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危険物引火点一覧消防法溶剤ガソリン

引火点一覧表|ガソリン-40℃・トルエン4℃・灯油40℃、引火性液体45物質の引火点と消防法の品名・指定数量

ガソリン −40℃・アセトン −18℃・ベンゼン −11℃・トルエン 4℃・メタノール 9℃・エタノール 12℃・キシレン 25℃・灯油 40〜60℃・軽油 50〜70℃。純物質37種の引火点一覧(引火点の低い順・沸点と発火点つき)と、燃料・油類20種の引火点早見表を、入力せずそのまま読める形で載せています。あわせて消防法第4類の7品名(特殊引火物〜動植物油類)を即参照。指定数量、少量危険物、貯蔵倍数、届出・許可の要否、タグ密閉式/クリーブランド開放式のJIS試験方法まで一気通貫で整理。危険物取扱者・消防設備士・工場保安管理者・化学研究員の現場実務で頻用される公式閾値を、消防法・危険物規制令・JIS規格に基づいて解説します。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

物質を選んで引火点と規制区分を確認する

計算式と判定ロジック

引火点(Flash Point)の定義

引火点 = 液面上の蒸気が着火源で燃え始める最低温度(℃)

引火点は液体表面から発生した蒸気が空気と混合して可燃性混合気を形成し、外部の着火源(炎・火花)に触れた瞬間に燃え出す最低温度を指します。これは消防法「第4類 引火性液体」の分類基準そのものであり、危険物取扱者試験でも最重要指標。ガソリン(-40℃)は真冬でも引火可能、灯油(40℃前後)は常温では引火しないが加熱で危険域に入る、という直感的な安全評価に使えます。

貯蔵倍数の計算式

貯蔵倍数 = 貯蔵量(L) ÷ 指定数量(L)

複数の危険物を混在貯蔵する場合は「各物質の貯蔵量÷各指定数量」の合計値で判定します。合計が1倍以上で危険物取扱所として消防署の許可が必要、0.2倍以上1倍未満で「少量危険物」として市町村火災予防条例による届出が必要となります。

引火点と発火点の違い

引火点(Flash Point)は着火源が必要な最低温度、発火点(Auto-ignition Temperature)は着火源なしで自然発火する温度です。ガソリンの引火点は-40℃ですが発火点は約300℃、水素の引火点は測定不能な気体ですが発火点は約500℃。両者は物理的に異なる指標であり、消火設備設計・防爆機器選定でも別々に扱われます。

消防法第4類 引火性液体の7品名

消防法 別表第一の「第4類 引火性液体」は、特殊引火物・第1石油類・アルコール類・第2石油類・第3石油類・第4石油類・動植物油類の7つの品名に分かれます。区分の境目は同表の備考が引火点で定めています。各区分の指定数量は、水溶性と非水溶性で異なり、水溶性のほうが水希釈で消火可能なため指定数量が倍(=より緩やか)に設定されています。

区分引火点条件代表物質指定数量
特殊引火物引火点-20℃以下&沸点40℃以下 等ジエチルエーテル・二硫化炭素・アセトアルデヒド50 L
第1石油類 非水溶性引火点21℃未満ガソリン・トルエン・ベンゼン200 L
第1石油類 水溶性同上アセトン・ピリジン・テトラヒドロフラン400 L
アルコール類C1-C3飽和一価アルコールメタノール・エタノール・IPA400 L
第2石油類 非水溶性21-70℃灯油・軽油・キシレン1,000 L
第2石油類 水溶性同上酢酸・アクリル酸2,000 L
第3石油類 非水溶性70-200℃重油・クレオソート油2,000 L
第3石油類 水溶性同上グリセリン・エチレングリコール4,000 L
第4石油類200-250℃潤滑油・可塑剤・切削油6,000 L
動植物油類250℃未満、動植物由来ヤシ油・アマニ油10,000 L

