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相続遺産分割法定相続分相続税

遺産分割 計算|法定相続分・配偶者・子・親・兄弟の取り分を一発算出

遺産総額と家族構成から、民法900条に基づく法定相続分を瞬時に計算。配偶者・子・父母・兄弟姉妹・代襲相続まで全パターン対応し、遺留分・基礎控除(3,000万+600万×人数)・配偶者税額軽減・小規模宅地等の特例など、遺産分割協議と相続税申告に不可欠な論点をまとめて解説。遺言がない場合の分割基準、遺言がある場合の遺留分侵害額請求、寄与分・特別受益による調整、二次相続を見据えた資産配分まで、実務に耐える完全無料ツールです。

最終更新:2026-07-26/監修:計算ツールズ編集部

遺産分割 計算ツール

子がいない場合のみ加算。
子・親がいない場合のみ。

計算式(民法900条の法定相続分)

配偶者+子: 配偶者 1/2、子 1/2 を子の人数で等分
配偶者+直系尊属(父母): 配偶者 2/3、父母 1/3 を人数で等分
配偶者+兄弟姉妹: 配偶者 3/4、兄弟 1/4 を人数で等分
配偶者のみ: 配偶者 100%
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

民法900条は「法定相続分」を規定しており、遺言がない場合の分割基準となります。ただしこれは「遺産分割協議で合意ができないときの目安」であり、相続人全員の合意があれば法定相続分と異なる配分でも自由に決定可能です。実務では、実家不動産は同居長男に、預貯金は他の子で分けるといった実情に合わせた協議分割が一般的です。

ただし相続税計算では、遺産総額から基礎控除を引いた課税価格を、いったん法定相続分どおり相続したと仮定して相続税総額を算出する仕組み(法定相続分課税方式)を採用しているため、法定相続分は税額計算にも必須の概念です。

相続順位と組み合わせ

民法889条により、配偶者は常に相続人となり、それ以外の血族相続人は以下の順位で決まります。上位の順位に該当者がいる限り、下位順位の者は相続人になりません。

順位該当者配偶者との配分
常に相続人配偶者(法律婚のみ)
第1順位子(実子・養子・胎児・非嫡出子)配偶者1/2、子1/2
第2順位直系尊属(父母・祖父母)配偶者2/3、父母1/3
第3順位兄弟姉妹配偶者3/4、兄弟1/4

組み合わせ別の相続分

パターン配偶者その他
配偶者+子1/2子で1/2を等分
配偶者+父母(子なし)2/3父母で1/3を等分
配偶者+兄弟(子・親なし)3/4兄弟で1/4を等分
配偶者のみ100%
子のみ(配偶者なし)子で等分
父母のみ(配偶者・子なし)父母で等分
兄弟のみ兄弟で等分
誰もいない特別縁故者→国庫帰属

非嫡出子(婚外子)は2013年の最高裁決定・民法改正により嫡出子と同等の相続分になりました。半血兄弟姉妹(片親のみ同じ)は全血兄弟姉妹の1/2となります(民法900条4号)。

代襲相続の仕組み

代襲相続とは、本来の相続人が被相続人より先に死亡している(または相続欠格・廃除)場合、その子(孫)が代わりに相続人となる制度です(民法887条2項)。

代襲される相続人と代襲者

  • 子が先に死亡 → 孫が代襲相続。孫も死亡なら曾孫まで無限に代襲(再代襲)。
  • 兄弟姉妹が先に死亡 → 甥・姪までのみ代襲(再代襲なし・民法889条2項)。
  • 直系尊属(父母) → 代襲は発生せず、祖父母が第2順位で相続。
  • 相続放棄した子 → 代襲相続は発生しない(放棄は代襲原因ではない)。

代襲相続人の相続分は被代襲者(死亡した本人)の分を全額引き継ぎます。孫が3人なら、被代襲者の子1人分を3人で等分します。

遺留分と遺留分侵害額請求

遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された最低限の取り分で、遺言でも奪えない権利です(民法1042条)。

相続人総体的遺留分個別遺留分
直系尊属のみ1/31/3 × 法定相続分
その他(配偶者・子)1/21/2 × 法定相続分
兄弟姉妹なし遺留分なし

例:遺産1億円、配偶者と子2人がいる場合、法定相続分は配偶者5,000万・子2,500万×2。個別遺留分は配偶者2,500万・子1,250万×2となり、遺言で「全額愛人へ」とあっても、この額までは請求可能です。

2019年の民法改正で「遺留分減殺請求権」は「遺留分侵害額請求権」に変わり、金銭請求のみに一本化されました(民法1046条)。相続開始と侵害を知った日から1年以内、相続開始から10年で時効消滅します。

寄与分・特別受益の調整

特別受益(民法903条)

相続人が生前贈与・遺贈で受けた財産を「特別受益」として持ち戻し、遺産に加算した上で相続分を計算する制度。住宅資金援助、開業資金、多額の学費(大学院・海外留学等)などが対象です。持戻し免除の意思表示があれば持戻し不要になります(2019年民法改正で夫婦間の居住用不動産贈与は原則持戻し免除)。

