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サブリース判定 計算ツール

家賃・サブリース手数料率・空室率から、家賃保証に任せるのと自分で貸すのとで手取りがどちらに傾くかを判定します。損益分岐は空室率=手数料率という一点にあります。免責期間・賃料の見直し・解約のしにくさなど、金額の外側にある条件も本文で整理しました。

最終更新:2026-08-18/監修:計算ツールズ編集部

サブリース判定 計算機

計算式と前提

直接管理(実質) = 家賃 ×(1 - 空室率)

サブリース固定 = 家賃 ×(1 - 手数料率)

推奨 = 直接管理 が サブリース固定 を上回れば「直接管理」

既定値の家賃100,000円・手数料率15%・空室率10%では、直接管理が100,000×0.90=90,000円、サブリースが100,000×0.85=85,000円となり、判定は直接管理になります。式を見比べると分かるとおり、比べているのは括弧の中だけなので、損益分岐は「空室率=手数料率」という一点に集約されます。両者が等しいときは表示上サブリース側に倒れます。

この計算機は自主管理(管理会社に委託しない)を前提にした簡易モデルです。直接管理側から管理委託料・原状回復費・広告料を引いていないため、直接管理がやや有利に出ます。管理を委託するなら、その料率ぶんを手数料率から差し引いた値を入力して読み替えてください。

早見表と損益分岐

下の数値は、上の計算機に同じ値を入れたときの出力そのものです。

家賃手数料率空室率直接管理(実質)サブリース固定推奨
100,000円(既定値)15%10%90,000円85,000円直接管理
100,000円15%20%80,000円85,000円サブリース
100,000円10%10%90,000円90,000円サブリース(同額のため)
100,000円15%0%100,000円85,000円直接管理
80,000円20%5%76,000円64,000円直接管理
120,000円15%25%90,000円102,000円サブリース

3行目のように空室率と手数料率が等しいと両者は同額になり、表示は「サブリース」側になります。家賃の絶対額は判定に影響せず、手数料率と空室率の大小だけで結論が決まるのがこのモデルの性質です。

管理委託料を織り込んだときの実質的な分岐点

管理委託料直接管理側の実質手取り率サブリース手数料率15%と釣り合う空室率
0%(自主管理)1 - 空室率15%
3%(1 - 空室率)× 0.97約12.4%
5%(1 - 空室率)× 0.95約10.5%
8%(1 - 空室率)× 0.92約7.6%
10%(1 - 空室率)× 0.90約5.6%

管理を委託する前提なら、既定値の空室率10%でも管理委託料5%を入れると両者はほぼ拮抗します。計算機の判定をそのまま受け取らず、この表の右列と自分の想定空室率を見比べてください。

家賃保証の中身を詳しく理解する

サブリースの手数料が家賃の10〜20%に落ち着くのは、そこに三つのものが含まれているからです。ひとつは空室と滞納のリスクを引き受ける対価、ふたつめは入居者募集・契約・クレーム対応といった管理業務の実費、みっつめが転貸事業者の利益です。オーナーから見れば「毎月いくら入るかが読める」ことへの保険料にあたります。だからこの計算機の判定も、想定する空室率が手数料率を上回るかどうかという一点で決まります。空室率10%の物件に15%の手数料を払えば、平均すれば5%ぶんを保険料として払い続ける形になり、空室率が20%まで悪化する立地なら逆に得をする、という構造です。

実務で判断が割れるのは、保証賃料が本当に固定なのかという点です。契約書の多くは2年程度ごとの賃料改定条項を置いており、さらに借地借家法には借賃の増減額請求の規定があります。サブリース契約についてもこの規定の適用があるという最高裁の判断が平成15年に示されており、「家賃保証」であっても保証額が引き下げられる余地は残ります。新築時の高い保証賃料が数年後に見直されることを前提に置けるかどうかで、この判定の意味は大きく変わります。長期の返済計画を当初の保証賃料で組んでいると、改定のたびに収支が痛みます。

見落とされやすいのは、賃料以外の条件です。新築や大規模改修の直後には賃料が支払われない免責期間が置かれるのが一般的で、その期間ぶんは年間の手取りから丸ごと欠けます。原状回復費・設備更新費をどちらが負担するか、業者の指定する工事を使う条項があるかも、実質的な手数料率を押し上げる要素です。解約の非対称性も重要で、サブリース業者は借主の立場に立つため、オーナー側から契約を終わらせるには借地借家法の正当事由が必要になる一方、業者側の解約条項はゆるやかに設計されていることがあります。2020年に成立した賃貸住宅管理業法により、誇大広告と不当な勧誘が禁止され、契約締結前の重要事項説明が義務づけられました。説明を受けた書面の内容は必ず保管してください。

