計算ツール
音声ビットレートMP3/AAC/FLAC配信

音声ビットレート・ファイル容量 計算ツール|MP3・AAC・FLAC・ハイレゾの容量と通信量を算出

音声ファイルのビットレート(kbps)と時間(分)から、ファイル容量(MB/GB)・1時間あたりデータ量・月間通信量を無料計算。MP3・AAC・Opus・FLAC・ALAC・WAV・ハイレゾ(24bit/96kHz)まで主要フォーマットを網羅。CD音源リッピング・音楽ストリーミング(圧縮/ロスレス/ハイレゾ)・podcast配信・DTMマスタリングの実務用途に対応し、ISO/IEC 14496 AAC・ISO 11172 MP3・IEC 60908(CD音質)などの国際規格に照らして解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

音声ビットレート・容量 計算機

計算式と単位

基本式

ファイル容量(MB) = ビットレート(kbps) × 時間(秒) ÷ 8 ÷ 1024

1kB = 1000バイト、1KiB = 1024バイト(IEC規格)

音声ファイルの容量はビットレート×時間÷8(ビット→バイト変換)で算出。実務では1024で割り切ってMB表記する慣習が主流で、本ツールもこれに準拠します。ヘッダ・メタデータで実サイズは1〜3%増える場合があります。

非圧縮(PCM)の理論値

PCMビットレート = サンプリングレート × ビット深度 × チャンネル数

CD音質(44.1kHz/16bit/2ch)は 44,100 × 16 × 2 = 1,411,200bps = 1,411kbps。1分あたり約10.34MB、1時間で620MB。ハイレゾ96kHz/24bitでは3.5倍(1時間2.15GB)、192kHz/24bitでは7倍(1時間4.3GB)の容量になります。

可変ビットレート(VBR)の平均値

VBRエンコード(MP3の高品質エンコーダやAAC等)では音源の複雑度に応じてビットレートが変動。無音区間で低く、複雑な楽曲で高くなります。ツールで指定するのは平均ビットレート(ABR)で概算計算になります。

ビットレート・サンプリングレート・ビット深度の違い

3つの音質指標の関係を整理します。混同すると要件定義でミスします。

指標意味単位音質への影響
サンプリングレート1秒あたりの音波サンプル数Hz (44.1kHz/48kHz/96kHz等)高周波(高音)の再現性
ビット深度1サンプルあたりのビット数bit (16/24/32)ダイナミックレンジ(音量幅)
チャンネル数音声の空間情報1(モノ)/2(ステレオ)/6(5.1)空間的な広がり
ビットレート(圧縮)1秒あたりのデータ量kbps圧縮後の実質音質
フォーマット圧縮方式・コーデックMP3/AAC/FLAC等圧縮効率と互換性

非圧縮音源(WAV/PCM)ではビットレート=サンプリングレート×ビット深度×チャンネル数で一意に決まりますが、圧縮フォーマット(MP3/AAC/Opus)ではビットレートは独立指定できます。人間の可聴域は20Hz〜20kHz、CD音質(44.1kHz)はナイキスト定理により22.05kHzまで再現可能で、可聴域を十分カバーします。

主要フォーマットの音質と容量

1時間分のステレオ音源での容量目安。ロスレスとロッシー(不可逆圧縮)の違いにも注意。

フォーマットビットレート例圧縮方式1時間容量用途
WAV(非圧縮PCM)1,411kbps(CD)非圧縮約620MBマスタリング・アーカイブ
AIFF1,411kbps非圧縮約620MBDAWでの編集・制作
FLAC(ロスレス)800〜900kbps可逆圧縮約360〜400MB音源保存・ハイレゾ配信
ALAC(ロスレス)800〜900kbps可逆圧縮約360〜400MB端末メーカー系アプリのロスレス配信
MP3128kbps非可逆圧縮約56MBラジオ・ポッドキャスト
MP3320kbps非可逆圧縮約140MBMP3最高音質
AAC256kbps非可逆圧縮約112MB音楽配信・動画配信の標準
Opus64〜128kbps非可逆圧縮約28〜56MBWeb通話・ボイスチャット・動画配信
OGG Vorbis192kbps非可逆圧縮約84MBゲーム音源・オープンソース
ハイレゾFLAC 24/964,608kbps可逆圧縮約2GBハイレゾ配信・オーディオファイル
ハイレゾFLAC 24/1929,216kbps可逆圧縮約4GBスタジオマスター・SACD相当
DSD(DSD64/2.8MHz)約5,600kbps1bitΔΣ約2.5GBSACD・DSD配信
DSD(DSD128)約11,200kbps1bitΔΣ約5GBハイエンド配信