寄与分(民法904条の2)

被相続人の事業を無償で手伝った、療養看護に貢献した、財産維持に特別の寄与をしたなど、遺産の増加・維持に貢献した相続人に対し、相続分を上積みする制度。介護をした長男の嫁(相続人でない)にも、2019年改正で「特別寄与料」として金銭請求権が認められました(民法1050条)。

相続税の基礎控除と速算

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
課税遺産総額 = 正味の遺産総額 − 基礎控除
相続税総額 = 各法定相続人の取得分×税率−控除額 の合計

相続税の速算表(2015年改正後)

法定相続分に応じた取得額税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万〜3,000万円15%50万円
3,000万〜5,000万円20%200万円
5,000万〜1億円30%700万円
1億〜2億円40%1,700万円
2億〜3億円45%2,700万円
3億〜6億円50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

家族構成別の基礎控除額

家族構成相続人数基礎控除
配偶者のみ1人3,600万円
配偶者+子1人2人4,200万円
配偶者+子2人3人4,800万円
配偶者+子3人4人5,400万円
子2人のみ2人4,200万円
配偶者+父母2人3人4,800万円

配偶者税額軽減・小規模宅地等の特例

配偶者税額軽減(相続税法19条の2)

配偶者が取得した遺産のうち「1億6,000万円」または「法定相続分」のいずれか多い額まで相続税が非課税になる制度。配偶者に多く相続させれば一次相続の税金はほぼゼロにできますが、二次相続(配偶者死亡時)で子が多額の相続税を負担する落とし穴があるため、長期最適で配分を検討する必要があります。

小規模宅地等の特例(措法69条の4)

被相続人の居住用宅地(自宅)・事業用宅地・貸付用宅地について、一定要件を満たすと評価額を大幅減額できる特例。

宅地区分限度面積減額割合
特定居住用宅地(自宅)330㎡80%減
特定事業用宅地400㎡80%減
貸付事業用宅地200㎡50%減

自宅評価5,000万→1,000万に減額でき、相続税が大幅圧縮。ただし配偶者以外の相続人が適用するには「同居」「家なき子」等の要件があり、要件を満たすには生前対策が必要です。

こんな場面で使える

親の相続に備えた事前シミュレーション

親の遺産(自宅・預貯金・有価証券)と兄弟の人数から、自分の想定取り分と相続税負担を試算。生前贈与・遺言作成・家族信託の検討材料に。相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算(2024年以降は7年以内へ順次延長)。

遺言書の内容チェック

親が作成した公正証書遺言・自筆証書遺言の内容が遺留分を侵害していないか確認。「全額長男へ」の遺言なら、他の子は遺留分侵害額請求で法定相続分の1/2を請求可能。

配偶者と子の分割協議

夫死亡時、配偶者と子で法定相続分どおり分けるか、二次相続を考慮して配偶者を減らすか。配偶者税額軽減で一次相続をゼロにしても、二次相続で税負担が跳ね上がるケースの回避に活用。

相続税申告要否の判定

基礎控除(3,000万+600万×人数)を遺産総額が超えるかチェック。超える場合は10ヶ月以内の申告義務あり。超えなくても小規模宅地の特例適用のため申告が必要な場合もあります。

相続放棄の判断

負債(住宅ローン残債・連帯保証)が遺産を上回る場合、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申述が必要。放棄した相続人は最初から相続人でなかったとみなされ、次順位に相続が移ります。

不動産の共有回避と代償分割

実家不動産を子3人で共有すると将来の売却・活用で紛争リスク。1人が単独取得し、他の子に金銭で埋め合わせる「代償分割」の金額を、法定相続分から算定します。

相続手続の流れとスケジュール

期限手続内容
7日以内死亡届市区町村役場へ提出
3ヶ月以内相続放棄・限定承認家庭裁判所へ申述
4ヶ月以内準確定申告被相続人の所得税申告
10ヶ月以内相続税申告・納付税務署へ申告書提出
1年以内遺留分侵害額請求知った日から1年、相続から10年で時効
3年以内相続登記の義務化2024年4月〜義務化、罰則あり
5年10ヶ月以内相続税の還付請求更正の請求期限

