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音階⇔周波数 計算ツール|A4=440Hz標準・平均律・純正律・ピアノ88鍵・MIDI・楽器チューニング対応

音階(C・D・E・F・G・A・B と半音を含む12音)と周波数(Hz)を相互変換。ピアノ88鍵の全音周波数、MIDIノート番号(0-127)、セント値、波長、平均律と純正律の違いを網羅。A4基準440Hz(ISO 16国際標準)・442Hz(欧州オーケストラ)・432Hz(ヴェルディピッチ)・415Hz(バロックピッチ)の4基準に対応し、ギター・ヴァイオリン・ピアノ・管楽器のチューニング周波数、DTM/DAWでのMIDIノート指定、シンセ・チューナー校正、絶対音感訓練、ボーカルの音域確認まで、音楽制作・演奏・音響研究の現場実務で頻用する換算指標を、ISO 16「音楽用標準ピッチ」・JIS S 8509「音楽用調律周波数」に基づき解説します。

最終更新:2026-07-26/監修:計算ツールズ編集部

音階⇔Hz 計算機

音階↔周波数の計算式(平均律)

基本式

f = A4基準 × 2^((n - 69) / 12)

n はMIDIノート番号(A4 = 69)、A4基準は国際標準440Hzが基本。平均律(Equal Temperament, 12-TET)では1オクターブで周波数が2倍、1半音で 2^(1/12) = 1.0594631 倍になります。1オクターブ内の12音(半音階)が等比数列で均等分割される調律法で、ピアノ・ギター・シンセなど現代楽器の標準です。

逆変換

n = 12 × log₂(f / A4基準) + 69

周波数からMIDIノート番号を求める式。log₂ は底2の対数(Math.log2(x) または Math.log(x)/Math.log(2))。四捨五入して整数MIDIノート番号を得ます。

セント値(微細な音程差)

1200 × log₂(f2 / f1) = セント値(cent)

1オクターブ = 1200セント、1半音 = 100セント。人間の耳は10セント(0.6%)程度の周波数差を識別できます。楽器チューニングでは基準値からの偏差をセント表示(例:+5cent、-3cent)で確認するのが標準です。

波長との関係

波長 λ [m] = 音速 [m/s] ÷ 周波数 [Hz]

音速は 22℃の空気中で 344.8 m/s、0℃で331 m/s、水中では1500 m/s。A4(440Hz)の波長は空気中で約 78 cm。低音になるほど波長は長くなり(C1=32.7Hzで10.5m)、スピーカー設計・部屋の音響設計・楽器サイズ決定の基礎です。

平均律と純正律の違い

音楽の調律法は歴史的に複数存在し、それぞれ長所と短所があります。現代楽器の標準は平均律ですが、合唱・弦楽アンサンブル・古楽器演奏では純正律や中全音律が使われます。

調律法特徴周波数比使用場面
平均律(12-TET)1オクターブを等比12分割2^(k/12)ピアノ・ギター・シンセの標準
純正律(Just Intonation)単純な整数比で純粋な響き3/2, 4/3, 5/4 等合唱・弦楽アンサンブル
ピタゴラス音律完全五度(3/2)を積み重ね3/2, 9/8, 81/64 等古代ギリシア・中世西洋音楽
中全音律三度を純正、五度を若干下げる-ルネサンス・バロック期
ヴェルクマイスター不等分割で全調演奏可能-バッハ「平均律クラヴィーア曲集」時代

平均律では完全五度がわずかに狭く(-2セント)、長三度がやや広い(+14セント)ため、純正律に慣れた耳には「濁って」聞こえます。反面、平均律はすべての調で均一な演奏可能という圧倒的な実用性から19世紀以降主流になりました。ピアノは調律法により音色印象が大きく変わります。

ピアノ88鍵の周波数早見表(A4=440Hz平均律)

音名周波数(Hz)MIDIピアノ鍵盤用途
A0(最低音)27.50211/88ピアノ最低音・重低音
C132.70244/88コントラバス低音
E141.20288/88ベースギター最低音
C265.413616/88低音域・コントラバス
E282.414020/88ギター6弦(最低弦)
A2110.004525/88ギター5弦・チェロC線
C3130.814828/88男声中音域
D3146.835030/88ギター4弦・ヴィオラC線
G3196.005535/88ギター3弦・ヴァイオリンG線
A3220.005737/88中音域・ギター開放弦A
C4(中央のド)261.636040/88ミドルC・楽譜中央
E4329.636444/88ギター1弦・ヴァイオリンD線
A4(標準)440.006949/88チューニング基準
C5523.257252/88高音域・女声
E5659.257656/88ヴァイオリン最高開放
A5880.008161/88ソプラノ高音
C61046.508464/88ハイC・オペラソプラノ
A61760.009373/88ピッコロ音域
C72093.009676/88コロラトゥーラ極限
A73520.0010585/88ピッコロ最高音
C8(最高音)4186.0110888/88ピアノ最高音

