法定相続分 計算ツール|民法900条準拠で配偶者・子・親・兄弟姉妹の取り分を即時算出
民法900条に基づく法定相続分を、家族構成(配偶者・子・親・兄弟姉妹)から自動判定し、遺産総額に対する各相続人の取り分(金額)まで一発算出する完全無料ツール。第1順位(配偶者1/2・子1/2)、第2順位(配偶者2/3・親1/3)、第3順位(配偶者3/4・兄弟姉妹1/4)を正確に適用し、実子・養子・非嫡出子・代襲相続(子死亡時の孫、兄弟死亡時の甥姪)まで実務ルールを反映。遺言優先の原則と遺留分(配偶者・子・親に保障される最低取り分=法定相続分の1/2)、相続放棄・限定承認・単純承認の選択、2019年配偶者居住権の新設、2020年配偶者短期居住権、2024年義務化された相続登記まで、法務省・裁判所・e-Gov民法の公式基準に基づき解説します。遺産分割協議書の作成前セルフチェック、生前贈与の特別受益、寄与分の主張、遺言書作成時の遺留分侵害チェック、相続税基礎控除の相続人数カウントにも活用できます。
法定相続分 計算機
法定相続分の全体ルール(民法900条)
日本の相続法は民法第5編(相続)で規定されており、被相続人(亡くなった人)が遺言を残していない場合、遺産は法定相続人が法定相続分に従って分割相続します。相続人の範囲・順位は民法886条〜890条、法定相続分は民法900条に規定されています。
基本原則
- 配偶者は常に相続人(民法890条)。ただし内縁の配偶者・元配偶者は相続人にならない
- 血族相続人は順位制で、上位順位者がいる場合は下位順位者は相続不可
- 同順位者が複数いる場合は頭数で等分(民法900条4号)
- 実子・養子・非嫡出子(婚外子)はいずれも同等の相続分(最判平25.9.4)
- 遺言があれば遺言優先だが、遺留分(最低保障)は侵害できない
相続人の順位(第1〜第3順位)
第1順位:子(直系卑属)
被相続人の実子・養子(普通養子・特別養子)・非嫡出子(認知された子)が該当。子が既に死亡している場合は、その子(孫)が代襲相続します。孫も死亡していれば曾孫が再代襲。
第2順位:直系尊属(親・祖父母)
第1順位(子・孫)がいない場合、被相続人の父母が相続人となります。父母共に死亡している場合は祖父母が相続。父母どちらか一方でも生存していれば、祖父母は相続人になりません(世代が上の直系尊属を優先)。
第3順位:兄弟姉妹
第1・第2順位共にいない場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人。兄弟姉妹が既に死亡している場合は、その子(甥・姪)が代襲相続します。ただし甥姪の子は再代襲不可(民法889条2項、民法887条3項を準用しない)。
配偶者の地位
配偶者は常に相続人(民法890条)で、血族相続人と共同で相続します。第何順位の血族相続人と共同するかで法定相続分が変わります。
法定相続分早見表
| 相続人の組合せ | 配偶者 | 血族相続人 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 配偶者のみ | 1/1 | — | 配偶者が単独相続 |
| 子のみ | — | 1/1(頭数で等分) | 子2人なら各1/2 |
| 親のみ | — | 1/1(頭数で等分) | 父母両方存命なら各1/2 |
| 兄弟姉妹のみ | — | 1/1(頭数で等分) | 兄弟3人なら各1/3 |
| 配偶者+子 | 1/2 | 1/2(頭数で等分) | 子2人なら各1/4 |
| 配偶者+親 | 2/3 | 1/3(頭数で等分) | 父母両方存命なら各1/6 |
| 配偶者+兄弟姉妹 | 3/4 | 1/4(頭数で等分) | 兄弟2人なら各1/8 |
具体例:遺産6,000万円のケース
| 家族構成 | 配偶者 | 子1人 | 子2人 | 親1人 | 兄弟姉妹1人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 配偶者+子2人 | 3,000万円 | — | 各1,500万円 | — | — |
