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不動産住宅ローン段階金利固定期間選択

段階金利型住宅ローン 計算ツール|当初優遇→変動後の月返済額シミュレーター

当初10年固定・当初5年固定など、当初期間だけ金利が優遇されるタイプの住宅ローンの月返済額を、当初金利・変動後金利・期間から瞬時に算出。フラット35S・当初期間選択型・大手銀行の優遇プランの実務判断、当初期間終了後の金利再設定、5年ルール適用範囲、家計への影響を住宅金融支援機構・日本銀行・金融庁のデータに基づいて解説します。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

段階金利型 月返済シミュレーター

計算式と当初期間終了後の再計算

元利均等返済の月額(当初期間)

当初月額 = 借入額 × 月利1 × (1+月利1)^n ÷ ((1+月利1)^n − 1)

n = 総返済月数(例:35年=420か月)、月利1 = 当初金利÷12÷100。当初期間中は、この当初月額を毎月返済します。

当初期間終了後の月額

変動後月額 = 残債務 × 月利2 × (1+月利2)^残月数 ÷ ((1+月利2)^残月数 − 1)

当初期間終了時点の残債務と、残りの返済月数・新金利で月額を再計算します。例:3000万円・35年・当初0.5%(10年)→2.0%の場合、10年目終了時の残債は約2,240万円、そこから25年・2.0%で月返済は約9.5万円(当初7.8万円から+1.7万円)になります。

当初期間中の元金減少

当初10年で元金の約26%(3000万円→2,240万円)が返済されます。当初金利が低いほど、この期間の元金減少ペースは緩やか(利息の割合が少ないため月返済に占める元金比率は高い)。

期間別の元金減少比較

経過年数元金残高(0.5%時)元金返済額元金比率
1年経過約2,930万円約70万円2.3%
5年経過約2,640万円約360万円12.0%
10年経過約2,240万円約760万円25.3%
15年経過約1,910万円約1,090万円36.3%
20年経過約1,570万円約1,430万円47.7%
25年経過約1,240万円約1,760万円58.7%
30年経過約860万円約2,140万円71.3%
35年経過0円3,000万円100%

10年経過時点で25%程度、20年経過で50%弱の元金が返済される計算。当初期間の低金利時期にも元金は着実に減っているため、期間終了後に金利が上がっても月返済への影響は緩和されます。

段階金利型ローンの主要タイプ

「段階金利」と呼ばれる住宅ローンには、大きく分けて以下のタイプがあります。それぞれ金利の決まり方が異なります。

タイプ当初金利期間終了後代表例
フラット35S基準金利-0.25%(5〜10年)基準金利に戻る住宅金融支援機構
当初期間固定型(5年・10年・20年)期間内固定・優遇大優遇幅縮小し変動へメガバンク・地銀
ステップアップ型(段階金利)低金利で開始契約時に将来金利を確定フラット50・親子リレー
親子リレー返済親の期間は低め子供に引継ぎ後継続フラット35・一部民間
段階金利型フラット35(旧)0〜10年は低め11年目以降上がる2007年以前の契約

本ツールで扱う「段階金利型」は主に当初期間固定型(当初10年固定など)とフラット35Sのように、当初優遇期間後に金利が変わるタイプの月返済推移をシミュレートするものです。

フラット35Sの金利引下げ

フラット35S(住宅金融支援機構)は、省エネ・耐震・バリアフリー等の性能を満たす住宅に対して、当初期間の金利を基準金利より0.25〜0.5%引下げる制度です。

プラン引下げ幅期間対象住宅例
フラット35S(ZEH)-0.25%(当初10年間)10年ZEH水準以上の省エネ住宅
フラット35S(金利Aプラン)-0.25%(当初5年間)5年長期優良住宅・低炭素建築
フラット35S(金利Bプラン)-0.25%(当初5年間)5年省エネ・耐震・バリアフリー
フラット35 地域連携型-0.25%(当初5〜10年間)5-10年子育て・移住支援等の自治体連携
フラット35 リノベ-0.5%(当初5〜10年間)5-10年中古+性能向上リフォーム