主要20物質の引火点早見表

消防試験研究センターおよびSDS(安全データシート)公表値、JIS K 2265等の規格に基づく代表的な引火点データです。

物質引火点発火点区分指定数量
ジエチルエーテル-45℃160℃特殊引火物50 L
ガソリン-40℃以下約300℃第1石油類(非水)200 L
アセトアルデヒド-38℃175℃特殊引火物50 L
酸化プロピレン-37℃430℃特殊引火物50 L
二硫化炭素-30℃90℃特殊引火物50 L
アセトン-20℃465℃第1石油類(水溶)400 L
ベンゼン-11℃498℃第1石油類(非水)200 L
メチルエチルケトン-9℃404℃第1石油類(非水)200 L
トルエン4℃480℃第1石油類(非水)200 L
メタノール11℃385℃アルコール類400 L
イソプロパノール(IPA)12℃399℃アルコール類400 L
エタノール13℃363℃アルコール類400 L
キシレン25℃約465℃第2石油類(非水)1,000 L
テレピン油33℃253℃第2石油類(非水)1,000 L
灯油40-60℃約255℃第2石油類(非水)1,000 L
軽油50-70℃約225℃第2石油類(非水)1,000 L
A重油60-70℃約250℃第3石油類(非水)2,000 L
C重油70℃以上約250℃第3石油類(非水)2,000 L
鉱物油(潤滑油)200-250℃350℃以上第4石油類6,000 L
食用油(サラダ油)約315℃約360℃非危険物(常温)

より詳細な発火点データは発火点早見ツール、危険物指定数量の複数物質混在計算は危険物指定数量ツールで対応しています。

引火点一覧(37物質・引火点の低い順)

純物質の引火点(密閉式)・沸点・発火点を引火点の低い順に並べた一覧です。消防法の品名区分は、消防法 別表第一備考が定める引火点の境界(21℃未満=第1石油類/21℃以上70℃未満=第2石油類/70℃以上200℃未満=第3石油類/200℃以上250℃未満=第4石油類)をそのまま当てはめたものです。

物質引火点 ℃沸点 ℃発火点 ℃消防法の品名水溶性指定数量
ジエチルエーテル-4535160特殊引火物50 L
アセトアルデヒド-3821175特殊引火物50 L
酸化プロピレン-3734430特殊引火物50 L
二硫化炭素-304690特殊引火物50 L
n-ヘキサン-2269225第1石油類非水溶性200 L
シクロヘキサン-1881245第1石油類非水溶性200 L
アセトン-1856465第1石油類水溶性400 L
テトラヒドロフラン-14.565321第1石油類水溶性400 L
ベンゼン-1180498第1石油類非水溶性200 L
メチルエチルケトン(MEK)-980505第1石油類非水溶性200 L
n-ヘプタン-798220第1石油類非水溶性200 L
酢酸エチル-477427第1石油類非水溶性200 L
アセトニトリル282524第1石油類水溶性400 L
トルエン4111480第1石油類非水溶性200 L
メタノール965440アルコール類400 L
2-プロパノール(IPA)1282399アルコール類400 L
エタノール1278363アルコール類400 L
1,4-ジオキサン12101180第1石油類水溶性400 L
メチルイソブチルケトン(MIBK)14116448第1石油類非水溶性200 L
1-プロパノール1597371アルコール類400 L
エチルベンゼン18136432第1石油類非水溶性200 L
ピリジン20115482第1石油類水溶性400 L
酢酸ブチル22126420第2石油類非水溶性1,000 L
m-キシレン25139527第2石油類非水溶性1,000 L
p-キシレン25138528第2石油類非水溶性1,000 L
クロロベンゼン27132590第2石油類非水溶性1,000 L
イソブタノール28108415第2石油類非水溶性1,000 L
1-ブタノール29118343第2石油類非水溶性1,000 L
o-キシレン30145463第2石油類非水溶性1,000 L
スチレン31145490第2石油類非水溶性1,000 L
酢酸(氷酢酸)39118463第2石油類水溶性2,000 L
シクロヘキサノン44156420第2石油類非水溶性1,000 L
アクリル酸48〜55142395第2石油類水溶性2,000 L
アニリン76184615第3石油類非水溶性2,000 L
ニトロベンゼン88211480第3石油類非水溶性2,000 L
エチレングリコール111197398第3石油類水溶性4,000 L
グリセリン176290393第3石油類水溶性4,000 L

引火点・沸点・発火点はPubChem(米国国立衛生研究所 NIH)が収録する密閉式(closed cup)の実測値を丸めたものです。指定数量は危険物の規制に関する政令 別表第三の値。

引火点は測定方法(タグ密閉式・セタ密閉式・ペンスキーマルテンス密閉式・クリーブランド開放式)や試料の純度・混合物の組成で数℃ずれます。21℃・70℃・200℃・250℃という区分の境界線の近くにある物質は、製品ごとのSDS記載値によって品名区分が変わることがあります。届出・許可の判断は、必ず実際に使う製品のSDSと所轄消防本部の確認によってください。

