計算ツール
粘度配管ポンプ熱交換現場実務

水の粘度・動粘度 早見表|20℃=1.002 mPa·s、0〜100℃を1℃刻みで(動粘度・密度つき)

20℃の水は粘度 1.002 mPa·s(=cP)、動粘度 1.003 mm²/s(=cSt)、密度 0.9982 g/cm³。0℃で1.792、40℃で0.653、60℃で0.466、80℃で0.354、100℃で0.283 mPa·s と、20℃を1としたとき0℃で1.79倍・80℃で0.35倍まで動きます。0〜100℃を1℃刻みで並べた早見表を載せてあるので、入力せずそのまま読み取れます。温度を入れれば粘度・動粘度・密度・レイノルズ数を即時表示。配管圧損・ポンプ選定・熱交換器伝熱・CIP洗浄乱流化など現場実務の一次判断に対応します。給排水設備・プロセスプラント・食品/医薬品工場・冷凍空調で使う水系の粘度データを、JIS Z 8803・ISO 3104・IAPWS-IF97など公的規格に照らして解説します。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

水の粘度・動粘度 計算機

計算式と単位系

粘度・動粘度の関係

動粘度 ν (mm²/s) = 粘度 η (mPa·s) ÷ 密度 ρ (g/cm³)

粘度 η(動的粘性率, Dynamic Viscosity)は流体の内部摩擦を表す物性値で、SI単位はPa·s、実用単位はmPa·s(=センチポアズ cP)。動粘度 ν(Kinematic Viscosity)は粘度を密度で割った値で、単位はmm²/s(=センチストークス cSt)。レイノルズ数計算やナビエ・ストークス方程式に直接使うのは動粘度側です。

本ツールが使っている値

本ツールは近似式ではなく、常圧(0.1 MPa)の液体水についてNIST Chemistry WebBookが公表している1℃刻みの物性値(IAPWS-95 状態方程式+IAPWS 2008 粘度式)をそのまま持ち、入力温度が整数でない場合だけ隣り合う2点で線形補間しています。したがって下の早見表とツールの表示は必ず一致します。20℃で η=1.002 mPa·s、ρ=0.9982 g/cm³、ν=1.003 mm²/s。

手計算するときの近似式(Vogel式)

η (mPa·s) ≒ exp(−3.7188 + 578.919 / (T − 137.546)) ※T は絶対温度 K(=℃+273.15)

表を持ち歩けない場面ではVogel-Fulcher-Tammann式が便利です。20〜100℃では上表との差が0.5%以内に収まりますが、0℃付近では3%ほど低めに出ます。温度を℃のまま代入すると全域で1.5%前後ずれるので、必ずKで代入してください。

密度と動粘度

水の密度は4℃で最大の1.0000 g/cm³、20℃で0.9982、80℃で0.9718、100℃で0.9586。密度が温度で変わるため、粘度cPと動粘度cStの数値は温度によって少しずつずれます(20℃では η 1.002 に対し ν 1.003)。

レイノルズ数(参考値)

Re = ρvD / η = vD / ν

本ツールは入力欄の配管内径Dと流速vからRe参考値を算出します。円管の完全乱流判定はRe > 4000、層流はRe < 2300が工学の目安。詳細はレイノルズ数と流動区分を参照してください。

水の粘度・動粘度 温度別早見(0-100℃)

常圧(0.1 MPa)・純水の温度別の粘度・動粘度・密度です。値はNIST Chemistry WebBook(IAPWS-95/IAPWS 2008)から取得しました。よく使う点だけを抜いた表が下で、さらに細かい1℃刻みの表も続けて載せています。

温度℃粘度 η (mPa·s=cP)動粘度 ν (mm²/s=cSt)密度 ρ (g/cm³)20℃基準比
01.7921.7920.99981.79
51.5181.5181.00001.52
101.3061.3060.99971.30
151.1381.1390.99911.14
201.0021.0030.99821.00(基準)
250.8900.8930.99700.89
300.7970.8010.99570.80
400.6530.6580.99220.65
500.5470.5530.98800.55
600.4660.4740.98320.47
700.4040.4130.97780.40
800.3540.3640.97180.35
900.3140.3250.96530.31
1000.2830.2950.95860.28

