比重・密度 計算ツール|質量と体積から相互変換・120物質の密度早見・浮力チェック
物質の比重・密度を、質量と体積から瞬時に計算。液体・金属・気体・木材・食品120物質の密度プリセット、油と水の比重比較、浮力チェック、SI単位換算まで対応。石油計量・自動車バッテリー診断・薬液調製・食品加工・地質学の現場実務で頻用される国際指標を、JIS/計量法・API・ASTMなど公的規格に照らして解説します。
比重・密度 計算機
計算式と単位系
基本式
密度 ρ = 質量 m ÷ 体積 V (g/cm³)
比重 = 物質の密度 ÷ 基準密度(4℃水 = 1.0000 g/cm³)
密度は単位体積あたりの質量で、g/cm³ または kg/m³ の単位を持つ物性値です。一方、比重は基準物質(通常4℃の水)に対する密度の比で、単位を持たない無次元量です。基準物質を明示することが重要で、通常は「4℃の純水 = 1.0000 g/cm³」を基準としますが、工学分野では「20℃水 = 0.9982 g/cm³」を採用するケースも多くあります。
SI単位系との関係
1 g/cm³ = 1000 kg/m³ = 1 g/mL = 1 kg/L
国際単位系(SI)では密度は kg/m³ で表現しますが、実用計算では g/cm³ が広く使われます。両者は 1000 の係数で相互変換可能。設計図書や海外資料では kg/m³ 表記が標準のため、換算漏れは配管サイズ・構造計算の誤りに直結します。
関連する派生指標
比重の派生として API比重(°API)(石油業界)、ボーメ度(°Bé)(化学・食品)、Brix度(°Bx)(糖度)、プラトー度(°P)(ビール醸造)などがあります。いずれも比重を業界固有のスケールに変換したもので、詳細換算はAPI比重換算・ボーメ度換算・Brix度換算ページを参照してください。
比重と密度の違い
実務・学術ともに「密度」と「比重」は明確に区別することが求められます。混同されやすい両者の違いを整理します。
| 項目 | 密度 (Density) | 比重 (Specific Gravity) |
|---|---|---|
| 定義 | 単位体積あたりの質量 | 基準物質に対する密度の比 |
| 単位 | g/cm³, kg/m³ | 無次元 |
| 温度依存 | 絶対値そのもの | 基準温度で変わる |
| 基準物質 | なし | 通常は水(4℃または20℃) |
| 数値の一致 | — | 4℃水基準では密度と数値一致 |
| 使用場面 | SI単位系・国際標準 | 比重計・現場測定 |
希薄水溶液など水に近い液体では「比重 ≒ 密度の数値」として扱えますが、厳密には別概念です。学術論文・技術報告書・法令に基づく公式書類では、いずれを使用したか(密度か比重か、基準物質は何か、測定温度は何度か)を必ず明示する必要があります。
液体の密度早見表(20℃基準)
実務で頻用する液体の密度をまとめました。産業技術総合研究所(AIST)の計量標準総合センターおよび日本化学会「化学便覧」の値を参考にしています。
| 液体 | 密度 g/cm³ | 実務用途・備考 |
|---|---|---|
| 水(4℃) | 1.0000 | 密度の国際基準点 |
| 水(20℃) | 0.9982 | 工学計算の実用基準 |
| 水(100℃) | 0.9584 | 沸点水・給湯配管設計 |
| 海水(塩分3.5%) | 1.025 | 船舶喫水・海水養殖 |
| 氷(0℃) | 0.917 | 水に浮く特異性 |
| エタノール | 0.789 | アルコール蒸留・消毒液 |
| メタノール | 0.792 | 燃料電池・化学原料 |
| アセトン | 0.791 | 塗料溶剤・接着剤 |
| ガソリン | 0.72-0.78 | 1L=720-780g、車両燃料 |
| 灯油 | 0.80 | 1L=800g、暖房・ジェット燃料 |
| 軽油 | 0.83 | 1L=830g、ディーゼル燃料 |
| A重油 | 0.86 | 1L=860g、ボイラー燃料 |
| C重油 | 0.94 | 1L=940g、船舶・大型ボイラー |
| 食用油(サラダ油) | 0.92 | 揚げ物・調理 |
| オリーブ油 | 0.918 | 食用・化粧品 |
| 牛乳 | 1.03 | 脂肪分3.5%換算 |
| はちみつ | 1.42 | 糖度80%相当 |
| グリセリン | 1.26 | 化粧品・食品添加物 |
| 濃硫酸 98% | 1.84 | バッテリー電解液の原料 |
| 希硫酸(バッテリー液) | 1.28 | 満充電状態の目安 |
| 塩酸 36% | 1.18 | pH調整・洗浄剤 |
| 硝酸 63% | 1.38 | 金属エッチング・化学合成 |
