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弁護士報酬相場 計算ツール|事件別の着手金・成功報酬・実費シミュレーター

弁護士費用を事件種別(民事・離婚・相続・刑事・労働・交通事故・債務整理)と経済的利益から瞬時にシミュレーション。旧日弁連報酬基準(2004年廃止・現在も業界目安)に基づく着手金・成功報酬・実費・消費税の内訳を提示。法テラス利用条件、成功報酬型・タイムチャージ制の違い、初回相談無料の活用法、弁護士費用の節約テクニックまで、依頼者視点で完全解説します。

最終更新:2026-08-08/監修:計算ツールズ編集部

弁護士報酬相場 計算機

弁護士費用の構成要素

弁護士に依頼する際に発生する費用は、大きく5つに分類されます。すべて事前に見積書・委任契約書で明示することが弁護士法・弁護士職務基本規程で義務付けられています。

基本式

弁護士費用総額 = 着手金 + 成功報酬 + 実費 + 日当 + 消費税(10%)

各項目の内訳

  • 相談料 — 初回相談30分5,000円〜10,000円が相場。近年は初回無料の事務所が増加(離婚・交通事故・債務整理は特に無料が多い)。
  • 着手金 — 依頼時に支払う費用。結果に関わらず返還されないのが原則。旧基準では経済的利益の8%(300万円以下)、5%+9万円(3000万円以下)。
  • 成功報酬 — 事件が有利に解決した場合に支払う費用。回収額・獲得利益の16%(300万円以下)、10%+18万円(3000万円以下)が旧基準の目安。
  • 実費 — 印紙代・郵券・交通費・鑑定料・記録謄写料など。事件により1〜30万円程度。
  • 日当 — 出張・遠隔地出廷時の弁護士拘束費。半日3万円、1日5〜10万円が相場。

旧日弁連報酬基準の解説

2004年4月1日、独占禁止法の観点から日弁連の統一報酬基準は廃止され、現在は各弁護士事務所が自由に報酬を設定できます。ただし、廃止された旧基準は業界の目安として現在も広く用いられています。以下が主要な計算式です(民事・訴訟・調停に共通)。

着手金の算定式

経済的利益着手金の算定式目安(税抜)
300万円以下経済的利益 × 8%最低10万円
300万〜3,000万円経済的利益 × 5% + 9万円24万〜159万円
3,000万〜3億円経済的利益 × 3% + 69万円159万〜969万円
3億円超経済的利益 × 2% + 369万円969万円〜

成功報酬の算定式

経済的利益成功報酬の算定式目安(税抜)
300万円以下経済的利益 × 16%最低—
300万〜3,000万円経済的利益 × 10% + 18万円48万〜318万円
3,000万〜3億円経済的利益 × 6% + 138万円318万〜1938万円
3億円超経済的利益 × 4% + 738万円1938万円〜

実際の弁護士事務所は、この旧基準の70〜100%程度で設定するのが一般的。競争が激しい離婚・交通事故・債務整理では旧基準より安い定額制(パッケージ料金)が主流になっています。

事件種別の相場一覧

実務でよくある事件種別ごとの費用相場をまとめました。事務所・地域・事案の複雑さで大きく変わるため、必ず複数事務所で見積を取ることを推奨します。

事件種別着手金成功報酬合計目安
民事一般(300万請求)24万円〜48万円〜72万円〜
民事一般(1000万請求)59万円〜118万円〜177万円〜
離婚調停20〜40万円20〜40万円+慰謝料成功報酬60〜100万円
離婚訴訟30〜50万円30〜60万円+慰謝料成功報酬80〜150万円
相続(遺産分割)30〜50万円+利益連動10〜20%+定額20〜40万円50〜200万円
刑事弁護(私選)30〜50万円30〜100万円(執行猶予等の成果連動)60〜200万円
労働事件(未払残業請求)20〜40万円回収額の20〜30%50〜150万円
交通事故(被害者)10〜30万円 or 無料回収額の10〜20%+定額成功報酬型多数
債務整理(任意整理)1社2〜5万円減額分の10%5社で15〜40万円
自己破産20〜50万円(同時廃止)裁判所予納金別途1〜50万円
個人再生30〜50万円裁判所予納金15〜25万円別途
顧問弁護士(法人)月額5〜30万円案件別顧問料+個別事件