1℃刻みの粘度・動粘度・密度(0〜100℃)

実測温度がきりの良い値でないときのために、1℃刻みで並べた表です。左が0〜50℃、右が50〜100℃です。

η mPa·sν mm²/sρ g/cm³η mPa·sν mm²/sρ g/cm³
01.7921.7920.9998500.5470.5530.9880
11.7311.7310.9999510.5370.5440.9876
21.6741.6740.9999520.5290.5360.9871
31.6191.6191.0000530.5200.5270.9866
41.5671.5671.0000540.5120.5190.9862
51.5181.5181.0000550.5040.5110.9857
61.4711.4720.9999560.4960.5030.9852
71.4271.4270.9999570.4880.4960.9847
81.3851.3850.9999580.4800.4880.9842
91.3441.3450.9998590.4730.4810.9837
101.3061.3060.9997600.4660.4740.9832
111.2691.2700.9996610.4590.4670.9827
121.2341.2350.9995620.4520.4610.9822
131.2001.2010.9994630.4460.4540.9816
141.1681.1690.9993640.4390.4480.9811
151.1381.1390.9991650.4330.4410.9805
161.1081.1090.9989660.4270.4350.9800
171.0801.0810.9988670.4210.4300.9795
181.0531.0540.9986680.4150.4240.9789
191.0271.0280.9984690.4090.4180.9783
201.0021.0030.9982700.4040.4130.9778
210.9780.9800.9980710.3980.4070.9772
220.9540.9570.9978720.3930.4020.9766
230.9320.9340.9975730.3880.3970.9760
240.9110.9130.9973740.3820.3920.9754
250.8900.8930.9970750.3770.3870.9748
260.8700.8730.9968760.3730.3820.9742
270.8510.8540.9965770.3680.3780.9736
280.8320.8360.9962780.3630.3730.9730
290.8140.8180.9959790.3590.3690.9724
300.7970.8010.9957800.3540.3640.9718
310.7810.7840.9953810.3500.3600.9712
320.7640.7680.9950820.3450.3560.9705
330.7490.7530.9947830.3410.3520.9699
340.7340.7380.9944840.3370.3480.9693
350.7190.7230.9940850.3330.3440.9686
360.7050.7090.9937860.3290.3400.9680
370.6910.6960.9933870.3250.3360.9673
380.6780.6830.9930880.3220.3330.9666
390.6650.6700.9926890.3180.3290.9660
400.6530.6580.9922900.3140.3250.9653
410.6410.6460.9918910.3110.3220.9646
420.6290.6340.9914920.3070.3190.9640
430.6180.6230.9910930.3040.3150.9633
440.6070.6120.9906940.3000.3120.9626
450.5960.6020.9902950.2970.3090.9619
460.5850.5910.9898960.2940.3060.9612
470.5750.5810.9894970.2910.3030.9605
480.5650.5720.9889980.2880.3000.9598
490.5560.5620.9885990.2850.2970.9591
500.5470.5530.98801000.2830.2950.9586

出典:NIST Chemistry WebBook Thermophysical Properties of Fluid Systems(0.1 MPa・液体水、IAPWS-95 状態方程式および IAPWS 2008 粘度式)。動粘度 ν は η ÷ ρ で算出しています。上のツールもこの表と同じ値を使っているため、表とツールの数字は一致します。

20℃を基準に、0℃では1.79倍、40℃で0.65倍、80℃で0.35倍と指数関数的に急変します。夏冬で温度差が大きい冷温水系や、給湯設備・蒸気系のドレンでは、この温度差を無視すると配管圧損計算・ポンプ動力計算が数十%ずれます。

レイノルズ数と流動区分

レイノルズ数(Reynolds Number, Re)は慣性力÷粘性力を表す無次元数で、流れの乱流化・層流化を判定します。水の粘度・動粘度は温度で急変するため、同じ配管・同じ流量でも運転温度によってReが2倍以上変わります。