| アンモニア水 28% | 0.898 | 洗浄剤・冷媒原料 |
| 水銀 | 13.546 | 気圧計・血圧計 |
| 不凍液(LLC) | 1.06 | 自動車冷却水 |
詳細な120液体の密度と質量↔体積相互変換は、液体比重表・密度計算ツールで参照可能です。
金属・合金の密度早見表
板金・切削・鉄骨工事の重量計算に頻用する金属・合金の密度です。JIS G 3192「熱間圧延形鋼」、JIS G 3141「冷間圧延鋼板」等の規格値に基づきます。
| 金属・合金 | 密度 g/cm³ | 主要用途 |
|---|---|---|
| マグネシウム(Mg) | 1.74 | ノートPC筐体・軽量部品 |
| マグネシウム合金 AZ31 | 1.78 | 軽合金構造材 |
| アルミニウム(純Al) | 2.70 | 建材・箔・電気導体 |
| A5052(Al-Mg合金) | 2.68 | 船舶・車両 |
| A7075(超々ジュラルミン) | 2.81 | 航空機・レース |
| チタン(純Ti) | 4.51 | 医療インプラント・化学プラント |
| Ti-6Al-4V(チタン合金) | 4.43 | 航空機構造材 |
| 亜鉛(Zn) | 7.13 | めっき・電池電極 |
| クロム(Cr) | 7.19 | ステンレス添加・めっき |
| ねずみ鋳鉄 FC250 | 7.20 | 機械台座・部材 |
| スズ(Sn) | 7.29 | はんだ・食缶 |
| ステンレス SUS430 | 7.70 | 厨房・建材(フェライト系) |
| ステンレス SUS440C | 7.75 | ベアリング・刃物 |
| 鉄(炭素鋼 SS400/S45C) | 7.85 | 建築構造・機械部品(汎用) |
| ステンレス SUS304 | 7.93 | 厨房・食品機械 |
| ステンレス SUS316 | 7.98 | 海水・化学プラント |
| インコネル 718 | 8.19 | 耐熱合金・ジェット |
| 真鍮 C2801 | 8.40 | 装飾・電気接点 |
| 快削黄銅 C3604 | 8.50 | 切削加工用 |
| ニッケル(Ni) | 8.90 | 合金添加・化学触媒 |
| 銅(Cu) | 8.94 | 電気導体・熱交換器 |
| モリブデン(Mo) | 10.22 | 耐熱・電子部品 |
| 銀(Ag) | 10.49 | 装飾・電子接点 |
| 鉛(Pb) | 11.34 | 放射線遮蔽・鉛蓄電池 |
| タングステン(W) | 19.30 | 切削工具・重量調整 |
| 金(Au) | 19.32 | 装飾・電子接点 |
| 白金(Pt) | 21.45 | 触媒・装飾・電極 |
金属材料からの重量計算(板・丸棒・パイプ等)は金属比重表・材料重量計算ツールで対応しています。
気体・木材・食品の密度
主要気体の密度(標準状態 0℃・1気圧)
| 気体 | 密度 kg/m³ | 空気比 |
|---|---|---|
| 水素(H₂) | 0.0899 | 0.070(最軽量) |
| ヘリウム(He) | 0.1786 | 0.138 |
| メタン(CH₄) | 0.7168 | 0.554(都市ガス主成分) |
| アンモニア(NH₃) | 0.7714 | 0.596 |
| 窒素(N₂) | 1.2506 | 0.967(空気主成分) |
| 空気(乾燥) | 1.293 | 1.000(基準) |
| 酸素(O₂) | 1.4290 | 1.105 |
| プロパン(C₃H₈) | 1.9670 | 1.522(LPG主成分) |
| 二酸化炭素(CO₂) | 1.9770 | 1.529 |
木材の密度(気乾状態 含水率15%)
| 樹種 | 密度 g/cm³ | 用途 |
|---|---|---|
| バルサ材 | 0.10-0.20 | 模型・浮力材 |
| 桐(キリ) | 0.29 | タンス・下駄 |
| 杉(スギ) | 0.38 | 建築構造材 |
| 檜(ヒノキ) | 0.44 | 建築仕上げ材 |
| 松(マツ) | 0.53 | 建築・家具 |
| ケヤキ | 0.62 | 家具・彫刻 |
| ナラ(オーク) | 0.68 | 家具・洋樽 |
| チーク | 0.66 | 船舶甲板・高級家具 |
| 黒檀(コクタン) | 1.20-1.30 | 楽器・仏具(水に沈む) |
身近な食品・素材の密度
| 物質 | 密度 g/cm³ |
|---|---|
| コルク | 0.24 |
| 氷(0℃) | 0.917 |
| ポリエチレン | 0.92-0.97 |
| ゴム(天然) | 0.92 |
| ポリスチレン | 1.05 |
| 塩化ビニル(PVC) | 1.38 |