2026年時点のフラット35基準金利(9割以下)は約1.85%。フラット35S(ZEH)適用なら、当初10年間は1.60%、11年目以降は1.85%に戻ります。3000万円・35年借入なら、当初10年間の月返済は約9.2万円、11年目以降は約9.7万円で、通期フラット35と比べて総返済額で約80万円有利になります。

大手銀行の当初期間選択型

民間銀行の住宅ローンでは、当初期間(3年・5年・10年・15年・20年)に金利を固定し、その後に変動または再固定を選ぶ「当初期間固定型」があります。優遇幅は当初期間と期間終了後で異なります。

タイプ店頭金利当初優遇後期間終了後の優遇幅
当初3年固定3.0%前後0.5〜0.7%1.5%程度
当初5年固定3.1%前後0.7〜1.0%1.3〜1.6%程度
当初10年固定3.3%前後0.9〜1.4%1.0〜1.5%程度
当初15年固定3.5%前後1.2〜1.6%1.0〜1.4%程度
当初20年固定3.7%前後1.4〜1.9%1.0〜1.4%程度

当初期間終了後の落とし穴

多くの銀行では、当初期間終了後の優遇幅が縮小します。例えば当初10年固定で0.9%だった金利が、11年目以降は「店頭金利-0.9%」の変動金利になる場合、店頭金利が2.5%なら1.6%まで上がります。当初期間中の金利差(3年固定0.5% vs 10年固定0.9%等)と、期間終了後の優遇幅差の両方を確認してください。

期間終了後の再選択メニュー

再選択メニュー金利水準(例)メリットデメリット
変動金利へ移行店頭2.475%-優遇幅金利水準が最低今後の変動リスク
再度10年固定店頭3.3%-優遇幅次の10年間安定金利は当初より高い
再度5年固定店頭3.1%-優遇幅短期の安定5年後の再検討必要
3年固定店頭3.0%-優遇幅最短の様子見3年で再選択

期間終了時に金融機関から選択案内が来ますが、事前準備がないと変動移行を選びがち。当初期間中に金利動向を見て、期間終了1年前から次の戦略を検討するのが理想的です。

他の金利タイプとの総返済額比較

3000万円・35年借入で、当初10年固定と他タイプを比較します(11年目以降は変動2.0%想定)。

金利タイプ当初金利期間後金利総返済額
変動金利(横ばい想定)0.5%0.5%約3,275万円
変動金利(11年目に2.0%上昇)0.5%2.5%約3,930万円
当初5年固定→変動0.7%2.0%約3,730万円
当初10年固定→変動0.9%2.0%約3,730万円
当初20年固定→変動1.6%2.0%約3,910万円
フラット35S(ZEH)1.60%(10年)1.85%約4,050万円
全期間固定フラット351.85%1.85%約4,105万円

「変動金利が2%上昇するリスクを取れるか」で判断ラインが引けます。当初10年固定と当初5年固定は総返済額でほぼ同じ(約3,730万円)ですが、5年固定は6年目以降のリスクが早い分、心理的不安は大きくなります。

当初期間後の金利上昇シナリオ

3000万円・35年・当初10年固定0.5%からスタートし、11年目以降の金利ごとの月返済推移。

11年目以降の金利10年目残債11年目〜月返済総返済額当初0.5%継続比
0.5%(横ばい)約2,240万円7.8万円約3,275万円0円
1.0%約2,240万円8.4万円約3,455万円+180万円
1.5%約2,240万円9.0万円約3,635万円+360万円
2.0%約2,240万円9.5万円約3,820万円+545万円
2.5%約2,240万円10.1万円約4,005万円+730万円
3.0%約2,240万円10.7万円約4,195万円+920万円
3.5%約2,240万円11.3万円約4,390万円+1,115万円

当初10年固定は「11年目以降の金利がどう決まるか」がキーポイント。多くの銀行では店頭金利-優遇幅で決まるため、店頭金利が2.5%まで上がれば実質2.0%前後になり、月返済が+1.7万円(年+20万円)の負担増になります。