| 配偶者+親2人 | 4,000万円 | — | — | 各1,000万円 | — |
| 配偶者+兄弟2人 | 4,500万円 | — | — | — | 各750万円 |
| 子3人のみ | — | 各2,000万円 | — | — | — |
代襲相続(子死亡→孫・兄弟死亡→甥姪)
相続人となるべき者が被相続人の死亡以前に死亡していた場合、または相続欠格・相続廃除により相続権を失っていた場合、その子(下の世代)が代わりに相続人となる制度を代襲相続といいます(民法887条2項、889条2項)。
子の代襲相続(孫・曾孫)
- 子が死亡している場合、その子(孫)が代襲
- 孫も死亡している場合、曾孫が再代襲(再代襲は制限なし)
- 相続分は代襲される者(親)の法定相続分と同じ
兄弟姉妹の代襲相続(甥・姪)
- 兄弟姉妹が死亡している場合、その子(甥・姪)が代襲
- 甥・姪の子(大甥・大姪)は再代襲不可(民法889条2項が民法887条3項を準用していない)
代襲相続が発生しないケース
- 相続放棄した者の子は代襲相続しない(放棄は初めから相続人でなかったとみなされるため)
- 被相続人の配偶者は代襲相続しない
- 養子縁組前に生まれた養子の子は代襲相続しない(血族関係がないため)
代襲相続の相続分
代襲相続人(孫・甥姪)の相続分は、代襲される者(子・兄弟姉妹)が受けるべきだった相続分と同じ。孫が複数いれば、代襲対象の親の相続分を孫の頭数で等分します。例:子2人(うち1人死亡し孫3人)+配偶者の場合、配偶者1/2、生存子1/4、死亡子の孫3人が各1/12(1/4÷3)を代襲相続。
遺留分(配偶者・子・親の最低保障)
遺言があっても、配偶者・子・直系尊属(親)には最低限の取り分(遺留分)が民法1042条で保障されています。兄弟姉妹には遺留分はありません。
遺留分の割合
| 相続人 | 遺留分(総体的遺留分) | 個別遺留分(法定相続分×総体的遺留分) |
|---|---|---|
| 配偶者のみ | 1/2 | 1/2 |
| 子のみ | 1/2 | 1/2÷子の頭数 |
| 親のみ | 1/3 | 1/3÷親の頭数 |
| 配偶者+子 | 1/2 | 配偶者1/4、子1/4÷子の頭数 |
| 配偶者+親 | 1/2 | 配偶者1/3、親1/6÷親の頭数 |
| 配偶者+兄弟 | 1/2 | 配偶者1/2(兄弟は遺留分なし) |
| 兄弟姉妹のみ | なし | — |
遺留分侵害額請求(2019年改正)
2019年7月1日施行の改正民法により、従来の「遺留分減殺請求」は「遺留分侵害額請求」に変更されました。現物返還ではなく金銭請求のみとなり、遺言で全財産を相続した者に対し、遺留分侵害額を金銭で支払わせる方式となっています。請求権の時効は遺留分侵害を知った時から1年、相続開始から10年(民法1048条)。
寄与分・特別受益・特別寄与料
寄与分(民法904条の2)
被相続人の事業に労務を提供したり、療養看護したことで被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした相続人には、法定相続分に加えて寄与分を認める制度。共同相続人の協議で決定、協議不調時は家庭裁判所の調停・審判で決定します。
特別受益(民法903条)
相続人の中に、被相続人から生前贈与や遺贈により特別の利益を受けた者がいる場合、その受益額を相続財産に持ち戻して法定相続分を計算し、既に受けた分を控除します。教育資金・結婚資金・住宅取得資金等が典型例。
特別寄与料(2019年新設)
相続人でない親族(例:長男の妻)が被相続人の介護・療養看護に特別に貢献した場合、相続人に対し特別寄与料を請求できる制度(民法1050条)。相続開始・相続人を知った時から6ヶ月または相続開始から1年以内に家庭裁判所へ請求。
