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リバースモーゲージ計算ツール|自宅担保の年金型借入・月額目安と総枠算出

リバースモーゲージ(自宅担保の年金型借入)の月額借入可能額と総枠を、自宅評価額と年齢から即算出。住宅金融支援機構「リ・バース60」・社会福祉協議会「不動産担保型生活資金」・民間銀行の商品を比較しつつ、ノンリコース型/リコース型の違い、担保割れリスク、配偶者居住権、金利変動リスクを解説。老後2000万円問題対策としての活用法や、独居シニア・年金補完・自宅リフォーム資金・介護費用捻出等の実務シーンにも対応した無料電卓です。

最終更新:2026-08-08/監修:計算ツールズ編集部

リバースモーゲージ月額試算

計算式と考え方

基本式

借入総枠 = 自宅評価額 × 担保掛目(LTV 30〜70%)

想定利用年数 = MAX(想定寿命 − 現在年齢, 5)

月額借入目安 = 借入総枠 ÷ (想定利用年数 × 12)

リバースモーゲージは自宅を担保に生活資金を借入し、死亡時に自宅売却で一括返済する仕組みです。契約者は毎月利息のみを支払う(または利息も元本組込)場合が多く、生存中は原則自宅に住み続けられます。借入可能額は自宅評価額の30〜70%で、年齢が高いほど掛目が高くなります(平均寿命までの想定期間が短いため)。

担保掛目(LTV)の考え方

担保掛目は商品と契約者年齢で異なりますが、実務では以下が目安: 60歳=30〜40%、65歳=40〜50%、70歳=45〜55%、75歳=50〜60%、80歳以上=55〜70%。マンションは戸建てより掛目が低く、地方物件は都心より低く設定されるのが一般的です。住宅金融支援機構「リ・バース60」は最大60%が上限です。

月額借入額 vs 一括借入額

借入方式は「年金型(毎月定額)」「一括型(全額を一度に借入)」「随時型(必要時に借入)」の3種類。年金型は毎月の生活費補完に、一括型は住宅リフォーム・医療費・老人ホーム入居金等に、随時型はカードローン的な緊急資金に活用します。金融機関により選択可能な方式が異なるため、契約時に確認してください。

リバースモーゲージの3つのタイプ

タイプ担保責任相続人リスク典型商品
ノンリコース型担保物件の売却額まで不足分の追加返済不要住宅金融支援機構「リ・バース60」
リコース型担保不足分も相続人が負担不足分の追加返済義務あり一部の民間銀行商品
不動産担保型生活資金(社協)公的支援 生活困窮者向け相続人負担なし都道府県社会福祉協議会

ノンリコース型は担保物件を売却した金額が借入残高を下回っても、相続人が不足分を返済する義務がないため、長生きリスク・地価下落リスクを金融機関が負担します。近年はほとんどの公的・準公的商品がノンリコース型に移行しており、契約時には必ずタイプを確認する必要があります。

主要商品比較(公的・民間)

商品名提供元対象年齢担保掛目上限金利目安(2026年)
リ・バース60住宅金融支援機構60歳以上60%2.5〜3.5%(変動)
不動産担保型生活資金都道府県社会福祉協議会65歳以上(要件多)70%長期プライム+3%程度
要保護世帯向け不動産担保型生活資金都道府県社協65歳以上(生活保護準要件)70%(マンション50%)長期プライム+3%程度
年金型の自宅担保ローン都市銀行55歳以上50〜60%2.5〜3.5%(変動)
不動産活用ローン信託銀行60歳以上50〜60%2.5〜3.5%(変動)
シニア特化型の自宅担保ローンリテール特化の銀行55歳以上50〜60%2.9%〜(変動)
提携型の自宅担保ローン地方銀行・信用金庫60歳以上50〜60%2.5〜3.5%(変動)

公的商品(リ・バース60・社協)は金利負担が低く安定的ですが、対象物件・利用目的の制限があります。民間銀行商品は柔軟性が高い一方、金利変動リスクが大きい傾向。個別の商品名で選ぶより、①ノンリコース型か ②担保掛目の上限 ③対象物件(マンション可否・築年数・エリア) ④資金使途の制限 ⑤繰上返済手数料と解約条件 ⑥金利の基準(長期プライム連動か各行基準連動か)の6点で横並び比較するのが実務的です。都市銀行は取扱店舗が広く、信託銀行は相続手続とセットの相談がしやすく、地域金融機関は地元物件の担保評価に強い、という傾向差があります。

対象者と適用条件

年齢要件

多くの商品は55〜60歳以上が対象。上限は80〜85歳程度が一般的ですが、社会福祉協議会の生活資金は年齢上限がない場合も。同居配偶者が対象年齢未満の場合は、配偶者が対象年齢到達まで契約締結が待たされることがあります。

