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API比重換算 計算ツール

°API↔比重↔kg/Lを相互変換。WTI/Brent/ドバイ/アラビアン原油の主要銘柄、ガソリン/灯油/軽油/A重油/C重油の製品油までAPI度分類で即判定。石油元売り・卸・タンクローリー・給油所・貿易・関税実務に対応。

最終更新:2026-08-19/監修:計算ツールズ編集部

API比重換算 計算ツールツール

API度と比重の相互変換式

API度 (°API) = 141.5 ÷ 比重(60/60°F) − 131.5

比重(60/60°F) = 141.5 ÷ (API度 + 131.5)

API度(American Petroleum Institute Gravity)は石油業界標準の比重表記で、米国石油協会が定めた指標。水=10°API、数値が大きいほど軽質・高付加価値で、原油の取引価格・関税・製品収率の推定に使われます。日常業務では±0.1°APIの精度が要求されます。

基準温度 60°F(15.56℃)の重要性

API比重は60°F(15.56℃)基準が国際標準。日本の計量法・石油業界も準拠(実務上は15℃基準)。実測温度からの補正はAPI MPMS Ch.11.1(体積補正表・VCF)で行い、大量取引ではこの補正が数十トン単位の差を生みます。

密度 kg/L との関係

密度 kg/L (15℃) ≈ 比重(60/60°F) × 0.9991

純水の15℃密度は 0.9991 kg/L のため、比重(無次元)に0.9991を掛けると kg/L の実密度に変換できます。日本の取引実務では kg/L 単位が使われるため、°API ↔ kg/L の直接変換が現場での頻用計算です。

主要原油・製品油のAPI度早見

原油/製品API度比重kg/L(15℃)
コンデンセート50-700.70-0.780.70-0.78
WTI原油39.60.8270.826
北海Brent原油38.30.8330.833
アラビアンライト33.40.8580.858
アラビアンヘビー28.00.8870.887
ドバイ原油31.00.8710.870
マヤ原油(メキシコ)22.00.9220.921
オリノコ超重質油8-101.00-1.021.00-1.02
ガソリン(レギュラー)55-650.72-0.760.72-0.76
ハイオク52-580.74-0.780.74-0.78
灯油(JIS 1号)44-520.77-0.810.77-0.81
軽油(JIS 特1号)36-420.82-0.850.82-0.85
A重油32-380.83-0.880.83-0.88
C重油15-220.92-0.970.92-0.97
ジェット燃料 Jet-A42-510.775-0.8150.775-0.815
アスファルト5-120.99-1.030.99-1.03

API度分類(米国API準拠)

分類API度特徴
Extra Light50+コンデンセート・LPG
Light31.1-50WTI・Brent(市場プレミアム)
Medium22.3-31.1アラビアンライト級
Heavy10-22.3マヤ・アラビアンヘビー
Extra Heavy<10オリノコ超重質・オイルサンド

※本ツールは公的規格に基づく参考計算です。取引・計量法適用時は認定計量器での実測+SDS/JISに基づく最終確認を行ってください。

API比重換算 計算ツールの詳しい解説

石油業界の全取引・全計量はAPI比重(°API)を軸に回っています。1°APIの違いが1バレルあたり数ドルの価格差、大型タンカー1隻(200万バレル)なら数百万ドルの取引額差に直結する重要指標です。

API度が生まれた歴史的経緯

米国石油協会(American Petroleum Institute)が1921年に制定。当時の石油精製業界で、原油の品質を数値化する必要から生まれました。水=10°APIを基準に、軽い原油ほど高い数値となる設計で、直感的な「軽い/重い」の判別を数値化しました。世界の石油取引・関税・製品規格・輸送計算のすべての基礎となっています。

°APIと原油価格の関係

API度が高いほど軽質でガソリン収率が高く、精製コストが低い分だけ市場価格が高いのが原則。WTI(39.6°API)と Brent(38.3°API) が世界の指標原油(Benchmark)で、Dubai/Oman(31°API前後)がアジア市場、Maya(22°API)は重質原油。同じ100万バレル取引でも、API度が10違えば数百万〜数千万ドルの価格差になります。

