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基礎代謝・1日必要カロリー 計算ツール|BMR・TDEE・目標別カロリーとPFCバランス

1日中寝ていても、呼吸・体温維持・心臓拍動・脳活動に消費されるエネルギーがBMR(Basal Metabolic Rate: 基礎代謝)で、これに活動代謝・食事誘発性熱産生を加えたものがTDEE(Total Daily Energy Expenditure: 1日総消費カロリー)です。本ツールは性別・年齢・身長・体重・活動レベル・目標から、BMRをハリス・ベネディクト式(1918/1984改訂)、ミフリン・サンジョール式(1990)、国立健康栄養研究所式(日本人向け)の3種類で計算し、TDEE・目標カロリー(維持/減量/増量)・1日のたんぱく質推奨量・PFCバランス(タンパク/脂質/糖質)を同時に算出します。厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」および日本肥満学会・米国スポーツ医学会ACSMガイドラインに準拠。体脂肪1kg=7,200kcalの根拠、リバウンドしにくい減量ペース、筋量維持のポイントまで完全解説。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

基礎代謝・必要カロリー 計算機

計算式(3種類の推算式)

ハリス・ベネディクト式(1918年、1984年Roza-Shizgal改訂版)

男性:BMR = 13.397×W + 4.799×H − 5.677×A + 88.362

女性:BMR = 9.247×W + 3.098×H − 4.330×A + 447.593

W=体重(kg)、H=身長(cm)、A=年齢(歳)。世界で最も長く使われてきた古典式で、多くの臨床栄養テキストが本式を採用しています。ただし1918年の欧米人を対象とした研究がベースで、現代日本人にはやや過大評価する傾向があります。

ミフリン・サンジョール式(1990年)

男性:BMR = 10×W + 6.25×H − 5×A + 5

女性:BMR = 10×W + 6.25×H − 5×A − 161

Mifflin MD et al. Am J Clin Nutr 1990で発表。現代人の代謝実測値との一致度が最も高いとされ、米国栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)は本式を推奨。健常成人ではハリス式より約5%低い値を示す傾向があります。

国立健康栄養研究所式(日本人向け)

BMR(kcal/日) = (0.1238 + 0.0481×W + 0.0234×H − 0.0138×A − 定数) × 1000 / 4.186

男性定数0.5473、女性定数0.5473+0.0842。日本人320名の実測データから導出(Ganpule AA et al. Eur J Clin Nutr 2007)。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」の基礎代謝基準値の背景データにも用いられており、日本人集団への当てはまりが最も良好とされます。

TDEE(1日総消費カロリー)

TDEE = BMR × 活動係数(PAL)

PAL(Physical Activity Level)は、FAO/WHO/UNU合同専門家会議の分類に基づく係数です。座位中心1.2〜アスリート級1.9で、日本人の平均は1.5前後(厚労省調査)。

活動レベル係数の詳細

レベル係数該当する生活該当職種例
座位中心1.2デスクワーク中心、運動なし、通勤も車事務職・SE・在宅ワーカー
低活動1.375週1〜3回の軽運動、通勤で歩く営業職・軽い立ち仕事
中活動1.55週3〜5回の中強度運動販売職・介護職・保育士
高活動1.725週6〜7回のハード運動建設作業員・農業・パーソナルトレーナー
非常に高活動1.91日2回トレーニング、肉体労働+運動プロスポーツ選手・特殊部隊

多くの人は自分の活動量を過大評価する傾向があります。厚生労働省調査によれば、日本人成人の平均PALは1.5前後で、「毎日ジムに通っている」自覚があっても座位時間が長ければ1.55を超えないケースが多数。自分の活動レベルを1段階下げて見積もるのがダイエット成功のコツです。

TDEEの内訳と応用

TDEEは4つの要素で構成されます。

  • BMR(基礎代謝、60〜70%) ― 生命維持の必須エネルギー。臓器の消費順位: 骨格筋(20%)>肝臓(20%)>脳(20%)>心臓(10%)。
  • NEAT(非運動性活動、15〜25%) ― 家事・立位・そわそわ動作等の非運動消費。デスクワーク中心の人ほどNEATが少ない。
  • EAT(運動性活動、5〜15%) ― 意識的な運動。人によって最大の変動幅。
  • DIT(食事誘発性熱産生、10%) ― 食事の消化吸収に使うエネルギー。たんぱく質(30%)>炭水化物(6%)>脂質(4%)。

