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雇用調整助成金 計算ツール|休業手当・日額上限・企業規模別助成率で給付額を試算

雇用調整助成金(雇調金)の給付額を即算出。月給・休業日数・休業手当支払率・企業規模(中小2/3・大企業1/2)・教育訓練加算から、日額上限8,635円(2026年度)を反映した助成額を試算します。厚生労働省の支給要領・都道府県労働局リーフレットに準拠した計算式で解説。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

雇用調整助成金 計算機

計算式と助成率

基本式

助成額 = 休業手当日額 × 休業日数 × 助成率(+教育訓練加算)

休業手当日額 = 平均賃金 × 支払率(60-100%) ※日額上限あり

日額上限:8,635円(2026年度・雇用保険基本手当日額最高額を準用)

雇用調整助成金は雇用保険法第62条および雇用保険法施行規則第102条の3に基づく雇用調整事業。景気変動・産業構造変化・災害等の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に休業・教育訓練・出向をさせて雇用を維持した場合に、休業手当等の一部を助成する仕組みです。

企業規模別 助成率

企業規模助成率(休業)教育訓練加算備考
中小企業2/31,200円/人日資本金・従業員数どちらかで判定
大企業1/21,200円/人日中小の要件を満たさない場合

中小企業の定義:小売業(資本金5,000万円以下または従業員50人以下)、サービス業(5,000万円/100人)、卸売業(1億円/100人)、その他(3億円/300人)。中小企業基本法および支給要領に定義。

平均賃金(労基法12条)

平均賃金は直近3か月の賃金総額 ÷ その期間の総日数で算出。ただし、日給・時給・出来高払の場合は「賃金総額 ÷ 実労働日数 × 0.6」の最低保証あり(労基法12条4項)。雇調金では、この平均賃金を基に「休業手当日額」を計算します。

本ツールの試算方式

本ツールでは、月給を1か月の所定労働日数で除して「1日あたり賃金」を算出し、支払率(60-100%)をかけて「休業手当日額」を推定します。実務ではより厳密な平均賃金計算が必要ですが、初期試算の目安として活用してください。

支給要件

売上要件

最近3か月間の月平均の生産量・売上高等が、前年同期比で10%以上減少していること。新型コロナ特例期間中は5%以上に緩和されていましたが、通常時は10%基準。

雇用保険適用事業所

雇用保険適用事業所であること。全社員が雇用保険被保険者である必要はなく、対象労働者に雇用保険被保険者が含まれていればOK。

労使協定

休業・教育訓練・出向の実施について労働組合または労働者代表との書面協定が必要。協定なしでは不支給になります。

休業手当の支払

労働基準法第26条に基づき、平均賃金の60%以上の休業手当を実際に支払っていること。書類上のみの休業や無給休業は不支給。

クーリング期間

直前の支給対象期間の末日から1年経過していること。特定業種特例やコロナ特例で緩和期間あり。

不正受給防止

直近5年間に不正受給の処分を受けていないこと。不正受給は5年間支給停止+事業所名公表+加算金+刑事罰のリスク。

日額上限・支給限度日数の推移

雇用調整助成金の日額上限は、雇用保険基本手当日額最高額に連動して毎年度改定されます。

年度日額上限(通常)コロナ特例上限支給限度日数
2020年度8,330円15,000円1年100日・3年150日
2021年度8,265円15,000円1年100日・3年150日
2022年度8,355円15,000円(一部業種)1年100日・3年150日
2023年度8,490円特例終了1年100日・3年150日
2024年度8,490円1年100日・3年150日
2025年度8,555円1年100日・3年150日
2026年度8,635円1年100日・3年150日

日額上限は雇用保険基本手当日額最高額(60歳以上65歳未満区分)を準用します。毎年8月に厚生労働省告示で改定。

類似助成金との違い

助成金対象事由助成内容ポイント
雇用調整助成金景気変動・産業構造変化休業・教育訓練・出向本ツール対象、通常時利用
緊急雇用安定助成金コロナ特例(終了)雇用保険外の労働者2023年3月終了
産業雇用安定助成金在籍出向出向元・出向先双方に助成コロナ後の再編
キャリアアップ助成金非正規→正規転換1人57万円等正社員化に活用
両立支援等助成金育休・介護休業28.5万-72万円WLB施策で利用
特定求職者雇用開発助成金高齢者・障害者・母子家庭雇用60万-240万円特定層雇用で利用

