計算ツール
給付金産休健康保険出産

出産手当金 計算ツール|産前42日+産後56日の給付額を一発計算

出産で会社を休んだとき、健康保険から支給される出産手当金の支給額・期間を計算。標準報酬月額の3分の2が、産前42日(多胎98日)+産後56日の合計98〜154日支給されます。非課税のため確定申告不要。予定日と実際の出産日のズレ・退職後受給の条件・育児休業給付金との切替・出産育児一時金50万円との違いを、健康保険法・協会けんぽの公式ルールに基づき解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

出産手当金 計算機

空欄なら法定上限(産前42日・多胎98日)で計算します。上限より遅く休業を開始した場合は、その日から出産日までが産前の支給日数です。

計算式と支給日額の考え方

基本式

日額 = 支給開始日以前 直近12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3

総支給額 = 日額 × 支給日数(産前+産後)

出産手当金は、健康保険(協会けんぽ・組合健保・共済組合)の被保険者本人が対象。標準報酬月額の3分の2を基準として、産休期間分の給料補填として支給されます。国民健康保険には出産手当金の制度は原則ありません(任意継続被保険者除く)。

標準報酬月額の平均が使えない場合

入社12ヶ月未満で直近平均が確定しない場合は、以下の低い方が適用されます:
①支給開始日以前の被保険者期間中の各月の標準報酬月額の平均
②支給開始日が属する年度前年度9月30日の全被保険者の標準報酬月額の平均(2025年度:30万円)

日額の計算例

標準報酬月額30万円の場合:
日額 = 300,000 ÷ 30 × 2/3 = 6,667円
単胎98日支給の場合:総額 = 6,667円 × 98日 = 約653,000円(非課税)

支給期間の詳細(産前・産後・予定日ズレ)

基本の支給期間

  • 産前:出産予定日の42日前から(双子以上は98日前から)
  • 産後:出産日の翌日から56日間
  • 合計:単胎98日、多胎154日が基本

予定日ズレによる調整

ケース産前日数産後日数合計
予定通り出産(単胎)42日56日98日
予定日より5日遅れ(単胎)47日(42+5)56日103日
予定日より10日早い(単胎)32日(42-10)56日88日
予定通り出産(多胎)98日56日154日
予定日より遅れた多胎98日+遅れた分56日154日超

予定日より遅れた場合は、遅れた日数分も産前として追加で支給。早まった場合は、早まった日数分は支給対象外となり、支給総額が減ります。「予定日から42日前」が固定されているため、実際の出産が予定より早ければ「働かなかった期間の一部が対象外」に。

就業した日の扱い

産休期間中でも会社と合意して働いた日(例:出勤して打ち合わせ参加等)は、その日は支給対象外。労務提供があった日は給与支払いが原則で、出産手当金の給料補填趣旨と重複しないためです。

標準報酬月額の決まり方

標準報酬月額は、健康保険料・厚生年金保険料の計算基礎となる報酬額を、一定の等級に区分したもの。給与明細の総支給額(残業代・通勤手当・住宅手当等含む)を元に、5万円程度の幅で区分されます。

標準報酬月額報酬月額範囲健保等級(協会けんぽ)出産手当金 日額単胎98日総額
20万円195,000〜210,000円17等級4,444円約436,000円
22万円210,000〜230,000円18等級4,889円約479,000円
24万円230,000〜250,000円19等級5,333円約523,000円
26万円250,000〜270,000円20等級5,778円約566,000円
28万円270,000〜290,000円21等級6,222円約610,000円
30万円290,000〜310,000円22等級6,667円約653,000円
34万円330,000〜350,000円24等級7,556円約740,000円
38万円370,000〜395,000円26等級8,444円約827,000円
44万円425,000〜455,000円28等級9,778円約958,000円
50万円485,000〜515,000円30等級11,111円約1,089,000円
62万円605,000〜635,000円34等級13,778円約1,350,000円
139万円(上限)1,355,000円〜50等級30,889円約3,027,000円

支給額の具体例(月給20〜60万円)

