障害者手当 計算ツール|特別障害者手当・障害児福祉手当・特別児童扶養手当・自治体加算
障害者手当の月額を等級別に即算出。国の制度である特別障害者手当(月28,840円)・障害児福祉手当(月15,690円)・特別児童扶養手当(1級55,350円/2級36,860円)を軸に、所得制限、支給要件、申請窓口、障害年金・生活保護との併給、自治体独自の在宅重度障害者手当までを整理します。厚生労働省の令和6年度改定基準を反映。
障害者手当ツール
計算式と手当種別
基本の考え方
支給月額 = 手当種別ごとの基準額 × 該当有無(1級/2級/3級で分岐)
「障害者手当」は単一の制度ではなく、複数の給付が重層しています。国が支給する法定手当と、都道府県・市区町村が独自に上乗せする単独事業に分かれ、それぞれ根拠法・所得制限・支給月・申請窓口が異なります。障害基礎年金・障害厚生年金とは別枠で、多くの手当は年金と併給可能です。
本ツールの月額(令和6年度・2024年度基準)
1級(重度目安):27,450円 2級(中度目安):15,290円 3級:0円(法定手当は原則1・2級相当のみ)
本ツールは在宅重度障害者手当(自治体独自事業)を含む一般的な水準を示す簡易版です。厳密な支給額を確認する際は、お住まいの市区町村の障害福祉課に照会してください。
主要な障害者向け手当
特別障害者手当(国)
20歳以上で、著しく重度の障害により日常生活で常時特別の介護を必要とする在宅の方が対象。月額28,840円(令和6年度)。所得制限あり。所管:厚生労働省/窓口:市区町村福祉課。
障害児福祉手当(国)
20歳未満で、重度の障害により日常生活で常時介護を必要とする在宅の児童が対象。月額15,690円(令和6年度)。特別児童扶養手当と併給可。
特別児童扶養手当(国)
20歳未満の障害児を養育する保護者に支給。1級(重度)55,350円/2級(中度)36,860円(令和6年度)。所得制限あり、4月・8月・11月の年3回振込。
在宅重度障害者手当(自治体)
都道府県・市区町村が独自に支給する上乗せ手当。名称・金額は自治体により大きく異なり、月5,000〜20,000円程度。身体障害者手帳1・2級や療育手帳Aを要件とすることが多い。
心身障害者扶養共済年金
保護者亡き後、障害のある方に生涯にわたり毎月2万円(1口)〜4万円(2口)を支給。都道府県・指定都市の任意加入制度で、加入時から掛金を納付する仕組み。
障害基礎年金・障害厚生年金
手当とは別制度の年金。障害基礎年金1級は月額約85,000円(令和6年度)、2級は約68,000円。厚生年金加入者は上乗せあり。本ツールとは別で、障害年金ツールで試算可能。
等級別月額早見表(令和6年度・2024年度)
厚生労働省が毎年4月に告示する国の法定手当の月額と、代表的な自治体(東京都・大阪府・愛知県)の在宅重度障害者手当をまとめました。
| 手当種別 | 1級(重度) | 2級(中度) | 3級 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 特別障害者手当(国) | 28,840円 | — | — | 20歳以上・在宅・常時介護 |
| 障害児福祉手当(国) | 15,690円 | — | — | 20歳未満・在宅・常時介護 |
| 特別児童扶養手当(国) | 55,350円 | 36,860円 | — | 養育者に支給・年3回 |
| 東京都心身障害者福祉手当 | 15,500円 | 15,500円 | — | 身体1・2級/愛の手帳1〜3度 |
| 大阪府重度障害者在宅手当 | 6,750円 | 6,750円 | — | 市町村事業への補助 |
| 愛知県在宅重度障害者手当 | 15,500円 | 6,750円 | — | 手帳等級により2区分 |
| 本ツール表示値 | 27,450円 | 15,290円 | 0円 | 特別障害者手当+自治体の平均イメージ |
※金額は令和6年度告示ベース。物価スライドにより毎年見直しがあります。
支給要件と対象者
特別障害者手当(重度)
次のいずれかに該当し、常時特別の介護を要する状態が必要です。
- 身体障害者手帳1級または2級で、下記のいずれかを重複
- 両上肢の機能に著しい障害/両下肢の機能に著しい障害
- 体幹の機能に座っていることができない程度の障害
- 両眼の視力の和が0.04以下
- 両耳の聴力レベルが100dB以上
- 療育手帳A(重度知的障害)で日常生活に常時介護を要する
