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休業損害 計算ツール|交通事故・労災・主婦の補償額を3基準で即時算出

交通事故・労災で仕事を休んだ際の休業損害を、給与所得者・自営業者・主婦(家事従事者)別に計算。自賠責基準・任意保険基準・裁判(弁護士)基準の3パターンで比較できる無料ツール。日額の算定式、賃金センサス、有給休暇との関係、労災保険との違い、示談交渉のポイント、逸失利益との違いまで解説。国土交通省の自賠責基準、日弁連の赤い本(民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準)に基づき、裁判基準は主婦日額12,134円(2024年賃金センサス女性平均)を用いています。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

休業損害 計算機

給与所得者は3か月分、自営業は前年所得÷4を入力。

計算式と法的根拠

休業損害 = 1日あたり基礎収入 × 休業日数

給与所得者の基礎収入 = 事故前3か月の給与 ÷ 90日

自営業者の基礎収入 = 前年の事業所得 ÷ 365日

主婦・主夫の基礎収入 = 賃金センサス女性平均(2024年 日額12,134円)

休業損害は、民法709条(不法行為による損害賠償)に基づき、被害者が事故により失った現実の得べかりし利益を補填するものです。自動車損害賠償保障法(自賠法)第16条による自賠責保険、任意自動車保険の対人賠償、労働者災害補償保険法による休業補償給付など、複数の補償制度が並立しており、どの制度・基準を適用するかで受取額が2〜3倍変わります。

3基準の違いと比較表

基準日額の考え方受取水準主な場面
自賠責基準原則6,100円/日(証明で最大19,000円)最低水準自賠責のみ・軽症
任意保険基準実収入×85%程度(各社独自)中間任意保険会社との示談初期提示
裁判(弁護士)基準実収入100%補填最高水準弁護士介入・裁判・調停

加害者側の保険会社は最初、任意保険基準で提示してくるのが通例です。弁護士に依頼すると裁判基準で交渉が可能となり、実収入補填のフルカバーが期待できます。弁護士費用特約付き自動車保険に加入していれば、追加費用ゼロで弁護士を立てられる場合が多数です。

区分別の基礎収入

給与所得者

事故前3か月の給与総額(額面)÷ 90日で日額算定。ボーナスは休業期間に対応する分を別途加算可能。勤務先の「休業損害証明書」が最重要書類。事故前3か月の給与明細、賞与明細、源泉徴収票(前年分)をセットで提出します。

自営業者・個人事業主

前年の確定申告書の事業所得を365日で割った日額。青色申告なら青色決算書、白色なら収支内訳書を添付。事業開始間もない場合は、通帳記録・請求書・売上台帳から推計するか、賃金センサスの職業別平均賃金で算定。固定費(家賃・リース料等)は休業中も発生するため、別途補償を求められる場合も。

主婦・主夫(家事従事者)

賃金センサス(厚労省・毎年公表)の女性の産業計全年齢平均賃金を基準に日額を算定。2024年賃金センサスでは日額12,134円が採用値。専業主婦だけでなくパート主婦でも「家事労働の対価」として認められた判例多数(最判昭49.7.19等)。

兼業主婦の特殊ケース

共働きで家事も担う主婦は、給与所得者基準と主婦基準のいずれか高い方を選択できます(実務上の運用)。ただし両方の合計を請求することはできません。

失業者・無職

原則として休業損害の対象外。ただし「事故がなければ就職予定だった」ことを具体的に証明できる場合(内定通知書等)は補償対象になります。

有給休暇と休業損害の関係

有給休暇を使って治療に通っても、休業損害の対象になります。「給与は出ていても、本来自由に使える権利を喪失した損害」として、有給日数分の補償請求が可能です。有給消化前提で「実損害なし」と主張してくる保険会社に対しては、有給の労働債権的性格を主張して反論しましょう。

労災保険(休業補償給付)との違い

業務中・通勤中の事故は労災保険の休業補償給付の対象。給付基礎日額の60%+特別支給金20%=計80%が休業4日目から支給されます。労災と交通事故の両方が同時に発生する場合(通勤中の交通事故等)、労災を先に使うと自賠責の限度額を消費せず後で使えるメリットあり。

