険料の労使折半分で最大約1%の差があります。2026年3月分では最安の新潟9.35%〜最高の福岡・佐賀10.35%まで1%の幅。月給30万円で年間比較すると、新潟14,025円 vs 福岡15,525円で年間1,500円の差、月給100万円クラスでは年間5,000円級の差。厚生年金・介護保険は全国一律なので、差が出るのは健康保険料のみです。
個人事業主から会社員になると保険料はどう変わりますか?
国民健康保険+国民年金(月16,980円定額)から、健康保険+厚生年金(労使折半)に切り替わります。年収500万円の個人事業主の場合、国保が世帯構成にもよるが年40〜50万円・国年年20万円で合計60〜70万円が本人全額負担。同じ年収を月給35万+賞与80万で会社員として得ると、本人負担は年約60万円と同水準ですが、事業主が同額を負担するため実質総コストは倍。ただし将来受け取れる年金額は厚生年金加入で大きく増える点がメリット。
社会保険料は所得税・住民税の計算にどう影響しますか?
支払った社会保険料は全額が社会保険料控除として所得から差し引かれます(上限なし・本人分だけでなく生計を一にする家族分も可)。年収600万円で本人保険料100万円なら、100万円分の所得税・住民税がかかりません。所得税率20%+住民税10%のゾーンでは30万円の税金が減る効果。iDeCoや小規模企業共済と同じ「所得控除」型の節税効果があるため、年末調整・確定申告での申告漏れは避けたい。
会社が社会保険に加入させてくれない場合はどうすれば?
社会保険(健保・厚年)は強制加入で、法人事業所(従業員1人でも)と常時5人以上の個人事業所は加入義務があります。加入義務があるのに加入させない事業主は健康保険法・厚生年金保険法違反で6か月以下の懲役または50万円以下の罰金。従業員側は年金事務所(日本年金機構)に加入指導を申し出れば調査が入り、遡って加入・保険料徴収されます。ただし遡及加入時の本人負担分は追徴される点は理解しておく必要があります。
出典・参考資料
- 全国健康保険協会「都道府県毎の保険料額表」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/
- 日本年金機構「標準報酬月額・標準賞与額とは?」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hyojun/20120827.html
- 厚生労働省「令和6年度の雇用保険料率」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/hokenryou/index.html
- 国税庁「No.1130 社会保険料控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm
※本記事の計算結果はあくまで概算です。実際の保険料は組合健保の場合の別料率、賞与年度累計、随時改定の適用可否等で異なります。個別具体的な取り扱いは会社の人事労務担当・年金事務所または社会保険労務士にご相談ください。