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除脂肪体重(LBM)計算ツール|体組成・FFMI・骨格筋量・タンパク質必要量まで自動算出

体重と体脂肪率から除脂肪体重(LBM / Fat-Free Mass, FFM)を計算。骨格筋量目安、FFMI(除脂肪指数)、身長を入れればKatch-McArdle式のBMRタンパク質必要量も自動算出。ダイエット中に落としてはいけない筋肉量の目安、増量・減量ペースの設計、サルコペニア評価、ボディメイクの進捗管理に対応します。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

除脂肪体重 計算機

計算式と定義

基本式

除脂肪体重 LBM = 体重 × (1 − 体脂肪率)

脂肪重量 FM = 体重 × 体脂肪率

除脂肪体重(Lean Body Mass = LBM)は、体重から脂肪組織を除いた重量です。骨・筋肉・内臓・皮膚・体水分などを含みます。厳密には脂肪組織の中にも「必須脂肪(男性3〜5%、女性8〜12%)」が含まれるため、除脂肪体重(LBM)と無脂肪重量(Fat-Free Mass = FFM)は微妙に異なりますが、実用上は同義として扱われます。

骨格筋量の目安

骨格筋量 ≒ LBM × 0.45〜0.55

除脂肪体重のうち約45〜55%が骨格筋、残りは骨・臓器・水分等です。体組成計(BIA)や解剖学研究のデータから、成人では概ねこの範囲となります。本ツールでは0.5を採用しています。

Katch-McArdle式BMR

BMR = 370 + 21.6 × LBM (kg)

Katch-McArdle式は、除脂肪体重を基にした基礎代謝算出式で、Harris-Benedict式やMifflin-St Jeor式より精度が高いとされます。特にアスリート・体組成が特殊な人(低体脂肪率の高筋量者や高齢者)で有効。

FFMIの意味と評価

FFMI = LBM (kg) ÷ 身長² (m²)

FFMI(Fat-Free Mass Index)は、身長で正規化した除脂肪体重の指数で、体格に対する筋量水準を示します。BMIが脂肪も含むのに対し、FFMIは純粋な筋・骨・水分を評価するため、ボディメイクや筋量管理でBMIより有用な指標です。

男性のFFMI評価目安

FFMI評価身体像
16未満低い痩せ型・筋量不足
17〜18平均一般成人男性の平均
19〜20やや高い運動習慣者
21〜22高いウェイトトレーニー
23〜25非常に高いナチュラル上級者の上限とされる
25超自然域を超える薬物介入が疑われる(Kouri 1995)

女性のFFMI評価目安

FFMI評価
13未満低い(痩せ・筋量不足)
13〜15平均
15〜17運動習慣者
17〜19ウェイトトレーニー
19超ナチュラル女性の上位数%

Kouri EM et al. (1995) の研究で、ナチュラル男性ボディビルダーのFFMI上限は約25、アナボリックステロイド使用者は25超が多いと報告。この閾値がFFMI評価の重要基準となっています。

除脂肪体重と骨格筋量

除脂肪体重(LBM)は、以下の組成に分解されます。

組成成人におけるLBM比率特徴
骨格筋約45〜55%随意運動を担う筋肉
内臓・心筋約10〜12%代謝活性が高い
約12〜15%加齢で減少
体水分(細胞内外)約60〜65%(重複計上)脱水で数値が変動
皮膚・その他約5%

体水分は骨格筋・内臓・皮膚のいずれにも含まれるため、上記は重複的な比率です。骨格筋の約73%は水分、骨は約22%が水分です。

骨格筋量指数(SMI)とサルコペニア基準

AWGS 2019(アジアワーキンググループ)のサルコペニア診断で使用される骨格筋量指数(SMI)は、四肢骨格筋量を身長²で割った値です。

  • BIA: 男性 7.0 kg/m² 未満・女性 5.7 kg/m² 未満で低下
  • DXA: 男性 7.0 kg/m² 未満・女性 5.4 kg/m² 未満で低下

SMIは全身除脂肪体重ではなく四肢の骨格筋量を測る指標のため、本ツールの骨格筋量目安とは別概念です。臨床評価にはDXAまたは高精度BIA機器での測定が必要です。

性別・年齢別 除脂肪体重の標準値

厚労省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」および国立健康・栄養研究所データに基づく参考身体組成です(BMI22の標準体型)。

年齢男性 LBM kg女性 LBM kg
18-29歳52.536.0
30-49歳52.036.5
50-64歳50.536.0
65-74歳48.534.5
75歳以上46.032.5

男性は30代前半、女性は40代前半にピークがあり、以降加齢とともに10年で約1〜2kgずつ低下します。サルコペニアの主要原因は速筋線維(Type II)の萎縮で、下肢に顕著に現れます。

測定方法の精度比較

DXA(二重エネルギーX線吸収測定)

