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不動産投資利回りキャッシュフロー資産形成

不動産投資 利回り 計算ツール|表面・実質・キャッシュフローと空室率/固定資産税/管理費対応

不動産投資の表面利回り(グロス)実質利回り(NOI/ネット)月間および年間キャッシュフロー(CF)を即時算出。物件価格・諸費用・家賃・空室率・固定資産税・管理修繕費・ローン返済を全て反映する実務仕様。区分マンション/一棟アパート・マンション都心/地方の利回り目安、国土交通省「不動産投資家調査」、日本不動産研究所「J-REIT指数」、日本銀行「地域経済報告」など公的データに基づき解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

不動産利回り 計算機

計算式と各指標の定義

表面利回り(グロス)

表面利回り = 満室想定年間家賃 ÷ 物件価格 × 100 (%)

広告や仲介資料で最も一般的に表示される指標。運営費や空室リスクを一切考慮しないため、物件間の粗い比較にしか使えません。実務では実質利回りへの換算が必須です。

実質利回り(NOI/ネット)

実質利回り = (実効家賃 - 運営費) ÷ (物件価格 + 諸費用) × 100 (%)

空室率で減額した実効家賃から、固定資産税・管理修繕費・保険料・都市計画税等の運営費を差し引き、初期投資額(物件価格+諸費用)で割った利回り。国交省不動産投資家調査で用いられるNOI(Net Operating Income)相当の実務指標です。

キャッシュフロー(CF)

月間CF = 実効家賃 - 管理費 - 固定資産税/12 - ローン返済

ローン返済まで含めた手元に残る現金。プラスCFであることが投資の第一条件。マイナスなら本業収入からの補填が必要で、リスクが上がります。

本ツールの投資判定基準

  • 実質利回り 8%以上: 🥇 優良
  • 実質利回り 5〜8%: 🥈 良好
  • 実質利回り 3〜5%: 🥉 標準
  • 実質利回り 0〜3%: 🟡 ボーダー
  • 実質利回り 0%未満: 🔴 赤字

表面利回りと実質利回りの違い

項目表面利回り(グロス)実質利回り(NOI/ネット)
計算式年間家賃÷物件価格(実効家賃-運営費)÷(物件価格+諸費用)
空室率考慮せず考慮
諸費用考慮せず考慮(仲介手数料・登記・不動産取得税等)
運営費考慮せず固定資産税・管理修繕・保険料等を控除
使途広告・粗い比較実務判断・投資決定
目安差表面より2〜4%低く出る

広告表面利回りが「10%」でも、実質利回りは5〜7%に落ちるケースが大半。表面利回りだけで判断すると期待収益と実収益のギャップに苦しみます。

エリア別・物件種別の利回り目安

日本不動産研究所「J-REIT指数」および国交省「不動産投資家調査」の期待利回り(2026年時点データ)を参考にした目安です。

エリア/種別表面利回り目安実質利回り目安備考
都心区分ワンルーム(東京23区)4-6%2.5-4.5%資産価値安定・空室リスク低
都心区分ファミリー3.5-5%2-3.5%売却しやすいが利回り低
都心一棟マンション4-6%3-5%1棟でスケールメリット
都心一棟アパート5-7%3.5-5.5%木造で耐用年数短め
大阪市中心区分5-7%3.5-5%東京より若干高利回り
地方中核市(福岡・名古屋等)区分6-8%4-6%賃貸需要底堅い
地方中核市一棟7-10%5-7.5%スケール・利回りバランス良
地方都市区分8-12%5-8%人口減少地域は空室リスク
地方一棟(築古)10-15%7-11%修繕負担・空室リスク大
ボロ物件(築古地方)15-30%5-15%(実測)入居付け難易度高

「実質利回りが表面利回りの60〜70%」が経験則の目安。表面10%物件は実質6〜7%を見込む、が現場感覚です。

諸費用と保有コストの内訳

購入時の諸費用(物件価格の5〜10%)

項目目安(3,000万円物件)
仲介手数料(物件価格×3%+6万円+消費税)約106万円
不動産取得税(固定資産税評価額×3%)30〜50万円
登録免許税(所有権移転・抵当権設定)15〜30万円
司法書士報酬10〜15万円
火災・地震保険料(10年一括)15〜30万円
ローン事務手数料・保証料50〜100万円
印紙税数万円

保有中の年間ランニングコスト

項目目安
固定資産税・都市計画税物件価格の0.3〜0.7%
管理費(区分)月10,000〜25,000円
修繕積立金(区分)月5,000〜15,000円
賃貸管理委託料家賃の5%(税別)
火災・地震保険(年払い)年2〜5万円
共用部電気・水道(一棟)年5〜15万円
大規模修繕(15〜20年サイクル)戸あたり50〜150万円