月給25万円(標準報酬26万円)・単胎

日額5,778円 × 98日 = 約566,000円。産前2ヶ月+産後2ヶ月の給料補填として、月14万円相当。給料満額は出ないが、生活費の中核として重要な原資に。

月給35万円(標準報酬36万円)・単胎

日額8,000円 × 98日 = 約784,000円。共働き世帯で、産休4ヶ月間に配偶者収入と合わせて生活を維持できる水準。育休給付金への切り替え準備も。

月給50万円(標準報酬50万円)・単胎

日額11,111円 × 98日 = 約1,089,000円。管理職・高年収層は、産休だけで100万円超が非課税で入る計算。ボーナス時期の産休は事前に会社と時期調整を相談する余地あり。

月給30万円・多胎(双子)

日額6,667円 × 154日(産前98+産後56)= 約1,027,000円。多胎は産前が98日と2倍以上長く、総額も1.5倍以上に。出産育児一時金も1人につき50万円で計100万円加算。

月給20万円(パート・時短勤務)

日額4,444円 × 98日 = 約436,000円。健康保険加入している時短勤務・契約社員でも同じ制度対象。夫の扶養に入っている場合は原則対象外なので、産休前に自分名義の健保加入状況を確認。

予定日15日遅れの場合(月給30万円)

産前42+15=57日、産後56日、計113日。日額6,667円 × 113日 = 約753,000円。予定日通りより10万円多く支給される計算。逆に予定より早いと減額。

非課税・社会保険料免除の関係

所得税・住民税は非課税

出産手当金は所得税法9条により非課税。給与所得ではないため、確定申告や年末調整で計上する必要はありません。所得税・住民税・国民年金保険料の算定にも影響しません。

健康保険料・厚生年金保険料は免除

産前産後休業期間中(産前42日・産後56日)は、健康保険料・厚生年金保険料が本人負担・会社負担ともに免除されます(産前産後休業取得者申出書を会社経由で健保に提出)。免除期間中も被保険者資格は継続し、傷病手当金・出産手当金・年金の受給資格年数にもカウントされます。

雇用保険料・住民税の扱い

雇用保険料は「賃金」に対する保険料なので、給料が支給されない産休中は雇用保険料もゼロ。住民税は前年所得ベースなので産休中も支払い義務ありますが、会社の通常給与から特別徴収されている場合は、会社経由で普通徴収に切替か産休明けにまとめ払いのいずれか。

退職後も受給できるケース

原則として出産手当金は「健康保険の被保険者」が対象ですが、以下条件を満たせば退職後も継続受給できます。

退職後継続給付の条件(すべて必要)

  1. 退職日までに継続1年以上の被保険者期間がある(任意継続・国保加入期間は含まない)
  2. 退職日に出産手当金を受給中または受給可能な状態(産前42日以内に退職)
  3. 退職日に労務不能な状態(出勤扱いで有給を取っていないこと)

受給できるケース・できないケース

状況受給可否備考
退職前1年・在職中に産休入り・産休中に退職◯継続受給可産休終了まで満額
退職前1年・退職1週間後に出産予定△要確認産前42日以内に退職なら可能性あり
退職前3ヶ月しか勤務なし×受給不可1年要件を満たさない
退職後に任意継続被保険者になった×受給不可任継加入期間は継続要件に該当せず
退職日に有給消化で出勤扱い×受給不可労務不能でないと判定
退職後、夫の扶養に入り出産×受給不可扶養家族には制度対象外

退職・転職のタイミングで受給資格を失うと数十万〜100万円の損失に。産休入り前に会社に退職相談する場合は、必ず健保組合(協会けんぽ都道府県支部・組合健保)に確認してください。

出産育児一時金・育児休業給付金との違い

出産・育児期間中に受給できる3種類の給付金は制度・原資・目的が異なります。

項目出産手当金出産育児一時金育児休業給付金
目的産休中の給料補填出産費用の補助育休中の給料補填
原資健康保険健康保険雇用保険
対象者健保被保険者本人健保被保険者・被扶養者雇保被保険者
支給額標準報酬月額×2/3×98〜154日50万円/児(産科医療補償制度加入医療機関)休業開始時賃金の67%(6ヶ月)→50%
期間産前42+産後56日出産1回産後57日〜1歳(最長2歳)
課税非課税非課税非課税
扶養家族の対象×◯(家族出産育児一時金)×