- 精神障害で日常生活に常時介護を要する(自傷他害の恐れがある等)
障害児福祉手当(20歳未満)
身体障害者手帳1・2級相当、療育手帳A相当、精神障害で日常生活に著しい制限を受ける状態が要件。3ヶ月以上入院している場合は支給停止。
特別児童扶養手当(20歳未満の児を養育)
父・母または養育者が申請。1級は概ね身体障害者手帳1・2級、療育手帳A、精神障害1級相当。2級は身体3級、療育B、精神2級相当。児童福祉施設入所中は原則対象外。
所得制限と減額基準
いずれの手当も、受給者本人・扶養義務者の前年所得が一定額を超えると支給停止となります。政令に基づく金額で、扶養親族数により変動します。
| 手当 | 本人所得の上限(扶養0人) | 配偶者・扶養義務者の上限 |
|---|---|---|
| 特別障害者手当 | 3,604,000円 | 6,287,000円 |
| 障害児福祉手当 | 3,604,000円 | 6,287,000円 |
| 特別児童扶養手当(全部支給) | 4,596,000円 | 6,287,000円 |
| 特別児童扶養手当(一部支給) | 6,536,000円 | — |
扶養親族1人につき本人は38万円(老人扶養は48万円)、扶養義務者は6万円ずつ上限が加算されます。所得は給与所得控除後の額から社会保険料相当額(一律8万円)を控除して判定します。
申請手続き・必要書類
申請窓口
市区町村の障害福祉課(自治体により「福祉事務所」「保健福祉センター」等の名称)が窓口。申請日の属する月の翌月分から支給されます(さかのぼり不可)。
共通する必要書類
- 認定請求書(窓口配布)
- 診断書(都道府県指定様式・直近1〜3ヶ月以内)
- 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の写し
- 所得証明書(本人・配偶者・扶養義務者)
- 戸籍謄本、住民票、印鑑、振込先口座通帳
- マイナンバーが確認できる書類
支給時期
特別障害者手当・障害児福祉手当は2月・5月・8月・11月の年4回、それぞれ前月分までをまとめて振込。特別児童扶養手当は4月・8月・11月の年3回です。
障害年金・生活保護との併給
障害年金との併給
特別障害者手当・障害児福祉手当・特別児童扶養手当は、いずれも障害基礎年金・障害厚生年金と併給可です。ただし、20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限があり、また特別障害者手当は年金と重複しない受給者を主対象としているケースもあるため、個別確認が必要です。
生活保護との関係
生活保護受給中でも手当は受給できますが、収入認定されるため、生活扶助費から手当相当額が減額されます。ただし、特別障害者手当は他人介護料として一部が控除されるケースがあります。
介護保険・障害福祉サービスとの併用
手当は現金給付、介護保険・障害福祉サービスは現物給付なので、両方の受給が可能です。65歳以上は介護保険優先、65歳未満は障害福祉サービスが原則ですが、市町村判断で選択可の場合もあります。
典型的な受給ケース
ケースA:在宅重度身体障害者(40代・単身)
身体障害者手帳1級(両下肢機能全廃)で在宅。障害基礎年金1級(月約85,000円)+特別障害者手当(月28,840円)+自治体手当(月15,500円)で月約129,340円。所得制限内であれば全額支給。
ケースB:重度知的障害児(8歳)
療育手帳A所持。母親が特別児童扶養手当1級(月55,350円)+本人に障害児福祉手当(月15,690円)+自治体児童手当(月15,000円)=月86,040円。18歳到達年度末で児童手当・障害児福祉手当は終了、20歳から特別障害者手当と障害基礎年金へ切替。
ケースC:精神障害2級(30代)
精神障害者保健福祉手帳2級では特別障害者手当の対象外の場合が多い(日常生活に常時介護要件を満たしにくい)。障害基礎年金2級(月約68,000円)を主軸に、自治体単独の心身障害者福祉手当(月5,000〜15,000円)を活用。
ケースD:施設入所中の重度障害者
特別障害者手当・障害児福祉手当は施設入所中は支給停止。障害年金・自治体単独の一部手当は継続。退所して在宅に戻れば手当は再開できるため、退所届と併せて手当復活の申請を行う。
よくある間違い・注意点
- 「手帳がある=手当がもらえる」ではない — 特別障害者手当は手帳等級だけでなく、常時介護要件と所得制限の両方を満たす必要があります。手帳1級でも介護要件を満たさなければ対象外です。