| ガラス(ソーダ石灰) | 2.4-2.6 |
| コンクリート | 2.3 |
| 大理石 | 2.7 |
| ダイヤモンド | 3.52 |
温度補正と実務ポイント
密度は温度で変化します。水では4℃で最大密度(1.0000 g/cm³)を示し、それ以上でも以下でも密度が下がる特異性を持ちます。実務では以下の温度補正が重要です。
水の温度別密度
| 温度 | 密度 g/cm³ |
|---|---|
| 0℃ | 0.9998 |
| 4℃ | 1.0000(最大) |
| 10℃ | 0.9997 |
| 20℃ | 0.9982 |
| 25℃ | 0.9971 |
| 40℃ | 0.9922 |
| 60℃ | 0.9832 |
| 80℃ | 0.9718 |
| 100℃ | 0.9584 |
石油業界の15℃基準体積補正
石油業界では原油・燃料の売買量を15℃基準の体積で計量することが国際慣習となっており、日本の計量法でも軽油の取引は15℃基準です。実測温度から15℃への補正には、API MPMS Chapter 11.1(旧ASTM D1250)の体積補正係数表(VCF)を適用します。同じ1kLでも夏場30℃と冬場5℃では実質量が0.5〜1%変わり、大型ローリー1台分で数万円の差が生じます。
膨張係数の目安
1℃の温度上昇で密度が減少する割合(体膨張係数/3の逆数)は、水で約0.02%、ガソリンで約0.07%、灯油で約0.09%、水銀で約0.02%です。精密計量では常に温度記録と補正が必要です。
測定方法(比重計・ピクノメーター・振動式)
液体・固体の密度測定には、精度・用途に応じた複数の方法があります。
浮ひょう式比重計(液体比重計)
細長いガラス管に目盛りを刻んだ浮体を液体に浮かべ、沈み具合で密度を読み取ります。精度±0.001程度で、現場即測に便利。バッテリー液(希硫酸)、船舶の海水塩分、ワイン・日本酒の醸造管理などで日常的に使用。JIS B 7527「浮ひょう」に規格化されています。
ピクノメーター(比重瓶)
正確な内容積を持つガラス製瓶。空瓶質量→試料充填質量→試料密度を測定します。精度±0.0001以上の高精度が実現でき、ISO/JISに基づく公式測定・研究室測定の標準法。JIS Z 8804に測定手順が規定されています。
振動式(オシレーティング)密度計
U字管に試料を流し込み、共振周波数の変化から密度を算出する電子式装置。全自動測定可能で、精度±0.00001も可能。石油精製・製薬・食品品質管理の主流装置。米AntonPaar社等が製造。
アルキメデス法(固体密度)
固体を空気中と水中で秤量し、浮力から体積・密度を算出。伝統的な手法ですが、複雑形状の固体でも測定可能で、JIS Z 8807「固体の密度及び比重の測定方法」の基本原理として今も現役です。
業界での応用
🛢️ 石油計量・タンク運用
15℃基準の体積補正(VCF)で在庫と出荷を一致させる。ガソリン・灯油・軽油・重油ごとの標準密度と実測密度の差から温度補正係数を求め、伝票・請求金額に反映。ローリー配送、SS(サービスステーション)在庫管理、備蓄基地の月次締めで必須。日本国内では計量法の対象。
🚗 自動車整備・バッテリー診断
鉛蓄電池の電解液比重を月次点検で測定し、1.20以下で補充電、1.10以下でセル交換判断。ハイブリッド車補機バッテリー、フォークリフト、非常用電源設備の保安点検で法定義務化されている項目もある。液温補正(20℃基準)必要。
🧪 薬液調製・希釈作業
化学工場、農薬散布現場、水処理施設、めっき工場で原液の比重から希釈mL量を逆算。硫酸・水酸化ナトリウム・次亜塩素酸ナトリウムなど濃度違いの製品を混同しないための一次チェックにも使用。労働安全衛生法・毒物劇物取締法の対象物質も多い。
🍶 食品加工・醸造
糖度(Brix)・アルコール度数・塩分濃度と比重の相関から工程管理。ビール醸造では発酵前後の比重差からアルコール度数を推定(OG-FG法)、味噌・醤油では塩分比重管理で品質を安定化。日本酒では日本酒度(比重の派生指標)が甘辛度の指標。
🌊 海洋・環境調査
海水の塩分・温度による密度差が海洋循環(熱塩循環)を駆動。気象庁・海上保安庁・水産庁が世界中の海洋観測ブイで密度データを収集し、気候変動研究・漁業資源管理に活用。潜水艦の中性浮力調整、海水淡水化ROプラントの濃縮ブライン管理も密度ベース。
🏗️ 建築・土木・地質
コンクリート配合設計、土の湿潤密度・乾燥密度・締固め度、岩石の空隙率、地盤支持力の算定に密度データを使用。JIS A 1225(土の湿潤密度試験)、JIS A 1108(コンクリート供試体圧縮試験)などで基準化。
よくある間違い・注意点