時系列でのイメージ(単胎・産休98日+育休1年)

  • 出産予定日42日前〜出産日:出産手当金(産前分)
  • 出産時:出産育児一時金50万円(産科医療機関へ直接支払)
  • 出産翌日〜産後56日:出産手当金(産後分)
  • 産後57日〜育休終了:育児休業給付金(雇用保険)

申請手続きの流れ

  1. 申請書入手:健康保険出産手当金支給申請書(協会けんぽ・組合健保のHP/会社経由)
  2. 被保険者記入欄:氏名・住所・振込口座・出産日・支給申請期間などを本人が記入
  3. 医師・助産師記入欄:出産時に病院・助産所で証明記載(出産予定日・実際の出産日)
  4. 事業主記入欄:会社が「勤務状況・給与支払状況」を記入・押印
  5. 申請書提出:会社経由または本人が直接、健保組合または協会けんぽ支部へ郵送
  6. 支給決定・入金:申請から約2〜4週間で指定口座に振込

申請は2年以内(時効)に行う必要あり。産後分は、産後56日経過してからまとめて申請するのが一般的(分割申請も可能)。

よくある間違い・注意点

  • 国民健康保険加入者は原則対象外 — 出産手当金は健康保険・組合健保・共済組合が原資。自営業者・フリーランス(国保加入)は対象外。ただし国保組合の一部で類似給付制度あり。
  • 「産休前12ヶ月」の平均を取り違え — 直近12ヶ月の標準報酬月額の平均であり、単月の給与ではありません。昇給直後で高い月だけで計算すると過大見積もりに。
  • 予定日から42日を「出産日から42日」と混同 — 産前は必ず「出産予定日から42日前」が起点。実際の出産日ではありません。
  • ボーナス月の産休入りで日額誤算 — 賞与は標準報酬月額ではなく「標準賞与額」として別扱い。日額計算には含まれません。夏冬ボーナス月の産休入りは日額に影響なし。
  • 退職前有給消化で受給資格喪失 — 退職前に有給消化で出勤扱いになると、退職日が「労務不能」と判定されず継続給付要件を満たせなくなるケース。退職相談時は必ず健保に事前確認を。
  • 育休給付金と重複申請 — 出産手当金は産後56日まで、育児休業給付金は産後57日から。両方同時期には受給できません。日付調整は会社の総務・人事に相談を。
  • 被扶養者(夫の扶養)は対象外 — 妻が退職して夫の被扶養者になった時点で出産手当金の対象外。退職タイミングを産休入り後にすることで受給権を守れます。
  • 会社が申請を代行しないケース — 中小企業では総務担当が制度に不慣れなことも。本人が申請書を入手・記入し、事業主押印を依頼するのが確実。

関連する法令・制度

  • 健康保険法 第102条 ― 出産手当金の支給根拠条文。「出産の日以前42日から出産の日後56日まで」の規定。
  • 健康保険法 第104条 ― 退職後の継続給付。1年以上の被保険者期間と労務不能状態の要件。
  • 健康保険法 第101条 ― 出産育児一時金の支給根拠。50万円(産科医療補償制度加入機関)。
  • 雇用保険法 第61条の4 ― 育児休業給付金の支給根拠。休業開始時賃金の67%(6ヶ月)→50%。
  • 労働基準法 第65条 ― 産前産後の就業制限。産前6週間(多胎14週間)・産後8週間(本人請求で6週間短縮可)。
  • 育児・介護休業法 ― 育児休業の権利。産後8週間経過後から子が1歳(保育所入所困難で最長2歳)まで。
  • 厚生年金保険法・健康保険法(産休免除) ― 産前産後休業期間中の社会保険料本人負担・会社負担両方の免除。
  • 所得税法 第9条 ― 非課税所得の規定。出産手当金・育児休業給付金・出産育児一時金はすべて非課税。

参考文献・公的資料

出産手当金の詳細・申請書式は以下の公的機関で最新情報を確認してください。

※本ページの計算結果は概算値です。標準報酬月額の実額・支給開始日・退職時期・多胎か単胎か・国民健康保険加入か等の条件で実際の支給額は変動します。正式な支給額は加入している健康保険(協会けんぽ・組合健保・共済組合)の公式試算または申請書提出後の決定通知で確認してください。退職・転職を伴う場合や個別事情がある場合は、社会保険労務士または加入健保の相談窓口に確認を推奨します。国民健康保険加入者・扶養家族・自営業者は原則として本制度の対象外です。

よくある質問(FAQ)

予定日より早く生まれたら支給は減る?