ダイエット時にNEATを増やす戦略が有効で、「1時間ごとに立ち上がって歩く」「階段を使う」「電車で立つ」だけで1日100〜200kcal追加消費できます。運動より継続しやすく、リバウンド予防にも寄与します。

PFCバランスと目標別栄養

厚労省「日本人の食事摂取基準2020年版」のエネルギー産生栄養素バランス目標量。

目的P(タンパク)F(脂質)C(炭水化物)
健康維持(標準)13〜20%20〜30%50〜65%
減量中(緩やか)25〜30%20〜25%45〜55%
筋トレ・バルクアップ25〜30%20〜30%40〜50%
糖質制限(ケトジェニック)25〜30%60〜70%5〜10%
高齢者フレイル予防15〜20%20〜30%50〜65%

1gあたりのカロリー: たんぱく質4kcal、脂質9kcal、炭水化物4kcal、アルコール7kcal。同じ100gでも脂質は炭水化物の2倍以上のカロリー密度があり、脂質摂取量のコントロールが減量の要となります。

たんぱく質推奨量

  • 座位中心の成人:体重×0.8〜1.0g/日
  • 健康維持・軽い運動:体重×1.0〜1.2g/日
  • 減量中(筋量維持):体重×1.6〜2.2g/日
  • 筋トレ・バルクアップ:体重×2.0〜2.5g/日
  • 高齢者フレイル予防:体重×1.0〜1.2g/日

ダイエットの実践ポイント

体脂肪1kg = 7,200kcal(体脂肪組織は約80%が純脂肪、残りは水分・タンパク質)。この根拠から以下の目安が導かれます。

ペース1日の赤字特徴推奨度
-0.25kg/週-250kcal気づかないほど自然、筋量維持しやすい◎推奨
-0.5kg/週-500kcal標準的な減量ペース◎推奨
-1.0kg/週-1,000kcalハード。筋量減少・リバウンドリスク大△非推奨
-2.0kg/週-2,000kcal飢餓状態。医学的監視下でのみ×危険

米国スポーツ医学会ACSMは、減量目標を週0.5〜1kgとし、これ以上のペースは筋量減少・基礎代謝低下・リバウンドの原因になるとしています。特に女性は無月経・骨密度低下(RED-S症候群)のリスクがあり、女性アスリートで問題になっています。

リバウンドしないコツ

  • 1ヶ月に体重の5%以内の減量にとどめる(65kg→3.25kg以内)
  • たんぱく質を体重×1.6〜2.2g/日確保して筋量を守る
  • 週2〜3回の筋トレで基礎代謝の維持
  • 停滞期(2〜3週)は一時的な体重維持と割り切る
  • 目標達成後は徐々にカロリーを戻す(1週間で+100kcal)

増量・筋トレ時のカロリー戦略

筋肥大にはカロリー収支プラス(TDEE + 200〜500kcal)が必要です。純粋な筋肉1kg合成に必要な余剰カロリーは約5,500〜7,000kcal、脂肪同時増加を最小化するリーンバルクなら、月に体重の1〜2%(65kgなら0.65〜1.3kg)が現実的な目標。

  • クリーンバルク:TDEE+200〜300kcal、月0.5〜1kg増、脂肪増最小
  • リーンバルク:TDEE+300〜500kcal、月1〜2kg増、標準
  • ダーティバルク:TDEE+500kcal超、月2kg超、脂肪も増加大

たんぱく質は体重×2.0〜2.5g/日、炭水化物は運動前後に集中、脂質は総カロリー25%程度が筋肥大の黄金律。プロテインは1回20〜40g、3〜4時間おきの分割摂取が筋合成効率を最大化(International Society of Sports Nutrition 声明)。

加齢と基礎代謝低下

基礎代謝は20代をピークに、10年で約2〜3%ずつ低下します。原因は主に筋肉量の減少(サルコペニア)で、脂肪組織より4倍多くのエネルギーを消費する筋肉が減ることが最大要因。

年齢男性BMR(kcal)女性BMR(kcal)
20代1,5501,210
30代1,5301,170
40代1,5301,140
50代1,4801,110
60代1,4001,080
70代以上1,2901,020

厚労省「日本人の食事摂取基準2020年版」の基礎代謝基準値と参照体重から算出した目安値(体重60kg前後の場合)。年10kcalの低下は年間3,650kcal、体脂肪換算で年500g程度の蓄積要因になります。週2〜3回の筋トレによる筋量維持が、加齢に伴う代謝低下への最有効策です。

