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騒音レベル 計算ツール|dB(デシベル)合成、環境省基準判定、距離減衰・防音対策

複数音源の騒音レベル(dB)を正確に対数合成で計算。10log₁₀式に基づき、エアコン室外機・工事現場・工場設備・道路交通騒音などの合算値を即時算出し、環境省の環境基準・労働安全衛生法・WHO推奨値・NIOSH聴覚保護基準と自動照合します。距離減衰(6dB/倍距離)、防音材の透過損失、住宅・オフィスの騒音対策計算に活用できます。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

騒音レベル 合成計算機

dB合成の計算式

基本式:対数合成

L_total = 10 × log₁₀(10^(L₁/10) + 10^(L₂/10) + … + 10^(Lₙ/10))

デシベル(dB)は音圧の対数スケールで表現される単位です。単純な加算(60+60=120dB)は誤り。同じ強度の音源2つが合成されると、音圧が2倍→対数上は10×log₁₀(2)≈3dB増加になります。3音源同時なら約4.8dB、10音源なら10dB、100音源なら20dB増加です。

同レベル音源n個の合成

n個合成 = 元のdB + 10×log₁₀(n)

この式から、エアコン室外機を並べる・工場ラインに機械を増設する・道路の車両数を倍にする等の場面での騒音レベル変化を予測できます。

音圧レベル(SPL)の定義

SPL = 20 × log₁₀(p / p₀) dB, p₀ = 20 μPa

音圧p(単位:パスカル)を基準音圧p₀(20マイクロパスカル、健康な若者の1kHz聴覚下限)で割った比の対数。音圧が2倍で+6dB、10倍で+20dBの関係です。エネルギー(音の強さ)基準では10log表現、音圧基準では20log表現になります。

dB(A)とは・単位定義

環境測定や騒音規制で使われる「dB(A)」は、A特性フィルターを通した音圧レベルです。人間の耳の周波数感度(1〜4kHzに敏感、超低音・超高音に鈍感)を模擬した重みづけで、心理音響的な「うるささ」の指標として国際的に採用されています。

特性用途特徴
dB(A)環境騒音・労働騒音人間聴覚に最も近い(標準)
dB(C)ピーク音・爆発音低音まで平坦な感度
dB(Z)研究・機器校正周波数重みなし(生の音圧)

日本の環境基準・騒音規制法・作業環境測定はすべてdB(A)ベース。以下、本ページで「dB」と表記する場合はdB(A)を指します。

騒音源の典型的dB早見表

環境省・日本騒音制御工学会の公表値、産業技術総合研究所・NIOSH等の測定資料を参考にまとめました。距離は特に注記なければ1m地点の値です。

dB音源例体感
0可聴限界(健康な若者)無音
10木の葉のそよぎ・呼吸音ほぼ無音
20ささやき声・録音スタジオ非常に静か
30深夜の郊外住宅・図書館静か
40静かな住宅街の昼・図書館内静か
50静かなオフィス・エアコン室内機普通
55普通の会話(1m)普通
60洗濯機・掃除機・エアコン室外機(3m)普通〜やや大
65大通りの交通騒音・食洗機やや大
70掃除機(1m)・電子レンジうるさい
75ピアノの練習・シャワー音うるさい
80ドライヤー・救急車のサイレン(遠)うるさい
85幹線道路脇・地下鉄車内非常にうるさい
90大声・工場内(旋盤)・電車ホーム非常にうるさい
95電動工具・オートバイ通過耳が痛い
100電車ガード下・カラオケ最大耳が痛い
110ロックコンサート最前列・チェーンソー不快・危険
120ジェット機の離陸(30m)・落雷(近)痛覚閾値
130ジェット機直下・銃声(直近)即時聴力損傷リスク
140ロケット発射(遠)・破裂音鼓膜損傷リスク