支払方法・分割払い・後払い

着手金の分割払い

多くの事務所で応相談。2〜12回の分割が一般的で、初回一定額を支払い残額を月次分割するパターン。クレジットカード払い対応の事務所も増加中(2〜36回)。生活保護受給者・低所得者は法テラス経由が基本。

成功報酬型(完全後払い)

着手金ゼロで、回収成功時にのみ支払う方式。交通事故・過払い金・労働未払残業・B型肝炎給付金・アスベスト訴訟など、勝訴の見込みが高い定型的事件で普及。回収額の30〜40%が成功報酬となるのが一般的で、着手金型より最終費用は高めになる傾向。

タイムチャージ制

弁護士の稼働時間(1時間3万〜10万円)で計算する方式。企業法務・M&A・国際訴訟・複雑な会社法案件で採用。中小事務所より、外資系・大手事務所(西村あさひ・森・濱田松本等)が主に採用します。

顧問契約(法人向け)

月額5〜30万円の固定顧問料で、日常的な法律相談・契約書レビュー・軽微な紛争対応が含まれる方式。個別事件は別途着手金・成功報酬。企業の法務体制構築に有効で、経費計上が可能です。

弁護士の選び方

専門性・実績を確認

離婚・相続・企業法務・刑事・交通事故など、弁護士には得意分野があります。事務所HPで解決実績・執筆論文・所属学会・研修歴を確認、複数事務所で無料相談を利用して相性・専門性を比較しましょう。

費用の透明性

初回相談時に見積書・委任契約書のドラフトを要求。総額の見通し、追加費用の発生条件、実費の目安が明示されない事務所は避けたほうが無難です。

コミュニケーションの取りやすさ

連絡手段(電話・メール・LINE・オンライン面談)、返信スピード、報告頻度を事前確認。特に長期化する離婚・相続案件では、コミュニケーション相性が満足度を左右します。

所在地・交通アクセス

裁判所出廷や打合せの頻度を考慮し、自宅・勤務先からアクセスしやすい事務所が理想。オンライン相談対応の事務所も増加、遠隔地の専門弁護士に依頼するハードルは下がっています。

依頼シーン別の費用感

離婚(調停・訴訟)

調停は60〜100万円、訴訟は80〜150万円が相場。慰謝料・財産分与・養育費が別途成功報酬の対象。子どもがいる場合は面会交流・親権争いが加わり、事案の複雑さで費用が変動。DV・モラハラ案件は法テラスの利用が広く推奨されます。

相続・遺産分割

遺産総額に応じて着手金30〜100万円、成功報酬は取得財産の10〜16%が相場。相続人が多数・遺留分侵害・不動産の複雑処分がある場合はさらに高額に。事前の遺言書作成(10〜30万円)で紛争予防が最も費用対効果高。

交通事故(被害者側)

成功報酬型が主流で、多くが着手金無料・成功報酬20〜30万円+回収額の10〜20%。弁護士費用特約(自動車保険付帯)を使えば自己負担ゼロで依頼可能。加入率は約7割で、事故時は必ず確認すべき。

労働(不当解雇・未払残業)

着手金20〜40万円+成功報酬20〜30%が相場。労働審判(3回以内で解決)は45万〜80万円で解決可能なケースも。未払残業請求は成功報酬型を採用する事務所も多く、労働問題専門弁護士の選定が重要。

刑事弁護(私選)