指定数量と少量危険物の閾値

3つの管理区分

危険物の貯蔵量は貯蔵倍数(貯蔵量÷指定数量)で3段階に区分されます。

貯蔵倍数区分手続き根拠
0.2倍未満規制対象外不要(条例で規定される場合あり)火災予防条例
0.2倍以上1倍未満少量危険物市町村消防長への届出火災予防条例
1倍以上危険物取扱所消防署への許可申請・危険物取扱者設置消防法第10条

指定数量10倍以上で加わる義務

貯蔵倍数が1倍を超えた後も、倍数が大きくなるにつれて義務が段階的に増えます。とくに指定数量の倍数10以上が実務上の第二の節目です。

追加義務対象となる倍数根拠
警報設備の設置倍数10以上の製造所等(移動タンク貯蔵所を除く)危険物の規制に関する規則第38条
定期点検(年1回以上・記録3年保存)倍数10以上の製造所・一般取扱所ほか。地下タンクを有する施設・移動タンク貯蔵所は倍数を問わず対象危険物の規制に関する政令第8条の5
予防規程の作成・認可倍数10以上の製造所・一般取扱所ほか。給油取扱所・移送取扱所は倍数を問わず対象消防法第14条の2/政令第37条

頻出する指定数量

実務で最も頻出する閾値はガソリン200L(乗用車の燃料タンク約4-5台分)、灯油1,000L(200Lドラム缶5本)、重油2,000L(500Lタンク4本)、潤滑油6,000L。ガソリンスタンドの地下タンク(3-30kL)は大幅に超えるため、当然許可対象で危険物取扱者(乙4)の常時配置が必要です。

複数物質の混在計算例

ガソリン100L(指定数量200L)+灯油400L(指定数量1,000L)+軽油300L(指定数量1,000L)を混在貯蔵する場合、貯蔵倍数の合計は 100/200 + 400/1000 + 300/1000 = 0.5 + 0.4 + 0.3 = 1.2倍。合計が1倍を超えるため、危険物取扱所としての許可が必要になります。

引火点の試験方法(タグ/クリーブランド/セタ)

引火点の測定法は日本国内でJIS K 2265シリーズに規定され、対象温度域と物質種類により4種類の試験方法を使い分けます。

タグ密閉式(JIS K 2265-1)

低温域(引火点-30〜80℃)の引火性液体用。密閉容器内で試料を昇温し、種火を近づけて着火を確認。ガソリン・トルエン・ベンゼン・アセトンなど第1石油類の測定に使用されます。ASTM D56相当。

セタ密閉式(JIS K 2265-3)

近年主流の小型自動測定装置。試料量4mLと少量で済み、電子的な圧力上昇検知で自動判定。ASTM D3828/D93B相当。石油製品・溶剤の受入検査で広く採用されています。

ペンスキーマルテンス密閉式(JIS K 2265-3)

中温域(40〜370℃)対応。密閉試料をゆっくり撹拌昇温し、指定間隔で種火を挿入して引火を確認。灯油・軽油・重油の測定に使用。ASTM D93相当。

クリーブランド開放式(JIS K 2265-4)

高引火点(80℃以上)の潤滑油・重油・アスファルト用。開放容器で加熱し、種火通過による着火を確認。ASTM D92相当。同時に「燃焼点」(引火が5秒以上継続する温度)も測定可能。

業界・現場での応用

危険物取扱者・消防設備士

製造所・貯蔵所・取扱所の許可申請、少量危険物届出、貯蔵倍数計算の基礎。乙種4類の試験勉強でも第4類分類と指定数量が必ず出題されます。危険物保安監督者・危険物施設保安員の実務判断にも直結。

ガソリンスタンド・整備工場

ガソリン地下タンク(通常3-30kL)、灯油配送車・小分け販売、廃油・洗浄用シンナー貯蔵の指定数量管理。SS(サービスステーション)は乙4取扱者の常時配置が義務。整備工場では車検残油・廃油リサイクル管理でも該当。

化学工場・研究室・大学実験室

溶剤保管室のドラム缶・一斗缶単位の指定数量計算。有機溶剤別作業主任者・特化物との併用管理。特殊引火物(ジエチルエーテル・二硫化炭素)は指定数量50Lと厳格で、冷蔵保管・遮光・防爆冷蔵庫が必須。