申請手続きの流れ

1. 計画届の提出(休業前)

休業を開始する前日までに「休業等実施計画届」を管轄の労働局・ハローワークに提出。事後届は原則不可(特例期間を除く)。

2. 労使協定の締結

労働組合または労働者代表と、休業対象者・期間・休業手当支払率・教育訓練内容について書面協定。

3. 休業の実施

計画届に基づき休業を実施。労基法26条により平均賃金60%以上の休業手当を支払う。給与明細で確認できる形にする。

4. 支給申請

休業実施後、判定基礎期間(原則1か月単位)終了の翌日から2か月以内に支給申請書を提出。賃金台帳・出勤簿・休業手当支払明細を添付。

5. 審査・支給決定

労働局が要件審査。標準処理期間2か月程度。追加資料の提出依頼が来ることも。支給決定後、通常1-2週間で口座振込。

6. 事後の記録保管

賃金台帳・出勤簿・労使協定・計画届の控えは5年間保管義務。会計検査院や労働局の事後調査の対象になります。

試算シナリオ例

飲食業(月給25万円・従業員5人)

売上30%減で15日休業(月)。1人日額≒25万÷22×0.6=6,818円。中小2/3で助成4,545円×15日×5人=約34万円/月。事業主負担は約17万円。

製造業(月給35万円・従業員30人)

発注減で全員10日休業。日額≒35万÷22×0.7=11,136円→上限8,635円適用。中小2/3で5,757円×10日×30人=約173万円/月。

大企業(月給45万円・従業員100人)

景気減で20日休業。日額≒45万÷22×0.6=12,272円→上限8,635円。大企業1/2で4,318円×20日×100人=約864万円/月。教育訓練併用で+240万円。

小売業(月給22万円・従業員10人)

災害で1週間全店休業。日額≒22万÷22×0.7=7,000円。中小2/3で4,666円×5日×10人=約23万円。事業主負担は約12万円。

教育訓練併用ケース

製造業30人・10日休業のうち5日を教育訓練実施。訓練加算1,200円×5日×30人=18万円が上乗せされ、総額は約191万円/月に。

出向によるパターン

産業雇用安定助成金と連携。休業に代えて出向を選択すれば、出向元・出向先双方に助成金支給。景気サイクル対策として一部大手企業で活用が広がっています。

よくある間違い・不支給事例

  • 計画届の事後提出 — 通常時は休業開始前日までの計画届提出が必須。事後届は不支給になります(コロナ特例期は事後届可でしたが現在は原則NG)。
  • 労使協定の不備 — 過半数を代表しない従業員代表と協定を締結、あるいは協定書に休業期間・支払率の記載漏れがある場合、不支給。労働者代表の選出過程の記録も残す必要があります。
  • 休業手当の未払・書類上のみ支払 — 給与明細に休業手当が記載されず、通常給与だけを支払った場合は不支給。実際に休業手当として銀行振込・現金支払が必要。
  • 日額上限を超える満額請求 — 高額な役員・管理職の休業を対象にする場合、日額上限8,635円(2026年度)が適用されます。上限を超える満額申請は減額修正。
  • 非対象労働者の含入 — 事業主・法人役員・雇用保険被保険者でない者(一部の日雇い・季節労働者)は原則対象外です。
  • 売上要件を満たさない — 3か月平均売上が前年同期比10%減の要件を満たさないと不支給。計画届で提出する売上明細に虚偽記載は不正受給に該当。
  • 教育訓練の質不十分 — 教育訓練加算(1,200円/人日)を受けるには、就業規則の変更点・法改正内容などの実質的な教育カリキュラム、講師、テキスト、受講記録が必要。単なる自習は認められません。