実務ケーススタディ

ライフステージと段階金利型の相性を、以下のケースで検討します。

ケースA: 35歳夫婦・子2歳・借入3500万円

子どもの中学受験期(10年後)の家計圧迫を回避するため当初10年固定0.9%で月9.7万円を10年間維持。11年目以降は変動金利+繰上返済で対応する2段階戦略。

ケースB: 40歳夫婦・共働き・借入4000万円

10年後に800万円の繰上返済予定。当初10年固定0.9%で月11.1万円を10年間確定させ、10年目に800万円繰上→残債圧縮→変動金利で低月返済へ切替。

ケースC: 45歳自営業・省エネ住宅・借入3000万円

フラット35S(ZEH)適用で当初10年間1.60%、11年目以降1.85%。全期間固定の安心感と、当初10年間の金利引下げメリットを両取り。総返済額約4,050万円で試算安定。

ケースD: 30歳単身・転居可能性・借入2500万円

5〜7年で転勤・住替の可能性あり。当初5年固定0.7%で月6.8万円確定、5年後に売却or賃貸出しで残債精算。短期完済戦略の一環として利用。

こんな人に向いている

当初10年固定が向く人

教育費のピーク時期(子供の中学〜高校)を金利変動リスクから守りたい30〜40代。10年後に繰上返済を予定している人。当初金利が変動金利+0.3%程度で済むならコスパも良い。

フラット35Sが向く人

自営業者・勤続年数が短い方・団信非加入希望者。省エネ性能を確保しているなら金利0.25%引下げのメリット大。返済安定性を最優先する層。

当初3〜5年固定が向く人

入居後の家計変動が読めない転職前後の方、短期売却の可能性がある方。ただし当初期間後の変動リスクを完全に受け入れる覚悟が必要。

親子リレー返済が向く人

親子で二世帯住宅・実家継承。親の期間で借入し、子が返済引継ぎ。フラット35で対応、審査が緩やか。相続税対策としても検討価値あり。

よくある間違い・注意点

  • 当初金利だけを見て判断 — 当初3年固定0.4%と当初10年固定0.8%を単純比較すると3年が有利に見えますが、11年目以降の優遇幅の違いで総返済額は逆転する場合があります。全期間の総返済額で比較してください。
  • 期間終了後の優遇幅を確認しない — 「店頭金利-1.5%」の優遇幅は完済まで固定されるのが一般的ですが、契約書に「期間終了後は-1.0%に縮小」等の条項が入っていることも。要約款確認。
  • 再固定と変動選択のタイミング — 期間終了時に「再固定」「変動」を選べる場合がありますが、金利上昇局面では再固定の金利も高くなっており、判断が難しくなります。事前にシナリオを想定してください。
  • 5年ルール・125%ルールの適用範囲 — 当初期間中は固定金利のため5年ルールは適用外。期間終了後の変動金利にはルール適用の場合が多いですが、銀行により異なります。
  • 繰上返済の実行タイミング — 当初期間中の繰上返済は、期間終了後の月返済額に反映されるまで影響を実感しにくい面があります。期間終了直後の再計算タイミングを狙うと効果を実感しやすい。
  • フラット35Sの適格条件を過信 — 省エネ・耐震・バリアフリー等の性能証明が必要で、建設中の設計変更で条件を外すと引下げ資格を失います。契約前に住宅の性能証明書を必ず確認してください。

関連法令・住宅ローン制度

  • 住宅金融支援機構法 ― フラット35・フラット35S・フラット50の運営根拠。証券化支援業務による全期間固定型ローン。
  • フラット35S制度概要 ― 省エネ・耐震・バリアフリー・耐久可変性の要件、金利引下げ幅、適用期間の公式ルール。
  • フラット35 地域連携型 ― 子育て支援・移住促進等で自治体と連携した金利引下げ。対象自治体は住宅金融支援機構サイトで公開。
  • 銀行法・貸金業法 ― 民間住宅ローンの根拠法。当初期間固定型の金利表示・重要事項説明の規制。
  • 租税特別措置法(住宅ローン控除) ― 借入残高0.7%×13年の控除。当初期間固定・段階金利型でも通常適用可能。
  • 建築基準法・省エネ法 ― フラット35S適用要件の省エネ基準・耐震基準の判定根拠。
  • 長期優良住宅法 ― フラット35S(金利Aプラン)の対象となる長期優良住宅の認定制度。
  • 低炭素建築物認定法 ― フラット35S(金利Aプラン)の対象となる低炭素建築物の認定制度。

