配管摩擦損失(Hazen-Williams式)
Hazen-Williams 式で水道配管の摩擦損失水頭を即計算。ポンプ揚程算定、給水系統設計、系統圧力チェックに。管種別C係数付き。
配管摩擦損失(Hazen-Williams式)ツール
Hazen-Williams 式
摩擦損失水頭 hf (m) = 10.67 × L × Q^1.85 / (C^1.85 × D^4.87)
L: 配管長(m) / Q: 流量(m³/s) / D: 管内径(m) / C: 流速係数(管種と経年で決まる無次元定数)
Darcy-Weisbach式より簡便で、水道用配管の実用計算で世界的に使われる公式。管種と経年で係数Cを変えるだけで摩擦損失を推定できる。
Hazen-Williams 流速係数C(管種別)
| 管種 | C(新品) | C(10年) | C(20年以上) |
|---|---|---|---|
| ステンレス管 | 150 | 145 | 140 |
| 塩ビ管VP | 130-140 | 130-140 | 130 |
| 銅管 | 120 | 110 | 100 |
| 鋼管SGP(白管) | 110 | 100 | 85 |
| 鋳鉄管 | 110 | 95 | 80 |
| コンクリート管 | 120 | 110 | 100 |
配管摩擦損失(Hazen-Williams式)の詳しい解説
配管の摩擦損失はポンプ揚程・給水圧力・系統設計の全てに関わる基礎計算です。Hazen-Williams式は1902年に発表され、水道業界で100年以上使われてきた実用式。Darcy-Weisbach式より粘度を明示的に扱わないぶんシンプルで、常温水道水のような流体では十分な精度を出せます。
C係数は管種と経年で大きく変わります。ステンレス新品150→鋼管新品110→鋼管老朽85と2倍近い差があり、これがそのまま摩擦損失に反映されます。同じ流量・管径・長さでも、老朽鋼管では新品ステンレスの2-3倍の圧力損失が発生。給水系統改修の判断根拠になります。
実務では管の直管損失に加えて継手・弁・エルボの局所損失(相当長換算)を加えて総摩擦損失を求めます。90°エルボ=直管の30倍相当長、仕切弁全開=8倍相当長など。系統全体でこれを積算し、ポンプ揚程要求を確定します。
業界・現場での使い方
給水・給湯設備設計
設備設計事務所・空調設備会社が新築・リフォームでポンプ揚程算定に使う。
スプリンクラー・消火栓設計
消防用配管の圧力損失計算。ヘッド末端の必要圧を確保するための必須計算。
工場プロセス配管
製造プラント・化学プラントで流量・圧力バランスを設計。系統改造・増設時の判断にも。
よくある間違い・注意点
- 新品C係数のまま老朽配管を計算 — 経年20年の鋼管はC=85-90に低下。新品C=110のまま計算すると2倍近い誤差。
- 直管損失だけで済ませる — エルボ・T字・弁の局所損失は直管の10-40倍相当長。相当長換算で加算必須。
- 管内径と管呼び径を混同 — 呼び径50Aの管内径は約52.9mm(SGP)。呼び径そのまま計算するとエラー。
関連する規格・法規
- 空気調和・衛生工学会規格 給排水衛生設備規準 — Hazen-Williams式を給水設計に採用。
- 配管用炭素鋼鋼管(SGP) — 管内径寸法規格。
- スプリンクラー配管の摩擦損失計算基準。
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
Hazen-Williams と Darcy-Weisbach どちらを使う?
常温水道水はHazen-Williamsで十分。高温水・油・空気・ガスはDarcy-Weisbach(粘度考慮)が正確。
C係数はどう決める?
管種と経年で決まる経験値。新品鋼管110、10年経過100、20年以上85が目安。詳細設計時は水道事業体の使用実績値を参照。
局所損失(継手・弁)はどう扱う?
相当長換算(equivalent length)で直管長に加算。90°エルボ=管径の30倍、仕切弁全開=8倍などの表を使う。
管内径と呼び径の違いは?
呼び径50A(SGP)の実内径は約52.9mm。管厚が違う分内径は呼び径と一致しない。JIS G 3452で規格化。
kPaとmH2Oの換算は?
1 m水頭 = 9.807 kPa ≒ 10 kPa ≒ 0.1 bar ≒ 100 mbar。実務では「1m≒10kPa」で簡易換算。