塗装・印刷工場

シンナー・トルエン・MEK等の第1石油類とキシレン(第2石油類)を多量取扱い。溶剤回収装置の設計、防爆モーター選定、換気設備の風量計算で引火点データを参照。労働安全衛生法の有機溶剤中毒予防規則との併用管理。

建設現場・塗装業

ラッカー・シンナー・塗料希釈剤の現場搬入・仮設保管の管理。40L以上を一時保管する場合は少量危険物届出。夏場の車両内放置による発火リスク回避のため、引火点データを作業員教育で活用。

物流・倉庫業

危険物倉庫の許可、ラック貯蔵の防火区画、輸送時の混載制限。国際海上危険物規則(IMDG)・国連危険物輸送勧告(オレンジブック)との整合性確認にも引火点データが必須。

届出・許可の実務と法的責任

ガソリンスタンドの規制実務

一般的な給油所(SS)は地下タンクにガソリン20〜40kLを貯蔵しており、指定数量200Lで割ると貯蔵倍数100〜200倍に達します。消防法上は「給油取扱所」として市町村長等の設置許可を受け、危険物取扱者の立会いまたは常駐、地下タンクを有するため倍数にかかわらず定期点検の対象、さらに予防規程の作成・認可が必要です。なお給油取扱所には製造所・屋内貯蔵所のような保安距離・保有空地の規定は適用されず、代わりに給油空地(間口10m以上・奥行6m以上)、漏れた危険物の流出防止措置、可燃性蒸気の滞留防止といった専用の技術基準(危険物の規制に関する政令第17条)が課されます。

少量危険物の枠内に収める運用

ラッカーシンナー・トルエン・キシレンを常用する塗装業、インキと洗浄溶剤を扱う印刷業、有機溶剤を多品目そろえる大学・企業研究室では、総量が指定数量を超えやすくなります。実務では現場に置く量を指定数量未満(貯蔵倍数1倍未満)に抑えて「少量危険物」として届出のみで運用し、本体在庫は許可を受けた別棟の貯蔵所に置くという分割保管が定石です。さらに貯蔵倍数0.2倍未満まで下げれば消防法本体の規制対象外となりますが、この場合も市町村火災予防条例で容器・表示・火気管理の基準が課されることがあるため、所轄消防本部への確認が必要です。

火災事故と保険・法的責任

危険物の届出・許可を怠ったまま火災が発生した場合、単に消防法違反(罰則の対象)にとどまらず、火災保険金が減額または不払いとなるおそれがあります。火災保険の約款は「法令に違反する状態での保管」を免責・減額事由として掲げていることが多く、指定数量超過の未届出はその典型例です。加えて、事業者や現場責任者が業務上失火・業務上過失致死傷の責任を問われた事例もあり、危険物管理は保安上の問題であると同時にコンプライアンス上の重大事項といえます。届出書・許可書・定期点検記録は、事故時に「適法に管理していた」ことを示す証拠にもなるため、確実に保管してください。

よくある間違い・注意点

  • 引火点と発火点を混同 — 引火点は着火源が必要な最低温度、発火点は自然発火温度。ガソリンは引火点-40℃・発火点約300℃で340℃も差があります。防爆機器の温度クラス選定は発火点で判定するため、混同すると重大事故に直結します。
  • 食用油を安全と思い込む — 引火点300℃以上で消防法上は「非危険物」ですが、天ぷら鍋で自然発火し消火困難。水消火は絶対NG(水蒸気爆発で油が飛散)。粉末ABC消火器・防炎シートで窒息消火が原則。住宅火災の主要原因の一つです。
  • 指定数量を体積合計で計算 — 複数種混在時は「各物質量÷各指定数量」の合計で判定。同一区分でない物質を合算するのはNG。少量危険物と危険物取扱所の境界を誤認する典型ミス。
  • 水溶性・非水溶性の判定漏れ — 同じ第1石油類でもガソリン(非水溶性、200L)とアセトン(水溶性、400L)で指定数量が倍違います。SDSの「水への溶解度」を必ず確認しましょう。
  • アルコール類を第1石油類扱い — メタノール・エタノール・IPAはC1-C3飽和一価アルコールで「アルコール類」区分(指定数量400L)。第1石油類ではありません。区分ミスは届出書類の差し戻し原因になります。
  • 引火点の温度依存性を軽視 — 引火点は物質固有ですが、混合物・溶液では組成で変化。廃溶剤・希釈液・古い塗料は元の物質と引火点が異なることがあり、SDSまたは実測が必要です。
  • ドラム缶の実質貯蔵量を200Lで計算 — 200Lドラム缶は満充填で200Lですが、実流通では通常180-190L入り。届出書類には実充填量で記載します。