骨密度と体組成を同時計測できる医療機器。全身の脂肪・除脂肪・骨ミネラルを部位別に測定。精度±1〜2%で、体組成測定のゴールドスタンダード。医療機関・大学研究室・スポーツ科学センターで使用。1回5,000〜15,000円程度(保険外)。

水中体重秤量法(水中身体密度法)

水中で完全に沈めて体重を測定し、身体密度から体組成を算出。伝統的な高精度法で、精度±2%。特殊なプールと呼気残気量測定が必要で、現在は研究用途に限定される。

空気置換法(BOD POD)

密閉カプセル内の空気圧変化で身体体積を測定。精度±2〜3%で、水中秤量法の代替として研究・スポーツ現場で使用。5,000〜10,000円/回。

BIA(生体電気インピーダンス法)

体組成計(Tanita・InBody・Omron等)が採用する方式。全身に微弱電流を流し、水分抵抗値から筋・脂肪量を推定。精度±3〜5%で、家庭用機器では±5〜8%程度。時間帯・食事・水分状態で変動する点に注意。

皮下脂肪厚(キャリパー法)

専用計器で上腕・肩甲下・大腿等の皮下脂肪厚を測定し、Jackson-Pollock式等で体脂肪率を推定。技術者の熟練度で±3〜5%程度の精度差。安価だが再現性が課題。

MRI・CT法

断層画像から筋・脂肪の面積を直接測定できる最高精度法(±1%以下)。医療研究や高額なアスリート評価で使用。1回30,000〜80,000円と高コスト。

日常での使い所

減量中の筋量維持チェック

体重だけでなくLBMを毎週記録し、減少幅が体重減少幅の20%以内に収まっているかを確認。20%を超えると筋量損失が大きすぎるサイン。タンパク質増量・レジスタンス運動導入を検討。

増量期のバルクアップ管理

増量ペースは月+1〜2kg程度が理想。LBM増加が総重量増加の50〜70%を占めれば良好、それ以下なら脂肪主体の増量になっているので摂取カロリー・PFC比率を見直す。

サルコペニア予防・介入

65歳以上でLBMが年齢別基準を下回るなら、レジスタンス運動と高タンパク食(1.2〜1.5g/kg/日)でサルコペニア予防。医療機関ではDXA/BIAでSMIを測定して診断。

アスリートのコンディション管理

格闘技・ボディビル・体重階級競技で試合前の体組成調整に。減量時にLBMを守る、増量時に純粋な筋量を積むための客観指標。週次・月次で記録して変化を追う。

よくある間違い・注意点

  • 体脂肪率の測定誤差を無視 — 家庭用BIA体組成計の体脂肪率は±5〜8%程度の誤差があります。LBMを1kg単位で議論する場合は、同一機種・同一時間帯・同一水分状態での測定が必須。
  • 朝晩や食事前後で比較 — BIA計測は水分状態で大きく変動します。朝起床直後・排尿後・空腹時など条件を固定して測定するのが原則です。
  • 「除脂肪体重=筋肉量」と誤解 — LBMには骨・臓器・水分も含まれます。純粋な骨格筋量はLBMの約45〜55%で、内臓や骨は運動で大きく変わりません。
  • FFMIをBMIの代わりに単独使用 — FFMIは筋量評価に優れますが、脂肪過多を検出できません。BMI・体脂肪率・FFMIを組み合わせて評価するのが理想です。
  • 減量で「体重だけ」を追う — 極端な食事制限では体重の30〜40%が筋量損失となる場合があり、代謝低下・リバウンドリスクが高まります。LBM維持を第一目標に。
  • タンパク質摂取量の過小評価 — 減量中は1.6〜2.4g/kg体重、高齢者・アスリートは1.2〜2.0g/kg体重が推奨。日本人の平均摂取量(約1.0g/kg)では筋量維持に不十分な場合があります。
  • DXAとBIAの数値をそのまま比較 — 測定原理が異なるため、DXAとBIAの数値は2〜4kg程度差が出ます。継続測定は同一方式で行うのが鉄則。

関連する規格・基準

  • 日本人の食事摂取基準(2025年版) ― 厚生労働省。参照体重・タンパク質推奨量の基礎データ。18-64歳男性65g/日・女性50g/日。
  • AWGS 2019 ― アジアワーキンググループ・オブ・サルコペニア。SMI基準:BIA男性7.0/女性5.7 kg/m²未満、DXA男性7.0/女性5.4 kg/m²未満。
  • EWGSOP2 ― 欧州サルコペニア基準。ALMI(四肢筋量指数)男性7.0/女性6.0 kg/m²未満で筋量低下。
  • ACSM ガイドライン ― American College of Sports Medicine。運動処方と体組成基準。
  • ISSN ポジションスタンド ― International Society of Sports Nutrition。タンパク質摂取1.4〜2.0g/kg/日、トレーニング者では2.0〜2.4g/kg/日を推奨。
  • ICD-10 M62.84 サルコペニア ― 2016年に国際疾病分類に登録された正式病名。医療保険での治療対象。

参考文献・公的資料

より正確な体組成評価や医療的判断が必要な場合は、以下の公的機関の資料と専門医の診断を優先してください。

※本ページの計算結果は概算値です。医療的な体組成評価・サルコペニア診断には、DXAまたは医療用高精度BIAでの測定と、医師・管理栄養士・理学療法士による総合判断が必要です。摂食障害・慢性腎臓病・心不全・浮腫・妊娠中など、体水分バランスが特殊な状態では、BIA測定値は信頼できません。極端な減量や増量プログラムは、専門家の指導下で行ってください。

よくある質問(FAQ)

除脂肪体重と筋肉量は同じ?