被疑者段階(逮捕〜起訴前)で30〜50万円、起訴後の公判弁護で30〜100万円が相場。執行猶予獲得・不起訴処分獲得で成功報酬が発生。国選弁護は無償だが、私選のほうが対応の丁寧さ・面会頻度で優位性あり。

債務整理・自己破産

任意整理は1社2〜5万円、破産(同時廃止)は20〜50万円+予納金1〜3万円、個人再生は30〜50万円+予納金15〜25万円が相場。過払い金請求は成功報酬型が主流で、回収額の20〜25%が業界慣行。

よくある間違い・注意点

  • 「着手金は返還される」と誤認 — 着手金は依頼時に支払う対価で結果に関わらず返還されないのが原則。中途解約でも返金されないため、依頼前に事件見通しを十分に確認すべき。
  • 「弁護士は絶対勝てる」と過信 — 弁護士は「勝訴を保証」することは職務規程で禁止されており(弁護士職務基本規程29条)、事案の見通しを客観的に説明するのが原則。過度な勝訴保証をする弁護士は要注意。
  • 安すぎる費用に飛びつく — 相場より極端に安い事務所は成功報酬が高い・実費が別途多額・対応が薄いケースあり。総額での比較、詳細な内訳確認が必須。
  • 弁護士費用特約の存在を忘れる — 自動車保険・火災保険・傷害保険に付帯する弁護士費用特約(月100〜300円で300万円まで補償)を使えば、交通事故・自転車事故・日常トラブルの弁護士費用が実質無料に。契約書を必ず確認すべき。
  • 実費・日当を見落とす — 印紙代(訴額により1万〜50万円以上)、郵券、鑑定料、遠隔地出張の日当は着手金・成功報酬とは別途請求されます。見積書での事前確認を。
  • 複数事務所での相見積を取らない — 事務所により費用は2〜3倍の差が生じます。初回相談無料を活用し、少なくとも2〜3事務所で費用と対応を比較すべきです。
  • 弁護士に丸投げして進捗確認しない — 委任後も事件の進捗を定期報告してもらうよう契約時に取り決めるべき。「音信不通」トラブルは弁護士会への懲戒請求原因にもなります。

関連する規制・制度

  • 弁護士法 ― 弁護士業務の基本法。第30条(業務広告)・第72条(非弁行為禁止)・第76条(懲戒)等。
  • 弁護士職務基本規程 ― 日弁連が定める弁護士の職業倫理・行動規範。報酬に関する規定(第24条〜)、依頼者との関係(第22条〜)等。
  • 民事法律扶助法・総合法律支援法 ― 法テラス(日本司法支援センター)の根拠法。民事法律扶助・国選弁護を規定。
  • 刑事訴訟法・国選弁護制度 ― 資力のない被疑者・被告人への公費弁護制度。裁判員裁判対象事件は必要的国選弁護。
  • 裁判所法・訴訟費用等に関する法律 ― 訴訟費用・訴額に応じた印紙額・敗訴者負担ルール。
  • 民法・民事訴訟法 ― 弁護士費用の敗訴者負担は日本では原則採用されておらず、勝訴しても自己負担が原則。ただし、不法行為・労働事件の一部で弁護士費用相当額を損害として認める判例あり。
  • 独占禁止法 ― 2004年の日弁連統一報酬規定廃止の根拠。競争の促進を目的。

参考文献・公的資料

より正確な費用相場・制度情報・最新の運用状況は以下の公的機関・弁護士会で確認してください。

※本ページの費用計算は旧日弁連報酬基準に基づく概算で、実際の弁護士費用は事務所・地域・事案の複雑さで大きく異なります。委任契約前に必ず複数事務所での見積比較・委任契約書の詳細確認を行ってください。個別具体の事件では、日本弁護士連合会・お住まいの弁護士会・法テラスへの相談を推奨します。本ツールを用いた自己判断による示談・訴訟提起・弁護士選定の判断は避け、必ず正式な弁護士相談を経てから行ってください。

よくある質問(FAQ)

法テラスの利用条件は?