レイノルズ数 Re流動区分特徴
< 2,300層流(Laminar)粘性支配。速度分布は放物線。摩擦係数 λ = 64/Re
2,300 - 4,000遷移域不安定。設計時は避けたい領域
4,000 - 10,000低乱流Blasius式 λ = 0.316/Re^0.25 適用域
10,000 - 10⁵乱流(発達)プラント配管の設計標準域
> 10⁵完全乱流粗さ支配、Moody線図の右側

典型計算例:内径25mmの給水管に20℃水を1 m/sで流すと Re = 1×0.025×998.2/(1.002×10⁻³) ≈ 24,900 で完全乱流。同じ条件で80℃水にすると密度が0.972、粘度が0.354 cPになりRe ≈ 68,600 と2.8倍近くになります。CIP洗浄では80℃で乱流化を確保する設計が定石です。

管径別 流量とレイノルズ数の目安(20℃水)

設計の初期検討では、呼び径と流速からおおよその流量とRe数を押さえておくと判断が速くなります。下表は内径を呼び径と同値とした概算です。

呼び径流速0.5 m/s の流量流速1.0 m/s の流量Re(1.0 m/s時)流動区分
15A(15mm)5.3 L/min10.6 L/min約15,000乱流
25A(25mm)14.7 L/min29.5 L/min約25,000乱流
50A(50mm)58.9 L/min117.8 L/min約50,000乱流
100A(100mm)235.6 L/min471.2 L/min約100,000乱流
200A(200mm)942.5 L/min1,885 L/min約200,000完全乱流

実用的な給排水・空調配管は、最小の15Aでも流速1 m/sあれば十分な乱流域に入ります。層流計算が必要になるのは、毛細管・微少流量のライン・高粘度流体を扱う場合に限られます。

配管圧損への影響

Darcy-Weisbach式による摩擦圧損 ΔP = λ (L/D)(ρv²/2) では、摩擦係数λが粘度(Re)に依存するため、水温変化がそのまま圧損に反映されます。

典型的な温度別ポンプ動力差

冷凍機冷水系(7℃/12℃)

冷水は粘度1.3-1.4 cPで20℃基準の30%増し。同じ流量で圧損も約1.1〜1.2倍、ポンプ必要動力もそれに比例。冷水配管のポンプ選定は20℃前提だと不足するリスクあり。

給水系(15〜25℃)

20℃前後で粘度1.0 cP。設計標準値。給水本管・貯水槽まわりの圧損計算はほぼこの値で問題ない。

給湯・熱交換一次側(55〜80℃)

粘度0.35-0.5 cPで20℃基準の35-55%。同じ流量で圧損は約80-90%まで下がり、乱流もより発達しやすい。ポンプ動力は冷水系より小さくてよい。

ボイラー戻り水・蒸気ドレン(90〜100℃)

粘度0.28-0.32 cPで20℃基準の28-31%。極低粘度でキャビテーション(NPSH不足)リスクが増加。ポンプ吸込側の温度上昇には要注意。

業界での応用

🏢 給排水・空調設備

冷温水配管の圧損計算に動粘度を使用。冷水系(7℃)はν≒1.4、温水系(60℃)はν≒0.48と3倍差。同一配管でも系統温度により必要ポンプ揚程が変わる。冷凍機・空調機の一次冷温水ポンプ選定でJIS B 8622(空冷ヒートポンプチラーユニット)や日本冷凍空調工業会の設計指針を併用。

🏭 プロセスプラント

化学反応器・蒸留塔・熱交換器の総括伝熱係数U算出でRe・Pr(プラントル数)・Nu(ヌセルト数)を評価。粘度は運転温度で0.3〜1.8倍変動するため、入口・出口の対数平均温度で補正するのが定石。API・化学工学協会のシェル&チューブ設計マニュアルに温度依存性の扱い方が規定されている。

🥛 食品・医薬品CIP洗浄

Cleaning-in-Place(定置洗浄)配管では60-80℃洗浄水がRe > 30,000(強乱流)を確保する配管口径・ポンプ選定を行い、フィルム汚れの機械的除去と洗浄薬液の均一分布を両立する。食品衛生法・PMDAのGMP指針で乱流洗浄が要求される。