相続放棄・限定承認・単純承認
相続人は、被相続人の死亡を知った日から3ヶ月以内(熟慮期間)に、以下の3つから選択する必要があります(民法915条)。
単純承認(民法920条)
プラス財産もマイナス財産(借金)も全て承継。3ヶ月以内に何も手続きしなければ自動的に単純承認となります(法定単純承認)。相続財産の一部でも処分すれば単純承認擬制。
限定承認(民法922条)
相続財産の範囲内でのみ債務を弁済し、超過債務は承継しない方式。相続人全員で家庭裁判所に申述する必要があります(共同申立必須)。手続きが煩雑で実務では利用少数ですが、遺産に借金があるか不明な場合の防衛策として有効。
相続放棄(民法938条)
プラス・マイナス問わず一切の相続権を放棄。家庭裁判所に単独で申述可能。放棄した者は初めから相続人でなかったとみなされるため、その子への代襲相続も発生せず、同順位の他の相続人または次順位者に相続権が移ります。
3ヶ月の熟慮期間の延長
被相続人の遺産調査に時間がかかる場合、家庭裁判所に熟慮期間伸長の申立てを行い、期間延長(通常3ヶ月)を得られます。相続放棄した相続人がいた場合の次順位者の熟慮期間は、自己が相続人となったことを知った時から3ヶ月です。
配偶者居住権(2020年新設)
2020年4月1日施行の改正民法により、被相続人所有の建物に居住していた配偶者は、遺産分割協議・遺言により配偶者居住権(民法1028条)を取得することで、終身または一定期間、その建物に無償で居住できる権利が認められるようになりました。
配偶者居住権のメリット
- 配偶者は自宅に住み続けられる(配偶者居住権として設定)
- 建物所有権(負担付所有権)は他の相続人が取得
- 配偶者居住権の評価額は所有権より低いため、配偶者は住居確保+金融資産(生活費)確保が可能
配偶者短期居住権(民法1037条)
配偶者居住権とは別に、遺産分割終了までの一定期間(最低6ヶ月)、配偶者が居住建物に無償で居住できる権利。遺言や遺産分割協議での取得が不要で、法律上当然に発生します。
相続登記の義務化(2024年)
2024年4月1日施行の改正不動産登記法により、相続により不動産を取得した相続人は、相続を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務が課されました。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料(不動産登記法164条)。
過去の相続にも遡及適用
2024年4月1日より前に発生した相続(未登記のまま放置されている不動産)についても、2027年3月31日までに相続登記を完了する必要があります。放置していると過料の対象となる可能性があります。
相続人申告登記の簡易手続
相続人全員の合意が得られず遺産分割協議未了の場合でも、単独で「相続人申告登記」を行うことで登記義務を履行したことになります(本登記は後日必要)。所有権移転登記より簡易な手続きで、氏名・住所・被相続人との関係を届出。
遺産分割協議の具体的な進め方
ステップ1:相続人の確定
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得し、法定相続人を全員確定します。前妻との間の子・認知した非嫡出子など、家族が知らない相続人がいないかを厳密にチェックします。
ステップ2:相続財産の調査
不動産(登記事項証明書・固定資産評価証明書)、預貯金(残高証明書)、有価証券(証券会社の残高証明)、生命保険(受取人指定なら相続財産外)、借金・住宅ローン・保証債務まで漏らさず調査。財産目録を作成します。
ステップ3:遺言書の有無確認
自筆証書遺言は家庭裁判所で検認手続が必要(民法1004条)。公正証書遺言は検認不要。2020年7月から法務局の自筆証書遺言保管制度で保管された遺言は検認不要となりました。
ステップ4:遺産分割協議書の作成