収入・資産の基準があります。単身者は手取月収18.2万円以下(東京・大阪等の大都市は20万200円以下)、資産180万円以下が目安。家族人数に応じて基準額が上がります。詳細は法テラス公式サイトの「収入・資産基準表」で確認可能。生活保護受給者は返済免除の可能性もあり。

初回相談は無料になる?

近年は無料化が進んでいます。特に離婚・交通事故・債務整理・相続は初回30分〜1時間無料の事務所が多数。企業法務・刑事弁護は初回30分5,000〜10,000円が慣例。事務所HPで事前確認しましょう。

成功報酬型と着手金型の違いは?

成功報酬型は着手金ゼロで回収成功時のみ支払う方式(交通事故・過払い金・労働で普及)。着手金型は依頼時と結果時の2段階払いで従来型。成功報酬型は着手金型より最終費用は高めになるが、初期負担ゼロで着手可能なため経済的余裕のない依頼者に適します。

弁護士費用特約とは?

自動車保険・火災保険等に付帯する特約で、月額100〜300円の追加保険料で最大300万円までの弁護士費用を保険会社が負担する制度。交通事故だけでなく、日常事故・自転車事故・ペットトラブル等にも使えるタイプもあり。加入率約7割で、多くの人が使えるのに使っていない盲点。

弁護士に依頼せず本人訴訟は可能?

可能です。少額訴訟(60万円以下)・簡易裁判所の民事訴訟(140万円以下)は本人訴訟が多く、裁判所HPに書類雛形も公開されています。ただし、法律論争・複雑な証拠評価が必要な事件は専門家に依頼したほうが結果的に経済的な場合が多い。

着手金は分割払いできる?

多くの事務所で応相談。2〜12回の分割払い、クレジットカード払い(最大36回)対応の事務所も増加中。生活保護受給者や低所得者は法テラス経由の月額5,000〜10,000円分割返済が最も低負担です。

相続事件の弁護士費用は誰が払う?

依頼した相続人本人が支払います。事件解決前の立替、解決後の遺産取得額から精算するのが一般的。相続財産から差し引く方式は他相続人の同意が必要で、必ず全員合意のもと執行すべき。

刑事事件の国選弁護と私選弁護、どちらがよい?

資力がなければ国選が基本で無償。私選は費用がかかるが弁護士を自由選択でき、面会頻度・対応の丁寧さで優位。重大事件・複雑事件・示談交渉が重要な事件では私選の選択を検討する価値あり。

顧問弁護士の月額料金の相場は?

個人事業主・小規模法人で月額3〜5万円、中堅企業で月額10〜20万円、大企業で月額20〜50万円以上が相場。契約書レビュー・軽微な相談は月額料金内、大型訴訟・M&Aは別途着手金・成功報酬。企業規模と法務ニーズに応じて選定。

弁護士費用は経費として計上できる?

事業関連の事件(取引先訴訟・従業員トラブル等)は必要経費として計上可能。個人の離婚・相続・刑事事件は原則経費計上不可。医療費控除に類似する「弁護士費用控除」制度は存在しないため、事業性のある費用のみが控除対象です。

敗訴した場合、相手方の弁護士費用も払う?

日本の民事訴訟では「弁護士費用の敗訴者負担」は原則採用されていません。敗訴しても自己の弁護士費用のみの負担が原則。例外として、不法行為訴訟・労働訴訟の一部で弁護士費用相当額(通常認容額の10%)を損害として認める判例あり。

弁護士とのトラブルはどこに相談?

所属弁護士会の市民窓口(苦情窓口)への申立てが第一選択。事案に応じて綱紀委員会・懲戒委員会への申立て、日弁連への異議申立て、民事訴訟(損害賠償請求)も選択肢。全国52弁護士会に窓口設置。