主要楽器の音域と開放弦周波数

楽器最低音最高音備考
ピアノA0(27.5Hz)C8(4,186Hz)88鍵標準
ギター(標準EADGBE)E2(82.4Hz)E5(659Hz)21-24フレット
ベースギター(4弦)E1(41.2Hz)E4(330Hz)5弦はB0(30.9Hz)まで
ヴァイオリン(GDAE)G3(196Hz)E7(2,637Hz)最高音は名手のみ
ヴィオラ(CGDA)C3(130.8Hz)E6(1,319Hz)ヴァイオリンの下五度
チェロ(CGDA)C2(65.4Hz)C6(1,047Hz)ヴィオラの下オクターブ
コントラバスE1(41.2Hz)C4(262Hz)5弦はB0(30.9Hz)
フルートC4(262Hz)D7(2,349Hz)ピッコロは1オクターブ上
クラリネット(Bb)D3(146.8Hz)Bb6(1,865Hz)移調楽器
サックス(アルト)Db3(139Hz)Ab5(831Hz)Eb管移調楽器
トランペット(Bb)E3(165Hz)D6(1,175Hz)Bb管移調楽器
人間の声(バス)E2(82Hz)E4(330Hz)
人間の声(テノール)C3(131Hz)C5(523Hz)
人間の声(アルト)G3(196Hz)F5(698Hz)
人間の声(ソプラノ)C4(262Hz)C6(1,047Hz)コロラトゥーラは C7 まで

A4基準(440/442/432/415Hz)の由来

440Hz — ISO 16 国際標準

1939年ロンドン国際会議で440Hz採用、1955年ISO 16として国際標準化。現代のほぼ全ての音楽産業・電子楽器・ピアノ調律の基準です。日本ではJIS S 8509「音楽用調律周波数」で採用されています。

442Hz — 欧州オーケストラ

ベルリンフィル・ウィーンフィル・ドイツ主要オケは442-443Hzで演奏。1939年以前は各地域で415〜460Hzとバラつきがあり、より「華やか」に聴かせる高めのピッチが好まれた歴史があります。日本のプロオケも440-442Hzが主流。

432Hz — ヴェルディ・ピッチ

19世紀イタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが「自然に調和する」と推奨したピッチ。近年ニューエイジ音楽・スピリチュアル分野で「宇宙の周波数」として注目されるも、科学的根拠は乏しい。440Hzより31.8セント低い。

415Hz — バロック・ピッチ

17-18世紀バッハ・ヴィヴァルディ時代のヨーロッパで一般的だったピッチ(440Hzより半音低い)。古楽器(ハープシコード・バロックヴァイオリン)演奏の標準。同一楽譜を415Hzで演奏すると、現代ピアノの半音下で響き、独特の暗さと落ち着きが出ます。

人間の可聴域と周波数感覚

周波数帯特徴楽器・生活音
16-20 Hz可聴域下限(振動として感じる)大型パイプオルガン低音・地震
20-60 Hz超低音・重低音(サブベース)コントラバス最低音・キック
60-250 Hz低音(ベース帯域)ベース・チェロ・男声
250-500 Hz中低音ピアノ中音・ボーカル基音
500-2000 Hz中音(音声帯域)会話・楽器メロディ
2000-4000 Hzプレゼンス子音・楽器の明瞭度
4000-10000 Hz高音・キラキラ感シンバル・トライアングル
10000-20000 Hz超高音・空気感倍音・録音品質

加齢による聴力低下:20代 18,000Hz、30代 16,000Hz、40代 14,000Hz(モスキート音が聴こえなくなる)、60代 10,000Hz前後まで。低音側の低下はほぼなく、高音のみが失われます。ヘッドホンの音量過大による難聴(NIHL: Noise-Induced Hearing Loss)は4kHz付近から始まり、若年層でも増加傾向です。

DTM/DAW でのMIDIノート指定

MIDI 1.0 規格ではノート番号 0-127(10オクターブ超)で音階を指定します。C4を「中央のド」と呼ぶ現代規格(Yamaha式)と、C3を中央とする旧規格(Roland式)で1オクターブズレるケースがあります。

MIDIノート音名(Yamaha式)周波数用途
0C-18.18 Hz可聴域外(データ的にのみ存在)
21A027.5 Hzピアノ最低音
60C4(中央のド)261.63 Hz楽譜中央
69A4(標準)440.00 Hzチューニング基準
108C84186 Hzピアノ最高音
127G912,544 HzMIDI最高値