15℃(60°F)基準体積補正(VCF)の実務

タンクローリー20kLに軽油を積むと、夏場30℃と冬場5℃では温度膨張で体積が約1.7%異なります。20kLなら340L(体積20万3400L→20万0000L)の差、これを補正しないと売り手/買い手のどちらかが損する。API MPMS Ch.11.1のVCF表で15℃相当体積に補正するのが計量法上の基本。給油所での消費者向け計量は温度補正が実務省略される場合がありますが、卸取引・タンクローリー計量は必ず補正します。

製品油の°API分類と規格

日本ではJIS K 2202(自動車ガソリン)/K 2203(灯油)/K 2204(軽油)/K 2205(重油)で製品規格が定められています。ガソリン=API 55-65、灯油=44-52、軽油=36-42、A重油=32-38、C重油=15-22、この範囲外は不良品または混入疑い。タンク混合ミスの検出にAPI度が最初の判定指標として使われます。

関税・消費税・揮発油税との連動

石油関連の税金は数量ベース課税です。揮発油税は揮発油1kLにつき24,300円(揮発油税法第9条)、地方揮発油税は4,400円(地方揮発油税法第4条)で合計28.7円/L、軽油引取税は1kLにつき15,000円=15.0円/L(地方税法第144条の10)と体積基準当分の間税率(旧暫定税率)はガソリンが令和7年12月31日、軽油が令和8年4月1日に廃止され、いずれも本則税率だけになりました(廃止前はそれぞれ53.8円/L・32.1円/L)。一方の石油ガス税は課税石油ガス1kgにつき17円50銭(石油ガス税法第10条)と重量基準です。体積基準の税額を重量で管理する(またはその逆の)場面では密度換算が挟まるため、密度が0.5%違えば申告数量も0.5%ずれます。年間販売量数万kL級の元売り・特約店にとって、密度精度は税金申告の正確性そのものです。

SDS/化管法との関連

危険物取扱者・SDS(Safety Data Sheet)の必須項目に密度が入り、消防法別表第一の第4類危険物の分類(第1石油類=引火点21℃未満/第2石油類=21-70℃/第3石油類=70-200℃/第4石油類=200-250℃)は密度と引火点で決まります。API度からの品質推定 → SDS作成 → 危険物届出の一連の実務フローで頻用されます。

API度から読む精製収率と原油グレード

°APIは価格指標であると同時に、その原油から何がどれだけ採れるか(製品収率)を示す設計指標でもあります。製油所は調達する原油のAPI度から留分構成を見積もり、月間の生産計画と装置稼働率を決めています。

グレードAPI度ガソリン留分灯油・軽油留分重油・残渣分
ライトクルード40°API以上30-40%20-30%20-30%
ミディアム22-40°API20-30%25-30%30-40%
ヘビークルード22°API以下10-20%20-25%40-60%

ライトほど高価値な白油(ガソリン・ジェット燃料・軽油)の収率が高く、市場でプレミアムがつきます。逆にヘビークルードは残渣油が多いため、重質油分解装置(コーカー・水素化分解装置)や脱硫装置を持つ製油所でなければ採算が合いません。原油調達の価格差が精製設備の投資判断と直結するのはこのためです。

硫黄分(Sweet/Sour)とのセット評価

°APIと硫黄分は厳密には別の指標ですが、経験則として軽質原油は硫黄分0.5%未満(Sweet)重質原油は硫黄分1-3%(Sour)という傾向があります。取引価格はこの2軸で決まり、Light Sweet が最高値、Heavy Sour が最低値です。WTI(約39.6°API)とBrent(約38°API)はどちらもスイート、ドバイ原油(約31°API)はヘビー・サワーに分類され、アジア向け価格の基準となっています。

10°API未満の超重質油をどう運ぶか

API度が10を下回る油(カナダのタールサンド、ベネズエラのオリノコ・ヘビーオイル、天然ビチューメン)は比重が1.000を超え、水より重く常温ではほとんど流動しません。パイプライン輸送のためには軽質油やコンデンセートを混ぜて粘度を下げるダイリューティング(希釈)が必須で、この希釈材コストが最終的な採算を左右します。