よくある間違い・注意点

  • 活動レベルを過大評価 ― 「毎日ジムに通ってる」でも座位時間が長ければ1.55を超えない。1段階下げて見積もるのが安全。
  • BMR以下の食事 ― 生命維持カロリーを下回るとホメオスタシス反応で代謝がさらに落ち、リバウンド必至。
  • 脂質を極端に減らす ― 総カロリーの20%未満はホルモン合成障害・脂溶性ビタミン欠乏・肌荒れの原因。
  • 糖質ゼロにする ― 脳・赤血球はブドウ糖依存。体重×2g未満は集中力低下・筋肉分解のリスク。
  • 体重だけで判断 ― 筋量増・脂肪減の場合は体重変化なくても健康度向上。体組成計・体脂肪率と併用。
  • 1週間で判断 ― 体重は日々1〜2kg変動する。2〜4週間の移動平均で評価。
  • ハリス式のみ信じる ― 現代人にはミフリン式・日本人には国立健康栄養研究所式のほうが精度高い。
  • 子ども/高齢者に適用 ― 本ツールは18〜74歳成人向け。小児・後期高齢者は別の推算式が必要。

参考文献・公的資料(発リンク)

※本ページの計算結果は健常成人を想定した目安値です。妊婦・授乳婦、成長期の小児、後期高齢者(75歳以上)、慢性疾患(糖尿病・腎臓病・心不全・甲状腺疾患等)のある方、極端な低体重・肥満の方は、必ずかかりつけ医または管理栄養士の栄養指導を受けてください。ダイエット・増量プログラムを開始する前には、健康診断結果と併せて医学的判断を仰ぐことをお勧めします。特に短期間の急激な体重変化(月に体重の5%超)は代謝性疾患・摂食障害・電解質異常のリスクがあり、医療機関での監視が必要です。

よくある質問(FAQ)

ハリス式とミフリン式、どちらが正しい?

現代人にはミフリン・サンジョール式(1990)のほうが実測値との一致度が高く、米国栄養士会も推奨しています。ハリス・ベネディクト式は1918年の欧米人データが基礎で、現代日本人にはやや過大評価する傾向があります。本ツールは両方を並記して比較できます。目標カロリーの算出にはミフリン式ベースのTDEEが標準です。

基礎代謝を上げるには?

最も効果的なのは筋肉量の増加で、筋肉1kg増で1日約13kcal(諸説あり)の基礎代謝上昇。週2〜3回の中〜高強度筋トレを継続することで、6か月で1〜2kgの筋量増が期待できます。ジョギング等の有酸素運動単独では基礎代謝は上がらず、むしろ長期間の有酸素運動のみだと筋量減少で低下することも。たんぱく質を体重×1.6g/日以上摂取することも重要です。

減量ペースはどれくらいが理想?

米国スポーツ医学会は週0.5〜1kgを推奨。これ以上は筋量減・基礎代謝低下・リバウンドリスクが高まります。1ヶ月に体重の5%以内(65kg→3.25kg以内)にとどめるのが健康的で継続しやすいペース。目標達成までの期間を長めに設定するほうが結果的に成功率が上がります。

チートデイは効果ある?

減量停滞期に週1回程度、TDEE+500〜1,000kcalを摂取する「チートデイ(リフィード)」は、レプチン(食欲・代謝調節ホルモン)の低下を防ぎ、心理的負担を軽減する効果があるとされます。ただし体質・目標により合わない場合もあり、過剰摂取でリバウンドの入口になる危険も。減量前半は不要、後半の停滞期に検討する程度が安全です。

PFCバランスの黄金比は?

目的によって異なります。健康維持ならP:F:C = 15:25:60、減量中は25:25:50、筋トレ中は30:25:45が推奨されます。厚労省「食事摂取基準2020」でも幅を持たせた目標量(P: 13〜20%、F: 20〜30%、C: 50〜65%)が示されており、極端な比率は避けるのが基本です。

糖質制限はどこまで安全?

1日130g以上の糖質は必須(米国内分泌学会・厚労省)。1日20〜50gの厳格なケトジェニックダイエットは、医学的監視下で短期間なら有効ですが、長期継続は電解質異常・便秘・LDLコレステロール上昇・骨密度低下のリスク。緩やかな糖質制限(1日100〜150g)であれば安全性が高く、糖尿病予備群の血糖コントロールにも有効です。

プロテインは飲んだほうが良い?