❄️ 冷凍・空調

ブラインクーラー、氷蓄熱、地中熱ヒートポンプでは水以外の熱媒(エチレングリコール・プロピレングリコール30-50%水溶液)を使うため、専用の粘度データが必要。純水の3-5倍粘度になり、ポンプ動力と伝熱性能を再評価する。

🏊 プール・水処理

プール循環ポンプ、逆浸透膜(RO)供給ポンプ、砂ろ過器の圧損計算に動粘度を使用。日本水道協会(JWWA)の水道施設設計指針では計算温度15℃を基準(ν=1.14 mm²/s)とすることが多い。

⚙️ 熱交換器・凝縮器

殻管型熱交換器・プレート式熱交換器の性能計算でRe・Pr数を求める。特に大温度差(80℃と20℃の熱交換など)では入口/出口で粘度2倍以上異なるため、対数平均温度差(LMTD)方式に加え粘度補正係数(Sieder-Tate補正 (η/ηw)^0.14)を適用する。

海水・不凍液・ブラインとの違い

純水以外の水系流体は粘度が大きく異なります。給湯設備・地中熱・氷蓄熱・海洋設備の設計では専用データを使ってください。

流体20℃粘度 mPa·s純水比用途
純水(20℃)1.0021.00基準
海水(塩分3.5%, 20℃)1.0781.08船舶冷却水・海水淡水化
エチレングリコール30%水(20℃)2.502.50-15℃対応不凍液
エチレングリコール50%水(20℃)5.205.19-35℃対応不凍液
プロピレングリコール40%(20℃)5.105.09食品プラント・地中熱
塩化カルシウム25%水(20℃)3.903.89-30℃対応ブライン
冷凍機低温ブライン(-15℃, EG30%)約6.0約6.0アイスクリーム・冷凍倉庫

不凍液・ブラインでは同じポンプ・同じ配管でも純水系の2〜6倍の圧損になり、乱流化に要する流速も1.5〜2.5倍必要になります。設計段階で「純水データを流用しない」ことが重要です。オイル粘度SAEページも参照してください。

他の流体との粘度比較・非ニュートン流体

水の粘度感覚を持っておくと、他の流体を扱うときに「どれだけ別物か」がすぐ判断できます。20℃の水を1 mPa·sとしたときの代表的な比較が下表です。

流体20℃の粘度 目安水の何倍設計上の扱い
空気0.018 mPa·s約1/55ダクト設計・圧縮性も考慮
水(基準)1.002 mPa·s1倍給排水・冷温水の標準
灯油約1.6 mPa·s約1.6倍水に近い扱いが可能
エンジンオイル 10W-30約60〜100 mPa·s約60〜100倍層流域になりやすく別式
グリセリン約1,400 mPa·s約1,400倍ほぼ層流。撹拌動力が桁違い
はちみつ約10,000 mPa·s約1万倍ポンプ選定は容積式が前提

ニュートン流体と非ニュートン流体

水はニュートン流体で、粘度がせん断速度によらず一定です。このページの計算式が成り立つのはこの性質があるためです。一方、ケチャップ・塗料・血液・スラリー・高分子溶液は非ニュートン流体で、かき混ぜる速さによって見かけの粘度が変わります。

  • 擬塑性(シアシニング) — 速く動かすほど柔らかくなる。塗料・シャンプー・ケチャップが該当します。
  • ダイラタンシー(シアシックニング) — 速く動かすほど硬くなる。片栗粉の水溶液が典型例です。
  • ビンガム塑性 — 一定の力を超えないと流れ出さない。歯磨き粉・グリース・生コンクリートが該当します。

非ニュートン流体では、水の粘度式やレイノルズ数の判定をそのまま使えません。べき乗則モデルやビンガムモデルなど、流体ごとの別式が必要になります。「粘度計で測った1点の値」を配管設計に流用してしまう誤りが起きやすい領域です。