ローンとレバレッジ

不動産投資の魅力の一つがレバレッジ(他人資本の活用)。自己資金1,000万円で3,000万円の物件を購入し、家賃で返済しながら資産形成します。

金利と利回りの関係

ローン金利より実質利回りが高くないと、投資は成立しません。イールドギャップ(実質利回り-ローン金利)が2〜3%以上あることが安全域の目安。金利上昇局面ではこのギャップが縮小し、キャッシュフローが悪化するリスクがあります。2020年代の変動金利1〜2%環境で組んだローンは、金利上昇局面での耐性チェックが重要です。

ローン返済比率(DCR)

DCR(Debt Coverage Ratio) = 年間家賃収入 ÷ 年間ローン返済額。1.3以上が銀行の一般的な融資基準。1.0を下回ると赤字物件になります。

税務・確定申告

不動産所得は総合課税(給与所得と合算)で、確定申告が必要です。青色申告特別控除(65万円/55万円/10万円)を活用することで節税可能。

主な経費項目

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災・地震保険料
  • 管理費・修繕積立金・修繕費
  • 賃貸管理委託料
  • ローン支払利息(元本は経費外)
  • 減価償却費(木造22年、鉄筋47年等)
  • 青色事業専従者給与
  • 税理士報酬

減価償却

建物取得価額を法定耐用年数で分割して経費計上。木造アパート22年、軽量鉄骨27年、重量鉄骨34年、RC造47年。中古物件は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2」で残存期間を算出します。減価償却が大きいほど帳簿上の赤字が作りやすく、給与所得との損益通算で節税効果が生まれます。

代表的な使用シーン

購入検討時の投資判断

物件チラシの表面利回りだけでは判断できない実質利回りとCFを算出。複数物件を並べて比較し、最終候補の絞り込みに活用します。

売却時期の判断

保有中の物件について、家賃下落・修繕負担増でCFがマイナスに転じるタイミングをシミュレーション。長期保有 vs 早期売却の判断材料に。

家賃改定の妥当性チェック

周辺相場・空室率動向を踏まえて家賃を上げ/下げした場合の利回り変化を試算。管理会社への交渉材料になります。

ローン借換の効果測定

変動→固定への借換や金利引下げ交渉後の月間CFを試算。返済比率(DCR)改善効果を可視化。

金利上昇ストレステスト

金利1%上昇時のCFを試算し、レバレッジ物件の耐性チェック。過剰借入で赤字転落するリスクを事前把握。

相続対策としての活用

現金→不動産評価額圧縮(路線価×借家権割合)で相続税評価が下がる。キャッシュフローと相続税節減額を合算で判断。

よくある間違い・注意点

  • 表面利回りだけで判断する — 広告表示は満室想定・運営費ゼロの粗い数値。実質利回りは表面の60〜70%が経験則。運営費・空室率・諸費用を必ず織り込んで再計算してください。
  • 空室率をゼロで計算する — 一棟物件の空室率は都心で5〜10%、地方で15〜25%が実勢。区分マンションでも入退去時の1〜2ヶ月空室は避けられません。楽観的想定は禁物です。
  • 修繕積立金の値上げを織り込まない — 区分マンションでは築年数とともに修繕積立金が上昇し、大規模修繕時に一時金徴収があるケースも。マンション管理適正化法に基づく長期修繕計画を確認してください。
  • ローン返済の元本は経費と誤認 — 税務上、経費計上できるのはローン支払利息のみ。元本返済は経費外で、税務上の所得と手元CFに差が出ます。「税務上黒字なのに手元は赤字」の逆パターンも起きます。
  • 減価償却終了後の税負担急増 — 木造22年、RC造47年で減価償却が終わると、帳簿上の経費が減り課税所得が急増。事前にライフサイクル計画を立てておく必要があります。
  • サブリース家賃保証を過信 — サブリース(家賃保証)は途中で保証家賃を大幅減額できる契約が多く、国交省の告発事例も多数。金融庁・国交省がガイドラインを整備しているものの、契約書を精読し、減額条項を確認してください。
  • 火災保険の免責事項を確認しない — 地震・水災・風災は特約でカバーする必要があります。ハザードマップを確認し、必要な補償を確保してください。免責金額の設定でも保険料が変わります。

関連する規制・ガイドライン

  • 宅地建物取引業法 ― 不動産取引全般。仲介手数料上限、重要事項説明義務等。国交省所管。
  • 賃貸住宅管理業法(2021年施行) ― 賃貸住宅管理業者・特定転貸事業者(サブリース)の登録制。国交省所管。
  • マンション管理適正化法 ― 区分マンションの長期修繕計画・管理組合運営の適正化。国交省所管。
  • 不動産特定共同事業法 ― 小口化投資商品の規制。金融庁・国交省共管。
  • 金融商品取引法 ― J-REIT・不動産クラウドファンディング等の投資商品規制。金融庁所管。
  • 建築基準法 ― 建物の構造・耐震・用途規制。国交省所管。
  • 不動産投資家調査(国交省・日本不動産研究所) ― 半年ごとの機関投資家アンケートに基づく期待利回りデータ。