主要DAWの表記:Cubase・Logic Pro・Studio One・GarageBandは「C4=中央のド、MIDI 60」(Yamaha式)。Ableton Live・FL Studio は初期設定でC3=中央だがオプションで切替可能。プラグイン間で表示ズレが発生することがあるため、実際の周波数(Hz)で照合するのが確実です。

業界での応用

🎹 ピアノ調律師

調律師はA4=440Hz(またはピアニストの希望値)を基準に、平均律で全88鍵を調律。倍音の「うなり」を利用した聴覚調律と、Sanderson Verituner等の電子調律器を併用。年1回のメンテナンスで音程を維持します。

🎸 楽器製造・弦メーカー

ギター・ヴァイオリン・チェロの弦は、標準チューニング時の周波数と張力(テンション)で設計。Elixir・D'Addario・Ernie Ball 等が弦の材質・太さ(ゲージ)・巻き線構造で音色を差別化。

🎼 オーケストラ・演奏

コンサート開始前のチューニングでは、オーボエまたはコンサートマスターがA4を提示し、全奏者が合わせる。ドイツ系オケは442-443Hz、米英系オケは440Hz、日本では440-442Hzで揺れる。指揮者の好みも反映。

🎧 DTM/DAW 音楽制作

Cubase/Logic/Ableton 等のDAWでピアノロール入力・シンセ音色作成。MIDIノート番号は0-127、C4=中央のド=MIDI 60が現代標準。ソフト音源のサンプル周波数は44.1kHz/48kHz/96kHz。

🔬 音響研究・聴覚実験

大学の音響研究室・聴覚検査(オージオメトリー)で純音の周波数を制御して聴力を測定。125Hz-8kHz の6-8バンドでdBHL(聴力レベル)を評価。JIS T 1201「オージオメータ」規格準拠。

📻 放送・映画音響

放送用マイク・スピーカーは20Hz-20kHzの周波数特性を確保。映画館(Dolby Atmos)は5-24Hzの超低音まで再生可能。CD規格(44.1kHz)・DVD-Audio(96kHz)・SACD(2.8MHz DSD)で対応可能な周波数上限が異なる。

よくある間違い・注意点

  • A4=440Hz と 442Hz の混在 — 440Hz と 442Hz は約8セントの差。ピアノを440Hzで調律してオケが442Hzだと違和感が生じる。海外オケ客演や欧州録音では事前確認必須です。
  • MIDI ノート番号の中央C表記のズレ — Yamaha式 C4=MIDI 60、Roland式 C3=MIDI 60 と規格が2種類存在。DAW・プラグイン間で音符が1オクターブズレる原因。周波数(Hz)表示で照合が確実。
  • 移調楽器の実音とスコア表記の混同 — Bbクラリネットの「ドの音」は実音Bb(233Hz)。譜面のCと実際の周波数が異なる。スコア読み・移調計算で頻繁にミスします。
  • 平均律と純正律の周波数を同一視 — 純正律のE(5/4×C)は、平均律のE より約14セント低い。合唱・弦楽で純正律を意識するとハーモニーが澄む。ピアノ伴奏との齟齬も生じる。
  • 倍音を単音周波数と混同 — 例:440Hzの弦は倍音として880、1320、1760Hz…も同時に鳴っている。この倍音構造が「音色」を決定。基音のみでは楽器音として認識しにくい。
  • 音速の温度依存を無視 — 音速は 0℃で331 m/s、20℃で343 m/s と2%変化。管楽器(フルート・オルガン)は演奏温度で音程が変わる。オーケストラのステージ温度管理は音程管理でもあります。
  • 「432Hz が体に良い」との誤情報 — 「432Hzが宇宙・DNAの周波数」等のスピリチュアル主張は科学的根拠なし。歴史的・音楽的な選択肢のひとつとして楽しむ分には問題ありませんが、健康効果を謳う商品には注意。

関連する規格

  • ISO 16:1975 ― Acoustics — Standard tuning frequency(音楽用標準ピッチ)。A4=440Hzを国際標準として規定。
  • JIS S 8509 ― 音楽用調律周波数。日本国内でのA4=440Hz採用。
  • MIDI 1.0 Specification ― MIDI Manufacturers Association発行。ノート番号0-127・チャンネル1-16の規格。
  • MIDI 2.0 ― 2020年発表。32bit精度、双方向通信対応の次世代MIDI。
  • ISO 226 ― Acoustics — Normal equal-loudness-level contours(等ラウドネス曲線)。人間の聴覚感度の国際標準。
  • IEC 60268 ― 音響機器の性能規格。周波数特性・SN比・歪率の測定法。
  • JIS T 1201 ― オージオメータ(聴力検査機器)。125Hz-8kHzの純音生成規格。

参考文献・公的資料

より詳細な音響・音楽理論を確認したい場合は、以下の公的機関・学会の資料を参照してください。

※本ツールの計算結果は平均律(12-TET)に基づく理論値です。実際の楽器演奏では、楽器の個体差・温湿度・演奏者の技術で数セント〜数十セント揺れます。プロ用途の調律・演奏では、電子調律器(BOSS TU-3、Peterson StroboClip 等)による実測を推奨します。純正律・古楽器演奏など特殊な調律法については、専門書または演奏家の指導を仰いでください。

よくある質問(FAQ)

A4=440Hz はなぜ標準?