よくある間違い・注意点

  • 20℃固定で全温度計算 — 冷凍機水(-5℃ブライン)や高温水(90℃)は20℃基準と粘度が3〜6倍違う。系統ごとの運転温度で必ず読み替える。冷水系用ポンプを20℃前提で選定すると流量不足になる。
  • 粘度cPと動粘度cStを混同 — cP(=mPa·s)は絶対粘度、cSt(=mm²/s)は動粘度(=cP÷密度)。水はρ≒1なので数値が近いが、油(ρ=0.85)や塩水(ρ=1.03)ではρが変わり、cP/cStの数値が乖離。単位表記は必ず明記する。
  • 海水・不凍液も同じと仮定 — 海水は水より約8%粘度が高い、エチレングリコール50%は水の約5倍。専用の粘度データを使わないと配管圧損が大幅にずれる。
  • レイノルズ数の遷移域で設計 — Re 2,300-4,000は不安定領域で、流れが層流と乱流を行き来し伝熱係数・圧損が予測困難。設計時は完全乱流域(Re > 4,000、実用ではRe > 10,000)を狙う。
  • 単位系ミス — 動粘度cSt(=mm²/s)とm²/sの換算は1 cSt = 10⁻⁶ m²/s。SI単位系のm²/sで計算する場合は10⁶で割る。
  • 圧力・気泡混入を無視 — 大気圧近くで温度が飽和蒸気温度に近づくと気泡が発生(キャビテーション)し、実効粘度・密度が変化。ポンプ吸込側のNPSH計算と併せて評価する。

関連する規格・法令

  • JIS Z 8803 ― 液体の粘度測定方法。毛管粘度計・回転粘度計・落球粘度計等の測定手順。日本国内の粘度測定の基本規格。
  • JIS K 2283 ― 原油及び石油製品-動粘度試験方法及び粘度指数算出方法。石油系の動粘度測定に。
  • ISO 3104 ― Petroleum products — Transparent and opaque liquids — Determination of kinematic viscosity。国際標準の動粘度測定手順。
  • ISO 3105 ― Glass capillary kinematic viscometers — Specifications and operating instructions。毛管粘度計の国際仕様。
  • ASTM D445 ― Standard Test Method for Kinematic Viscosity of Transparent and Opaque Liquids。米国の動粘度測定標準。
  • IAPWS-IF97 ― International Association for the Properties of Water and Steam Industrial Formulation 1997。水・水蒸気の国際標準物性式。粘度・密度・熱伝導率の高精度式を規定。
  • ASHRAE Handbook ― Fundamentals章に水系流体の物性表を収録。空調設計の国際標準。
  • 日本冷凍空調工業会(JRAIA)冷水配管設計指針 ― 冷温水配管の温度別粘度・圧損計算の実務指針。

参考文献・公的資料

より精密な粘度データや温度依存性の詳細式は、以下の公的機関・学協会の資料を参照してください。

※本ページの粘度・動粘度・密度は、常圧(0.1 MPa)・純水の0〜100℃について NIST Chemistry WebBook(IAPWS-95/IAPWS 2008)が公表する値を1℃刻みで用い、整数でない温度は線形補間しています。取引・証明・公式報告・重要設備の設計計算に用いる場合は、上記の公的機関(IAPWS・NIST・NMIJ等)の一次資料および認証標準物質(CRM)による校正済み測定器での実測結果を優先してください。特に化学プラント・食品/医薬品工場の設計計算では、有資格者(技術士・化学工学技術者等)の判断を仰いでください。

よくある質問(FAQ)

20℃の水の粘度は?

1.002 mPa·s(=cP)、動粘度 1.003 mm²/s(=cSt)、密度 0.9982 g/cm³(常圧0.1 MPa・NIST/IAPWS値)。工学計算の常温基準値として広く使われ、多くの物性表で20℃データが基準になっています。

温度で粘度がどれだけ変わる?

20℃基準で、0℃で約1.79倍、40℃で約0.65倍、60℃で0.47倍、80℃で0.35倍、100℃で0.28倍。指数関数的に急激な減少カーブを描き、温度差が大きいほど設計に大きく影響します。

cPとPa·sの関係は?

1 Pa·s = 1000 mPa·s = 1000 cP。水は0.001 Pa·s = 1 mPa·s = 1 cP がおおよその20℃値。SI単位ではPa·sが正式ですが、実用計算ではmPa·s(cP)が広く使われます。

レイノルズ数で層流と乱流の境界は?