はい。産前は「予定日から42日前」が基準なので、早く生まれた場合はその日数分支給対象が短縮されます。逆に予定日より遅く生まれた場合は、遅れた日数分も支給対象に追加されます。単胎の支給期間の最大は「予定日通り42日+遅れ分+産後56日」で明確な上限はなし。多胎は98+56=154日+遅れ分。

出産育児一時金とは別?

はい、まったく別の制度。出産育児一時金50万円は健康保険から出産時に一括支給される「出産費用の補助」(通常は医療機関への直接支払)。出産手当金は健康保険から産前産後の休業期間中に「給料補填」として支給。両方とも受給可能で、多胎の場合は一時金も×人数分(双子で100万円)。

退職してからも支給される?

条件付きで可能。①退職日までに継続1年以上の被保険者期間があり、②退職日に出産手当金を受給中または受給可能な状態(産前42日以内)、③退職日に労務不能な状態、の3条件をすべて満たす必要があります。任意継続被保険者では継続給付不可、扶養に入ると対象外。

育休手当(育児休業給付金)と一緒にもらえる?

同時には不可。出産手当金(産後56日まで)→育児休業給付金(産後57日目から)の順で切り替わります。育児休業給付金は雇用保険原資で、休業開始時賃金の67%(6ヶ月)→50%が最長2歳まで支給。本ツールは出産手当金のみ計算します。

国民健康保険加入者は対象?

原則として対象外。自営業者・フリーランス・退職後国保加入者は出産手当金なし(国保組合の一部で類似給付ありのケース稀)。健康保険(協会けんぽ・組合健保)加入の会社員のみが基本対象です。

パートタイマー・派遣社員は?

健康保険(協会けんぽ・組合健保)に加入していれば対象。週20時間以上勤務・年収106万円超で自身の名義で健保加入している場合が該当。夫の扶養に入っている場合は対象外です。

会社を辞めた後の申請はどこ?

退職前の勤務先が加入していた健康保険(協会けんぽまたは組合健保)に申請。退職後は個人での申請となり、勤務先の押印・証明が必要。退職前に人事担当と申請書式・提出方法を確認しておくとスムーズです。

いつ入金される?

申請書提出から約2〜4週間で指定口座に振込。産後56日経過後にまとめて申請するのが一般的ですが、産前・産後分を分けて分割申請も可能。申請時効は2年以内。

入社1年未満でも受給できる?

受給可能。ただし直近12ヶ月の標準報酬月額の平均が取れないため、①在職中の被保険者期間の平均、②前年度9月の全被保険者の平均(2025年度30万円)のうち低い方が適用されます。転職直後の妊娠・出産でも受給資格自体は失われません。

産休中に会社から給料も出る場合は?

会社から給料が出て、その額が出産手当金の日額を上回る場合は手当金は支給停止。下回る場合は差額のみ支給されます。給与規程で産休中の給与補填制度がある会社(大手企業に多い)では要注意。

共働きで夫も何かもらえる?

夫は原則として出産手当金の対象外。ただし2022年10月から「産後パパ育休(出生時育児休業)」で、雇用保険から育児休業給付金(賃金の67%)を子の出生後8週間以内に4週間分受給可能。詳細は「産後パパ育休」の計算ツールを参照してください。

手当金の受給は住宅ローン審査に影響する?

基本的に影響しません。出産手当金は非課税で「所得」に含まれず、住宅ローンの返済負担率計算にも含まれない給付。ただし産休・育休期間中は「現在の収入低下」として審査で不利になることがあり、産休入り前に住宅ローン申込を済ませるのが賢明。