関連する規格・法令

  • 消防法第2条第7項・別表第一 ― 「第4類 引火性液体」の7品名と、その境目となる引火点(21℃/70℃/200℃/250℃)を定める法的根拠。危険物の定義と区分の最上位法令。
  • 危険物の規制に関する政令 ― 製造所・貯蔵所・取扱所の許可、技術基準、保安距離、貯蔵・取扱基準の詳細規定。
  • 危険物の規制に関する規則 ― 政令の細目。タンクの構造・保安設備・危険物取扱者の資格要件を規定。
  • JIS K 2265-1 ― 原油及び石油製品-引火点試験方法-第1部:タグ密閉式引火点試験方法。低温域(-30〜80℃)対応。
  • JIS K 2265-3 ― 同シリーズ第3部:ペンスキーマルテンス密閉式・セタ密閉式引火点試験方法。中温域(40〜370℃)対応。
  • JIS K 2265-4 ― 同シリーズ第4部:クリーブランド開放式引火点試験方法。高温域(80℃以上)対応。
  • 労働安全衛生法・有機溶剤中毒予防規則 ― 有機溶剤取扱い時の局所排気装置、作業主任者選任、健康診断など職場衛生規制。
  • 市町村火災予防条例 ― 少量危険物(指定数量の1/5〜1倍)の届出・管理基準を規定。市町村ごとに一部細目が異なります。
  • GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム) ― 国際的な化学品危険性表示規格。引火点によりカテゴリ1〜4に分類。

参考文献・公的資料

危険物・引火点に関する最新の一次情報は、以下の公的機関の資料を参照してください。

※本ページの引火点・発火点・指定数量データは代表値です。実際の危険物届出・許可申請・SDS作成では、必ず該当製品の最新SDS(安全データシート)および所轄消防署の判断に従ってください。危険物取扱所の設置・変更、少量危険物の届出には、危険物取扱者(甲種・乙種・丙種)・消防設備士・消防設備点検資格者等の有資格者による確認が必要です。

よくある質問(FAQ)

引火点と発火点はどう違う?

引火点は着火源(炎・火花)が必要な燃焼開始温度、発火点は着火源なしに自然発火する温度です。同一物質でも100〜500℃の差があります。ガソリンは引火点-40℃・発火点約300℃、水素の引火点は測定不能な気体ですが発火点は約500℃。防爆機器の温度クラス選定は発火点で行うため、両者の混同は重大事故に直結します。

ガソリンの指定数量200Lの意味は?

事業所で200L以上貯蔵すると危険物取扱所として消防署の許可が必要で、危険物取扱者(乙種4類等)の配置義務が発生します。40L以上200L未満は「少量危険物」として市町村消防長への届出のみで済みます。乗用車の燃料タンク約4-5台分に相当する量です。

複数種の危険物を保管する場合の判定は?

各物質の貯蔵量を指定数量で割った値の合計(貯蔵倍数の総和)で判定します。合計が1倍以上で危険物取扱所扱い。例:ガソリン100L(200L)+灯油400L(1,000L)+軽油300L(1,000L)なら 0.5+0.4+0.3=1.2倍で許可が必要になります。

第4類の水溶性・非水溶性で指定数量が違うのはなぜ?

水溶性は水希釈で消火可能、非水溶性は水では浮いて広がるためです。より危険な非水溶性は指定数量が半分に設定されています。例:第1石油類ならガソリン(非水溶性)200L、アセトン(水溶性)400L。SDSの水への溶解度で判定します。

特殊引火物の保管はどうする?

冷蔵(15℃以下)・遮光・不活性ガス封入・防爆冷蔵庫・少量分割保管が原則。指定数量が50Lと極めて厳格で、ジエチルエーテル・二硫化炭素等は大学・研究機関でも数百mL単位で管理されます。二硫化炭素は水中保管(蒸気の発散を抑制)、アセトアルデヒドは低温保管(0℃以下)が推奨。

ドラム缶で灯油を保管する場合の閾値は?