- 申請は遡って支給されない — 障害年金と異なり、手当は申請月の翌月分から支給開始。診断書の作成に時間がかかっても、まず認定請求書を先に提出することで支給開始日が早まります。
- 施設入所・3ヶ月以上入院で停止 — 特別障害者手当・障害児福祉手当は入所や長期入院で自動停止されます。退所時に復活手続きを忘れて数ヶ月分もらい損ねるケースが多発しています。
- 所得制限判定は前年所得 — 8月から翌年7月分の支給は前年1〜12月の所得で判定。前年に一時所得(退職金・不動産売却等)があった場合、翌年8月〜翌々年7月が支給停止になる可能性があります。
- 特別児童扶養手当と児童手当は重複しない訳ではない — 児童手当(現金給付)と特別児童扶養手当は併給可。ただし児童扶養手当(ひとり親向け)は特別児童扶養手当と重複部分の調整があります。
- 自治体独自手当を見落とす — 特別障害者手当だけを申請して、都道府県・市町村の上乗せ手当を知らないケースが多発。窓口で「他に該当する手当はありますか」と必ず確認しましょう。
- 診断書料は自己負担 — 手当申請用の診断書料(5,000〜8,000円程度)は原則自己負担。生活保護受給者は医療扶助対象となる場合があります。
関連する法令・通知
- 特別児童扶養手当等の支給に関する法律 ― 特別障害者手当・障害児福祉手当・特別児童扶養手当の根拠法。所得制限・支給要件・停止事由を規定。
- 特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令 ― 所得制限額・扶養控除の政令。毎年の政令改正で金額が更新。
- 特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行規則 ― 診断書様式・申請書類の様式を規定した省令。
- 身体障害者福祉法 ― 身体障害者手帳の等級認定基準(別表)を規定。
- 知的障害者福祉法/療育手帳制度要綱 ― 療育手帳(愛の手帳)の等級認定基準を規定。実務は都道府県要綱に依拠。
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 ― 精神障害者保健福祉手帳の根拠法。
- 国民年金法・厚生年金保険法 ― 障害基礎年金・障害厚生年金の根拠法。手当と併給可。
- 生活保護法 ― 手当と生活保護の関係(収入認定・他人介護料の扱い)を規定。
参考文献・公的資料
手当額・所得制限は毎年見直されます。最新の正確な情報は必ず下記の公的サイト・お住まいの自治体窓口で確認してください。
- 厚生労働省 障害児支援・障害者支援 ― 特別障害者手当・障害児福祉手当・特別児童扶養手当の公式説明。手当額は毎年4月に改定告示。
- 厚生労働省 特別児童扶養手当・特別障害者手当 ― 3手当の対象・所得制限・支給月額の一覧。
- 厚生労働省 身体障害者手帳 ― 等級認定基準・申請手続き。
- 日本年金機構 障害年金 ― 障害基礎年金・障害厚生年金の受給要件と金額。
- 独立行政法人福祉医療機構(WAM NET) ― 全国の障害福祉サービス・手当情報のポータル。自治体窓口検索も可能。
- 政府広報オンライン 障害者手帳 ― 3種類の手帳制度の解説と手当・割引制度の紹介。
- e-Gov 法令検索 ― 特別児童扶養手当法・身体障害者福祉法等の条文を検索可能。
- 厚生労働省 生活保護制度 ― 手当と生活保護の関係(収入認定)。
- 政府広報オンライン 特別児童扶養手当 ― 手続きの流れをわかりやすく紹介。
よくある質問(FAQ)
障害年金との関係は?
障害基礎年金・障害厚生年金と併給可能です。年金は所得保障、手当は介護に伴う特別出費の補填として位置づけられており、目的が異なるため両方受給できます。ただし20歳前傷病の障害基礎年金には所得制限があります。
在宅障害者手当との違いは?
「在宅重度障害者手当」は都道府県・市区町村の独自事業で、名称・金額・要件が自治体ごとに異なります。国の特別障害者手当(月28,840円)とは別枠で、自治体手当は概ね月5,000〜20,000円程度。両方受給できるケースが多いです。
申請窓口はどこ?
市区町村の障害福祉課(または福祉事務所・保健福祉センター)が窓口です。必要書類は認定請求書・診断書・手帳の写し・所得証明・住民票・振込口座通帳等。申請月の翌月分から支給開始で、遡及支給はありません。
特別障害者手当は誰でも受けられる?
