公務員手取り 計算機|俸給→手取り月額と年収換算を試算
国家公務員・地方公務員の俸給月額・地域手当・扶養親族数・年齢から、支給総額と共済短期(健康保険)・共済長期(厚生年金相当)・介護保険料・所得税・住民税を控除した実質手取り月額を試算します。共済短期5%(40歳未満)〜6%(40歳以上・介護込み)、共済長期9.15%、所得税・住民税は概算10%で控除。地域手当(0〜20%)・扶養手当・住居手当を反映した支給総額と、期末勤勉手当(4.5ヶ月/年)込みの年収換算まで一括表示。人事院給与法・国家公務員共済組合法・地方公務員法に基づく計算です。
公務員手取り 計算ツール
公務員給与の構造と共済保険料
公務員の給与は俸給(基本給)+諸手当+期末勤勉手当(賞与)の3階建て。国家公務員は人事院給与法、地方公務員は各自治体の給与条例に基づき、俸給表と諸手当の水準が定められています。控除項目は民間サラリーマンと似ていますが、健康保険・厚生年金の代わりに国家公務員共済組合・地方公務員共済組合に加入し、共済短期(医療給付)・共済長期(年金給付)として保険料を負担する点が特徴です。
ざっくりした手取り比率は額面の75〜80%で、民間サラリーマンとほぼ同水準。俸給35万円・地域手当20%・扶養1人・住居手当あり、40歳未満の一般的モデルで、支給総額45万円台、手取り32〜33万円というのが行政職(一)5〜6級の平均像。40歳以上は介護保険料が上乗せされ、手取りが1%程度下がります。年収は月給×12+期末勤勉手当4.45ヶ月分で、俸給35万円モデルなら年収650〜700万円が目安です。
計算式(支給総額・控除・手取り)
1. 支給総額
支給総額 = (俸給 + 扶養手当)×(1 + 地域手当率)+ 住居手当 + 通勤手当
地域手当は俸給と扶養手当に乗算されます。住居手当・通勤手当は地域手当の乗算対象外。
2. 共済短期(健康保険相当)
共済短期保険料 = 標準報酬月額 × 短期給付掛金率(約5.00%)
掛金率は国家公務員共済(KKR)で短期4.99%、40歳以上は介護保険料0.82%が別途上乗せ。地方公務員共済も概ね同水準。
3. 共済長期(厚生年金相当)
共済長期保険料 = 標準報酬月額 × 厚生年金保険料率(9.150%)
2015年10月の被用者年金一元化で共済年金は厚生年金に統合され、掛金率も民間と同じ18.30%(労使折半で9.15%)に統一。かつての「共済3階部分」は「年金払い退職給付」に置き換わっています。
4. 所得税・住民税
所得税 = 支給総額 × 概算税率(3〜8%)− 扶養控除相当
住民税 = 前年所得×10% ÷ 12(当月分)
所得税は月次源泉徴収税額表で計算、住民税は前年所得に基づく特別徴収額を12分割。給与所得控除・基礎控除・社会保険料控除・扶養控除を適用した実効税率は月給の概ね8〜12%。
5. 手取り月額
手取り = 支給総額 −(共済短期 + 共済長期 + 介護保険 + 所得税 + 住民税)
6. 年収換算(期末勤勉手当込み)
年収(額面) = 支給総額 × 12 + 俸給 × 4.45(期末勤勉手当)
期末勤勉手当は年2回(6月・12月)に分けて支給、合計約4.45ヶ月分(2026年時点)。地域手当・扶養手当も一部反映されます。
俸給・地域別 手取り早見表
扶養1人・40歳未満・住居手当14,000円の条件で、俸給と地域手当の組み合わせによる手取り月額の目安です。
| 俸給 | 東京23区(20%) | 大阪(16%) | 地方都市(6%) | 地方(0%) |
|---|---|---|---|---|
| 25万円 | 約24.5万円 | 約23.5万円 | 約21.5万円 | 約20.5万円 |
| 30万円 | 約28.5万円 | 約27.5万円 | 約25.0万円 | 約24.0万円 |
| 35万円 | 約32.5万円 | 約31.0万円 | 約28.5万円 | 約27.0万円 |
