遺族年金 計算ツール|遺族基礎・遺族厚生年金・中高齢寡婦加算の月額・年額を家族構成別に即算出
配偶者・子・親が亡くなった際に支給される遺族基礎年金(国民年金・年81.6万円+子加算)と遺族厚生年金(厚生年金・報酬比例年金の3/4)を、故人の平均標準報酬月額・加入期間・遺族の家族構成から即時計算する完全無料ツール。中高齢寡婦加算(40歳以上65歳未満の子のない妻に年61.2万円)、寡婦年金(第1号被保険者の妻が60〜65歳に受給)、死亡一時金(保険料納付月数36ヶ月以上)まで網羅し、故人の職業(自営業/会社員/公務員)・遺族の年齢と続柄・扶養状況ごとに月額と年額を可視化。日本年金機構・厚生労働省の公式支給基準に基づき、失権事由(再婚・養子縁組・子の18歳到達)・非課税扱い・生命保険との調整・遺族への手続案内(死亡届・年金請求書)まで解説します。共働き世帯の想定外の生活費不足リスクを可視化し、生命保険・所得補償保険の必要保障額算定にも活用可能です。
遺族年金 計算機
遺族年金の全体像
日本の遺族年金制度は、故人が加入していた公的年金の種類(国民年金/厚生年金)と遺族の状況によって受給できる年金が異なります。
| 年金種別 | 故人の加入年金 | 主な受給者 | 令和6年度支給額 |
|---|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 国民年金(全被保険者) | 18歳未満の子のいる配偶者・子 | 年81.6万円+子加算 |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金(会社員・公務員) | 配偶者・子・父母・孫・祖父母 | 報酬比例年金額×3/4 |
| 中高齢寡婦加算 | 厚生年金 | 40歳以上65歳未満の妻(子なし又は子18歳到達後) | 年61.2万円 |
| 経過的寡婦加算 | 厚生年金 | 65歳以上の妻(生年月日により減額) | 年0〜61.2万円 |
| 寡婦年金 | 国民年金第1号 | 10年以上納付した夫の妻(60〜65歳) | 夫の老齢基礎年金×3/4 |
| 死亡一時金 | 国民年金第1号 | 3年以上納付し年金を受給前に死亡 | 納付月数に応じ12〜32万円 |
会社員・公務員(第2号被保険者)が死亡した場合は遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給可能。自営業者・専業主婦(第1号・第3号被保険者)の死亡では遺族基礎年金のみ(子ありの場合)となります。
遺族基礎年金の計算
支給要件
- 故人が①国民年金被保険者、②被保険者だった60〜65歳未満、③老齢基礎年金の受給資格期間25年以上を満たしていた者、のいずれかに該当
- 保険料納付済期間+免除期間が加入期間の2/3以上(納付要件)
- 受給者は「18歳未満の子のある配偶者」または「18歳未満の子」
支給額(令和6年度)
年額 = 81万6,000円 + 子の加算
子の加算額
| 加算対象 | 加算額(年) |
|---|---|
| 1人目・2人目の子 | 各23万4,800円 |
| 3人目以降の子 | 各7万8,300円 |
支給例
- 配偶者+子1人:81.6万円 + 23.5万円 = 年105.1万円(月8.76万円)
- 配偶者+子2人:81.6万円 + 23.5万円×2 = 年128.6万円(月10.7万円)
- 配偶者+子3人:81.6万円 + 23.5万円×2 + 7.8万円 = 年136.4万円(月11.4万円)
子は18歳到達年度末(3月31日)で対象外となります。障害等級1・2級の子は20歳未満まで対象となります。
遺族厚生年金の計算
支給要件
- 故人が厚生年金被保険者中の死亡
- 厚生年金被保険者だった者が資格喪失後、初診日のある傷病で5年以内に死亡
- 1級・2級の障害厚生年金受給者の死亡
- 老齢厚生年金の受給資格期間25年以上の者の死亡
支給額(報酬比例年金額×3/4)
報酬比例年金額 = 平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 平成15年3月以前の加入月数