いいえ。20歳以上・在宅・著しく重度で常時特別の介護を要するという3要件と所得制限を満たす必要があります。身体障害者手帳1級だけでは足りず、複数障害の重複や常時介護状態の医学的判定が必要です。
障害児福祉手当と特別児童扶養手当は同時にもらえる?
はい、併給可能です。障害児福祉手当は本人への月15,690円、特別児童扶養手当は養育者への1級55,350円/2級36,860円で、支給対象者と目的が異なるため両方受給できます。
施設に入所したら手当はどうなる?
特別障害者手当・障害児福祉手当は施設入所中は支給停止です。3ヶ月以上の入院時も停止。退所すれば再開可能ですが、必ず届出を行ってください。障害年金は入所・入院でも継続します。
所得制限はどう判定される?
受給者本人と配偶者・扶養義務者(同居の父母等)の前年所得で判定。給与所得控除後の額から一律8万円(社会保険料相当)と各種控除を引いた「控除後所得」が政令上の上限を超えると全額停止。8月から翌年7月分の支給が対象年度です。
手続きにかかる期間は?
申請から認定通知まで1〜3ヶ月が目安。診断書作成に2〜4週間、市区町村の審査に1〜2ヶ月かかります。認定されれば申請月の翌月分から遡って初回振込されるため、書類が揃わなくても先に認定請求書を提出するのがコツです。
3級では手当は出ない?
国の法定手当(特別障害者手当・障害児福祉手当)は重度(概ね1・2級相当)が対象で3級は原則対象外です。ただし自治体独自の心身障害者福祉手当は3級(療育手帳B)でも支給する所があり、東京都・大阪府等では月5,000〜15,000円が該当します。
就労中でも手当は受給できる?
就労自体は禁止されていませんが、所得制限により減額・停止される可能性があります。特別障害者手当は本人所得3,604,000円(扶養0人)が上限。就労A型・B型の工賃程度であれば制限内に収まるケースが大半です。
生活保護を受けていても手当は申請できる?
申請可能です。ただし手当は収入認定されるため、生活扶助費から手当相当額が減額されます。特別障害者手当は他人介護料相当として一部が控除される場合があり、実質手取りが増える扱いになることも。ケースワーカーに確認してください。
手当額はいつ改定される?
毎年4月に物価スライドで改定告示されます。近年は年金と同様に賃金・物価変動率を反映し、令和6年度は前年比1.2〜2.7%の増額改定でした。改定額は厚労省サイトと政令で確認できます。
専門用語ガイド
手当申請の書類・窓口で頻出する専門用語を整理しました。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 認定請求 | 手当の受給資格を認めてもらうための最初の申請手続き |
| 常時介護 | 日常生活のほぼ全般で他人の介助を必要とする状態 |
| 扶養義務者 | 民法上の扶養義務がある親族(直系血族・兄弟姉妹) |
| 所得判定 | 手当支給の可否を判断する年収基準の審査 |
| 物価スライド | 物価変動に応じて手当額を自動改定する仕組み |
| 指定医師 | 診断書作成が認められた各都道府県指定の医師 |
| 更新診断 | 2〜3年ごとに障害状態を再確認する審査 |
| 他人介護料 | 生活保護で認められる介護費用の追加加算 |
| 収入認定 | 生活保護受給時に手当を収入とみなす取扱い |
| 併給調整 | 複数の手当・給付を同時受給する際の金額調整 |
申請前チェックリスト
申請時の不備・不足を防ぐための事前チェック項目です。
- 身体・療育・精神いずれかの障害者手帳を所持しているか
- 手帳等級が1級または2級相当か(3級では対象外)
- 常時介護を要する医学的状態か(診断書で証明できるか)
- 在宅生活か(施設入所中は原則対象外)
- 3ヶ月以上入院していないか(長期入院は停止事由)
- 本人の前年所得が上限内か(3,604,000円/扶養0人)
- 配偶者・扶養義務者の所得が上限内か(6,287,000円)
- 診断書は都道府県指定様式で作成されているか
- 診断書は直近1〜3ヶ月以内の日付か
- マイナンバー確認書類を用意したか
- 振込口座通帳は本人名義か
- 戸籍謄本・住民票は3ヶ月以内発行のものか
- 障害年金との併給関係を年金機構に確認したか
- 自治体独自の上乗せ手当の該当有無を窓口で確認したか