関連法令・支給要領

  • 雇用保険法 第62条 ― 雇用調整事業の根拠条文。雇用の安定を図るための助成措置。
  • 雇用保険法施行規則 第102条の3 ― 雇用調整助成金の要件・助成率・限度日数の詳細規定。
  • 労働基準法 第26条 ― 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の60%以上の休業手当支払義務。
  • 労働基準法 第12条 ― 平均賃金の算定方法。直近3か月の賃金÷総日数を基本、最低保証あり。
  • 中小企業基本法 第2条 ― 中小企業の定義。業種別に資本金・従業員数の要件。
  • 雇用調整助成金支給要領 ― 厚労省が発行する詳細な支給ルール。毎年改定。
  • 雇用保険基本手当日額改定告示 ― 8月1日改定。雇調金の日額上限のベース。

参考文献・公的資料

申請前には必ず最新のリーフレット・支給要領を厚労省・労働局サイトで確認してください。

※本ツールの試算結果は概算です。実際の助成額は、労働局による賃金台帳・出勤簿の審査を経て確定します。売上要件・労使協定・雇用保険適用状況によって受給可否が変動しますので、申請前に必ず管轄労働局・ハローワークまたは社会保険労務士に相談してください。特に日額上限・助成率・支給限度日数は年度・特例で改定されるため、最新の厚労省リーフレットを確認することを推奨します。

よくある質問(FAQ)

雇用調整助成金とは?

景気変動・産業構造変化・災害等の経済的理由で事業活動が縮小し、雇用調整として休業・教育訓練・出向を実施した事業主に、休業手当の一部を助成する制度です。雇用保険法第62条・施行規則102条の3が根拠。厚生労働省が管轄し、都道府県労働局・ハローワークが窓口です。

対象になるのはどんな企業?

最近3か月の月平均売上・生産量が前年同期比10%以上減少し、雇用保険適用事業所であることが基本要件。加えて労使協定の締結、労基法26条に基づく休業手当(平均賃金60%以上)の支払が必要です。中小企業だけでなく大企業も対象で、助成率が異なります。

申請の窓口は?

事業所を管轄する都道府県労働局またはハローワークが窓口。厚生労働省ウェブサイトから最新の様式・支給要領がダウンロード可能。オンライン申請システム(電子申請)にも対応しています。

1年で何日まで受給できる?

原則1年間で100日、3年間で150日が支給限度。特定業種特例やコロナ特例期間中は緩和されていました。この限度日数を超えると、その事業所は当該助成対象期間中は受給不可となります。

助成率の中小と大企業の違いは?

中小企業は2/3、大企業は1/2。中小企業の定義は業種別(小売業:資本金5,000万円以下または従業員50人以下等)。教育訓練加算は企業規模を問わず1人1日1,200円を上乗せ。

日額上限は?

2026年度の日額上限は8,635円。雇用保険基本手当日額最高額(60-64歳区分)を準用し、毎年8月に厚労省告示で改定。高額所得者の休業を対象にしても、この上限を超える助成は受けられません。

休業手当は最低何%支払う必要がある?

労基法26条により平均賃金の60%以上が最低ライン。60%より高い率(例:80%、100%)で支払っても助成率は変わりませんが、社員のロイヤリティ維持や労使関係のために高率で支払う企業も多くあります。

教育訓練加算とは?

休業日に自宅・社内研修室等で就業規則の変更点、業務知識、DX研修、法改正などの教育訓練を実施すると、1人1日1,200円が加算。ただし、講師・テキスト・受講記録が実質的に整っていることが必要で、単なる自習は認められません。

不正受給のリスクは?

5年間支給停止+事業所名公表+不正額の20%加算+刑事告発の可能性。実際に休業していないのに休業したように装う、賃金台帳の虚偽記載、労使協定の遡及作成などが典型的な不正パターン。会計検査院・労働局の事後調査対象になります。

計画届は必ず必要?

原則休業開始日の前日までに労働局・ハローワークに提出が必要。事後届は原則不可です(コロナ特例期間中は事後届容認でしたが現在は原則NG)。事後発覚は不支給になるので、休業を検討し始めた段階で早めに相談窓口へ。

本ツールの計算式は?

1人日額=月給÷所定労働日数×支払率(60-100%)。日額上限8,635円で頭打ち。1か月あたり助成額=日額×休業日数×助成率(2/3または1/2)+教育訓練加算1,200円/人日。総額はこれに対象労働者数を乗じたもの。

相談は無料?

労働局・ハローワークの助成金相談は無料。社会保険労務士事務所への相談は有料(初回無料の場合あり)。厚労省・独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)も無料の情報提供を行っています。