+ 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 平成15年4月以降の加入月数
遺族厚生年金 = 報酬比例年金額 × 3/4
短期要件(加入25年未満)の場合の最低保証
厚生年金加入期間が25年(300月)未満でも、遺族厚生年金の計算では300月(25年)加入とみなして計算されます(最低保証月数)。若くして亡くなった被保険者の遺族保護のための特例です。
支給例
平均標準報酬額35万円・厚生年金加入20年(240月→300月みなし)の場合:
- 報酬比例年金額:350,000 × 5.481/1000 × 300 = 約575,505円/年
- 遺族厚生年金:575,505 × 3/4 = 約431,629円/年(月約36,000円)
この額に遺族基礎年金(子ありなら年105〜136万円)を加えると、月18〜24万円の遺族年金となります。
中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算
中高齢寡婦加算
夫の死亡当時に40歳以上65歳未満で子のない妻、または子が18歳到達し遺族基礎年金を失権した妻に対し、65歳になるまで遺族厚生年金に年61万2,000円(令和6年度)が加算される制度です。
受給要件
- 故人が厚生年金の長期加入者(原則20年以上)または短期要件に該当
- 妻が40歳以上65歳未満
- 子(18歳未満)と生計同一関係がない、または子が18歳到達により遺族基礎年金を失権
経過的寡婦加算
妻が65歳に達すると中高齢寡婦加算は打ち切られ、代わりに自分自身の老齢基礎年金を受給しますが、昭和31年4月1日以前生まれの妻は経過的寡婦加算(生年月日別に減額された加算額)が支給されます。昭和31年4月2日以降生まれの妻は経過的寡婦加算なし。
支給例
45歳の妻・子なし・夫死亡(厚生年金加入25年、平均標準報酬額40万円):
- 遺族基礎年金:0円(子なし)
- 遺族厚生年金:40万×5.481/1000×300月×3/4 = 約49.3万円/年
- 中高齢寡婦加算:61.2万円/年
- 合計:約110.5万円/年(月9.2万円)を65歳まで20年間受給
寡婦年金・死亡一時金(国民年金独自給付)
寡婦年金
国民年金第1号被保険者として保険料納付済期間+免除期間10年以上の夫が死亡したとき、10年以上婚姻関係のあった60歳以上65歳未満の妻に、夫の第1号被保険者としての老齢基礎年金額の3/4が支給されます。
寡婦年金の受給要件
- 夫の保険料納付済期間+免除期間が10年以上(2021年4月改正・以前は25年)
- 妻が10年以上継続して夫と婚姻関係(事実婚含む)
- 妻が繰上げ支給の老齢基礎年金を受けていない
- 夫が障害基礎年金または老齢基礎年金を受給していない
死亡一時金
国民年金第1号被保険者として保険料を36月(3年)以上納付した者が、老齢基礎年金・障害基礎年金いずれも受給せずに死亡した場合、生計同一の遺族(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹)に一時金が支給されます。
| 保険料納付月数 | 死亡一時金額 |
|---|---|
| 36月以上180月未満 | 12万円 |
| 180月以上240月未満 | 14万5,000円 |
| 240月以上300月未満 | 17万円 |
| 300月以上360月未満 | 22万円 |
| 360月以上420月未満 | 27万円 |
| 420月以上 | 32万円 |
寡婦年金と死亡一時金はいずれか一方の選択(両方は受給不可)。付加保険料納付済3年以上ある場合は死亡一時金に8,500円加算。
受給要件と受給権者の順位
遺族厚生年金の受給権者の順位
- 妻・夫(55歳以上、支給は60歳から)・18歳未満の子
- 父母(55歳以上、支給は60歳から)
- 孫(18歳未満)
- 祖父母(55歳以上、支給は60歳から)
順位が上位の者がいる場合、下位順位者は受給不可。妻については年齢制限なし(30歳未満の子のない妻は5年間の有期支給)。
30歳未満の子のない妻の特例
夫死亡時に30歳未満・子のいない妻は、遺族厚生年金が5年間の有期給付となります(35歳到達で失権)。ただし夫死亡から5年以内に子を出産等で遺族基礎年金の受給権を得ればその時点から終身給付に切替。
