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塩分摂取量 計算ツール|厚労省・WHO・DASH食基準と食品100品目早見表

1日の食塩摂取量を、厚労省「日本人の食事摂取基準2025」男性7.5g・女性6.5g日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン 6.0gWHO推奨 5.0gDASH食(米国NIH) 1,500mg Na = 3.8g食塩の各基準と比較。ナトリウム(mg)⇔食塩相当量(g)の換算、100品目食塩早見表、高血圧・慢性腎臓病・胃がんとの疫学関連、家庭・外食・加工食品での減塩実践術まで、公的資料に基づいて解説します。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

塩分摂取量 計算機

換算式と各基準

ナトリウム⇔食塩相当量の換算

食塩相当量 (g) = ナトリウム (mg) × 2.54 ÷ 1000

ナトリウム (mg) = 食塩相当量 (g) × 393.7

食塩(塩化ナトリウム NaCl)は約39.3%がナトリウム、60.7%が塩化物イオン。栄養成分表示では2020年4月以降「食塩相当量」の表示が義務化されましたが、加工食品や輸入品ではまだナトリウム(mg)表示のケースがあります。換算係数は2.54と覚えてください。

4大基準の推奨上限

基準男性 g/日女性 g/日備考
厚労省 食事摂取基準20257.5未満6.5未満健康な一般成人
日本高血圧学会 JSH20196.0未満6.0未満高血圧患者・予備群
WHO Guidelines 20125.0未満5.0未満全成人共通の目標
DASH食(米国NIH)3.8未満3.8未満Na 1500mg相当、降圧効果最大
慢性腎臓病 CKD診療GL 20233〜63〜6ステージ・水分量で調整
心不全治療ガイドライン6.0未満6.0未満重症例で3〜5g

4基準の徹底比較

厚労省「日本人の食事摂取基準2025」

15歳以上男性7.5g未満・女性6.5g未満(2020年版から+0.0)。生活習慣病予防の観点から目標量を設定していますが、これでも国民健康・栄養調査の実摂取量(男性10.9g・女性9.3g)を下回る「達成可能性」重視の値です。

日本高血圧学会 JSH2019

高血圧治療ガイドライン2019では、高血圧患者・境界域血圧者に対し1日6g未満を推奨。減塩による降圧効果は、正常血圧者で収縮期血圧−2〜3mmHg、高血圧患者で−4〜5mmHgと報告。

WHO Guidelines 2012

成人ナトリウム摂取2,000mg/日未満(食塩5g未満)を推奨。小児は年齢・体重に応じて減量。世界の平均摂取量は約10gで、WHO目標達成国は少数(フィンランドなど)に限られます。

DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)

米国国立衛生研究所(NIH)が開発した降圧食事療法。Na 1,500mg/日(食塩約3.8g)を目標に、野菜・果物・低脂肪乳製品を多く摂る食事パターン。DASH-Sodium試験(NEJM 2001)で高血圧患者の収縮期血圧を平均−11mmHg低下させました。

食品100品目 食塩早見表

調味料・タレ

食品単位食塩相当量 g
食塩小さじ1(6g)6.0
濃口醤油大さじ1(18g)2.6
薄口醤油大さじ1(18g)2.9
減塩醤油大さじ1(18g)1.4
味噌(淡色辛味噌)大さじ1(18g)2.2
赤味噌大さじ1(18g)2.4
ウスターソース大さじ1(18g)1.5
中濃ソース大さじ1(18g)1.0
ケチャップ大さじ1(18g)0.6
マヨネーズ大さじ1(14g)0.3
ドレッシング(和風)大さじ1(15g)1.1
めんつゆ(ストレート)100mL3.3
ポン酢大さじ1(18g)1.4
顆粒だし(和風)小さじ1(3g)1.2
コンソメキューブ1個(5g)2.3
鶏がらスープの素小さじ1(3g)1.4

主食・パン・麺

食品単位食塩相当量 g
食パン(6枚切)1枚(60g)0.7
ロールパン1個(30g)0.4
クロワッサン1個(40g)0.5
うどん(茹で)1玉(250g)0.8
そば(茹で)1玉(170g)0
中華麺(茹で)1玉(170g)0.3
そうめん(乾)1束(50g)2.9
白飯茶碗1杯(150g)0
ラーメン(醤油・スープ込)1杯5.5〜7.0
ざるそば(つゆ含む)1杯4.2
きつねうどん1杯5.3
カレーライス(レトルト)1皿3.5