配信サービスのタイプ別ビットレート

2026年時点の主要ストリーミングサービスを、提供元のタイプ別に整理した標準・最高音質です。通信量の見積りに活用してください。

サービスのタイプ標準品質最高音質1時間通信量
無料プランのある定額配信(圧縮音源中心)96/160kbps (Ogg Vorbis系)320kbps (最高品質設定)約140MB
端末メーカー系の定額配信256kbps AACロスレス44.1/16 ALAC / ハイレゾロスレス192/24140MB〜4GB
大手EC系の定額配信256kbps AACハイレゾロスレス(FLAC 192/24まで)140MB〜4GB
動画プラットフォーム系の音楽サービス128kbps AAC256kbps AAC約112MB
動画プラットフォーム(動画の音声トラック)128kbps AAC(Opus 64kbps)384kbps AAC約170MB
高音質特化の定額配信(欧州系)320kbps AACロスレス/ハイレゾ 24/96140MB〜2GB
ハイレゾ特化の定額配信320kbps MP3FLAC 24/192140MB〜4GB
ハイレゾ音源のダウンロード販売FLAC 24/192最大4GB
メッセージアプリ系の音楽配信(国内)192kbps AAC320kbps AAC約140MB
国内独立系の定額配信128kbps AAC320kbps AAC約140MB

月間30時間のリスニングで、標準品質(256kbps)なら約3.4GB、ロスレス(FLAC 24/96)では60GBの通信量。モバイル回線の月間データ制限(3〜30GB)と比較して、Wi-Fi環境かオフライン再生の設計が必要です。

ストレージ設計とアーカイブ

スマホ・ポータブル機器の設計

スマートフォンのストレージ余裕を256GBとした場合、AAC 256kbpsで約2,000時間、FLAC(CD音質)で約400時間、ハイレゾ96/24で約120時間分の音源を持ち歩ける計算。オフライン再生を前提とするなら、ロスレス配信サービスの利用は256GB以上の端末が推奨。

NAS・アーカイブ設計

音源コレクション1万曲(平均4分・FLAC CD音質)は約400GBが目安。RAID1/RAID5構成で1〜2TB×2〜4台のNASが必要。バックアップは3-2-1ルール(3コピー・2媒体・1オフサイト)を推奨。

配信/ラジオ配信の帯域

1同時接続あたり音声128kbpsで16KB/秒。1,000人同時接続で16MB/秒=128Mbps帯域が必要。CDNサービスを使うと配信コストは概ね円/GB単位で課金されます。

業界・現場での使い方

音楽ストリーミング配信

主要な音楽ストリーミングサービスへの楽曲納品はマスターWAV(24/48または24/96)で入稿し、各サービス側で自動的にAAC/FLACへエンコード。原盤ファイルは96kHz/24bit以上を推奨(ラウドネス基準-14LUFS)。

ポッドキャスト・ラジオ配信

音声中心のポッドキャストは64〜128kbps(モノラルは半分)で十分。RSSフィード配信ではファイル容量を50MB以下に抑えるとリスナー環境で快適(1時間番組は128kbps以下)。

DTM・DAWでのマスタリング

録音・編集は96kHz/24bit以上のWAVで作業し、書き出しは配信仕様(44.1kHz/24bit WAV)へダウンサンプル。主要なDAWソフトはいずれも標準対応しています。

アーカイブ・レコード会社

マスタ音源はWAV 96kHz/24bit以上(可能なら192kHz/32bit)で長期保存。FLACの可逆圧縮で40%容量削減できるため、長期アーカイブはFLAC化が現実解。

放送(地上デジタル・BS/CS)

地上デジタル音声はMPEG-2 AAC 128〜384kbps。BS4K/8K放送はMPEG-4 AAC LC/HE-AAC v2で最大12chの高音質配信。放送法・ARIB規格(ARIB STD-B32等)に準拠。