相続人全員の合意のもと遺産分割協議書を作成し、全員が署名・実印押印・印鑑証明書添付。相続人1人でも協議に加わらないと無効です。協議不調時は家庭裁判所の遺産分割調停(不成立時は審判)で解決します。
ステップ5:相続登記・預貯金解約・相続税申告
2024年4月から相続登記は義務(3年以内・10万円以下の過料)。預貯金は法務局発行の法定相続情報一覧図で複数銀行の手続を効率化。相続税は死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納付。
シーン別の使い方
遺産分割協議前のセルフチェック
相続人全員の法定相続分を可視化し、遺産分割協議書作成前の基準ラインを把握。特定の相続人が過大に取得する場合、他の相続人から遺留分侵害額請求を受けるリスクを事前確認できます。
遺言書作成時の遺留分チェック
遺言で特定の相続人に多く相続させる場合、他の遺留分権利者(配偶者・子・親)の遺留分を侵害していないか確認。侵害すると死後の紛争原因となり、遺言執行者との訴訟に発展することも。
相続税基礎控除の相続人数カウント
相続税基礎控除は「3,000万円 + 600万円×法定相続人数」で計算。放棄者も相続人数に含める点に注意し、養子は実子ありなら1人まで・実子なしなら2人までカウント可能。
生前贈与・特別受益の持戻し計算
被相続人が生前に一部の相続人に贈与していた場合、その贈与額を相続財産に持戻して法定相続分を再計算。均等な相続実現のために生前贈与額を確認します。
代襲相続・数次相続の整理
被相続人より前に既に亡くなった相続人がいる場合の代襲相続、被相続人死亡後に相続人が亡くなった場合の数次相続の相続関係図作成に活用。相続人全員の確定に必須です。
相続放棄の判断材料
被相続人の債務超過が判明した場合、相続放棄すべきか(3ヶ月以内)を判断。放棄すると次順位の相続人に借金が移るため、家族全員で対応方針を協議する必要があります。
数次相続・相次相続と分割の複雑化
被相続人の死亡後、遺産分割協議が完了する前に相続人の一人が亡くなった場合、その相続人の相続人が新たに相続関係に加わる「数次相続」が発生します。長期間放置された相続不動産では、相続人が数十人に膨らむケースもあります。
数次相続の具体例
祖父の死亡後、遺産分割未了のまま息子が死亡すると、祖父の遺産分割協議に、息子の妻・孫(息子の子)が新たに相続人として加わります。世代を跨ぐと相続人の数が指数的に増え、全員の合意形成が困難となります。
相次相続控除(相続税法20条)
10年以内に2回以上の相続が発生した場合、後の相続の相続税から一定額を控除できる制度。前の相続から後の相続までの期間に応じて控除率が変動(1年経過ごとに10%減額)。相次相続控除の適用には税理士による申告書作成が推奨されます。
放置のリスク
相続登記未了の不動産は売却・担保設定ができず、固定資産税だけがかかり続ける「負動産」化。2024年相続登記義務化により、放置は10万円以下の過料対象となりました。早期の遺産分割協議・相続登記が経済的にも法的にも有利です。
よくある間違い・注意点
- 内縁の配偶者(事実婚)を相続人と誤認 — 内縁の配偶者は法律上の配偶者ではないため相続人になりません。ただし特別縁故者として家庭裁判所への申立てで相続財産の一部を受け取れる場合あり(民法958条の2)。
- 相続放棄した者の子が代襲相続すると思う — 相続放棄した者は「初めから相続人でなかった」とみなされるため、その子は代襲相続しません。放棄で相続権が下の世代に移ることはなく、同順位者または次順位者に移ります。
- 非嫡出子(婚外子)の相続分を1/2にする — 2013年9月4日以降、最高裁判決により非嫡出子と嫡出子の相続分は同等となりました(最判平25.9.4、民法900条4号但書削除)。1/2にすると違法です。
- 兄弟姉妹に遺留分があると思う — 兄弟姉妹には遺留分がありません(民法1042条)。子のない被相続人が全財産を配偶者に相続させる遺言をしても、兄弟姉妹は遺留分侵害額請求できません。