労災と自賠責の順序

順序メリットデメリット
労災→自賠責自賠責枠を後で使える労災審査で時間かかる
自賠責→労災迅速な補償自賠責枠が減る

逸失利益との違い

休業損害は治療期間中の収入減少の補填。逸失利益は後遺障害・死亡により将来失われる収入の補填で、別枠の請求です。休業損害は治療終了(症状固定)まで、逸失利益は症状固定以降が対象となり、両者は連続的に請求します。逸失利益はライプニッツ係数(法定利率3%)で中間利息控除した現在価値で算定。

シーン別の使い方

🚗 交通事故の被害者

加害者側の任意保険会社から示談提示があった際、自賠責・任意・裁判の3基準で受取額を比較。差が大きいなら弁護士介入で裁判基準を狙う。弁護士費用特約付き自動車保険なら追加負担なし。

👷 労災事故の被害者

業務中の負傷で会社から休業を余儀なくされた場合、労災保険の休業補償給付(給付基礎日額の80%)を請求。労災の休業補償と、加害者に対する民事上の休業損害の両方を検討。

🏠 専業主婦・兼業主婦

「主婦だから休業損害はもらえない」は誤解。賃金センサス女性平均を基礎に、主婦日額12,134円を請求可能。子育て世帯・介護世帯では家事労働の実質価値がより認められる傾向。

💼 自営業・フリーランス

治療で仕事を休んだ期間の売上減を、前年所得ベースで請求。固定費(家賃・リース)の継続負担も別途主張。青色申告決算書は精度の高い証拠として有利。

🎓 学生・パート・アルバイト

アルバイトも実収入ベースで請求可。学生でも「就職予定内定者」は逸失利益を含む主張が可能。パート主婦は主婦基準と実収入基準の高い方を選択。

👴 高齢者・年金受給者

年金受給者は原則として休業損害の対象外(年金は事故で減らないため)。ただし就労している高齢者は現役同様に請求可能。シルバー人材センター登録者も対象。

請求に必要な書類

給与所得者

  • 休業損害証明書(勤務先発行)
  • 事故前3か月の給与明細
  • 賞与明細(該当期間分)
  • 源泉徴収票(前年分)
  • 診断書・治療経過報告書

自営業者

  • 前年の確定申告書控え
  • 青色決算書または白色収支内訳書
  • 売上台帳・請求書・入金記録
  • 診断書・治療経過報告書
  • 事業運営の継続性証明(HP・チラシ等)

主婦・主夫

  • 住民票(同居家族の証明)
  • 診断書・治療経過報告書
  • 家事従事の実態証明(子育て・介護状況)

よくある間違い・注意点

  • 保険会社の初回提示額を鵜呑み — 任意保険基準での提示は裁判基準の60〜70%程度。弁護士介入で1.5〜2倍になる例多数。
  • 有給休暇を使ったので請求できないと思い込む — 有給消化でも休業損害の対象。「権利を失った損害」として請求可能。
  • 主婦は補償対象外という誤解 — 家事労働は経済的価値ありと判例確立。賃金センサス女性平均で日額12,134円請求可能(2024年時点)。
  • 治療期間中の全日程を機械的に休業日数に算入 — 実際に休んだ日または通院した日が対象。就労可能日を含めると否認リスク。
  • 労災と自賠責の二重取り — 同じ損害項目を両方から受取ることは不可。労災先行の場合、労災充当分は自賠責から控除される。
  • 症状固定後も休業損害を請求 — 症状固定後は逸失利益に切り替わる。両者は請求根拠が異なるので混同しないよう注意。
  • 示談後に追加請求はできない — 一度示談すると原則追加請求不可。示談前に弁護士相談を必ず。
  • 時効に注意 — 交通事故の損害賠償請求権は3年(民法724条)、後遺障害は症状固定から3年、加害者不明は20年で時効消滅。