| 40万円 | 約36.0万円 | 約34.5万円 | 約31.5万円 | 約30.0万円 |
| 45万円 | 約39.5万円 | 約38.0万円 | 約34.5万円 | 約33.0万円 |
| 50万円 | 約43.0万円 | 約41.0万円 | 約37.5万円 | 約35.5万円 |
地域手当の差は東京と地方で月額3〜5万円、年間で40〜60万円の可処分所得差になります。転勤で地域手当が下がる場合の手取り減少に注意が必要です。
諸手当の内訳(地域・扶養・住居・通勤)
地域手当
物価・民間賃金水準の高い地域に支給される手当。俸給・扶養手当に乗算されます。2026年時点の主要都市の支給割合は以下の通り。
| 地域 | 支給割合 | 俸給35万時の加算 |
|---|---|---|
| 東京23区 | 20% | 70,000円 |
| 大阪市 | 16% | 56,000円 |
| 横浜・川崎・名古屋 | 16% | 56,000円 |
| 京都・神戸 | 12% | 42,000円 |
| 福岡・札幌 | 6-10% | 21,000-35,000円 |
| その他地方 | 0-3% | 0-10,500円 |
扶養手当
配偶者・子・親を扶養している場合の手当。配偶者6,500円、子10,000円、その他扶養親族6,500円が2026年時点の標準額。子は高校生年代まで月5,000円加算あり。
住居手当
賃貸住居に対する手当。家賃16,000円以下は不支給、家賃16,000〜27,000円は家賃−16,000円、家賃27,000円超は(家賃−27,000円)÷2+11,000円で計算、上限月28,000円(家賃61,000円以上)。
通勤手当
公共交通機関の通勤定期代は運賃等相当額を実費支給。自家用車通勤は片道距離に応じて2,000〜66,400円/月(人事院規則九―二四第8条の2の21区分、片道2km未満は支給対象外)。要件を満たす駐車場等を利用している場合は月5,000円を上限に加算されます(給与法第12条第5項第1号)。これらの合計の上限は月15万円(同条第6項)で、所得税も交通機関利用で月15万円まで非課税です。旧上限の55,000円は改正前の額です。
期末勤勉手当(賞与)
民間の賞与に相当。2026年時点で年間4.45ヶ月分(6月2.225ヶ月+12月2.225ヶ月)を俸給・地域手当・扶養手当の合計に乗じて支給。勤勉手当は勤務成績に応じて0.9〜1.5倍の変動あり。
共済短期・長期・介護保険料
共済短期給付掛金(健康保険相当)
組合員(本人)とその家族の医療給付・傷病手当金・出産手当金等の財源。掛金率は共済組合ごとに異なり、KKR(国家公務員共済組合連合会)で約4.99%、地方公務員共済で4.5〜5.5%程度。
共済長期給付掛金(厚生年金相当)
2015年10月の被用者年金一元化以降、掛金率は民間と同じ18.30%(労使折半9.15%)に統一。標準報酬月額×9.15%が組合員の負担。上限は標準報酬月額65万円まで。
介護保険料(40歳以上)
40歳到達月から徴収開始。共済組合の介護掛金率で約0.82%(2026年時点)。40歳未満は控除なし、64歳以下は給与から特別徴収、65歳以上は年金から特別徴収に切り替わります。
年金払い退職給付
旧共済3階部分の廃止後、2015年10月から新設された公務員独自の3階建て年金。掛金率は0.75%(労使折半・組合員負担)で、退職後に有期年金または一時金として給付。月数千〜1万円の上乗せ年金として老後保障を厚くしています。
シミュレーション例(6ケース)
① 20代・独身・地方(俸給25万・地域手当6%)
支給総額約28万円、共済短期14,000円・長期25,600円・所得税8,000円・住民税15,000円→手取り約22万円。年収(賞与込み)約390万円。地方勤務の若手のリアルな家計。
② 30代・配偶者+子1人・東京23区(俸給33万・地域手当20%)
