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早期退職金|割増額と勤続年数別の退職所得控除を計算

通常の退職金と年齢を入れると、早期退職の上乗せ額と合計額が出ます。勤続年数で決まる退職所得控除の効き方、会社都合扱いになったときの失業給付、健康保険の切り替え期限まで解説します。

最終更新:2026年8月18日/監修:計算ツールズ編集部

早期退職金ツール

計算式と前提

上乗せ額 = (65 − 年齢)× 20万円(下限0円)
早期退職金 = 通常退職金 + 上乗せ額

既定値は通常退職金1,500万円・年齢55歳です。上乗せは (65 − 55) × 20万円で2,000,000円、早期退職金は17,000,000円と表示されます。60歳なら上乗せは100万円、65歳なら0円です。

ここで置いている「残りの年数×20万円」は、退職までの残存年数が長いほど割増が厚くなるという設計をならした概算です。実際の募集要項では基本給の月数(12ヶ月分から36ヶ月分が中心)で決めたり、年齢と勤続年数の両方に係数を掛けたりする形が多く、金額は制度ごとに大きく異なります。手元の募集要項に金額が示されている場合は、そちらを通常退職金の欄に足して使うほうが実態に近くなります。表示額は税引き前の金額で、税や社会保険料は差し引かれていません。

年齢別・勤続年数別の早見表

通常退職金1,500万円を固定し、年齢を変えた場合です。計算機に同じ値を入れると同じ結果が出ます。

年齢上乗せ額早期退職金の合計
40歳5,000,000円20,000,000円
45歳4,000,000円19,000,000円
50歳3,000,000円18,000,000円
55歳2,000,000円17,000,000円
60歳1,000,000円16,000,000円
65歳0円15,000,000円

受け取ったあとに課税の対象となる金額は、勤続年数で決まる退職所得控除の大きさで変わります。下表は退職所得控除の計算式にもとづく金額で、ツールの出力ではありません。

勤続年数退職所得控除額退職金1,700万円のときの退職所得
10年400万円650万円
20年800万円450万円
25年1,150万円275万円
30年1,500万円100万円
35年1,850万円0円
※退職所得控除は、勤続20年以下が40万円×勤続年数(最低80万円)、20年を超える部分が1年につき70万円です。勤続年数の1年未満の端数は切り上げます。退職所得は「(退職金 − 控除額)× 2分の1」で求め、他の所得と分けて課税されます。

早期退職の割増金と手取りの詳しい解説

割増金が年齢で変わるのは、会社側の効果が残りの在籍期間で決まるからです。定年まで10年ある人が辞めれば、会社はその10年分の人件費を負担せずに済みます。この構造から割増は年齢が若いほど厚く、定年に近づくほど薄くなる設計になりやすく、このツールもその形を「残存年数×一定額」で置いています。実際の募集要項では基本給の12〜36ヶ月分という月数で示す形が中心で、年齢別の係数や勤続年数を重ねる例もあります。

実務で判断が分かれるのは、額面の割増金ではなく、税引き後の金額と離職後の収入まで含めて比べる点です。退職金は他の所得と分けて課税され、勤続年数に応じた退職所得控除を引いた残りの2分の1だけが課税対象になります。控除額は勤続20年までが1年あたり40万円、20年を超える部分は1年あたり70万円と厚くなるため、勤続年数が20年前後の人は、あと数ヶ月在籍して1年繰り上がるかどうかで控除が数十万円変わります。

見落とされやすいのは、退職後の費用と受け取りの順番です。希望退職の募集に応じた場合は、雇用保険では特定受給資格者に該当するのが一般的です。健康保険は退職日の翌日から20日以内の手続きで最長2年の任意継続を選べますが、保険料は会社負担分がなくなり在職中の約2倍になります。国民健康保険と比べてどちらが安いかは前年の所得と扶養家族の人数で逆転するため、両方の金額を確認してください。住民税は前年の所得に対して翌年課税されるため、退職翌年に収入が下がっていても在職中の所得に対する請求が届きます。さらに、確定拠出年金の一時金を先に受け取ってから退職金を受け取る場合の調整期間は、2026年1月以後に支払われる退職手当等について5年から10年へ見直されています。受け取りの順番と時期で税額が変わるため、企業年金や確定拠出年金がある人は税理士や所轄の税務署に確認してください。