関連する法令・判例

  • 民法第709条 ― 不法行為による損害賠償の根拠条文。交通事故被害者の民事請求権の基盤。
  • 自動車損害賠償保障法(自賠法)第3条 ― 自動車運行供用者責任。無過失責任に近い形で被害者救済。
  • 自賠法第16条 ― 被害者請求権。被害者から保険会社への直接請求を可能に。
  • 労働者災害補償保険法第14条 ― 休業補償給付。給付基礎日額の60%+特別支給金20%。
  • 民法第724条 ― 損害賠償請求権の時効(3年、後遺障害は症状固定から)。
  • 最判昭49.7.19 ― 主婦の休業損害を認めた最高裁判例。家事労働の経済的価値を判示。
  • 民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(赤い本) ― 日弁連交通事故相談センター編。裁判基準の実務書。
  • 交通事故損害額算定基準(青本) ― 日弁連交通事故相談センター東京支部編。関東圏の実務基準。

参考文献・公的資料

※本ツールで算出される数値は入力データに基づく機械的計算です。実際の休業損害額は、事故態様、過失割合、既往症の有無、示談交渉の経緯によって変動します。金額の妥当性、示談の可否、弁護士介入のタイミング等は、必ず交通事故に詳しい弁護士(日弁連交通事故相談センター等)にご相談ください。本ツールの結果に基づく損害について、当サイトは一切責任を負いません。

よくある質問(FAQ)

主婦の休業損害は本当にもらえるの?

もらえます。専業主婦・主夫でも家事労働は経済的価値があると最高裁判例(昭49.7.19)で確立しており、賃金センサス女性平均を基準に算定されます。共働きで家事も担う場合は、給与所得者基準と主婦基準の高い方を選択できます。

有給休暇を使って休んだ場合は請求できる?

できます。有給を使っても休業損害の対象で、「給与は出ていても本来自由に使える権利を喪失した損害」として認められます。「有給消化なので損害なし」とする保険会社主張には反論可能。

自営業者の所得証明は?

前年の確定申告書控えを提出。青色決算書または白色収支内訳書、売上台帳、通帳記録を添付。事業を始めて間もない場合は、賃金センサスの職業別平均賃金で推計する方法も認められます。

後遺障害が残った場合は?

休業損害は治療終了(症状固定)までの補償。症状固定後は逸失利益後遺障害慰謝料を別途請求します。本ツールは休業期間中の補償のみを算定します。

失業中でも請求できる?

原則として休業損害の対象外。ただし「事故がなければ就職予定だった」ことを内定通知書等で証明できる場合は請求可能。無職期間の生活実態や就職活動の証跡が重要。

弁護士を立てる基準は?

①任意保険基準の初回提示に納得できない、②症状固定後の後遺障害等級認定が絡む、③過失割合で争いがある、④示談金の総額が100万円を超える見込み、のいずれかがあれば弁護士介入検討。弁護士費用特約付き保険なら追加負担ゼロ。

示談成立後に追加請求できる?

原則できません。示談書に「その他一切請求しない」旨のクリンチ条項があるため。示談前に必ず弁護士相談を。想定外の後遺障害が発生した場合の除外事項を明記する交渉も可能。

労災と自賠責、どっち先に使う?

労災を先行すると自賠責枠を後日使える(総受取額が増える傾向)。ただし労災審査は時間がかかるため、急ぎの生活費が必要なら自賠責の仮渡金請求を検討。弁護士と相談して最適順序を決定。

時効はいつ?

民法724条により、損害と加害者を知ってから3年(人身損害)または5年(物損)。後遺障害は症状固定から3年。加害者不明の場合は事故から20年で時効消滅。

過失割合が問題になるのは?

過失割合が高いと休業損害も過失相殺で減額されます。停止中の追突、青信号横断中の被害等は過失0の典型ですが、多くの事故は5〜30%の過失が認定されます。日弁連の別冊判例タイムズ38号が実務基準。

示談を弁護士なしで交渉するのは?

可能ですが、任意保険基準は裁判基準の60〜70%が相場。弁護士介入で1.5〜2倍になる事例多数。弁護士費用特約が使えるなら費用面のデメリットもほぼゼロ。まず無料相談を活用してください。

休業損害はいつ支払われる?

示談成立後の一括払いが原則。ただし治療期間が長期化する場合は、月次分割の内払い請求が可能な保険会社もあります。生活費が逼迫する場合は自賠責の仮渡金請求(治療費相当)も検討。