魚介・加工肉

食品単位食塩相当量 g
塩鮭(甘塩)1切(80g)1.4
塩鮭(辛塩)1切(80g)3.0
アジの開き1枚(80g)1.4
イワシ丸干し1尾(40g)1.5
明太子1腹(60g)3.4
塩辛(イカ)大さじ1(15g)1.0
いくら大さじ1(17g)0.4
数の子(塩蔵)1本(20g)1.2
かまぼこ1切(15g)0.4
ちくわ1本(30g)0.6
ハム1枚(20g)0.5
ベーコン1枚(20g)0.4
ウインナー1本(20g)0.4
ソーセージ1本(50g)1.0

漬物・野菜加工品

食品単位食塩相当量 g
梅干し(塩漬け)1個(10g)2.2
梅干し(減塩)1個(10g)0.7
たくあん2切(20g)0.7
白菜漬け50g1.1
キムチ50g1.5
らっきょう酢漬け5粒(20g)0.4
福神漬け大さじ1(15g)0.5
ザーサイ10g1.4

汁物・スープ

食品単位食塩相当量 g
味噌汁1杯(150mL)1.5〜2.0
豚汁1杯(200mL)2.0〜2.5
コンソメスープ1杯(200mL)1.5
コーンポタージュ1杯(200mL)1.3
けんちん汁1杯(200mL)1.6

塩分過剰と健康リスク

高血圧

過剰なナトリウム摂取は血液量と血管抵抗を増加させ血圧を上昇させます。厚労省の疫学研究では、日本人の食塩摂取量が1g減少すると、収縮期血圧が集団平均で約1mmHg低下すると推定。日本高血圧学会も6g未満を推奨。

脳血管疾患・心血管疾患

WHO/PAHOメタ解析(BMJ 2013)では、ナトリウム2,300mg減量で脳卒中死亡が23%、冠動脈疾患死亡が17%減少。国立循環器病研究センターの日本人コホートでも、塩分摂取量と脳卒中発症の正相関が確認されています。

慢性腎臓病(CKD)

塩分過剰はナトリウム排泄負荷で腎機能低下を加速。日本腎臓学会「CKD診療ガイドライン2023」では、CKD患者に食塩3〜6g/日を推奨。透析患者では体重増加抑制のため厳格な塩分制限が必要。

胃がん

厚労省・国立がん研究センター「日本人のためのがん予防法」では、塩蔵食品(塩鮭・明太子・漬物)の摂取と胃がん発症リスクの関連を指摘。高塩分食品を週1回未満にすることが推奨されます。

骨粗鬆症

ナトリウム過剰摂取はカルシウム尿中排泄を増加させ、骨量減少に寄与。特に閉経後女性は減塩と十分なカルシウム・ビタミンD摂取の組み合わせが重要。

減塩の実践術

栄養成分表示を毎回確認

2020年4月から加工食品の「食塩相当量」表示が義務化。買い物時に必ずチェックし、100gあたり0.5g以下を選ぶ習慣を。ナトリウム表示のみの場合は×2.54で食塩換算。

汁物は1日1杯・具沢山に

味噌汁・ラーメンスープは大きな塩分源。1日1杯までとし、汁を残す・具材を多くして薄める・煮干し出汁などうま味で塩を減らす。豚汁・けんちん汁は具沢山戦略で塩分密度を下げやすい。

減塩調味料の活用

減塩醤油(塩分50%カット)、減塩味噌、無塩バターなど。カリウム塩化物系(KCl)で塩化ナトリウムを置換した「減塩塩」は腎機能正常者向け。CKD患者はカリウム摂取制限があり主治医相談が必要。

だし・香辛料・酢を活用

昆布・鰹節・椎茸の一番だしはグルタミン酸のうま味で塩分を減らせる。黒胡椒・七味・カレー粉・レモン・酢・薬味の活用で味の物足りなさを補える。減塩の王道テクニック。

加工食品・外食を控える

ラーメン・カレー・丼物・ハンバーガー・コンビニ弁当は塩分密度が高い。自炊比率を上げ、外食は「塩分表示メニュー」を選ぶ。近年は減塩コンビニ弁当も増えている。

スパイス・ハーブで満足感

バジル・ローズマリー・タイム・オレガノ・パセリなどのハーブや、五香粉・ガラムマサラなどのミックススパイスで、塩を使わずに風味豊かに。地中海料理・エスニック料理に自然と組み込まれている減塩技術。