食事から体重×1.6g/日のたんぱく質を確保できていれば必須ではありません。食が細い方、外食中心で偏る方、筋トレ強度が高い方には効率的な補給手段。1回20〜40g、3〜4時間おきの分割摂取が筋合成効率を最大化(ISSN声明)。カゼイン(就寝前)・ホエイ(運動後)の使い分けも有効です。

基礎代謝が低いのは病気?

推定値の±10%程度は個体差の範囲。それ以上大きく下回る場合、甲状腺機能低下症・下垂体機能低下症・重度栄養不良の可能性もあります。健診で総コレステロール高値・脈拍徐脈・むくみ・冷え・便秘等が併発している場合は内科受診を。過度なダイエット歴で代謝適応が起きているケースもあります。

加齢で必ず基礎代謝は落ちる?

筋量が維持できれば大きな低下は防げます。基礎代謝低下の主因は加齢そのものより加齢に伴う筋量減少(サルコペニア)。週2〜3回の筋トレ、たんぱく質の意識的摂取(体重×1.0〜1.2g/日以上)、日常のNEAT増加で、70歳でも30代並みの基礎代謝を維持している例もあります。

妊婦・授乳婦は使える?

本ツールの計算は非妊婦・非授乳婦を想定しています。妊娠中は+50kcal(初期)〜+450kcal(後期)、授乳中は+350kcalが厚労省の推奨付加量。詳しくは産科・小児科・管理栄養士にご相談ください。

子どもや高齢者も使える?

本ツールは18〜74歳を対象としています。小児は成長期のエネルギー需要が別式(FAO/WHO/UNU 2004)、後期高齢者(75歳以上)はサルコペニア考慮の個別対応が必要。小児科・老年医学の専門医、管理栄養士に相談してください。

1日1600kcalで生きられる?

成人男性のBMR(基礎代謝)が1500〜1600kcalなので、1日1600kcalは生命維持ぎりぎりで、活動代謝分を賄えず疲労・免疫低下・生理不順などのリスクがあります。医学的監視下の超低カロリー食(VLCD 800kcal程度)は肥満治療で用いられることがありますが、必ず入院または外来での医療管理下で実施します。自己判断では推奨されません。

基礎代謝・カロリーにまつわる7つの俗説を検証

「朝食を抜くと基礎代謝が下がる」

単発の朝食スキップで基礎代謝が数%下がることはあっても、恒常的な低下の科学的根拠は限定的。長期的な間欠断食(16:8メソッド)は基礎代謝に大きな影響を与えないとするランダム化試験も複数報告されています。ただし極端な絶食・低栄養状態の継続は、ホルモン変化(甲状腺T3低下・レプチン低下)を通じて代謝適応を招くことが知られています。

「冷え性の人は基礎代謝が低い」

相関はあるが直接因果ではありません。冷えは末梢血管収縮・自律神経の影響が大きく、基礎代謝の絶対値と直接結びつくわけではない。筋量が多い人は熱産生能も高く冷えにくい傾向がある、という間接的関係です。

「筋肉1kgで基礎代謝50kcal増」

過大評価された数字。実際は筋肉1kgで1日約13kcal(諸説あり)。それでも週2〜3回の筋トレを1年続けて2kg増やせば+26kcal/日、年間で+9,500kcal(体脂肪1.3kg分)相当。じわじわ効く投資です。

「唐辛子で代謝が爆上がり」

カプサイシンによる一時的な熱産生は認められますが、増加分は1食あたり数十kcal程度。継続的に基礎代謝を大きく上げる効果は限定的。過度な期待は禁物ですが、日常の代謝サポート要素として有効です。

「サウナで代謝が上がる」

サウナ中の一時的な発汗・脈拍上昇でカロリー消費は増えますが、90%以上は水分損失で、体重が減っても脂肪は減っていません。循環器系リハビリ効果は認められますが、ダイエット目的の効果は限定的です。

「水を大量に飲むと代謝が上がる」

1回500mLの冷水摂取で1時間で+30kcal程度の消費増(Boschmann et al. 2003)は確認されていますが、1日で計算すると数百kcalが上限。ダイエット主戦略にはなりません。ただし脱水回避・食欲抑制の副次効果は大きく、意識的な摂取は推奨されます。