°APIの測定に用いる規格

°API自体の測定はASTM D287(比重計法によるAPI比重試験方法)が国際標準で、体積・重量換算はAPI MPMS Chapter 11.1の温度・圧力補正係数表に従います。日本国内ではJIS K 2249-1「原油及び石油製品−密度の求め方及び密度・質量・容量換算表」が計量法対応の標準として使われ、伝票上の数量確定はこの換算表が根拠になります。

業界・現場での使い方

石油元売り・卸

原油品質評価・購買契約・タンクローリー計量・在庫評価。

給油所・SS運営

荷受け時の品質確認、混入検出、税務申告のための密度計算。

タンクローリー・輸送

積載計画・荷降ろし温度補正・輸送保険算定。

石油貿易・商社

国際取引の関税計算・LC決済の数量確定・仲介手数料算定。

化学工業・製造プラント

燃料油の熱量計算・ボイラー効率評価・SDS作成。

よくある間違い・注意点

  • 基準温度違いの取り違え — 60°F(15.56℃)と15℃(59°F)は微差だが、実務では両方が使われる。認識ズレで0.05%誤差。
  • °APIと比重の直接混同 — °API=35 と 比重=0.35 は全く別物。単位表記を必ず確認。
  • VCF未適用の大量取引 — 大型タンクローリーの温度補正忘れで数百リットル単位の差。実損として顕在化。
  • 製品油の混合による密度変化 — ガソリンと灯油の混合は非線形。単純平均では±1%誤差が出る。
  • SDS密度と実測の乖離 — SDS記載値はロット代表値。実ロットで±0.5%変動があり、精密取引は実測必須。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

WTI原油の°APIは?

約39.6°API(比重0.827)。「West Texas Intermediate」の略で、米国テキサス州産の代表原油。世界の指標原油のひとつ。

°API高いほど良い?

基本的にYES。軽質原油ほどガソリン等の高価値製品の収率が高く、精製コストも低い。ただし特殊用途(舶用燃料等)では重質原油に需要あり。

レギュラーガソリンの°APIは?

約55-65°API(比重0.72-0.76)。JIS K 2202規格。ハイオクは芳香族含有率高くやや重い52-58°API。

軽油とA重油の見分け方は?

API度で軽油=36-42、A重油=32-38と重複帯があるが、色(軽油=淡黄・A重油=褐色)+引火点(軽油=45℃以上・A重油=60℃以上)+着色料(軽油は無着色)で判別。

原油1バレルは何L?何kg?

1バレル=158.987 L。WTI(比重0.827)なら約131kg、C重油(0.94)なら約149kg。1バレル=42米ガロン。

°API=10は水と同じ?

Yes、10°APIが純水基準。10°APIより低い数値は水より重い液体(超重質原油・アスファルト)を意味する。

日本の石油取引は°API使う?

取引書類上は主にkg/L15℃体積補正を使うが、原油輸入契約・元売り間取引では°API併記が標準。国際取引は°API必須。

タンクローリー1台の重量差は?

軽油20kLで温度差20℃なら約1.4%(280L)の体積差。約240kgの重量差が発生し、税務・売買計算で問題化する。

°APIと硫黄分(Sweet/Sour)は関係する?

厳密には別の指標だが、経験則として軽質原油は硫黄分0.5%未満(Sweet)、重質原油は硫黄分1-3%(Sour)の傾向がある。価格はこの2軸で決まり、Light Sweetが最高値、Heavy Sourが最低値。脱硫コストの差がそのまま価格差になる。

石油業界で「バレル」を使う理由は?

19世紀の米国ペンシルベニア油田で42米ガロン入りの木樽を輸送標準にした歴史的経緯による。国際取引でも米国基準が定着し、原油相場は現在も「$/bbl」で表示される。日本国内の取引はkL基準が主だが、輸入契約・貿易統計ではバレルを併用する。