- 温度を無視して密度を比較 — 密度は温度で変わります。ガソリンは1℃上昇で約0.0007 g/cm³低下。夏冬の値をそのまま比較すると1%以上の誤差が出て、大量取引では致命的です。基準温度(4℃/15℃/20℃)を必ず併記してください。
- 「比重=密度」と扱う — 基準物質が水4℃の場合は数値が一致するものの、20℃水基準(0.9982)だと数値がズレます。学術・工業規格ごとに基準が異なるため、換算時は必ず基準を確認しましょう。
- メスシリンダーの精度過信 — 比重計算で使うメスシリンダーの読取り誤差は最大±1%程度。0.1%精度が要る計量は電子天秤と比重瓶(ピクノメーター)を併用します。
- SI単位換算ミス — g/cm³ から kg/m³ への換算は×1000。設計図面や海外資料ではkg/m³表記が標準のため、換算漏れは配管サイズや構造計算のミスに直結します。
- 空気の浮力補正忘れ — 高精度密度測定では、大気の浮力(空気密度 約1.2 kg/m³)による見かけ質量の減少を補正する必要があります。0.01%以上の精度を求める測定では必須。
- 混合液体を線形加算で計算 — 水+アルコール等の混合液体では体積の非加算性(体積が減る)により、単純な混合式で密度計算すると誤差が出ます。表参照または実測を推奨。
関連する規格・法令
- JIS Z 8807 ― 固体の密度及び比重の測定方法。アルキメデス法・ピクノメーター法など、日本国内における固体密度測定の公式基準。
- JIS Z 8804 ― 液体比重測定方法。ピクノメーター・比重計(浮ひょう)・振動式密度計による液体密度測定の手順を規定。
- JIS Z 8402 ― 測定方法及び測定結果の精度(真度及び精度)。密度測定を含む一般試験手順の共通ルール。
- JIS K 2249-1 ― 原油及び石油製品-密度の求め方及び密度・質量・容量換算表(標準温度15℃)。石油業界の計量標準。
- API MPMS Chapter 11.1 ― American Petroleum Institute Manual of Petroleum Measurement Standards Chapter 11.1(旧ASTM D1250)。石油製品の温度体積補正表。
- ASTM D287 ― Standard Test Method for API Gravity of Crude Petroleum and Petroleum Products(比重計による測定手順)。
- ASTM D4052 ― Standard Test Method for Density, Relative Density, and API Gravity of Liquids by Digital Density Meter(振動式密度計)。
- 計量法(日本) ― 取引・証明用の計量器は検定合格品を使用(計量法第16条)。石油ローリーは15℃補正が売買の基準。
- 電気設備の技術基準(電技解釈) ― 蓄電池設備の比重測定・記録は電気事業法の保安規程に基づく点検項目。
参考文献・公的資料
より正確な密度データや詳細な測定手順を確認したい場合は、以下の公的機関・学会の資料を参照してください。
- 産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ) ― 日本の国家計量標準を管理する機関。密度・比重の一次標準を保有し、認証標準物質(CRM)を頒布しています。
- 経済産業省 計量法 ― 計量法・計量単位令等、日本の計量制度の公式情報。取引・証明の計量ルール。
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS規格の公式索引。JIS Z 8807・JIS Z 8804・JIS K 2249などを検索・閲覧できます。
- American Petroleum Institute (API) Standards ― 石油計量標準(MPMS)の公式ページ。API比重・体積補正表など国際基準の一次資料。
- ASTM International Standards ― 米国材料試験協会。ASTM D287・D4052等の密度測定標準規格。
- IUPAC(国際純正・応用化学連合) ― 化学物質の物性値(密度含む)の国際基準。
- NIST Chemistry WebBook(米国国立標準技術研究所) ― 温度・圧力に応じた流体の物性(密度・粘度等)を無料検索できるデータベース。
- 日本化学会 ― 化学便覧・化学大辞典等、化学物性データの標準的な引用元。
- 気象庁 湿度・温度と生活 ― 空気密度・湿度に関する気象データ。
- 石油連盟 ― 日本の石油業界団体。原油・石油製品の統計・物性情報。
よくある質問(FAQ)
「比重」と「密度」は同じ?