判断の分かれ目は年齢と再就職の見通しで動きます。40代は割増金が厚く再就職までの期間も短く見込めるため、割増分がそのまま上積みになりやすい局面です。50代後半では割増が薄くなる一方、定年までの残りも短いため、退職金の増額分より「その後の収入」の影響が大きくなります。役員や勤続5年以下で受け取る場合は2分の1課税が適用されない部分があり、同じ金額でも税負担が変わります。企業年金の有無や住宅ローン残高、配偶者の収入によっても結論は変わるため、募集要項の金額だけで決めず、離職後2年間の家計の見通しを並べて比べてください。税務と社会保険の個別判断は、税理士・社会保険労務士など専門家にご相談ください。

よくある間違い・注意点

  • 割増金の額面だけで判断する — 表示額は税引き前です。退職所得控除を超える部分には所得税と住民税がかかり、勤続年数が短いほど手取りは目減りします。
  • 勤続年数の切り上げを見落とす — 1年未満の端数は切り上げます。勤続20年を超えると控除が1年あたり70万円に増えるため、退職日が数ヶ月違うだけで控除額が変わることがあります。
  • 健康保険の切り替えを20日過ぎてから考える — 任意継続の申請期限は退職日の翌日から20日以内です。期限を過ぎると国民健康保険しか選べなくなり、保険料が高くつくことがあります。
  • 退職翌年の住民税を見込んでいない — 住民税は前年の所得に対して課税されます。収入が途切れた年に、在職中の所得に対する請求が届く点を家計に織り込んでください。
  • 確定拠出年金の一時金と受け取り時期が重なる — 受け取りの順番と間隔によって退職所得控除の使える範囲が変わります。2026年以後は調整期間の見直しもあるため、事前に確認が必要です。

出典・参考資料

※上乗せ額は制度ごとに大きく異なります。本ツールの「残存年数×20万円」は概算のモデルであり、実際の支給額は勤務先の募集要項によります。

免責:本ツールは情報提供を目的としています。退職金の税額、雇用保険の受給資格、社会保険の切り替えなど個別の判断は、税理士・社会保険労務士・所轄の税務署およびハローワークにご確認ください。

よくある質問(FAQ)

早期退職の割増金はどのくらいが相場ですか

募集要項では基本給の12ヶ月分から36ヶ月分という形で示す例が中心です。年齢が若く定年までの残り期間が長いほど厚くなる設計が一般的で、定年間際では割増がほとんど付かない制度もあります。金額を比べるときは、月数に直して年収の何年分かで見ると判断しやすくなります。

割増金にも税金はかかりますか

割増金も退職手当等として退職所得に含まれます。通常の退職金と合算したうえで退職所得控除を引き、残りの2分の1が課税対象です。他の所得とは分けて課税されるため、給与と合算されて税率が上がることはありません。

退職所得控除はいくらになりますか

勤続20年以下は40万円×勤続年数(最低80万円)、20年を超える部分は1年につき70万円です。勤続30年なら1,500万円、勤続35年なら1,850万円になります。1年未満の端数は切り上げるため、退職日が数ヶ月違うだけで控除額が変わることがあります。

確定申告は必要ですか

勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、源泉徴収で課税関係が完結し、原則として確定申告は不要です。提出していない場合は一律の税率で源泉徴収されるため、申告により納めすぎた分が戻ることがあります。個別の判断は所轄の税務署にご確認ください。

失業給付はすぐに受け取れますか

希望退職の募集に応じた場合は特定受給資格者に該当するのが一般的で、自己都合退職のような給付制限がなく、所定給付日数も長くなります。ただし該当するかは離職票の離職理由で決まるため、記載内容を必ず確認してください。判断はハローワークが行います。

健康保険は任意継続と国民健康保険のどちらが有利ですか

前年の所得と扶養家族の人数で逆転します。任意継続は退職日の翌日から20日以内の申請で最長2年、保険料は会社負担分がなくなるため在職中のおよそ2倍になります。国民健康保険は前年所得で決まるため、収入が高かった年の翌年は高くなりがちです。両方の金額を確認してから選んでください。

企業年金や確定拠出年金がある場合に注意することはありますか

受け取る順番と時期によって退職所得控除の使える範囲が変わります。確定拠出年金の一時金を先に受け取ってから退職金を受け取る場合の調整期間は、2026年1月以後に支払われる退職手当等について5年から10年へ見直されています。適用関係が複雑なため、受け取り方は税理士や所轄の税務署にご相談ください。