物件要件

戸建て・マンション・土地(更地)等、担保として認められる物件が対象。市街化調整区域・借地権付き物件・共有名義物件は対象外または条件付き。マンションは築年数・管理状態で担保評価が大きく変動します。

収入・信用要件

年金受給・自営収入等で利息支払い能力を証明する必要があります。無収入・生活保護受給者は民間商品対象外ですが、社会福祉協議会「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」は生活保護準要件世帯向けとして利用可能です。

家族の同意

相続人となる家族の同意書を求められることが多く、相続放棄・遺留分の観点から慎重な家族会議が必要。将来の相続関係で紛争を避けるため、契約前に子や兄弟姉妹への説明を行うことが推奨されます。

資金使途の制限

公的商品は生活費・医療費・介護費・住宅リフォーム等に用途限定。民間商品は使途自由(投資目的等は除く)。事業資金・株式投資への流用は原則不可の商品が多いです。

配偶者居住権との関係

2020年施行の民法改正で新設された「配偶者居住権」により、被相続人死亡後も配偶者が終身自宅に住み続けられる制度と、リバースモーゲージは併用が難しい場合があります。配偶者名義併記・共同担保の設定など事前対策が必要です。

3大リスク(長生き・金利・担保割れ)

長生きリスク

借入総枠を月額で使い切った後、追加借入ができず生活費が枯渇するリスク。平均寿命(女性87歳・男性81歳)を超えて長生きする方は年々増加しており、想定利用年数を保守的に見積もる必要があります。年金型は月額を抑え、必要時に随時借入も併用する設計が推奨されます。

金利変動リスク

ほとんどの商品が変動金利型で、契約時2.5%が10年後4%に上昇すれば、利息負担が大幅に増加します。特に元利組込型(利息を元本に組み込む)では、金利上昇が担保割れリスクを加速させます。金利上昇局面では固定金利選択オプションがある商品を検討してください。

担保割れ(不動産価値下落)リスク

地価下落や建物老朽化で担保評価額が減少した場合、追加担保提供・借入停止・繰り上げ返済を求められる可能性があります。ノンリコース型なら死亡時の売却額不足を相続人が負担せずに済みますが、リコース型は不足分を相続人が返済する義務があります。契約前にタイプの確認が必須です。

物件維持義務

担保物件の適切な維持管理は契約者の義務で、老朽化放置は担保価値毀損として契約違反となる場合があります。屋根・外壁・水回りの定期的な修繕が必要で、その費用も想定してください。

類似制度との比較

制度特徴メリットデメリット
リバースモーゲージ自宅担保で借入・死亡時売却返済自宅居住継続・月々返済負担少相続財産減少・担保割れリスク
リースバック自宅を売却し家賃で住み続けまとまった資金一括獲得所有権喪失・家賃負担継続
住宅の売却+賃貸/施設転居売却で完全現金化+住み替え資金最大化・維持責任消滅住み慣れた自宅を離れる
子への売却+賃貸親子間売買で相続対策+住み続け相続税対策と居住継続の両立贈与税・親子関係の負担
不動産担保ローン通常の住宅・不動産担保融資使途自由・大型借入可能月々元利返済必要・審査厳格
年金担保貸付(廃止)公的年金担保の福祉貸付(2022年廃止)

リバースモーゲージは「自宅を残しつつ現金化する」制度ですが、資金額が大きい場合はリースバックや通常売却の方が有利な場合もあります。老後資金計画は複数選択肢を比較検討してください。リースバック計算・相続不動産評価と併用推奨。

シミュレーション例(年齢・評価額別)

例1: 65歳・戸建て評価額2500万円

担保掛目45%、金利2.5%、想定利用年数20年(85歳まで)のケース。

総枠 = 2500 × 0.45 = 1,125万円
月額目安 = 1,125 ÷ (20年×12月) = 約4.7万円/月
平均残高利息負担 = 562.5 × 2.5% = 約14万円/年

年金月17万円+リバース月4.7万円 ≒ 月21.7万円で生活水準を維持できるパターン。

例2: 70歳・戸建て評価額3500万円

担保掛目50%、金利3.0%、想定利用年数15年(85歳まで)のケース。

総枠 = 3500 × 0.50 = 1,750万円
月額目安 = 1,750 ÷ (15年×12月) = 約9.7万円/月
平均残高利息負担 = 875 × 3.0% = 約26万円/年

年金と合わせて夫婦2人の日常生活+医療費・介護費を賄えるパターン。

例3: 75歳・戸建て評価額5000万円

担保掛目55%、金利3.0%、想定利用年数10年(85歳まで)のケース。

総枠 = 5000 × 0.55 = 2,750万円
月額目安 = 2,750 ÷ (10年×12月) = 約22.9万円/月
平均残高利息負担 = 1,375 × 3.0% = 約41万円/年