納付要件
故人が死亡日の前々月まで保険料納付済期間・免除期間の合計が加入期間の2/3以上あること(原則)、または死亡日前1年間に保険料の未納がないこと(特例、令和8年3月末までの死亡)。
失権事由(再婚・養子縁組・18歳到達)
遺族年金の受給権は、次のいずれかに該当すると失権(受給権消滅)します。
共通の失権事由
- 死亡(受給権者本人が死亡した場合)
- 婚姻(再婚、事実婚含む)— 配偶者の受給権消滅
- 養子縁組(直系血族・直系姻族以外との養子縁組)
- 離縁により死亡した者の親族関係が消滅
子・孫の失権事由
- 18歳到達年度末(3月31日)到達
- 婚姻
- 養子縁組(直系血族・直系姻族以外)
- 障害等級1・2級の子・孫は20歳到達で失権
父母・祖父母の失権事由
- 被保険者の死亡当時、胎児だった子が出生(順位変動)
失権後は速やかに年金受給権者失権届を年金事務所に提出する必要があります。届出遅延で不当受給となった場合、返還請求されるだけでなく、悪質と判断されれば加算金・詐欺罪の適用可能性もあります。
家族構成別 支給額シミュレーション
ケース1:会社員(40歳)死亡・妻35歳・子2人(8歳・5歳)
平均標準報酬額35万円・厚生年金加入18年(300月みなし):
- 遺族基礎年金:81.6万+23.5万×2 = 128.6万円/年
- 遺族厚生年金:35万×5.481/1000×300×3/4 = 約43.2万円/年
- 中高齢寡婦加算:0(子ありのため子18歳到達までは加算なし)
- 合計:約171.8万円/年(月14.3万円) ※子18歳到達で遺族基礎打切+中高齢寡婦加算61.2万加算
ケース2:自営業(45歳)死亡・妻40歳・子1人(10歳)
国民年金第1号(納付済期間20年):
- 遺族基礎年金:81.6万+23.5万 = 105.1万円/年(月8.76万円)
- 遺族厚生年金:0(厚生年金加入なし)
- 子18歳到達で遺族基礎打切→妻は60歳まで無給付、60歳以降寡婦年金の可能性
ケース3:公務員(50歳)死亡・妻45歳・子なし
平均標準報酬額45万円・共済組合加入25年:
- 遺族基礎年金:0(子なし)
- 遺族厚生年金:45万×5.481/1000×300×3/4 = 約55.5万円/年
- 中高齢寡婦加算:61.2万円/年(65歳まで20年間)
- 合計:約116.7万円/年(月9.7万円)
ケース4:単身会社員(35歳)死亡・両親生存(父母とも60歳)
平均標準報酬額30万円・厚生年金加入10年(300月みなし):
- 遺族基礎年金:0(父母は受給不可)
- 遺族厚生年金:30万×5.481/1000×300×3/4 = 約37.0万円/年(父母、60歳から支給)
- 合計:約37.0万円/年(月3.1万円)を父母合算で受給
シーン別の使い方
生命保険 必要保障額の算定
万一の際、遺族が公的年金(遺族基礎+遺族厚生+中高齢寡婦加算)で得られる金額を把握し、不足分を生命保険で埋める設計。子2人ある場合の遺族年金は月14〜17万円程度で、生活費30万円/月なら不足13〜16万円/月を保険でカバー。
相続税・遺産分割の事前準備
遺族年金は相続財産に含まれず(相続税非課税)、遺産分割の対象外。遺族固有の権利として直接受給者に支払われるため、遺産分割協議での争点にはなりません。
ライフプラン・老後資金設計
配偶者死亡後の年金収入を可視化し、老後の生活費・住宅ローン返済計画を再検討。特に共働き→片働きになった場合の収入減を把握して家計運営を調整します。
遺族年金請求手続の準備
故人の死亡後、遺族は年金事務所に年金請求書を提出(一般に5年以内、時効あり)。必要書類(戸籍謄本・住民票・年金手帳・所得証明等)を事前確認し、スムーズな請求手続を実現。
労災遺族補償との調整
業務・通勤中の死亡は労災保険から遺族補償給付も受給可能。遺族厚生年金と労災遺族補償年金は調整され、労災側が減額支給。両制度の合計額を試算します。
交通事故・医療過誤の逸失利益算定
民事賠償請求で年金逸失利益を算定する際、故人が受給していた(または将来受給予定の)年金額の把握が必要。遺族厚生年金は遺族へ支給されるため、逸失利益から控除する調整が必要です。
よくある間違い・注意点
