不動産投資利回りシミュレーター|表面/実質/CCR/IRR・35年CF・売却時IRRまで対応の完全版【2026年最新】
物件価格・家賃・空室率・経費率・借入条件・売却シナリオを入力するだけで、表面利回り・実質利回り・CCR(自己資金利回り)・IRR(内部収益率)・35年キャッシュフローを一発計算し、投資判断ランク(A〜E)まで自動評価します。区分マンション・一棟アパート・都心タワマン・地方一棟・中古戸建てまで、あらゆる物件タイプの精密試算に対応。国土交通省の不動産投資市場動向と日本不動産研究所の実勢データを踏まえた、2026年最新版の意思決定支援ツールです。
不動産投資利回りシミュレーター
CF内訳フロー
35年 年次キャッシュフロー
| 年 | 家賃 | 経費 | 返済 | 年次CF | 累計CF | 残債 |
|---|
結果の見方
不動産投資は「表面利回り」だけを見て買うと必ず失敗します。当ツールが返す5指標は次の順で判断してください。
- 表面利回り:年間家賃÷物件価格。物件広告に載る数字だが、実際の投資判断には使えない。空室・経費・借入を無視した見せかけ数値。
- 実質利回り:(年間家賃−経費)÷(物件価格+諸費用)。実勢に近い数値で、都心5%、地方7〜10%が判断基準。
- CCR(Cash on Cash Return):手取りCF÷自己資金。融資レバレッジ効果込みの本質的な収益率。年10%以上ならA判定。
- IRR(内部収益率):売却まで含めた総合投資利回り。IRR≧5%が最低ライン、10%超で優良、15%超で希少物件。
- 初年度CF・月次CF:家計・事業のキャッシュフロー影響。マイナスの月次CFは即撤退検討の水準。
計算の仕組みと数式
表面利回り
表面利回り = 満室想定年間家賃 ÷ 物件価格 × 100
投資判断ではほぼ意味のない数字ですが、物件広告や不動産業者の紹介ではこの数字が使われます。空室・経費・借入がゼロの理想論。
実質利回り(NOI利回り)
NOI = 年間家賃 × (1 − 空室率) − 運営経費
実質利回り = NOI ÷ (物件価格 + 諸費用) × 100
プロの不動産投資家が最初に見る指標。NOI利回りとも呼ばれ、Cap Rate(キャップレート)の日本版。
CCR(自己資金利回り)
自己資金 = 物件価格 × (1 − LTV) + 諸費用
CCR = (NOI − 年間ローン返済) ÷ 自己資金 × 100
融資レバレッジの効果を織り込んだ本質的な収益率。年10%以上なら他の金融商品を上回る優良投資、年5%以下なら株式インデックスに劣後する可能性。
IRR(内部収益率)
NPV = Σ (年次CF ÷ (1+IRR)^n) + 売却時CF ÷ (1+IRR)^N − 自己資金 = 0
※IRRはニュートン法等で数値解法
年次CFと売却時CFを含めた総合利回り。銀行預金・国債の利回りより十分高いか、株式インデックスと比較してリスクプレミアムを取れているかの判断軸。
投資判断ランク
| ランク | IRR基準 | CCR基準 | 判断 |
|---|---|---|---|
| A | 15%以上 | 15%以上 | 優良物件・積極投資 |
| B | 10〜15% | 10〜15% | 合格・購入検討 |
| C | 5〜10% | 5〜10% | 要精査・条件次第 |
| D | 0〜5% | 0〜5% | 非推奨・見送り |
| E | マイナス | マイナス | 絶対回避 |
物件タイプ別 利回り相場(2026年時点)
| 物件タイプ | 表面利回り | 実質利回り | 空室率 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 都心区分マンション | 3〜5% | 2〜4% | 5〜10% | 資産性高、CFはトントン |
| 郊外区分マンション | 6〜8% | 4〜6% | 10〜15% | CF重視、資産性は中 |
| 都心一棟アパート/マンション | 5〜7% | 3〜5% | 5〜10% | 大型投資、融資引きやすい |
| 地方一棟 | 10〜15% | 6〜10% | 15〜25% | 高利回り、空室・修繕リスク大 |
| 中古戸建て | 12〜18% | 8〜12% | 10〜15% | 安価スタート、DIY必要 |
| 都心タワーマンション | 3〜4% | 2〜3% | 3〜7% | 資産性・流動性最高 |
2026年時点、日銀のマイナス金利政策解除後の金利上昇局面で、都心物件の利回りは低下、地方・中古物件の利回りは上昇傾向。Cap Rateと10年国債利回りのスプレッド(利回り差)で市況の適正水準を判断するのがプロの手法です。
ケーススタディ:物件タイプ別 投資評価
① 区分マンション2,000万・表面利回り7%