都心一等地の資産価値を活用すれば、月20万円超の年金補完も可能で、高齢者ホーム入居金の一括捻出にも対応できます。

例4: 80歳・マンション評価額2000万円

担保掛目40%(マンションは低)、金利3.0%、想定利用年数7年(87歳まで)のケース。

総枠 = 2000 × 0.40 = 800万円
月額目安 = 800 ÷ (7年×12月) = 約9.5万円/月
平均残高利息負担 = 400 × 3.0% = 約12万円/年

マンションは戸建てより担保掛目が低いため、同じ評価額でも借入可能額が小さくなる典型例。

活用シーン

年金補完(月々の生活費)

公的年金だけでは月5〜10万円足りない世帯が、リバースモーゲージで月5〜15万円を補完。老後2000万円問題への実務対応として、金融庁ワーキンググループも老後資金対策の一つとして言及。年金型で長期活用するのが典型パターンです。

自宅リフォーム資金

バリアフリー化(手すり・段差解消)、耐震補強、断熱改修、水回り更新等の高齢者向けリフォーム資金として500〜1,500万円を一括借入。介護保険住宅改修費(最大20万円)や自治体補助金と組み合わせて活用できます。

介護費用・医療費

老人ホーム入居一時金(500〜3,000万円)、在宅介護費用、大型医療費(手術・長期治療)の一括借入。特に有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の入居金は数千万円になるケースがあり、リバースモーゲージの主要活用シーンの一つです。

子・孫への生前贈与

教育資金贈与(1500万円非課税)・住宅取得資金贈与(500〜1000万円非課税)の原資として活用。生前贈与により相続税節税と孫世代支援を同時実現できますが、贈与税の申告要件・特例要件は事前に税理士確認を。

老後の趣味・旅行資金

退職後の海外旅行・趣味活動・ボランティア活動等の余暇資金として。年金型で月5〜10万円を追加すれば、質の高いセカンドライフを実現しつつ自宅居住を継続できます。

独居高齢者の万一の備え

独居シニアで頼れる子や親族が近くにいない場合、緊急時の医療費・介護費への備えとして枠を確保。実際の借入は必要時のみで、随時型商品を選択するのが安心です。

よくある間違い・注意点

  • 「借金しないから相続問題なし」と誤解 — 実際は死亡時に自宅売却で返済するため、相続財産は大幅減少します。相続人となる子・配偶者との事前合意が必須で、遺留分請求のトラブルを避けるため公正証書作成も検討すべきです。
  • 金利上昇を想定しない — 変動金利型は10年後・20年後に金利が2%上昇すれば利息負担が2倍になります。契約時金利ではなく「金利上昇シナリオ」で総借入コストを試算しましょう。
  • ノンリコース型と信じ込む — 民間銀行商品はリコース型も多く、相続人が担保不足分を負担するリスクがあります。契約書の該当条項を必ず確認し、不明点は弁護士・司法書士に相談してください。
  • マンションで契約するときの制約を軽視 — マンションは戸建てより担保掛目が低く(30〜50%)、築年数・管理状態・立地で大きく変動。管理不十分マンションは担保として認められない場合もあります。
  • 配偶者への影響を考慮しない — 契約者死亡後、配偶者が自宅から退去を求められるリスクあり。配偶者共同名義・配偶者居住権併用・連帯保証などの事前対策が必要です。
  • 年金型で月額を最大化しすぎ — 最大月額で契約すると10〜15年で総枠を使い切り、残りの人生の生活費が枯渇します。想定寿命を保守的に見積もり、月額を抑えて長期活用するのが賢明です。
  • 物件維持義務を怠る — 屋根・外壁・水回りの修繕を放置すると担保価値毀損として契約違反・契約解除の対象に。定期的な維持修繕費用も家計に組み込んで計画してください。

関連法制度・監督基準

  • 住宅金融支援機構法 ― 独立行政法人住宅金融支援機構が提供する「リ・バース60」の根拠法。
  • 生活福祉資金貸付制度 ― 厚生労働省管轄。都道府県社会福祉協議会の「不動産担保型生活資金」等の根拠制度。
  • 民法(改正2020年施行) ― 配偶者居住権(1028条)・遺留分減殺請求・相続対策関連の民法改正条項。
  • 銀行法・貸金業法 ― 民間金融機関のリバースモーゲージ提供は銀行法・貸金業法の規制対象。
  • 金融サービス提供法(旧金商法) ― リバースモーゲージ商品の販売勧誘規制・重要事項説明義務。
  • 宅地建物取引業法 ― 担保物件評価・売却手続きに関する規制。
  • 成年後見制度 ― 認知症等で判断能力が低下した場合の契約継続に関する制度。事前対策として任意後見契約の締結も検討可能。
  • 相続税法・贈与税法 ― リバースモーゲージによる資金の贈与・相続時の税務取扱い。

