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ポンプ揚程給水設備

ポンプ全揚程(実揚程+損失+速度水頭)

ポンプ全揚程の3要素(実揚程・摩擦損失・速度水頭)を合算し、必要ポンプ揚程を即算出。ポンプ選定書・見積り・改修計画の必須計算。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

ポンプ全揚程(実揚程+損失+速度水頭)ツール

ポンプ全揚程

全揚程 H = 実揚程 + 摩擦損失合計 + 速度水頭

速度水頭 = v² / (2g)

実揚程は吸込水面から吐出水面までの高低差(垂直距離)。摩擦損失は直管・継手・弁を通過する際の圧力損失をmH2Oで換算した値。速度水頭は吐出時の運動エネルギー分。この3項目の和がポンプが打ち勝つべき総抵抗=全揚程です。

局所損失の相当長比率(直管損失に対する%目安)

系統タイプ加算率
簡潔な系統(弁・継手少)10-20%
標準系統20-40%
複雑系統(弁・継手多)40-70%
プロセス配管(バルブ・機器複数)70-150%

ポンプ全揚程(実揚程+損失+速度水頭)の詳しい解説

ポンプ選定の要となるのが全揚程算定です。実揚程(高低差)は図面で決まりますが、摩擦損失速度水頭は流量・配管・機器の組み合わせで大きく変動します。この3要素を漏らさず計上することが、ポンプ能力不足による水量不足・過剰能力による電力ロスの両方を防ぐカギです。

局所損失(弁・エルボ・T字・レデューサー・流量計等)は直管損失に対する加算率で概算するのが実務的アプローチ。単純な系統では20-30%、プロセス配管では100%以上になることも。速度水頭は流速v[m/s]から v²/(2g) で計算し、通常0.05-0.5mの範囲。

ポンプメーカーカタログのH-Q曲線から、この全揚程を満たす機種を選定。安全率10-20%を見て一段上位を選ぶのが慣行。効率のピーク点(BEP: Best Efficiency Point)の周辺で運転できるよう機種選定するとエネルギー効率が最良になります。

業界・現場での使い方

給水・給湯・冷却水設備

設備設計での機種選定。マンション給水・工場冷却水・スプリンクラー用ポンプの必須計算。

農業用排水・灌漑ポンプ

揚水ポンプ・排水機場の設計。実揚程が大きく摩擦損失が支配的なケース。

プラント・化学工場

プロセス液送りポンプの選定。流量・粘度・温度の運転条件変動を含めた総合設計。

よくある間違い・注意点

  • 速度水頭を無視 — 通常0.1-0.5mだが、高流速系や大口径系では1m以上に。全揚程算定時は必ず加算。
  • 局所損失を無視 — 弁・継手多い系統では直管損失の1.5-2倍になる。相当長換算での加算必須。
  • BEPから外れて運転 — 設計流量がBEPから±30%以上離れると効率激減・振動増・軸受寿命短縮。

関連する規格・法規

  • 遠心ポンプ試験方法 — ポンプ性能規格。
  • 小型渦巻ポンプ — 家庭用・小型ポンプ規格。
  • 空気調和・衛生工学会規格 — 建築設備でのポンプ設計基準。

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

実揚程と全揚程の違いは?

実揚程は物理的な高低差(m)、全揚程は摩擦損失+速度水頭を含めたポンプが実際に打ち勝つ抵抗。

局所損失の加算率はどう決める?

簡単な系統20%、標準30-40%、複雑70%以上が目安。設計基準書・水理便覧の相当長表で詳細算定も可。

速度水頭を計算する必要は?

通常小さいが無視は不可。高流速(3m/s超)・大口径管では0.5m以上に。設計書には必ず記載。

BEP(最大効率点)とは?

Best Efficiency Point — ポンプ効率が最大になる流量-揚程の組合わせ。ここから離れると効率低下・振動増加。

ポンプ選定の余裕率は?

10-20%が標準。過大にすると過剰能力・電力ロス、過小にすると流量不足。