厳密には別です。除脂肪体重(LBM)には骨・内臓・水分が含まれ、そのうち骨格筋は約45〜55%を占めます。純粋な骨格筋量を測るにはDXAでの四肢筋量測定(ALM)や、高精度BIAのSMI測定が必要。本ツールでは骨格筋量をLBM×0.5で概算しています。

FFMIは何を意味する?

Fat-Free Mass Index(除脂肪指数)で、LBMを身長の2乗で割った値。BMIが脂肪も含むのに対し、FFMIは純粋な筋・骨・水分を評価します。男性の一般平均17〜18、ナチュラル男性の上限が約25、女性の一般平均13〜15、女性トレーニー上限が約19程度とされます。

体組成計の数値は信頼できる?

家庭用BIA体組成計は誤差±5〜8%程度あり、朝晩・食事前後・水分状態で数値が大きく変動します。同一機種・同一条件(朝起床直後・排尿後・空腹)で継続測定するなら、トレンド把握には有用。絶対値の精度はDXA(±1〜2%)や医療用BIA(±3%)に劣ります。

タンパク質はどれくらい摂ればいい?

厚労省基準では18-64歳男性65g/女性50g/日ですが、これは最低必要量。筋量維持なら体重1kgあたり1.2〜1.6g、減量中は1.6〜2.4g、高齢者は1.2〜1.5g、アスリートは1.4〜2.0g/kg/日が推奨されます。ISSNや高齢者栄養学会が明示。

減量中に筋肉が落ちないためには?

3つが鍵:①タンパク質1.6〜2.4g/kg体重、②レジスタンス運動を週2〜3回維持、③カロリー赤字を体重の0.5〜1%/週以下に抑える。急激な減量(週2%超)は筋量損失を加速します。減量中でも週次でLBMを測り、減少幅が体重減少の20%以内に収まっているか確認。

Katch-McArdle式はなぜ他の式より正確?

Harris-Benedict式やMifflin-St Jeor式は体重・身長・年齢から推定しますが、体組成の個人差を考慮しません。Katch-McArdle式は除脂肪体重を直接使うため、筋量が多い人・少ない人(アスリート・高齢者)で誤差が小さくなります。体脂肪率が既知の場合、最も推奨される式。

FFMI 25超は本当に自然に無理?

Kouri EM et al. (1995) の研究で、20世紀前半(ステロイド普及前)のトップボディビルダー、および現代のドラッグテストパスした選手のFFMI上限が約25でした。25超は薬物介入なしでは極めて稀とされます。ただし遺伝的資質・骨格幅・水分状態で±0.5程度の変動はあります。

女性は筋肉がつきにくい?

女性はテストステロン濃度が男性の約1/10のため筋肥大速度は遅いですが、絶対的な筋力・筋量増加は可能です。同じレジスタンストレーニングでLBM増加率は男性と大差なく、正しい負荷・栄養・回復で着実に増加します。

DXAとBIAで筋肉量が違うのはなぜ?

DXAはX線の減衰から脂肪・除脂肪・骨を直接分離、BIAは水分の電気抵抗から間接推定します。原理が違うため2〜4kgの差が生じることがあります。医療診断はDXAが標準ですが、日常のトレンド管理は同一BIA機器での経時変化が実用的。

加齢で除脂肪体重はどのくらい減る?

個人差はありますが、40歳以降10年で1〜2kgずつ低下するのが標準。65歳以降で加速し、80歳では若年時から10〜15kg減少するケースも。特に下肢骨格筋(速筋線維)が萎縮しやすく、これがサルコペニアの主因となります。運動継続で低下を大幅に緩和可能。

妊娠中・授乳中に測定してよい?

妊娠中は羊水・胎児・血液量増加で体水分が大きく増えるため、BIA体組成計での測定値は信頼できません。授乳中も水分バランスが変動しやすい状態。医療管理下でDXA等の指定検査を受ける以外、日常のBIA測定は控え、産科医・助産師の栄養指導を優先してください。

浮腫や透析患者は使える?

心不全・腎不全・肝硬変・低栄養など浮腫がある状態、透析前後で体水分が大きく変動する状態では、BIA体組成計の数値は誤差が非常に大きくなります。医療管理下ではDXAまたはMRI測定を受け、主治医の栄養評価に従ってください。