日常での使い所

健康診断・特定保健指導

高血圧・高血糖・脂質異常症など生活習慣病がある40歳以上は、管理栄養士による塩分指導が保険適用。24時間畜尿検査で実測ナトリウム排泄量から食塩摂取量を推定するのが最も精度の高い評価法。

高血圧治療の食事療法

JSH2019で6g未満を推奨。降圧薬併用でも減塩効果は付加的に発揮され、収縮期血圧を平均−4〜5mmHg低下させる。降圧薬減量の可能性もあり、主治医と栄養指導を連携。

慢性腎臓病(CKD)管理

CKD診療GL 2023で3〜6g/日を推奨。透析患者は体重増加抑制で3g程度に厳格化。カリウム制限も伴うため、腎臓専門医・管理栄養士による個別指導が必須。

心不全・不整脈の在宅管理

心不全治療ガイドラインで6g未満、重症例3〜5g。体重増加・浮腫・呼吸困難のセルフモニタリングと組み合わせ、悪化防止に減塩が重要。心臓リハビリの必須項目。

よくある間違い・注意点

  • ナトリウムと食塩の混同 — ナトリウム(mg)を食塩(g)と誤認すると2.54倍の差が出ます。栄養成分表示で「Na 800mg」なら食塩相当量は約2.0g。必ず×2.54で換算してください。
  • 「醤油小さじ1で1g」の暗記に頼る — 濃口醤油小さじ1(5mL≒6g)は塩0.9g、大さじ1で2.6g。醤油の種類(濃口・薄口・減塩)で塩分濃度が異なるため、成分表示を確認するのが確実です。
  • 「減塩醤油」を大量に使う — 減塩醤油は塩分50%カットですが、倍量使えば意味がありません。使用量をむしろ意識的に減らすことがポイント。
  • 汁物を全部飲む — 味噌汁・ラーメンスープの塩分の大半は汁に含まれます。汁を残せば塩分を30〜50%カット可能。ラーメンスープを全飲みすると1杯7g近い塩分に。
  • 健康食品の思い込み — 「岩塩」「藻塩」「ヒマラヤ塩」等の高級塩も基本組成はNaCl。ミネラル含有量差はごくわずかで、健康影響は普通の食塩と同等です。
  • スポーツ飲料の過剰摂取 — 経口補水液・スポーツドリンクにも食塩1〜2g/L含まれます。運動時・下痢時以外の常用は塩分過剰の原因になります。
  • 減塩=味気ないとの先入観 — だし・スパイス・酢・香辛料・ハーブの活用で、減塩でも美味しい料理は可能。地中海料理・和食伝統技法・ミシュラン級シェフの技術を家庭に取り込むと継続しやすい。

関連する法令・基準

  • 日本人の食事摂取基準(2025年版) ― 厚生労働省。15歳以上男性7.5g未満・女性6.5g未満、目標量として設定。
  • 食品表示法(食品表示基準) ― 消費者庁。2020年4月以降、加工食品の栄養成分表示で「食塩相当量」表示が義務化。
  • 高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019) ― 日本高血圧学会。高血圧患者・境界域血圧者に食塩6g未満を推奨。
  • CKD診療ガイドライン2023 ― 日本腎臓学会。慢性腎臓病患者に食塩3〜6g/日を推奨。透析患者はさらに厳格。
  • WHO Guidelines: Sodium intake for adults and children (2012) ― 世界保健機関。成人ナトリウム2,000mg/日未満、食塩換算5g未満推奨。
  • DASH Diet(米国NIH) ― Dietary Approaches to Stop Hypertension。Na 1,500mg/日を目標とする降圧食事療法。
  • 健康日本21(第三次) ― 厚労省。2035年までに食塩摂取量を成人1人1日7g未満に低下させる国家目標。

参考文献・公的資料

個別の食事療法・治療的減塩は、以下の公的機関の資料と、かかりつけ医・管理栄養士の指導を優先してください。

※本ページの計算は成人の一般的目安です。妊娠・授乳中、小児、慢性腎臓病、心不全、透析、副腎不全、Bartter症候群、大量発汗する労働・スポーツ従事者など、個別の塩分制限や補給が必要な状態では、必ず主治医・管理栄養士・かかりつけ薬剤師と相談してください。過度な減塩による低ナトリウム血症は、意識障害・けいれん・死亡につながる場合があります。特に高齢者・利尿薬服用中の方は自己判断での極端な減塩を避けてください。

よくある質問(FAQ)

ナトリウム(mg)を食塩(g)にどう換算する?