ゲーム音源・映画音声

主要なゲームエンジンではOGG Vorbis/Opusが標準。映画のオブジェクトベース・イマーシブ音声では12〜24bit・48/96kHz・7.1.4ch以上のマルチチャンネルになり、ファイル容量は数GB規模です。

ビットレート選定の実務ポイント

用途別の推奨ビットレート

  • 音声通話・電話音質: 8〜32kbps(Opus/AMR)
  • ラジオ・ニュース・ポッドキャスト: 64〜128kbps(モノラルは半分)
  • 音楽鑑賞(スマホ・イヤホン): 128〜256kbps AAC
  • 音楽鑑賞(オーディオシステム): 320kbps MP3/AAC以上
  • オーディオファイル向け: FLACロスレス(CD音質以上)
  • スタジオワーク・マスタリング: 24bit/96kHz以上のWAV/FLAC

心理音響(masking)を踏まえた実用値

人間の聴覚特性(周波数マスキング・時間マスキング)を利用し、MP3・AAC・Opusは128〜256kbpsでも「元音源との差を聞き分けられない」レベルまで圧縮可能。ABXテスト(二重盲検)を行うと、多くのリスナーは128kbps以上のAACとCD音質の区別が困難です。

よくある間違い・注意点

  • 「高ビットレート=常に高音質」の誤解 — 128kbps AACと192kbps MP3では、多くの人がAACの方が高音質と感じます。フォーマットの圧縮効率が異なるため、ビットレート同士の直接比較は不適切です。
  • ハイレゾ機器なしでハイレゾ音源 — ハイレゾ音源(24/96)はハイレゾ対応DACと対応ヘッドホン(高分解能ドライバ)がないと恩恵を感じられません。CD音質(16/44.1)から先の差は環境依存。
  • 再エンコードによる音質劣化 — MP3→WAV→MP3のような再エンコードは元のロッシー圧縮ノイズを増幅させます。マスタは常にロスレス(WAV/FLAC)を保持してください。
  • 配信サービスへの再アップロードによる劣化 — アップロード先でさらにエンコードされるため、同じ音源でもサービスごとに音質が異なる。マスタは可能な限り高品質で入稿してください。
  • 1kB=1000B と 1KiB=1024B の混同 — SI単位(1kB=1000B)とバイナリ単位(1KiB=1024B)を混同すると容量計算に約2%の誤差。ストレージ販売表示(SI単位)とOS表示(バイナリ単位)で差が生じます。
  • MPEG-1 Layer3(MP3)の帯域上限 — MP3規格上、320kbpsが上限。それ以上必要ならAAC・FLAC・WAVへの切り替えを。
  • モバイル通信量の見落とし — ロスレスストリーミングは1時間で360MB前後。20GBの月間プランでも56時間で上限到達。オフライン再生の設計が必須。

関連する規格・法規

  • ISO/IEC 11172(MPEG-1) Part 3 ― MP3(MPEG-1 Audio Layer III)の国際規格。1993年制定。日本工業規格 JIS X 6329-3としてJIS化。
  • ISO/IEC 13818(MPEG-2) Part 7 ― MPEG-2 AAC(Advanced Audio Coding)の国際規格。1997年制定。放送用音声の主流。
  • ISO/IEC 14496(MPEG-4) Part 3 ― MPEG-4 AAC LC・HE-AAC・USACの国際規格。デジタル放送・ストリーミングの中核。
  • IETF RFC 6716 ― Opus音声コーデックの仕様。Web通話・低遅延用途の標準。ライセンスフリー。
  • IEC 60908 ― CDフォーマットの国際規格。44.1kHz/16bitステレオ・PCM/CIRC。
  • Xiph.Org FLAC 仕様 ― Free Lossless Audio Codec。オープンソース・ロイヤリティフリー。
  • ARIB STD-B32 ― 一般社団法人 電波産業会の日本デジタル放送音声規格。地上デジタル・BS/CS放送で使用。
  • 電波法・放送法(総務省) ― 日本の放送・通信の基本法。ラジオ配信の周波数割当・技術基準を規定。
  • ITU-R BS.1770 ― ラウドネス測定の国際勧告。-14LUFS(音楽ストリーミング)・-23LUFS(放送)など各業界の目標値。

参考文献・公的資料

より詳細な仕様・調査は、以下の一次資料を参照してください。

※本ツールの計算結果はビットレート・時間からの理論値です。実ファイル容量はヘッダ・メタデータ・可変ビットレート(VBR)による変動で±3%程度の誤差があります。ストリーミング配信の実通信量は、キャッシュ・再バッファリング・広告等の要因で理論値より大きくなる傾向にあります。放送・配信での使用には各サービス提供者のガイドラインと放送法・電波法・著作権法に基づく手続きが必要です。

よくある質問(FAQ)

256kbps・60分の容量はどのくらい?