環境省 環境基準・規制値

日本の騒音規制は「騒音規制法」および「環境基本法に基づく騒音に係る環境基準」で定められています。地域区分と時間帯別の基準値は以下の通りです(dB(A))。

地域区分昼間 6-22時夜間 22-6時
AA(療養施設等)50 dB以下40 dB以下
A(住居専用)55 dB以下45 dB以下
B(住居と商業混在)55 dB以下45 dB以下
C(商業・工業)60 dB以下50 dB以下
道路沿線(A地域2車線超)60 dB以下55 dB以下
道路沿線(B地域2車線超・C地域)65 dB以下60 dB以下

特定建設作業(工事)は騒音規制法第14条で、住居地域における昼間85dB以下、夜間・早朝作業禁止などが定められています。近隣騒音トラブル(エアコン室外機、ペット、音楽)は各自治体の生活環境条例が適用され、多くは敷地境界で50〜60dBが目安。

労働安全衛生法・WHO基準

労働安全衛生法「騒音障害防止のためのガイドライン」

等価騒音レベル(8時間)措置
85 dB(A) 未満特段の措置不要
85 dB(A) 以上90 dB未満作業環境管理・聴覚保護具の使用推奨
90 dB(A) 以上聴覚保護具の使用義務・健康診断義務

WHO(世界保健機関)推奨

  • 住宅室内(昼):35 dB(A)以下(睡眠障害防止)
  • 住宅室内(夜):30 dB(A)以下(睡眠のため)
  • 屋外(住宅前):55 dB(A)以下
  • 学校教室:35 dB(A)以下(授業の理解のため)
  • 病院病室:30 dB(A)以下(治療環境)

NIOSH聴覚保護基準(米国国立労働安全衛生研究所)

連続曝露で85 dB(A)を超えると聴力損傷リスク上昇。3dB増加につき許容時間半減のルール(3dB交換率)を採用しており、85dB×8時間・88dB×4時間・91dB×2時間・94dB×1時間が同等の聴覚リスクとなります。

距離減衰と屋外音源

屋外の点音源(スピーカー、機械)は、距離が2倍になるごとに音圧レベルが約6dB減少します(逆二乗則)。

L₂ = L₁ − 20 × log₁₀(r₂ / r₁)

距離倍率dB減衰例(元60dB)
2倍-6 dB60 → 54 dB
4倍-12 dB60 → 48 dB
10倍-20 dB60 → 40 dB
100倍-40 dB60 → 20 dB

線音源(道路・鉄道など)は距離2倍で約3dB減衰と、点音源よりも減衰しにくい特性を持ちます。建物・地形による遮蔽効果や大気吸収、地面反射も考慮すると実測値との差が出るため、精密設計では音響コンサルタントによる予測モデル(ASJ Model 2018等)を使います。

防音材の透過損失(目安)

素材・構造透過損失(平均)
ガラス窓 3mm一枚約 20 dB
ペアガラス(複層)約 30 dB
防音サッシ T-2等級約 30 dB
防音サッシ T-4等級約 40 dB
石膏ボード9.5mm約 25 dB
木造壁(標準)約 30 dB
RC 100mm約 45 dB
RC 200mm約 55 dB

実際の遮音性能は隙間・窓・扉・換気口の影響が大きく、カタログ値の20〜30%程度低下することが一般的。JIS A 1416「建築物構成部材の空気音遮断性能」に基づく実験室測定と、JIS A 1417「建築物の空気音遮断性能」の現場測定は乖離するため、施工品質が結果を左右します。

主な使用シーン

エアコン室外機・給湯器の近隣配慮

戸建て住宅で室外機を隣家境界近くに設置する際、カタログ値(1m測定)から距離減衰・並列時のdB合成を計算し、境界での騒音レベルを予測。50dB(A)以下に収める工夫を検討。

工事現場・特定建設作業の申請

杭打ち・削岩・コンクリートブレーカ等の特定建設作業は事前届出義務あり。85dB以下遵守のため、複数機械同時稼働時の合成dBを事前計算し、必要なら防音パネル設置を検討。