食塩相当量(g) = ナトリウム(mg) × 2.54 ÷ 1000。例:ナトリウム800mgなら食塩約2.0g。食塩(NaCl)の約39.3%がナトリウムのため、その逆数として2.54倍で換算します。栄養成分表示で覚えておくべき最重要係数です。

なぜ厚労省は7.5g、WHOは5.0gと差がある?

WHOは世界共通の理想目標(5g未満)を示し、厚労省は日本人の現在の平均摂取量(男性10.9g・女性9.3g)から達成可能性を考慮した目標量として7.5/6.5gを設定。厚労省も長期的にWHO基準への近づきを目指しており、健康日本21(第三次)では2035年までに7g未満を国家目標としています。

減塩すると味気なくならない?

だし・スパイス・酢・香辛料・ハーブの活用で美味しく減塩可能。ラーメンスープを飲まない、汁物は1日1杯、加工食品を選ぶ時に食塩相当量表示を確認する、といった小さな習慣で1日2〜3gの減塩は簡単に達成できます。

減塩で血圧はどれくらい下がる?

正常血圧者で1g減で収縮期血圧−1〜2mmHg、高血圧患者で−2〜4mmHg。6g→3gの積極減塩で高血圧患者の血圧が10mmHg以上下がる例もあり、降圧薬併用でも付加的効果があります。DASH-Sodium試験(NEJM 2001)が古典的エビデンス。

塩分を摂りすぎると胃がんになる?

国立がん研究センターの日本人コホート研究で、塩蔵食品(塩鮭・明太子・漬物)の高頻度摂取が胃がんリスクを1.5〜2倍高めることが報告。ピロリ菌感染と組み合わさるとリスクがさらに上昇。塩蔵食品は週1回未満が推奨されます。

「減塩醤油」は本当に効果ある?

塩分50%カットの減塩醤油を同量使えば塩分は半分になります。ただし、味の物足りなさから倍量使えば効果なし。使用量を意識的に減らすことと、だし・薬味と組み合わせるのがコツ。カリウム置換型は腎機能正常者向けで、CKD患者は主治医相談が必要。

子どもも減塩したほうがいい?

はい。食事摂取基準2025では1〜2歳3g未満、3〜5歳3.5g未満、6〜7歳4.5g未満と年齢別に設定。幼少期の味覚は生涯続き、薄味に慣れることで将来の生活習慣病リスクを下げられます。子ども向け加工食品の塩分表示にも注意を。

汗をたくさんかいた日は塩分を補給すべき?

一般的な日常運動(1時間程度)ではペットボトル1本の水で十分。真夏の炎天下労働・マラソン等で大量発汗した場合、経口補水液やスポーツドリンクで水分+Na補給を。ただし食事で通常10g程度摂っている日本人は、多くのケースで追加補給の必要性は限定的です。

低ナトリウム血症は危険?

血中ナトリウム135mEq/L未満で低ナトリウム血症、120未満では意識障害・けいれん・脳浮腫のリスク。過度な減塩、大量水分摂取、SIADH(抗利尿ホルモン不適切分泌症候群)、利尿薬服用が原因。高齢者・慢性疾患患者は自己判断の極端な減塩を避け、医師と相談してください。

塩の種類(岩塩・海塩・食塩)で差はある?

基本組成はどれもNaCl(塩化ナトリウム)99%以上で、健康影響は同等。マグネシウム・カリウムなどのミネラル含有量が0.1〜1%程度異なる程度で、有意な差はありません。味・食感・見た目の違いを楽しむ嗜好選択の範疇です。

外食で塩分を減らすコツは?

①ラーメン・つけ麺のスープを残す、②醤油・ソースは「かける」ではなく「つける」、③丼物は具材と米を意識的に分ける、④漬物・味噌汁は残す、⑤定食チェーンで塩分表示メニューを選ぶ、⑥中華・ラーメン・カレーは頻度を減らす、⑦和食は素材の味を楽しむ料理を選ぶ。

1日の食塩量を正確に測る方法は?

最も正確なのは24時間畜尿検査で尿中Na排泄量を測定し、食塩摂取量を推定する方法(医療機関で実施)。日常評価では、食事記録(アプリまたは手書き)に食品成分表・栄養成分表示から食塩相当量を積算するのが実用的。管理栄養士による指導が受けられる場合は最も精度が高い。