郊外の中古区分マンション、家賃月11.7万円。— がIRR。CCR、年次CFで判断すべきエントリー物件。空室率10%・経費率20%を仮定して安全設計。
② 一棟アパート5,000万・表面利回り9%
地方一棟、家賃月37.5万円(3〜4戸)。—。空室率15%・経費率22%で試算。8戸想定なら1〜2戸空室でも赤字にならない設計が肝。
③ 都心タワーマンション8,000万・表面5%
都心のブランドタワマン、家賃月33.3万円。—。CFは薄いが資産性・流動性重視の投資。売却時のキャピタルゲイン狙い、10年後1億超なら合格。
④ 地方一棟3,000万・表面12%
地方の築古一棟マンション、家賃月30万円。—。表面利回りは魅力的だが空室25%・経費30%で試算するとCCRは意外に低下。修繕リスクへの引当必須。
⑤ 中古戸建て1,000万・表面15%
DIY前提の激安中古戸建て、家賃月12.5万円。—。表面利回りは高いが、修繕・退去後の空室リスクが大きく、実質利回りは低下。個人投資家の入門物件。
IRR・NPVによる投資判断
IRR(内部収益率)の意味
IRRは「投資による将来キャッシュフローの現在価値合計が、投資額と等しくなる割引率」。実質的にはこの物件投資が持つ本源的な期待収益率を表します。他の投資商品(株式インデックス想定7%、REIT想定4%、10年国債1%)と比較して、リスクプレミアムを取れているかで判断。
IRRが機能しないケース
- キャッシュフローの符号が複数回変わる場合(例:大規模修繕で一時的にマイナス):複数のIRR解が存在し、判断できない。この場合はMIRR(修正IRR)を使う。
- 投資規模が異なる案件比較:IRRは率のため、絶対額の判断はNPVで補完必要。
- 短期間の案件:3年未満の案件はIRRが極端に大きく(または小さく)出やすい。
NPV(正味現在価値)との併用
NPV = Σ(年次CF ÷ (1+割引率)^n) + 売却CF÷(1+割引率)^N − 自己資金
※割引率は「株式インデックス期待利回り7%」等を採用
NPV>0なら投資価値あり、NPV<0なら見送り。IRRとNPVを両方確認するのが、複数物件比較の基本アプローチです。
失敗しない投資判断のポイント
ストレステストの重要性
基本ケースに加えて、次の3シナリオで必ず再計算してください:
- 金利上昇シナリオ:現行金利+1.5%(変動から固定への移行想定)
- 空室率悪化シナリオ:基本ケース+10ポイント(築古化で入居率低下)
- 家賃下落シナリオ:家賃10〜15%下落(近隣競合物件の増加)
この3シナリオでもCCRがプラスを維持できる物件のみ、購入候補に残すのが安全な選定基準。
諸費用と税務の落とし穴
- 諸費用:物件価格の6〜10%が相場。仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)、登記費用、不動産取得税、火災保険、印紙税等の合計。
- 減価償却:建物部分は法定耐用年数で償却(木造22年、RC47年)。中古なら残存年数計算。減価償却費は経費計上で節税効果あり。
- 青色申告特別控除:不動産所得を青色申告すれば最大65万円控除。事業的規模(5棟10室基準)が要件。
- 売却時の譲渡所得税:短期(5年以下)39.63%、長期(5年超)20.315%。5年超保有が節税上の分岐点。
融資戦略のポイント
- 金融機関の選択:都銀(金利安・審査厳)→地銀(バランス型)→信金(地元密着)→ノンバンク(金利高・審査ゆるい)。
- 属性重視:年収・勤続年数・自己資金・保有不動産で評価。年収1,000万円超・上場企業勤務なら都銀で1〜1.5%の低金利が可能。
- アパートローン vs 事業ローン:規模が大きくなると事業ローンへの切替が必要。法人化で融資枠拡大。
よくある質問(FAQ)
表面利回りと実質利回りはどちらを見るべきですか?
投資判断には必ず実質利回り(NOI利回り)を使ってください。表面利回りは物件広告用の見せかけ指標で、空室・経費・諸費用を無視しています。表面7%と実質4%は「同じ物件でも別物」で、実質利回り基準で年5〜7%(都心)、7〜10%(地方)が最低ライン。さらに融資レバレッジを効かせたCCR(自己資金利回り)年10%以上が理想です。
不動産投資のIRRの目安は?
プロの機関投資家(J-REIT・私募ファンド)はIRR 6〜9%を目標に組成することが多く、個人投資家の実勢はIRR 8〜12%を優良物件の目安とします。IRR 5%を下回ると株式インデックス(過去実績7〜8%)に劣後するリスクが大きく、投資妙味に乏しい。逆にIRR 15%超は「地方築古一棟」など特殊物件に限られ、その分空室・修繕リスクも大きいため、リスク調整後で判断する必要があります。
頭金(自己資金)はどれくらい入れるべきですか?