円管流れでは、Re < 2,300 は層流、2,300-4,000 は遷移域、Re > 4,000 で乱流。設計上は不安定な遷移域を避け、完全乱流域(Re > 10,000)を狙うのが定石です。

冷凍機の-5℃ブラインでも計算できる?

本ツールは0-100℃の純水専用です。ブラインは通常エチレングリコール30-50%水溶液で、20℃で純水の2.5-5倍、-15℃では約6-8倍の粘度になります。冷凍空調学会・ASHRAE Handbookのブライン物性表を参照してください。

Vogel式ってどんな式?

Vogel-Fulcher-Tammann式は η(mPa·s) = exp(−3.7188 + 578.919/(T − 137.546)) の形で、水の温度依存粘度を表す経験式です。T は絶対温度K(℃+273.15)で代入します。20〜100℃ではIAPWS値との差が0.5%以内ですが、0℃付近では3%ほど低めに出ます。℃のまま代入するのは誤りで、全域で1.5%前後ずれます。なお本ツール自体は近似式ではなく、NIST/IAPWSの実値表を1℃刻みで持っています。

海水は水と粘度が違う?

海水(塩分3.5%)は20℃で約1.078 mPa·s、純水の約1.08倍。船舶冷却・海水淡水化・海洋観測ではこの差を考慮する必要があります。塩分濃度・温度で変わるため、専用データが必要です。

配管圧損計算にはどの粘度を使う?

Darcy-Weisbach式では動粘度ν(cSt)が必要。Re = vD/ν でレイノルズ数を計算し、Moody線図または経験式(Colebrook式・Swamee-Jain式)で摩擦係数λを求めます。運転温度での粘度を必ず使ってください。

熱交換器の伝熱計算で粘度はどう使う?

プラントル数 Pr = cp·η/k、レイノルズ数 Re = ρvD/η、ヌセルト数 Nu を経由して総括伝熱係数を求めます。大温度差の場合はSieder-Tate補正 (η_bulk/η_wall)^0.14 で壁面近傍粘度差を考慮します。

粘度測定はどうやる?

JIS Z 8803規定の毛管粘度計(オストワルド・ウベローデ)、回転粘度計(B型・E型)、落球粘度計、振動式粘度計が代表的。動粘度は毛管式で±0.1%精度、粘度は回転式で±1%精度が一般的。校正には粘度標準液(NMIJ CRM)を使用。

CIP洗浄で乱流化が重要な理由は?

食品/医薬品プラントのCIP(定置洗浄)では、洗浄液が乱流域(Re > 30,000)で流れることで機械的な壁面剥離力とアルカリ・酸の化学作用が両立し、バイオフィルム除去が可能になります。80℃・流速1.5m/s以上が業界標準。

不凍液(グリコール水)の粘度は?

エチレングリコール30%水で20℃粘度2.5 mPa·s(純水の2.5倍)、50%水で5.2 mPa·s(純水の5.2倍)。冷凍機ブラインでは低温で更に粘度が上がり、-15℃でEG30%水は約6 mPa·s。ポンプ動力と伝熱性能の再評価が必須です。

給水管を細くすると圧損はどれだけ増える?

流量を保ったまま管径を細くすると、乱流域では圧損がおよそ管径の5乗に反比例して増えます。径を半分にすれば圧損は約32倍です。配管サイズを一段落とすコスト削減は、ポンプ動力の増加で簡単に逆転するため、圧損計算を通してから判断してください。

温水配管は給水配管より細くできる?

できる場合があります。60℃の水は20℃と比べて粘度が約47%、密度も約1.5%低いため、同じ流量なら圧損が20〜30%小さくなります。その余裕分を管径の縮小に回せます。ただし給湯配管は循環方式・保温・スケール付着の条件が別に効くため、圧損だけで決めないでください。

氷点近くで粘度が急に上がるのはなぜ?

低温では水分子どうしの水素結合ネットワークが強く維持され、分子が動きにくくなるためです。0℃の粘度1.792 mPa·sは20℃の約1.79倍で、この立ち上がりは高温側の変化より急です。氷が水に浮く(4℃で密度最大)のと同じ、水素結合に由来する水の特異な性質によるものです。