参考文献・公的資料

不動産投資の判断には公的統計・調査データが不可欠です。以下の資料を参照してください。

※本ページの計算結果および利回り目安は概算値です。実際の投資判断は物件個別の立地・築年数・管理状態・賃貸需要・エリア動向・ローン条件等を総合的に検討し、宅地建物取引士、税理士、ファイナンシャル・プランナー等の専門家にご相談ください。表面利回りが高い物件ほど空室・修繕リスクが高い傾向にあり、期待収益と実収益は乖離することが一般的です。

よくある質問(FAQ)

表面利回りと実質利回りの違いは?

表面利回りは年間家賃÷物件価格で、空室率・運営費・諸費用を一切考慮しません。実質利回りは(実効家賃-運営費)÷(物件価格+諸費用)で、実態に近い数値です。広告表面利回りが10%でも、実質利回りは5〜7%に落ちるのが通例。実務判断は必ず実質利回りベースで行ってください。

安全な実質利回りの目安は?

ローン金利より2〜3%以上高いことが安全域の目安。例えば変動金利2%で借りるなら実質利回り4〜5%以上を確保。都心区分では3〜4%、地方一棟では5〜7%が現実的な水準です。目先の高利回りに惹かれず、金利上昇時のストレステストも合わせて実施しましょう。

空室率はどう設定すべき?

都心区分マンション: 5〜10%、都心一棟: 10〜15%、地方中核市: 15〜20%、地方都市: 20〜30%が実勢目安。総務省住宅・土地統計調査の空き家率も参考になります。楽観的な想定は避け、余裕をもって見積もりましょう。

諸費用はどれくらい見込む?

物件価格の5〜10%が目安。仲介手数料(価格の3%+6万+税)、不動産取得税、登録免許税、司法書士報酬、火災・地震保険、ローン事務手数料・保証料等が積み上がります。中古物件では登記関係が新築より高くなる傾向。

ローン返済比率(DCR)とは?

Debt Coverage Ratio = 年間家賃収入 ÷ 年間ローン返済額。1.3以上が銀行の一般的な融資基準。1.0を下回ると赤字物件。空室率悪化時の耐性を高めるためにも、DCRは1.5以上を目指しましょう。

減価償却の耐用年数は?

木造22年、軽量鉄骨27年、重量鉄骨34年、RC造47年が法定耐用年数。中古物件は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2」で算出。築22年超えの木造アパートは残存4年で計算でき、初期数年間の減価償却費が大きく取れるため、給与所得との損益通算で節税効果が期待できます。

サブリース契約のリスクは?

家賃保証がついて安心に見えますが、途中で保証家賃を大幅減額される契約が大半。国交省・金融庁が繰り返し注意喚起しています。2021年施行の賃貸住宅管理業法で規制強化されましたが、契約書を精読し、減額条項・解約条項を必ず確認してください。

修繕積立金は将来どう変わる?

マンション管理適正化法に基づく長期修繕計画で見直しが行われ、築15〜20年時点で1.5〜2倍に上がることも珍しくありません。購入時点の管理費・修繕積立金だけで判断せず、長期修繕計画書と管理組合の議事録で今後の見通しを確認してください。

金利上昇時のリスク管理は?

変動金利で借りている場合、金利1%上昇でCFが月数万円悪化することも。ストレステスト(金利2〜3%上昇時のCF試算)を購入前に実施し、余裕をもった資金計画を立てましょう。固定金利への借換や繰上返済も選択肢です。

不動産所得の確定申告は必要?

不動産所得が20万円を超えれば確定申告が必要です。青色申告(事業的規模・帳簿要件を満たせば65万円控除)が節税に有効。事業的規模の目安は独立家屋5棟または貸室10室以上。税理士報酬も経費計上できます。

相続税対策として不動産投資は有効?

現金と比較して不動産の相続税評価額は路線価×借家権割合(30%減)×小規模宅地の特例等で圧縮され、評価額が現金の40〜60%程度になることが多い。ただし収益性が悪い物件を購入すると相続後の管理負担が重くなるため、相続税節減と収益性のバランスが重要です。

J-REIT投資と現物投資の違いは?

J-REITは証券市場で売買可能・分散投資済・利回り3〜5%・管理不要ですが値動きあり。現物投資は管理負担・空室リスク・借入活用可・大きな成長余地。フルタイム業務がある人は入口としてJ-REITが手軽で、不動産投資の勘所を掴んでから現物へ、というステップも合理的です。