1939年ロンドン国際会議で決定、1955年ISO 16として国際標準化されました。それ以前は地域・時代で415〜460Hzとバラつきがあり、共通のチューニング基準がありませんでした。日本ではJIS S 8509「音楽用調律周波数」で440Hzが採用されています。ピアノ調律・電子楽器・録音のほぼすべてが440Hzを基準とします。

1オクターブと1半音の周波数比は?

1オクターブで周波数2倍(A4=440Hz、A5=880Hz、A3=220Hz)。1半音で 2^(1/12) = 1.0594631倍。12半音積むと 2^(12/12) = 2倍 になり1オクターブと一致します。この等比数列が「平均律」の定義です。

ピアノ88鍵の音域は?

最低音A0(27.5Hz)〜最高音C8(4,186Hz)。7オクターブ+短3度、88鍵。可聴域(20Hz-20kHz)のうち低音側はカバー、最高音は4kHzまで。それより上は倍音成分としてのみ聴こえます。

MIDIノート番号とは?

MIDI規格で音階を数値化した番号(0-127)。A4(440Hz)= MIDI 69、中央のC4 = MIDI 60、C0 = MIDI 12。DAWのピアノロール・シンセの受信で使用。128段階(約10.7オクターブ)まで扱えるためピアノ範囲を余裕でカバーします。

432Hzは本当に良い?

科学的根拠は乏しく音楽的・歴史的な選択肢の一つです。ヴェルディが推奨した歴史的経緯は事実ですが、「宇宙のDNA周波数」「体を癒す」等のスピリチュアル主張には査読済みの実証データがありません。楽しむ範囲では自由ですが、健康商品などの過度な効能表示は要注意。

ギターの標準チューニングは?

低音弦から順に E2(82.41Hz)・A2(110Hz)・D3(146.83Hz)・G3(196Hz)・B3(246.94Hz)・E4(329.63Hz)。「EADGBE」で覚えます。ドロップD、Open G、Nashville tuning 等の変則チューニングも多数あります。

ヴァイオリンの弦は何Hz?

低音側から G3(196Hz)・D4(293.66Hz)・A4(440Hz)・E5(659.25Hz)。A線が国際標準A4=440Hzで、最初にA線を合わせ、他弦は完全五度でチューニング。ヴィオラは1オクターブ+完全四度下(C3・G3・D4・A4)、チェロはさらに1オクターブ下。

「セント」とは?

1オクターブを1200等分した音程単位で、1半音=100セント。人間の耳は10セント程度(0.6%の周波数差)を識別できます。楽器チューニング時にチューナーで「+5cent」等と表示され、5セントより誤差が大きければ調弦が必要です。

絶対音感とは?

基準音なしに特定の音を「これはC」と識別できる能力。幼少期(4-7歳)の音楽教育で身につくとされ、成人後の獲得は困難。プロ演奏家の割合は 12-15%程度、日本ではソルフェージュ教育の影響で高め。相対音感(音程を比較して識別)は誰でも訓練で習得可能です。

倍音とは何か?

基音の整数倍の周波数成分。440Hz(基音)の場合、880Hz(第2倍音、1オクターブ上)、1320Hz(第3倍音、完全五度上のオクターブ上)等が同時発音され、この構成が楽器の音色(音質)を決定します。弦楽器・管楽器の音は倍音豊富、正弦波(シンセ)は倍音ゼロで無機質。

可聴域の年齢別変化は?

20代 18,000Hz、30代 16,000Hz、40代 14,000Hz(モスキート音が聴こえなくなる目安)、60代 10,000Hz前後。低音側の変化はほぼなく、高音のみ徐々に失われます。ヘッドホン音量過大による難聴(NIHL)は4kHz付近から始まり、若年層でも増加傾向。

純正律と平均律の違いを聴き比べるには?

YouTube 検索「Just intonation vs Equal temperament」で多数の比較音源が視聴可能。ハ長調のC-E-G和音では、純正律の方が「純粋な響き」に感じられます。ただし転調すると調子外れになるため、現代楽器では平均律が実用的です。