- 遺族厚生年金と自身の老齢厚生年金を両方満額受給できると思う — 65歳以降は自身の老齢厚生年金と遺族厚生年金の調整あり。自身の老齢厚生年金相当額が遺族厚生年金から差し引かれる仕組みで、実質的に受給額が変わらないケースが多い。
- 専業主婦の夫死亡でも遺族厚生年金がもらえると思う — 故人が厚生年金に加入したことがない完全自営業なら遺族厚生年金は支給されません。過去に会社員経験があれば、その加入期間分の遺族厚生年金が支給されます。
- 再婚しても遺族年金が続くと思う — 配偶者の再婚(事実婚含む)で受給権は失権します。失権届の提出義務あり、届出遅延で不当受給扱いになると返還請求されます。
- 子の18歳到達で年金全体が終了と思う — 子18歳到達で遺族基礎年金は終了しますが、配偶者の遺族厚生年金は継続。40〜65歳の妻には中高齢寡婦加算(年61.2万円)が新たに支給される可能性あり。
- 時効を過ぎて請求できないと諦める — 遺族年金の請求時効は5年ですが、時効成立後も特例で請求可能なケースあり。時効を過ぎても年金事務所に相談し、当時の事情説明で受給できることがあります。
- 寡婦年金と死亡一時金を両方請求 — 国民年金第1号被保険者の死亡では寡婦年金と死亡一時金はいずれか一方の選択。両方受給はできません。妻年齢・納付月数により有利な方を選択してください。
- 遺族年金にかかる税金・社会保険料 — 遺族年金は非課税で、所得税・住民税・国保料算定に含まれません。ただし遺族が確定申告する他の所得(給与・不動産等)とは別扱いのため、申告時の所得欄に記載する必要はありません。
関連する法令・実務基準
- 国民年金法 第37条〜第52条の6 ― 遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金の根拠条文。
- 厚生年金保険法 第58条〜第72条 ― 遺族厚生年金の受給要件・支給額の根拠条文。
- 国民年金法施行令・厚生年金保険法施行令 ― 支給額の計算式(乗率・単価)の詳細規定。
- 令和6年度年金額改定告示(厚労省) ― 遺族基礎年金額81.6万円・中高齢寡婦加算61.2万円等の具体額。
- 労働者災害補償保険法 第16条〜第22条 ― 労災遺族補償年金の根拠条文。遺族厚生年金との調整あり。
- 所得税法 第9条1項3号 ― 遺族年金の非課税規定。
- 相続税法 第3条 ― みなし相続財産の規定。遺族年金は含まれない(相続税非課税)。
- 民法 第711条(近親者に対する損害の賠償) ― 遺族の慰謝料請求権(民事賠償)。年金とは別立て。
- 2021年4月改正(寡婦年金要件緩和) ― 夫の納付済期間25年以上→10年以上に緩和。
参考リンク・公的資料
遺族年金の受給要件・請求手続について正確な情報は以下の公的機関を参照してください。
- 日本年金機構 遺族年金 ― 遺族基礎・厚生年金の受給要件・請求手続の公式解説。
- 日本年金機構(トップページ) ― 年金相談・請求書ダウンロード・年金事務所検索。
- 厚生労働省 年金・日本年金機構関係 ― 年金制度の法令・改正情報・年金額改定告示。
- e-Gov 国民年金法 ― 国民年金法・遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金の条文。
- e-Gov 厚生年金保険法 ― 遺族厚生年金・中高齢寡婦加算の条文。
- 日本弁護士連合会(日弁連) ― 年金・相続に関する法律相談・弁護士検索。
- 法テラス(日本司法支援センター) ― 遺族年金請求で不服のある場合の法律相談・費用立替。
- 厚生労働省 労災保険 ― 労災遺族補償年金の制度案内。遺族厚生年金との調整説明。
- 法務省 ― 相続法・遺族関係の民事法情報。
- 裁判所 ― 遺族年金・寡婦年金の受給要件に関する判例検索。
よくある質問(FAQ)
遺族年金は非課税?
はい、非課税所得です(所得税法9条1項3号)。所得税・住民税・健康保険料・介護保険料の算定にも含まれません。確定申告も原則不要で、他の所得(給与・不動産・事業所得等)とは別扱いです。ただし遺族の合計所得を計算する福祉施策の対象判定では算入される場合があるため、市区町村役場に確認してください。
再婚すると停止する?