参考文献・公的資料

リバースモーゲージの制度詳細と最新商品情報は、以下の公的機関・業界団体の一次情報を参照してください。

※本ページの計算結果は概算であり、実際の借入可能額・月額・金利は各金融機関の審査結果によります。リバースモーゲージは相続財産の減少・担保割れ・金利変動等の長期リスクを伴う商品のため、契約前には必ず宅地建物取引士・弁護士・司法書士・税理士・ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談し、家族(相続人)との事前合意を得てください。特に配偶者居住権・相続対策との整合性は個別の家族状況に応じた慎重な検討が必要です。

よくある質問(FAQ)

リバースモーゲージは独居高齢者向け?

そのケースが多いですが、夫婦世帯・親子同居世帯でも利用可能です。子供への相続より生活費・介護費・医療費を優先したい方に適した選択肢。特に子への相続予定がない・子と話し合いがついている・自宅は資産の一部として活用したい、というシニア世帯で選ばれています。

金利は何%くらい?

2026年時点で変動金利で2.5〜3.5%が一般的。住宅金融支援機構「リ・バース60」は長期プライムレート連動、民間銀行は各行の変動基準金利連動。金利上昇局面では新規契約の金利も引き上げられます。固定金利オプションがある商品は限定的です。

途中解約はできる?

可能です。ただし違約金・繰上返済手数料が発生する場合が多いです(残高の1〜2%程度)。相続対策で早めの完済を選ぶケース、金利上昇で借り換えを選ぶケース、想定より早く介護施設に転居するケースなど、様々な事情で解約は発生します。契約前に解約条件を必ず確認してください。

マンションでも利用できる?

可能ですが戸建てより担保掛目が低く(30〜50%)、対象マンションが限定されるのが実情。築年数・管理状態・立地・耐震性能で評価が変動します。管理費滞納率・大規模修繕実施状況・修繕積立金残高等が審査対象になります。詳細は各金融機関にお問合せください。

相続人の同意は必要?

多くの商品で相続人となる配偶者・子の同意書が求められます。同意書がなくても契約可能な商品もありますが、死亡後の売却手続きで相続人トラブルとなるリスクが高いため、事前の家族会議・書面合意が推奨されます。遺留分の観点からも慎重な対応が必要です。

老後2000万円問題への対策になる?

金融庁のワーキンググループも老後資金対策の一つとしてリバースモーゲージに言及しています。自宅資産を現金化して年金補完・介護費・医療費に活用することで、老後の生活資金不足を大幅緩和できます。ただし相続財産減少とセットのため、家族との合意が前提となります。

担保物件の売却額が借入残高を下回ったら?

ノンリコース型なら不足分は金融機関が負担し、相続人に追加請求はされません。リコース型だと相続人が不足分を支払う義務があります。近年は公的商品を中心にノンリコース型が主流ですが、民間商品には両方あるため契約前に必ず確認してください。

配偶者居住権とはどう関係する?

2020年施行の民法改正で新設された配偶者居住権(民法1028条)は、被相続人死亡後も配偶者が終身自宅に住み続けられる制度。リバースモーゲージとの併用は設計次第で可能ですが、担保順位・売却時の権利関係で複雑になるため、法務省・司法書士に事前相談を強く推奨します。

家族が代わりに契約できる?

契約者本人が判断能力を有していることが前提です。認知症等で判断能力が低下した場合は、成年後見人が代理契約する必要がありますが、家庭裁判所の許可が必要で手続きは煩雑。任意後見契約を判断能力があるうちに締結しておくと、将来のスムーズな契約変更に備えられます。

親名義の自宅を子が代わりに契約?

不可能です。契約者=自宅所有者が原則。ただし、親から子への生前贈与→子が新規契約という手法は可能ですが、贈与税・不動産取得税の負担が大きくなるため税理士との事前相談が必須です。相続税節税と組み合わせた総合的な資産設計が必要です。

他の借入と併用できる?

原則、リバースモーゲージは担保物件に他の抵当権がないことが条件。既存の住宅ローンが残っている場合は、完済後または住宅ローン借換え(リ・バース60への一本化)で対応します。生活資金ローン・カードローン等の無担保借入は影響しません。

相続税対策になる?

間接的にはなります。リバースモーゲージで借入した資金を生前贈与(教育資金1500万円・住宅資金1000万円等の非課税枠活用)に使えば、相続財産を減らして相続税を軽減できます。ただし借入残高分だけ自宅の相続財産評価も下がるため、総合的な税務効果は税理士シミュレーション必須です。