灯油(第2石油類非水溶性)の指定数量は1,000L。200Lドラム缶なら5本で1倍到達。少量危険物届出は200L以上(1本以上)で必要となる自治体が多いです。ドラム缶は必ず立てて保管し、防油堤・アース線・消火器を設置してください。

アルコール類は第1石油類とどう違う?

アルコール類はC1-C3(炭素数1〜3)の飽和一価アルコール(メタノール・エタノール・IPA)を独立区分としています。指定数量は400L。第1石油類(水溶性)と同じですが、法令上は別区分。ブタノール(C4)以上は第2石油類に分類されるため、区分ミスに注意が必要です。

食用油は消防法上「非危険物」なのに火災が起きるのは?

食用油の引火点は約300℃以上で常温では引火しないため消防法上は非危険物です。しかし加熱で360℃前後の発火点に達すると自然発火します。天ぷら鍋の空焚き・過加熱で発火し、水消火は水蒸気爆発を招くため厳禁。粉末ABC消火器または濡らしたシーツで窒息消火が原則です。

引火点の試験方法は複数あるが、どれを使う?

物質の引火点温度域と粘度で使い分けます。低温域(-30〜80℃)はタグ密閉式(JIS K 2265-1)、中温域(40〜370℃)はペンスキーマルテンス密閉式(K 2265-3)、高温域(80℃以上)の潤滑油・重油はクリーブランド開放式(K 2265-4)。近年はセタ密閉式(K 2265-3)の自動測定装置が主流です。

タンクローリーで石油を運ぶ場合の法令は?

移動タンク貯蔵所として消防法の許可対象。運転者は危険物取扱者(乙4等)の免状携行、車両標識(黒地に黄色文字「危」)表示、消火器・アース線常備が義務。トンネル通行や国道の特定区間には通行制限もあり、ガソリンは高速道路のトンネル(長大トンネル)通行不可の区間があります。

引火点が低い液体を安全に取り扱うには?

(1)換気:蒸気を滞留させない局所排気、(2)静電気対策:金属容器へのボンディング・アース、防爆工具使用、(3)着火源除去:火気厳禁、防爆モーター・防爆照明、(4)保管:直射日光を避け冷所に、(5)漏洩対策:防油堤・吸着マット常備、(6)保護具:溶剤耐性手袋・防毒マスク。有機溶剤中毒予防規則も併用適用。

GHSと消防法の引火点分類は同じ?

異なる分類体系です。GHSは国際的な化学品分類で、引火点によりカテゴリ1(23℃未満、初留35℃以下)〜カテゴリ4(60〜93℃)の4段階に区分。消防法は日本国内の火災予防法令で、第4類を7品名に分けます。SDS作成時は両方の記載が必要で、輸出入では特にGHS準拠が重要です。

灯油と軽油の引火点の差はどれくらい?

灯油は40〜60℃、軽油は50〜70℃で、いずれも第2石油類(非水溶性・指定数量1,000L)です。差は10℃程度しかなく、どちらも常温では引火しませんが、加熱されれば危険域に入ります。石油ストーブへの給油は必ず火を消してから行い、燃焼中の器具への継ぎ足しは避けてください。なお軽油は着火性の指標としてセタン価を用いるため、引火点の高さは着火のしやすさとは別の話です。

食用油や廃食用油は消防法の規制対象になりますか?

「動植物油類」に該当するのは引火点250℃未満のもので、指定数量は10,000Lです。精製されたサラダ油は引火点が約300℃以上あるため多くは非該当ですが、アマニ油(約222℃)など250℃未満の油は規制対象になります。該当するかどうかは製品のSDSで引火点を確認してください。また廃食用油は消防法上の区分にかかわらず、ウエスや紙に染みた状態で放置すると酸化発熱による自然発火を起こすため、密閉容器で保管し早期に回収業者へ引き渡すことが必要です。

ガソリンスタンドを開設するにはどんな手続きが必要?

給油所は「給油取扱所」として市町村長等の設置許可が必要です。一般的なSSはガソリン20〜40kL貯蔵で貯蔵倍数100〜200倍に達するため、危険物取扱者の立会い・常駐、地下タンクを有することによる定期点検、予防規程の作成・認可がいずれも義務となります。給油取扱所には保安距離・保有空地の規定はなく、代わりに給油空地(間口10m以上・奥行6m以上)や流出防止措置など政令第17条の専用基準が適用されます。