はい、配偶者の遺族年金は再婚で失権(受給権消滅)します。事実婚(内縁関係)も同様に失権事由となります。失権後は年金事務所へ失権届を速やかに提出する義務があり、届出遅延で不当受給となった場合は返還請求されます。子の遺族年金は配偶者の再婚と関係なく継続します。
子供が18歳になったらどうなる?
18歳到達年度末(3月31日)で子への加算と遺族基礎年金が終了します。配偶者の遺族厚生年金のみ継続で、40〜65歳の妻には中高齢寡婦加算(年61.2万円)が新たに支給されます。障害等級1・2級の子は20歳到達まで対象となるため、遺族基礎年金も継続します。
自営業者の妻も遺族厚生年金がもらえる?
故人が厚生年金に加入したことがない場合(純粋な自営業一筋)は遺族基礎年金のみ(子ありの場合)です。過去に会社員経験があれば、その加入期間分の遺族厚生年金が短期要件(300月みなし)で支給されます。国民年金第1号被保険者の場合は寡婦年金(60〜65歳)または死亡一時金の受給対象です。
妻の年齢が30歳未満だと5年で打ち切りって本当?
夫死亡時に30歳未満・子のない妻の遺族厚生年金は5年間の有期給付(35歳到達で失権)となります。ただし夫死亡から5年以内に子を出産等で遺族基礎年金の受給権を得れば、その時点から終身給付に切り替わります。子ありの30歳未満の妻には5年打切ルールは適用されません。
自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金は両方もらえる?
65歳以降は自身の老齢厚生年金と遺族厚生年金の調整があり、両方満額は受給できません。基本ルールは、①自身の老齢厚生年金を全額受給し、②その額が遺族厚生年金より少ない場合の差額のみ遺族厚生年金として追加受給。妻が働いてきて自身の老齢厚生年金が高い場合、遺族厚生年金の追加額はゼロまたは僅少となります。
遺族年金の請求方法は?
故人の死亡後、遺族は年金事務所(またはねんきんダイヤル)で年金請求書を入手し、必要書類(戸籍謄本・住民票・死亡診断書・故人の年金手帳・遺族の年金手帳・所得証明・振込先通帳)を添付して提出します。請求時効は5年ですが、それ以前でもすぐに請求すべきです(初回支給まで2〜3ヶ月)。
遺族厚生年金の加入期間が20年しかないと少なくなる?
いいえ。厚生年金加入期間が25年(300月)未満でも、遺族厚生年金の計算では300月加入とみなして計算されます(最低保証月数)。若くして亡くなった被保険者の遺族保護のための特例で、短期要件と呼ばれます。例:加入10年でも300月加入として計算されるため実質2.5倍の金額になります。
労災遺族補償年金と遺族厚生年金は両方もらえる?
両方受給可能ですが、労災遺族補償年金の額は遺族厚生年金の受給額分減額調整されます(併給調整)。労災には特別支給金があり、これは調整対象外で全額受給可能。労災遺族一時金(300日分)と特別支給金・年金特別支給金も忘れずに請求してください。
子供のみが遺族の場合はどうなる?
父母共に死亡・不在で子のみが遺族の場合、遺族基礎年金は子本人が受給者となります。子2人以上の場合、全員分の金額を合計して人数で割った額が各子に支給。遺族厚生年金も同様に子が順位1位で受給。18歳到達年度末で子ごとに失権します。
離婚した元配偶者にも遺族年金は出る?
いいえ。離婚により法律上の配偶者関係が消滅しているため、元配偶者は遺族年金の受給対象外となります。ただし、元配偶者との間に生まれた18歳未満の子は、他方の親(存命の親等)と生計同一関係があれば遺族基礎年金の受給対象となります。離婚時年金分割(合意分割・3号分割)は死亡前の話で、遺族年金とは別制度です。
遺族年金と交通事故の民事賠償はどちらが優先?
両方受給可能ですが、交通事故被害者の逸失利益(民事賠償)算定では、遺族年金部分を控除する必要があります(既に遺族が受給するため二重取り防止)。ただし遺族厚生年金のうち中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算は控除対象外との判例もあり、詳細は交通事故に強い弁護士にご相談ください。