フルローン(LTV100%)は金利上昇・家賃下落で即座に赤字転落するため、物件価格の20〜30%を自己資金で入れるのが安全ライン。CCR最大化を狙うなら自己資金を少なく(レバレッジ高く)した方が良いが、リスク許容度と両立させる必要がある。物件購入諸費用(6〜10%)は別途キャッシュで用意し、借入とは切り分けるのが実務的です。
空室率と経費率はどう見積もりますか?
空室率は物件所在地の実勢データを使う。国交省「住宅・土地統計調査」で市区町村別の賃貸空室率が公開されており、地方主要都市15〜25%、東京23区5〜10%が目安。経費率は家賃の15〜25%(区分マンション15%、一棟アパート20%、地方築古25%)。管理会社への委託手数料(家賃の3〜5%)、共用部電気水道、修繕、固定資産税・都市計画税、火災保険、税理士費用等の合計です。
減価償却で節税できるってどういうことですか?
建物価格を法定耐用年数(木造22年、RC47年)で費用化する会計処理で、実際のキャッシュ流出を伴わない経費として所得を圧縮できます。中古物件は「(耐用年数−経過年数)+経過年数×20%」で短縮でき、築22年超の木造なら4年で全額償却可能。年間500万円の減価償却費を計上できれば、税率33%層で年165万円の節税。ただし売却時に減価償却分は取得費から控除されるため、譲渡所得税が増える点は要注意。
金利上昇したらどうなりますか?
変動金利で借りている場合、金利1%上昇でCCRが3〜5ポイント低下することがあります。例:2,000万円借入・年2.5%・35年→月次返済71,000円。年3.5%に上昇すると月82,700円と+11,700円/月の負担増、年間14万円の利益減。日本の変動金利は「125%ルール」で急激な返済額上昇は緩和されますが、その分は元本に上乗せされ、返済総額としては増加。金利上昇リスクへの備えは「①固定金利選択」「②繰上返済原資の積立」「③家賃値上げ余地の確認」の3点。
売却タイミングはいつが最適ですか?
実務上の判断軸は3つ:①5年超保有で長期譲渡所得(税率20.315%)が適用される節目、②減価償却が終わった時点(節税効果が消滅)、③大規模修繕直前(次期オーナーが修繕負担)。IRRが最大化するタイミングは物件・借入条件により異なるため、当ツールで売却時期を1年ずつ動かしてIRRのピークを探るのが実務的アプローチです。
法人化はいつすべきですか?
目安は「年間不動産所得500〜700万円超」または「個人所得税率が法人実効税率(約23〜30%)を超える」タイミング。個人所得税率は年収900万円で20%+住民税10%=30%、年収1,800万円で33%+住民税10%=43%と累進するため、高所得層ほど法人化のメリット大。法人化のメリットは①税率安定、②役員報酬による所得分散、③相続対策、④融資枠拡大。デメリットは①設立コスト20〜30万円、②毎年の法人税等7万円(赤字でも)、③会計事務の複雑化。
ローン返済比率はどこまで許容できますか?
年間家賃収入に対する年間ローン返済額の比率(Debt Service Coverage Ratio, DSCR)で判断します。DSCR=NOI÷ローン返済で、1.3以上が安全圏、1.5以上が優良。DSCR 1.0を下回ると家賃だけでローン返済ができず、他収入から補填する赤字物件になります。融資審査でも金融機関はDSCRを重視し、地銀・信金は1.2〜1.3を最低ラインとする傾向。DSCR 1.5以上を目安に物件・借入条件を組み立てるのが定石です。
不動産投資と株式インデックス投資、どちらが有利ですか?
過去30年のリターンは全世界株式インデックス年7〜8%、REIT年4〜5%、実物不動産IRRで6〜10%(レバレッジ込み)。絶対リターンでは株式インデックスが優位ですが、不動産は①レバレッジで自己資金効率が上がる、②実物資産で安定、③相続対策で評価圧縮、④節税効果(減価償却)、⑤他人資本での資産形成、というメリットがあり、資産ポートフォリオの一部として組み入れる意義があります。20〜40代は株式インデックス中心+40〜50代から不動産組入れ、というのがFPの一般的な推奨アプローチです。
出典・参考資料
- 国土交通省「不動産投資市場動向調査」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/
- 日本不動産研究所「不動産投資家調査」 https://www.reinet.or.jp/
- 国土交通省「住宅・土地統計調査」(総務省統計局) https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/
- 国税庁「不動産所得の課税」タックスアンサーNo.1370 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
- 一般社団法人 不動産流通推進センター「不動産投資リスクマネジメント」 https://www.retpc.jp/
※本記事の計算結果はあくまで概算です。実際の不動産投資判断は、物件個別の詳細調査(築年数・設備・立地・周辺相場・法規制)、金融機関の融資条件、税務・会計・法務の専門家意見を踏まえて慎重に行ってください。