- 相続税の申告期限を10ヶ月と勘違い — 相続税申告・納付期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内で正しい。ただし、相続放棄の熟慮期間は3ヶ月、遺留分侵害額請求は侵害を知った時から1年です。それぞれ期限が異なります。
- 相続登記を放置 — 2024年4月から相続登記が義務化され、3年以内に登記しないと10万円以下の過料。過去の相続分(2024年3月以前)も2027年3月末までに登記完了が必要です。
- 遺言があれば法定相続分は関係ないと思う — 遺言は原則優先されますが、遺留分(配偶者・子・親の最低保障)は侵害できません。遺留分を侵害する遺言も無効ではなく、遺留分権利者からの遺留分侵害額請求で修正される仕組みです。
関連する法令・実務基準
- 民法 第886条〜第895条(相続人) ― 相続人の範囲・順位・欠格・廃除の根拠条文。
- 民法 第900条(法定相続分) ― 配偶者・子・親・兄弟姉妹の相続分の根拠条文。
- 民法 第887条・第889条(代襲相続) ― 子の代襲相続(再代襲あり)、兄弟姉妹の代襲相続(甥姪まで)の根拠条文。
- 民法 第903条・第904条の2(特別受益・寄与分) ― 生前贈与の持戻し・寄与分の主張。
- 民法 第915条〜第940条(相続の承認・放棄) ― 単純承認・限定承認・相続放棄の熟慮期間3ヶ月。
- 民法 第1028条〜第1041条(配偶者居住権) ― 2020年新設の配偶者の居住保護制度。
- 民法 第1042条〜第1049条(遺留分) ― 配偶者・子・親の遺留分と侵害額請求。
- 民法 第1050条(特別寄与料) ― 2019年新設。相続人でない親族の寄与請求権。
- 不動産登記法 第76条の2(相続登記義務化) ― 2024年施行の相続登記義務、3年以内・10万円以下の過料。
- 相続税法 第15条(基礎控除) ― 3,000万円+600万円×法定相続人数。相続放棄者も人数算入。
参考リンク・公的資料
相続法・遺産分割について正確な情報は以下の公的機関・専門団体を参照してください。
- 法務省 相続について ― 相続法改正・配偶者居住権・相続登記義務化の公式解説。
- 法務局 不動産登記(相続登記) ― 相続登記の手続案内・必要書類・申請書式。
- e-Gov 民法 ― 民法全条文の公式データベース。相続編(第5編)。
- 裁判所 家事事件手続 ― 相続放棄・遺産分割調停・遺留分侵害額請求の手続案内。
- 日本弁護士連合会(日弁連) ― 相続に強い弁護士検索・法律相談センター案内。
- 日本行政書士会連合会 ― 遺産分割協議書・遺言書作成に対応する行政書士検索。
- 日本司法書士会連合会 ― 相続登記手続に対応する司法書士検索。
- 日本税理士会連合会 ― 相続税申告に対応する税理士検索。
- 法テラス(日本司法支援センター) ― 経済的困窮者への民事法律扶助(弁護士費用立替)。相続紛争も対象。
- 国税庁 相続税の税率 ― 相続税基礎控除・税率表の公式情報。
よくある質問(FAQ)
遺言があると法定相続分は変わる?
はい。遺言がある場合は遺言が優先します(遺言の自由)。ただし配偶者・子・親には遺留分(法定相続分の1/2、親のみの場合1/3)が保障されており、遺留分を侵害する遺言も無効ではないものの、遺留分権利者から遺留分侵害額請求(2019年改正で金銭請求のみ)を受けることになります。兄弟姉妹には遺留分はありません。
養子も実子と同じ扱い?
はい、養子は実子と同じ法定相続分を持ちます(民法900条4号)。ただし相続税の基礎控除計算では「実子がいる場合は養子1人まで」「実子がいない場合は養子2人まで」の制限あり(相続税法15条2項)。孫養子は相続税額が2割加算される点にも注意(相続税法18条)。特別養子は普通養子と同じく実子扱いです。
配偶者居住権とは?計算に影響する?