工場・機械設備の作業環境測定

労働安全衛生法に基づく作業環境測定を年2回以上実施(粉じん・有機溶剤等と共通)。90dB(A)以上作業場は聴覚保護具使用義務・特殊健康診断義務が発生。

ライブハウス・カラオケ店等の遮音設計

店内で100dB超のロックコンサート実施時、隣接住居の夜間規制45dB(A)以下を確保するには55dB以上の遮音が必要。RC構造+防音扉+浮き構造の組合せで実現。

マンション・オフィスの騒音トラブル対応

上階の足音・下階のペット鳴き声・隣室のTVの騒音レベル測定→環境基準・条例と照合→改善要求。管理組合・警察・自治体経由の対応で証拠となる測定値の把握が重要。

PC・NAS・サーバー室の設計

データセンター、SOHO、動画配信ルームでのファン・HDD騒音を合成dBで評価。マイク録音品質を保つには室内背景騒音30dB(A)以下が目標。

よくある間違い・注意点

  • dB値を単純加算する — 60dB+60dBは120dBではなく約63dB(+3dB)です。dBは対数スケールのため、必ず10log₁₀(10^(L₁/10)+10^(L₂/10))の式で計算します。
  • dBは絶対値と誤解 — dBは基準値との比の対数です。音圧レベル(SPL)は基準音圧20μPa、電圧比dBは異なる基準値。単位系を混同すると桁違いの誤差になります。
  • 距離減衰を無視して比較 — 「50dBの機械」といってもメーカーが1m地点測定なのか3m地点測定なのかで数値意味が異なります。カタログの測定条件を必ず確認してください。
  • 環境基準は「敷地境界」で測る — 環境省基準は自宅室内でも音源直近でもなく、敷地境界での測定値が対象。近隣騒音トラブルでは自治体が境界測定を実施します。
  • 3dB増加を軽視 — 3dB増は「音圧エネルギー2倍」に相当。聴覚保護的にも許容曝露時間が半分に減るため、決して小さな変化ではありません。
  • ピーク音とLeqを混同 — 労働安全基準の85dB(A)は等価騒音レベル(Leq)8時間の値。瞬間ピークが85dBを超えても、時間平均で下回れば基準内。逆に長時間続く騒音は要注意。

関連する規格・法令

  • 騒音規制法(日本) ― 特定工場・特定建設作業・自動車騒音の規制。都道府県知事による地域指定と基準値設定。
  • 環境基本法(騒音環境基準) ― 平成10年環境庁告示第64号。地域類型別の環境基準値(dB(A))を規定。
  • 労働安全衛生規則(第577条〜) ― 職場の騒音防止措置。85dB以上作業場での保護具・健康診断義務。
  • JIS Z 8731 ― 環境騒音の記述、測定及び評価方法。
  • JIS A 1416/A 1417 ― 建築物構成部材の空気音遮断性能(実験室/現場測定)。
  • IEC 61672 ― 電子音響機器 サウンドレベルメーター。国際規格。
  • ISO 1996 ― Acoustics — Description, measurement and assessment of environmental noise(環境騒音の国際標準)。
  • NIOSH 98-126 ― 米国国立労働安全衛生研究所 職業性騒音曝露基準。3dB交換率、85dB Leqを行動基準に設定。

参考文献・公的資料

正確な騒音測定・法令遵守のためには以下の公的機関の一次資料を参照してください。

※本ページの計算結果は理論式に基づく概算値です。行政手続き・裁判・公式記録に使用する測定値は、精密騒音計(JIS C 1509準拠のクラス1またはクラス2)による実測と、有資格者(騒音関係公害防止管理者・環境計量士等)の判断を優先してください。近隣騒音トラブルは、まず自治体の公害相談窓口へ相談することを推奨します。

よくある質問(FAQ)

60dB+60dBは何dBになる?