扶養手当16,500円+地域手当69,000円→支給総額約43万円、控除約9万円→手取り約34万円。年収約620万円で東京子育て世帯の標準的な水準。
③ 40代・配偶者+子2人・大阪(俸給42万・地域手当16%)
扶養手当26,500円+地域手当70,750円→支給総額約52万円、共済長期48,000円・介護4,300円・所得税・住民税約6万円→手取り約40万円。年収約780万円。
④ 50代・管理職・東京23区(俸給52万・地域手当20%)
扶養手当13,000円+地域手当106,000円→支給総額約64万円、控除約16万円→手取り約48万円。年収約990万円で9級管理職モデル。
⑤ 30代教員・地方(俸給36万・地域手当0%)
教職調整額俸給4%込みで俸給37.4万円、扶養手当16,500円→支給総額約39万円、控除約8.5万円→手取り約30.5万円。年収約570万円。
⑥ 20代・独身・警察職・県庁所在地(俸給28万・地域手当10%)
俸給表(公安職)適用で行政職より5%高、支給総額約32万円、控除約7万円→手取り約25万円。夜勤手当・出張手当が別途加算されて年収約470万円。
こんな時に使えます
就職・転職の意思決定
民間から公務員への転職を検討する際の実質手取り比較。地域手当・共済掛金・期末勤勉手当を含めた総合比較に。
転勤時の家計シミュレーション
東京23区→地方への転勤で地域手当が減少する場合の手取り減少額を試算。住居手当・家賃相場も併せて検討。
住宅ローンの借入可能額判断
手取り年収から返済比率25%以内の目安を算出し、住宅ローン計算と併用して借入限度額を判断。
ライフプランの年収推移作成
俸給表の号俸昇給を反映して、5年後・10年後の手取り推移を試算。子育て世代の家計計画の基礎に。
共働き世帯の合算年収把握
公務員夫婦・公務員×民間の世帯所得把握。住宅ローン合算審査・保育料算定の基礎資料として活用。
よくある間違い・注意点
- 額面と手取りを混同する — 手取りは額面の75〜80%。額面月給35万円だと手取り27〜28万円で、月8万円ほどの差。家計計画は必ず手取りベースで。
- 地域手当の変動を見落とす — 転勤で東京23区(20%)から地方(0%)に移動すると、俸給35万円で月7万円・年間84万円の可処分所得減。転勤時の家計影響が大きい。
- 期末勤勉手当を年収から除外 — 公務員年収は月給×12+賞与4.45ヶ月が基本。賞与を除外すると年収を1〜1.5割低く見積もることに。
- 40歳到達で介護保険料が上乗せ — 40歳の誕生月から共済介護掛金0.82%が徴収開始。手取りが月数千円下がるので家計調整を。
- 住民税の1年遅れを認識しない — 住民税は前年所得に基づく特別徴収。新採用1年目は住民税ゼロだが、2年目6月から特別徴収開始で手取り減少に見えるトラップ。
- 扶養親族の収入超過で扶養手当停止 — 配偶者の年収130万円超(社会保険上)または136万円超(税制上・2026年分=令和8年分)で扶養手当が停止・所得税の配偶者控除も外れる。ダブルパンチに注意。税制上の基準は改正前の103万円から136万円に引き上げられましたが、社会保険の130万円は変わっていません。
- 共済年金は廃止・厚生年金に一元化 — 2015年10月から共済年金は厚生年金に一元化。「共済独自の手厚い年金」ではなく、掛金率18.30%は民間と同じ。年金払い退職給付が3階部分として存在。
- 住宅ローン控除の適用漏れ — 住宅ローン控除で所得税・住民税が実質軽減。手取り試算に反映すると月1〜2万円の実質手取りアップ。
- ふるさと納税の実質負担2,000円ルール — 所得の1〜2%まで実質負担2,000円で返礼品を受け取れる。手取りの一部はふるさと納税で還元。