2020年4月施行の制度で、被相続人所有の建物に居住していた配偶者が、遺産分割・遺言により終身または一定期間無償で居住できる権利(民法1028条)。配偶者居住権を設定すると、自宅の評価額が「居住権部分」(配偶者取得)と「所有権部分」(他の相続人取得)に分割され、配偶者は住居確保+金融資産取得が可能となります。本ツールは単純な法定相続分のみ表示。
相続放棄するとどうなる?
放棄した相続人は初めから相続人でなかったとみなされる(民法939条)。その取り分は同順位の他の相続人に再分配され、同順位者が全員放棄すれば次順位者に相続権が移動します。放棄者の子への代襲相続は発生しません。家庭裁判所への3ヶ月以内の申述が必要で、期限徒過や相続財産の一部処分で単純承認擬制される点に注意してください。
非嫡出子(婚外子)の相続分は?
2013年9月4日の最高裁大法廷判決により、非嫡出子と嫡出子の相続分は同等となりました(民法900条4号但書削除)。それ以前は非嫡出子の相続分は嫡出子の1/2でしたが、憲法違反として法改正されました。認知された婚外子は嫡出子と全く同じ相続分を持ちます。
代襲相続とは?
相続人が被相続人の死亡以前に亡くなっていた場合、その子(下の世代)が代わりに相続する制度(民法887条2項)。子の場合は孫→曾孫と再代襲あり、兄弟姉妹の場合は甥・姪までで再代襲なし(民法889条2項)。代襲相続人の相続分は、代襲される者(親)が受けるべきだった相続分と同じで、複数いれば頭数で等分します。
3ヶ月以内に相続財産が把握できない場合は?
被相続人の遺産調査に時間がかかる場合、家庭裁判所に熟慮期間伸長の申立て(民法915条1項但書)を行うことで、期間延長(通常3ヶ月)を得られます。次順位の相続人(先順位が放棄した場合)の熟慮期間は、自己が相続人になったことを知った時から3ヶ月です。期限徒過は単純承認擬制されるため、必ず期限内に申立てを行ってください。
遺留分侵害額請求の時効は?
2019年7月改正民法により、遺留分侵害額請求の時効は遺留分侵害の事実を知った時から1年、相続開始から10年(民法1048条)。1年の時効は非常に短いため、遺言内容を知ったら速やかに弁護士に相談し、内容証明郵便で請求意思表示を行うことが重要です。
寄与分と特別寄与料の違いは?
寄与分(民法904条の2)は相続人が被相続人の財産維持・増加に特別の貢献をした場合の増額請求権。一方特別寄与料(民法1050条・2019年新設)は相続人でない親族(例:長男の妻)が介護・療養看護に特別に貢献した場合の金銭請求権で、相続開始・相続人を知った時から6ヶ月または相続開始から1年以内に家庭裁判所へ請求します。
相続税の基礎控除の計算で相続人数はどう数える?
相続税基礎控除は「3,000万円 + 600万円×法定相続人数」(相続税法15条)。相続放棄した者も相続人数に算入されます(民法上の放棄と税法上のカウントは別)。養子は実子ありなら1人まで、実子なしなら2人までカウント可能。代襲相続人は1人としてカウント(複数の代襲相続人も合わせて1人分ではなく、それぞれを別個にカウント)。
相続登記を放置するとどうなる?
2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料(不動産登記法164条)。過去の相続分(2024年3月以前の未登記)も2027年3月末までに登記完了が必要です。相続人全員の合意が得られない場合は「相続人申告登記」で単独申請も可能(本登記は後日必要)。放置すると子・孫の代で数次相続が発生し、相続人が数十人に膨らんで手続き困難になります。
相続税がかかる遺産額の目安は?
相続税基礎控除「3,000万円 + 600万円×法定相続人数」を超える遺産額が課税対象。法定相続人3人(配偶者+子2人)なら基礎控除4,800万円で、遺産額4,800万円までは相続税ゼロ。それ以上は10〜55%の累進税率で課税されます。配偶者は1.6億円までまたは法定相続分までの相続なら配偶者控除で相続税ゼロ(相続税法19条の2)。詳細は相続税計算ツールを参照してください。