63dBです。デシベルは対数スケールのため単純加算ではなく、10×log₁₀(10^6 + 10^6) = 63.01 dB。同レベルn音源合成では「元dB + 10log(n)」の式で、2倍→+3dB、10倍→+10dB、100倍→+20dBの関係になります。

dB(A)とdB(C)の違いは?

dB(A)は人間の耳の感度を模擬したA特性フィルター後の値。環境基準・労働安全・住宅騒音はすべてdB(A)で規定。dB(C)は低音まで平坦な感度で、ピーク音・爆発音・工業音の分析に使います。同じ音源でもdB(A)とdB(C)で値が異なります。

環境省の住宅地騒音基準は?

住居専用地域(A地域)は昼間55dB以下、夜間45dB以下。療養施設・学校のあるAA地域は昼50・夜40。商業地域C地域は昼60・夜50。敷地境界での測定値が基準対象で、自治体条例で更に厳しい基準がある場合も。

工事現場の騒音は何dBまで許容される?

特定建設作業(杭打ち・ブレーカ等)は騒音規制法で敷地境界85dB以下が基準。夜間・早朝作業は原則禁止。連続日数(6日以内)・時間帯(7-19時等)の制限もあり、事前に市町村への届出必須です。

エアコン室外機の騒音は隣家にどう届く?

カタログ値60dB(1m測定)の室外機は、距離減衰(2倍で-6dB)により5m地点で約46dB、10m地点で約40dB。境界50dB以下確保には遮音板・設置向き調整・防振ゴム等が有効。夏場フル稼働時は+3〜5dB増加します。

WHO推奨の睡眠時屋内騒音は?

睡眠時の寝室内で30dB(A)以下を推奨。40dB超で睡眠障害リスク、55dB超で心血管疾患リスク上昇との報告あり。屋外基準(住宅前夜間)は40dB以下推奨で、日本の環境基準(45dB)よりも厳しめです。

労働環境の85dB基準を超えたらどうする?

労働安全衛生法・厚労省ガイドラインに従い、①作業環境測定の実施、②工学的対策(防音カバー・遮音壁・低騒音機械への更新)、③管理的対策(作業時間短縮・ローテーション)、④保護具(耳栓・イヤーマフ)の順で対策。90dB超は聴覚保護具義務・特殊健診義務。

距離が2倍になるとdBは何下がる?

点音源では約6dB減衰(逆二乗則)。10dB下げるには距離3.16倍、20dB下げるには10倍必要です。線音源(道路・鉄道)は2倍で約3dB減衰と、点音源より減衰が小さくなります。

マンションの上階の足音は何dB?

子どもの走り回り・大人の歩行で床衝撃音は現場条件下55〜75dB程度。日本の集合住宅の床衝撃音等級は「LL-45」以下(軽量床衝撃音)や「LH-50」(重量床衝撃音)などで規定。カーペット・遮音マット・防音床材で改善可能です。

ライブハウスの騒音対策は?

店内で100〜115dB発生する場合、隣接住居45dB以下確保には55〜70dBの遮音が必要。RC構造+防音扉+浮き構造(遮音層と建物の絶縁)+吸音材の組合せで実現。防音室設計の専門業者に依頼するのが確実です。

スマホの騒音計アプリの精度は?

iPhone等のマイクを使ったdB測定アプリは、目安として±5dB程度の誤差があります。周囲状況把握や騒音トラブルの一次確認には有用ですが、行政手続き・裁判・公式記録の証拠にはJIS C 1509準拠のサウンドレベルメーター(実勢価格1〜10万円)による測定が必要です。

幼稚園・学校の騒音は規制対象?

2015年の法改正で「子どもの声は騒音規制法の対象外」との明記(東京都条例等)。ただし、放送・拡声器・室外機・車両等の設備音は通常の環境基準が適用。近隣配慮として教育委員会・自治体と協議して対応するのが実務です。