よくある間違い・注意点

  • 兄弟姉妹に遺留分があると誤解 — 兄弟姉妹には遺留分がありません(民法1042条)。「兄弟のみ相続」の場合、遺言で「妻に全額」と書けば兄弟は1円も請求できません。
  • 相続放棄と遺産分割で「もらわない」を混同 — 遺産分割協議で「0円」で合意しても法的には相続人のまま。被相続人の借金の返済義務は残ります。負債回避には家庭裁判所での相続放棄手続(3ヶ月以内)が必須。
  • 「配偶者は非課税だから全額渡す」の落とし穴 — 一次相続では配偶者税額軽減で税ゼロでも、配偶者の資産+既存資産が二次相続で子に一括承継され、税率が跳ね上がるケース多数。長期最適な配分は専門家に相談を。
  • 生前贈与3年ルールの改正 — 相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算されていましたが、2024年以降は7年以内へ順次延長中(段階的に2031年まで完全移行)。相続対策の贈与は早めに開始する必要があります。
  • 相続登記を放置 — 2024年4月から相続登記が義務化、3年以内に登記しないと10万円以下の過料。実家の名義が祖父のままなど、数世代放置しているケースは早急に相続手続を。
  • 相続税の申告漏れ — 相続税の申告漏れは加算税・延滞税の対象。無申告加算税は15-20%、重加算税は35-40%に及びます。基礎控除ギリギリで「多分申告不要」と思っても、税理士に確認を推奨。
  • デジタル遺産の見落とし — ネット証券口座、暗号資産(仮想通貨)、電子マネー残高、サブスクリプション料金等の見落としが増加。エンディングノートで生前整理が必要です。

参考文献・公的資料

相続法・相続税の正確な情報は、以下の公的機関の一次資料をご参照ください。

※本ページの計算結果は民法・相続税法に基づく概算です。実際の相続分・相続税額は、特別受益・寄与分・小規模宅地の特例・生前贈与・不動産評価・非上場株式評価等で大きく変動します。相続税申告、遺産分割協議書の作成、遺言書の作成、生前贈与の設計、家族信託等の個別具体的な相続対策は、必ず税理士・弁護士・司法書士・行政書士等の専門家にご相談ください。誤った申告は加算税・延滞税の対象となります。

よくある質問(FAQ)

遺言があれば法定相続分は無視される?

原則遺言が優先されますが、遺留分(最低保障)があります。配偶者・子・直系尊属には法定相続分の1/2(直系尊属のみは1/3)の遺留分。「全部愛人に」遺言でも、家族は遺留分侵害額請求可能で、知った日から1年以内(相続開始から10年)に金銭で請求します。

代襲相続とは?

子が先に死亡した場合、孫が代わりに相続します。孫も死亡なら曾孫まで無限に再代襲。兄弟が先死亡時は甥・姪までのみ(再代襲なし)。代襲相続人は元の相続人と同じ相続分を受取ります。

遺産分割協議はどう進める?

相続人全員で「誰が何をいくらもらうか」協議し、全員一致で自由に決定可能。法定相続分は目安であり、「実家を長男が、預金を妹が」など実情に合わせ調整。遺産分割協議書を作成し、全員の実印+印鑑証明が必要。不動産登記・預貯金解約・相続税申告で使います。

相続税の基礎控除はいくら?

2015年改正で「3,000万+600万×法定相続人の数」。配偶者+子2人なら4,800万円まで非課税。改正前(5,000万+1,000万×人数)より縮小され、課税対象者は約4%から約9%に倍増。都市部の持家世帯は要注意です。

配偶者の税額軽減はどれくらい?

配偶者は1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い額まで非課税(配偶者税額軽減)。「夫死亡→妻全額相続」で相続税ほぼゼロのケース多数。ただし二次相続(妻死亡時)が高税率になる罠、長期視点で配分検討が必須。

相続放棄はどうやる?

相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申述書を提出。負債超過や関わりたくない場合に選択。放棄すると最初から相続人でなかったとみなされ、次順位(親→兄弟)に相続が移ります。

相続税の申告期限は?

相続開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地を管轄する税務署へ申告・納付。遺産分割が終わっていなくても法定相続分で仮申告し、後日修正申告する方法も可能です。

小規模宅地等の特例とは?

被相続人の自宅(特定居住用宅地)は330㎡まで評価額を80%減額できる特例。5,000万の自宅が1,000万に減額され、相続税を大幅圧縮できます。配偶者・同居親族・家なき子(要件あり)が適用可能。事業用宅地・貸付宅地にも特例あり。

生前贈与の相続財産への加算は何年?

従来は相続開始前3年以内でしたが、2024年以降は7年以内へ順次延長(2027年から段階的、2031年に完全7年ルール移行)。相続対策の贈与は早めに開始する必要があります。ただし延長分の4年間の贈与は100万円まで加算対象外。

相続登記の義務化とは?

2024年4月から相続で取得した不動産の登記が義務化されました。相続開始と所有権取得を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料。所有者不明土地問題の解消が目的で、過去に相続した未登記不動産にも遡及適用されます。

特別受益と寄与分とは?

特別受益は生前贈与や遺贈で受けた財産を持ち戻して相続分を調整する制度。寄与分は事業手伝い・介護等で遺産の増加維持に貢献した相続人に上乗せする制度。2019年改正で介護に貢献した長男の嫁(相続人でない)にも特別寄与料の金銭請求権が認められました。

非嫡出子・養子の相続分は?

非嫡出子(婚外子)は2013年最高裁決定・民法改正により嫡出子と同等の相続分となりました。養子は実子と同じ扱いですが、相続税の基礎控除では養子1人(実子ありの場合)・2人(実子なしの場合)までしか算入できません。