密度は単位体積あたりの質量(g/cm³)。比重は水との相対比で無次元です。水の密度1.000 g/cm³なので、希薄水溶液では「比重 ≒ 密度の数値」と扱えますが、厳密には別の概念。学術・工業規格では基準物質(通常4℃または20℃の水)を明示することが求められます。
氷が水に浮く理由は?
氷は水素結合で空間的に隙間の多い結晶構造を作るため、密度が水より小さい(0.917)。これは水の特異性で、ほとんどの物質は固体のほうが液体より密度が高いのが一般的です。この性質のおかげで湖沼が凍結しても表面のみで水中生物が生存可能になり、地球の生命維持に不可欠な物理現象となっています。
バッテリー液の比重計とは?
主にバッテリー液(希硫酸)の比重を測る道具。1.28以上が満充電、1.20以下で要充電の判定。電解液濃度=比重で診断できます。フォークリフト、電動車、蓄電池点検の現場では光学式比重計(屈折計)で毎日測定し、記録が電気事業法の点検義務にも紐づきます。液温20℃基準で読み取り、温度補正が必要です。
石油の15℃基準体積補正はどう計算する?
実測温度t℃・実測密度ρtから、API MPMS Ch.11.1の体積補正係数(VCF)表または計算式で15℃体積V15を求めます。V15 = Vt × VCF。国内取引はこの15℃体積で行うのが計量法上の基本。ガソリン・軽油・重油で係数テーブルが異なり、大型ローリー1台で数万円の売買差が生じます。
液体密度に温度補正が必要なのはなぜ?
液体は温度上昇で膨張し、体積が増えて密度が下がります。ガソリンで1℃あたり約0.07%、水で0.02%程度。大量計量や精密調製では無視できない誤差になります。石油業界では温度体積補正、化学分析では基準温度20℃補正が慣習になっています。
海水の比重が1.025なのはなぜ?
海水は塩分平均3.5%、その他の溶存イオンを含み、真水(1.000)より重くなります。地域や水深で1.020〜1.030の幅があり、船舶の喫水線設計、養殖業、海水淡水化プラントで基準値として使用されます。塩分濃度と温度の両方が密度に影響します。
体積を体重の単位(kg)で計算するには?
比重が水(1 g/cm³)に近い液体なら「1L ≒ 1kg」で近似可能ですが、ガソリン1L=約720-780g、軽油1L=約830g、C重油1L=約940gと差があります。輸送や搭載重量計算では必ず密度×体積で正確に算出してください。
比重瓶(ピクノメーター)と比重計、どちらが精度が高い?
ピクノメーターは0.0001 g/cm³の精度で校正が可能で、JIS Z 8804準拠の公式測定に使います。液体比重計(浮ひょう)は±0.001程度で現場即測向き。より高精度が必要な場合は振動式密度計(±0.00001)を使用します。用途と精度要求に応じて選択してください。
食用油の比重が水より小さいのに揚げ物が沈むのは?
食用油の比重は約0.92で水より軽いですが、食材(含水率50-70%の生鮮品)の比重は約1.0〜1.1で油より重いため沈みます。加熱で水分が蒸発し空気を含むと比重が下がり浮き上がる、というのが揚げ物の物理現象です。
気体の密度はどう測る?
ガス比重計(空気を1とした比)による測定が一般的。または、既知の体積の容器に充填したガスの質量を電子天秤で測定する重量法もあります。プロパン(1.522)は空気より重く床に滞留、水素(0.070)やヘリウム(0.138)は上昇するため、ガス漏れ検知器の設置位置設計に影響します。
混合液体の密度は計算式で求まる?
厳密には求まりません。水+エタノールなどでは体積の非加算性(全体積が減る)により、線形の重み付き平均では誤差が出ます。実測またはメーカー・化学便覧の混合密度表を参照するのが確実です。目安として希薄溶液(1%以下)では線形近似が概ね有効です。
密度の国際単位は?
国際単位系(SI)ではキログラム毎立方メートル(kg/m³)が正式単位です。実用計算ではグラム毎立方センチメートル(g/cm³)が広く使われ、両者は 1 g/cm³ = 1000 kg/m³ の関係。海外の設計図書ではkg/m³表記が標準のため、換算に注意してください。