ステレオ音源で約112MB。CDリッピングMP3の標準や、主要な音楽配信サービスのAAC 256kbpsとほぼ同じ。1時間の音楽アルバムがおおよそこの容量になります。

MP3とAACはどちらが高音質?

同じビットレート(例:128kbps)ではAACが優位。MP3の後継規格として音響心理モデルが改良されており、低〜中ビットレートでは特にAACの音質が明確に上。多くのストリーミングサービスが、高音質帯でAAC系を採用しています。

ハイレゾ音源とCD音質はどれくらい差がある?

物理的なデータ量は96/24が44.1/16の約3.5倍ですが、実際の聴取印象の差はDAC・ヘッドホン・スピーカーの品質に強く依存。ABXテスト(二重盲検)で明確に区別できるリスナーは少数派です。高品質再生環境が前提となります。

ロスレス配信の月間通信量は?

ロスレス対応の定額配信サービスで、CD音質(FLAC 16/44.1)なら1時間約360MB。月30時間で約11GB。ハイレゾ(24/96)なら60GB。ロスレスをストリーミングする場合はWi-Fi環境か大容量モバイルプラン推奨。

ポッドキャスト配信のビットレートは?

音声中心のポッドキャストは64kbps AACモノラル or 128kbps MP3ステレオが標準。1時間番組で約28〜56MB。主要なポッドキャスト配信プラットフォームの推奨は128kbps以下です。

DTMマスタリングの推奨設定は?

制作は96kHz/24bit WAVで作業、書き出しは44.1kHz/24bit(または16bit) WAVで配信サービスへ入稿。ストリーミングサービス側でAAC/FLACに自動変換されます。ラウドネスは-14LUFS(音楽ストリーミング)前後を目標。

DSDとPCMの違いは?

DSDは1bitΔΣ変調(SACD採用)、PCMは16〜32bitの多bitサンプル。DSD64(2.8MHz)は聴感的にはCD音質を上回りますが、編集不可・再生機器限定でオーディオファイル向け。実用性ではPCM(WAV/FLAC)が主流です。

動画プラットフォームの音声はどの規格?

2026年時点の主要な動画プラットフォームは、Opus(64/128kbps)またはAAC(128/384kbps)を使います。480p以下ではOpus 64kbps、1080p以上ではOpus 128kbpsが選択されることが多いです。動画とは別に音声トラックがストリーミングされます。

定額配信の最高音質と標準音質の違いは?

圧縮音源中心のサービスでは最高音質=320kbps Ogg Vorbis、標準=160kbps、無料プラン=96kbpsという段階が一般的。データ量が2倍になりますが、明確な音質差を感じるかは再生環境しだい。Wi-Fi環境なら最高音質設定を推奨します。

可変ビットレート(VBR)は固定より良い?

音源によります。無音区間や単純な音は低ビットレート、複雑な楽曲は高ビットレートに自動調整され、平均で同ファイル容量でも音質向上。MP3の高品質エンコーダのVBR最高設定やAAC VBRは、高品質エンコードの標準になっています。

Bluetoothイヤホンで送れる音質は?

コーデック依存。SBC=328kbps、AAC=250kbps、aptX=352kbps、aptX HD=576kbps、LDAC=990kbps。送信元がハイレゾ音源でも、コーデック上限までダウンサンプル。ハイレゾ体験にはLDACかLC3の対応機器が必要。

ストレージ容量とビットレートの目安は?

スマホ256GBなら、AAC 256kbpsで約2,000時間・約30,000曲。FLAC(CD音質)なら400時間・6,000曲。ハイレゾ(24/96)なら120時間・1,800曲。使い方に応じたビットレート選定でストレージ効率化を。