条件による違いも大きく、都市部の駅近ワンルームのように空室率が5%前後で収まる物件では手数料の負担が重く出ます。逆に地方や大規模一棟のように募集力が結果を左右する物件では、保証の価値が上がります。築年数も効き、設備の陳腐化とともに実勢賃料が下がると、保証賃料の改定圧力も強まります。契約内容の解釈や解約可否の判断は個別性が高いため、契約前に宅地建物取引士や弁護士に条項を確認してもらうことをおすすめします。

よくある間違い・注意点

  • 「家賃保証=金額が変わらない」と受け取る — 賃料改定条項に加え、借地借家法の借賃増減額請求の規定があり、サブリース契約にも適用があるとされています。保証額は見直される前提で計画してください。
  • 免責期間を年間収支に入れ忘れる — 引き渡し直後の数か月は賃料が支払われない契約が一般的です。初年度の手取りは、この計算機の月額×12より小さくなります。
  • 直接管理側の費用を差し引かない — この計算機の直接管理は自主管理前提です。管理委託料・広告料・原状回復費を引くと、判定が逆転する水準はかなり手前にあります。
  • 空室率を希望的に置く — 想定空室率が判定のすべてを決めます。近隣の募集状況と平均空室期間を調べ、根拠のある数値を入れてください。
  • 解約条件を確認せず契約する — サブリース業者は借主として保護されるため、オーナー側からの解約には正当事由が必要になり、立退料が生じる場合もあります。出口の条件を先に確認します。

参考資料・関連する法令

※本ページは一般的な仕組みの説明であり、個別の契約の効力や解約の可否を判断するものではありません。契約条項の確認や紛争の対応は、弁護士・宅地建物取引士などの専門家にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

どこがサブリースと直接管理の分かれ目ですか?

このモデルでは空室率が手数料率を上回るかどうかだけで決まります。手数料率15%なら、想定空室率が15%を超える物件はサブリースが有利、下回る物件は直接管理が有利です。両者が等しいときは同額になり、表示はサブリース側になります。

家賃の金額は判定に影響しますか?

影響しません。どちらの式も家賃に同じ比率を掛けているだけなので、手数料率と空室率の大小関係だけで結論が決まります。家賃の絶対額が効くのは、月々の手取り額そのものを見るときです。

管理会社に委託する場合はどう入力しますか?

この計算機の直接管理は自主管理を前提にしています。委託するなら、管理委託料の料率ぶんを手数料率から差し引いた値を入れてください。手数料15%・管理委託料5%なら、10%を入力して比べるのが実態に近くなります。

保証賃料は本当にずっと変わらないのですか?

変わり得ます。契約書には2年程度ごとの賃料改定条項が置かれるのが一般的で、加えて借地借家法には借賃の増減額請求の規定があります。サブリース契約にもこの規定の適用があるという最高裁の判断が平成15年に示されています。

免責期間とは何ですか?

引き渡し直後など、サブリース業者から賃料が支払われない期間のことです。新築時に数か月置かれるのが一般的で、その分は初年度の手取りから丸ごと欠けます。この計算機の月額をそのまま12倍すると、初年度は過大な見積もりになります。

オーナーの側から解約できますか?

簡単ではありません。サブリース業者は借主の立場に立つため、オーナーからの解約には借地借家法の正当事由が必要で、立退料の支払いが必要になる場合もあります。契約前に解約条項と違約金の定めを確認してください。

サブリースに法律上の規制はありますか?

あります。2020年に成立した賃貸住宅管理業法により、サブリース業者の誇大広告の禁止・不当な勧誘の禁止・契約締結前の重要事項説明が義務づけられました。一定戸数以上を管理する事業者には登録制度も適用されます。

空室率はどう見積もればよいですか?

近隣の同種物件の募集期間と、地域の空き家率を手がかりにします。年間で1か月空けば約8.3%、2か月なら約16.7%です。総務省統計局の住宅・土地統計調査で地域の水準を確認し、希望ではなく実績に近い値を入れてください。