- 共働き世帯の壁を認識しない — 2026年分(令和8年分)では配偶者年収136万円(配偶者控除の上限)・174万円(配偶者特別控除が満額38万円の上限)・207万円(配偶者特別控除の上限)と、社会保険の130万円の各壁で負担が非連続に増加。年末調整前に配偶者の年収見通しを確認。
参考文献・公的資料
公務員給与・共済保険料の詳細は、以下の公的機関の資料をご確認ください。
- 人事院「給与勧告・俸給表」 ― 国家公務員の俸給表・諸手当の公式一覧、毎年8月の勧告資料。
- 総務省「地方公務員給与制度」 ― 地方公務員給与実態調査・条例準則の解説。
- 国家公務員共済組合連合会(KKR) ― 共済短期・長期の掛金率、給付内容の公式サイト。
- 地方職員共済組合 ― 地方公務員共済の給付・掛金率の公式サイト。
- 厚生労働省「被用者年金の一元化」 ― 2015年10月の共済年金・厚生年金一元化の公式解説。
- 国税庁「令和8年分源泉徴収税額表」 ― 月給・扶養親族数から所得税源泉額を算出する公式表。
- 総務省「個人住民税」 ― 住民税の税率・計算方法・特別徴収の解説。
- 厚生労働省「介護保険制度」 ― 40歳以上の介護保険料・給付内容の公式資料。
- iDeCo公式サイト ― 公務員のiDeCo活用(月上限1.2万円→2.0万円へ拡充予定)。
- 日本FP協会 ― ライフプランニング・家計相談の窓口。
よくある質問(FAQ)
公務員月俸35万の手取りは?
地域手当20%・扶養1人・住居手当あり・40歳未満の条件で、支給総額約43万円→手取り約32〜33万円。年収(賞与込み)約620万円が目安です。
民間サラリーマンとの違いは?
健康保険・厚生年金の代わりに共済短期・共済長期に加入。2015年の一元化で掛金率は同水準(合計約14%)。手取り比率も75〜80%と民間と同じくらいです。
賞与を含めた年収は?
期末勤勉手当4.45ヶ月分(2026年時点)を加えた年収。月俸35万円なら年収580〜650万円、月俸45万円なら年収750〜850万円が目安です。
退職金・年金はいくら?
勤続35年の退職手当は2,000〜2,500万円、共済年金(一元化後は厚生年金)は月額15〜20万円が標準的なモデル。
地域手当はどう決まる?
物価・民間賃金水準を基に地域区分ごとに0〜20%が設定。東京23区20%、大阪16%、地方0〜3%。俸給・扶養手当に乗算されるため転勤で手取りが大きく変わります。
扶養手当はいくら?
配偶者6,500円、子10,000円(高校生年代は+5,000円)、その他扶養親族6,500円。子2人(15歳未満)なら扶養手当だけで月20,000円。
住居手当の上限は?
家賃16,000〜27,000円は家賃−16,000円、家賃27,000円超は(家賃−27,000円)÷2+11,000円で計算、上限月28,000円(家賃61,000円以上)。持家は原則不支給。
期末勤勉手当はいつ支給?
年2回、6月30日と12月10日に支給。2026年時点で年合計4.45ヶ月分。勤勉手当は勤務成績で0.9〜1.5倍の変動あり、期末手当は一律支給が原則。
40歳で介護保険料は?
40歳の誕生月から共済介護掛金約0.82%が徴収開始。俸給35万円なら月約2,900円の負担増。手取りが月3,000円ほど下がります。
iDeCoは使える?
公務員も加入可能。掛金上限は月1.2万円(年14.4万円)で、2027年から月2.0万円に拡充予定。全額所得控除で節税効果あり。詳しくはiDeCo複利計算で。
共働きだといくらまでが得?
2026年分(令和8年分)は配偶者年収136万円までが所得税の配偶者控除、174万円までは配偶者特別控除が満額38万円、207万円までは配偶者特別控除が段階的に残ります。130万円までは社会保険上の扶養(こちらは税制改正では変わりません)。扶養の壁計算で最適化を。
ふるさと納税の上限は?
手取り年収の1〜2%が実質負担2,000円で寄付できる上限の目安。年収600万円なら6〜7万円が上限。詳細はふるさと納税計算で。