参考文献・公的資料

段階金利型住宅ローンの金利・制度・統計データは、以下の公的機関の一次資料で確認できます。

※本ページの計算結果は概算値です。実際の適用金利、当初期間終了後の金利、優遇幅は各金融機関の個別審査・約款によります。特にフラット35Sの適用要件、当初期間固定型の期間終了後の優遇幅は必ず契約前に金融機関・住宅金融支援機構の公式資料で確認してください。段階金利型ローンの選択は、家計変動・金利上昇シナリオ・繰上返済計画を総合勘案する必要があり、ファイナンシャルプランナー(CFP・AFP)や金融機関の住宅ローン相談員等の有資格者への相談を推奨します。

よくある質問(FAQ)

段階金利型と当初期間固定型は同じ?

実務ではほぼ同義で扱われます。狭義には「段階金利」は契約時に将来の金利を確定する古いフラット35タイプ、「当初期間固定型」は当初期間終了後に変動または再固定を選ぶ現代タイプを指します。本ツールは両方に対応します。

フラット35Sはお得?

省エネ・耐震・バリアフリー等の性能基準を満たせば、当初10年間は基準金利-0.25%(現在1.85%→1.60%)。3000万円・35年借入で総返済額80万円程度の削減効果があります。ただし性能証明書取得コスト・住宅グレードアップ費用と相殺する場合もあるため、総合判断が必要です。

当初10年固定と全期間変動、どちらが得?

当初10年固定は変動より0.2〜0.4%高いのが一般的ですが、11年目以降の金利上昇リスクを回避できます。10年後に金利が0.5%以上上昇するシナリオでは当初10年固定が有利、金利横ばいなら変動有利です。

当初期間終了後、必ず変動になる?

いいえ、多くの銀行では期間終了時に「そのまま変動に移行」「再度固定を選択」を選べます。ただし再固定時の金利は当時の店頭金利-優遇幅で計算されるため、金利上昇局面では再固定金利も上がっています。

当初期間中に繰上返済すべき?

金利が最も低い当初期間中の繰上返済は、期間終了後の月返済額を下げる効果があります。特に期間終了直前の繰上返済は、次期の再計算で月返済インパクトが大きくなり効果的です。

親子リレー返済って何?

親と子が連帯債務者として住宅ローンを組み、親の返済期間終了後に子が引継ぐ制度。フラット35で対応。親の年齢制限で通常長期借入できない場合でも、子の返済期間を含めて長期借入が可能。相続税対策としても活用されます。

段階金利型でも住宅ローン控除は使える?

使えます。段階金利型・当初期間固定型・変動金利型のいずれでも、住宅ローン控除(借入残高×0.7%×13年)は適用可能です。住宅の性能・入居時期・借入期間10年以上等の要件を満たせばOK。

5年ルール・125%ルールは適用される?

当初期間中は固定金利のためルール適用外。期間終了後の変動金利には多くの銀行で適用されますが、ネット銀行の一部では非適用です。契約前に約款で確認してください。

期間終了後の優遇幅はどう確認する?

金融機関の重要事項説明書に明記されているはずですが、記載が不明瞭な場合は「当初期間終了後の適用金利は、店頭金利から何%を差し引いた値か」を書面で確認してください。全期間同一優遇か、期間終了後は縮小か重要な判断ポイントです。

当初3年固定と当初10年固定、どちらを選ぶ?

当初3年固定は当初金利が最も低い反面、4年目以降の金利変動リスクが大。転居予定や短期完済の場合は3年固定、教育費ピーク時期の返済安定を優先するなら10年固定が定番です。

フラット35Sの性能基準を満たすには追加費用がかかる?

ZEH水準・長期優良住宅の建築費は通常仕様より100〜300万円高くなることが多いです。ただし省エネ効果による光熱費削減、住宅ローン控除の借入残高上限拡大、住宅取得資金贈与の非課税枠拡大等のメリットもあり、10〜15年で回収可能です。

途中で全期間固定に借換できる?

できます。当初期間終了時または途中でも借換手続きは可能。ただし諸費用が30〜80万円かかるため、「金利差×残債×残期間」で借換効果を計算してから判断してください。金利差1%以上・残債1000万円以上・残期間10年以上が効果の目安です。