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人件費・雇用コスト計算|社保・賞与・退職金・福利厚生・採用費込みの1人年総額

社員の基本給年額から、健康保険・厚生年金・介護保険・子ども子育て拠出金・労災・雇用保険の会社負担分と、賞与・退職金引当・福利厚生・採用費・教育研修費・オフィス関連コストまで含めた本当の年間雇用コストを瞬時に算出します。「給与の1.5倍が真の人件費」という経営者必須の常識を可視化し、社員と経営の認識ギャップを埋める完全無料ツール。正社員 vs 業務委託 vs 派遣のコスト比較、SIer・受託開発の単価設計スタートアップの資金計画(ランウェイ)採用可否判断とROI試算まで、BtoB経営・人事・財務担当者の意思決定を支援します。

最終更新:2026年7月26日/監修:計算ツールズ編集部

雇用コスト 計算ツール

月給×12(賞与抜き)。
夏冬2回×2ヶ月=4。中小2-3、大手4-5。
人材紹介手数料。中途で年収の30-35%。

会社負担の社会保険料率(2024年度)

2024年度の全国健康保険協会(協会けんぽ)東京支部を基準にした料率です。会社負担分のみ抜粋。健康保険料・介護保険料は都道府県で異なります。

項目会社負担率備考
健康保険料5.0%協会けんぽ東京・労使折半
介護保険料(40歳以上)0.9%40歳-65歳のみ・労使折半
厚生年金保険料9.15%労使折半・上限標準報酬65万
子ども・子育て拠出金0.36%会社のみ負担
労災保険0.3-1.0%業種で変動・会社のみ
雇用保険0.95%2024年度・農林水産1.05%
合計目安(40歳未満)15-17%給与に対し
合計目安(40歳以上)16-18%介護保険加算

これに加えて賞与2〜5ヶ月・退職金引当5〜10%・福利厚生5〜20%・採用費(初年度のみ年収30〜35%)が積み重なり、給与の1.5倍前後が実質雇用コストになります。

年収別 雇用コスト早見

年収(基本給)賞与込み給与雇用総額(社保・福利込)倍率
300万400万450-500万1.50-1.67倍
400万533万600-700万1.50-1.75倍
500万667万750-880万1.50-1.76倍
600万800万900-1,050万1.50-1.75倍
700万933万1,050-1,230万1.50-1.76倍
800万1,067万1,200-1,400万1.50-1.75倍
1,000万1,333万1,500-1,750万1.50-1.75倍
1,500万(経営層)2,000万2,200-2,600万1.47-1.73倍
2,000万(役員)2,600万2,800-3,300万1.40-1.65倍

年収が上がると社会保険料に上限(標準報酬月額65万・賞与150万)があるため、倍率は若干下がります。役員・エグゼクティブほど「給与のn倍」の n が小さくなります。

正社員 vs 業務委託 vs 派遣のコスト比較

年収500万相当の人材を雇う場合の会社視点コスト比較です。同じアウトプットを得るためのコスト差が明確に見えます。

雇用形態会社支出/年倍率特徴
正社員750万1.50社保・賞与・退職金・福利厚生あり
契約社員650万1.30賞与・退職金なし、社保あり
派遣社員(登録型)750-900万1.50-1.80派遣会社マージン30-40%
業務委託(フリーランス)550-600万1.10-1.20社保・退職金なし・成果納品
準委任契約(SES)700-900万1.40-1.80時間精算・SES会社マージン
顧問契約(月次)200-400万0.4-0.8週半日〜数日稼働・専門特化

専門性の高い業務は業務委託・顧問契約でコスト効率が良く、コア業務・長期育成が必要な業務は正社員が原則。「コアはインハウス、ノンコアは外注」の切り分けが経営の定石です。

見えないコスト(教育・離職・機会費用)

教育・研修コスト

新卒1年目は年収相当額の研修投資が必要。中途採用でも入社3-6ヶ月はオンボーディングでフル戦力にならず、上長の指導時間コストが年収の20-30%かかる想定。

離職コスト

正社員1名が退職する際の平均コストは年収の6ヶ月分〜1年分(採用費+教育投資回収不能+チーム負荷+空席機会損失)。年収500万なら250-500万の損失です。

オフィス・IT環境費

1人当たりオフィス賃料(都心10-20万/月)・PC・ソフトウェアライセンス・通信費で年60-150万。リモートワークで削減可能ですが、ゼロにはなりません。

機会費用(採用失敗)

ミスマッチ採用で6ヶ月で退職した場合の損失:採用費150万+給与300万+教育100万+機会損失100万=合計650万。採用面接での見極め投資がハイリターンな理由。

健康・メンタルケア

ストレスチェック・産業医契約・EAP(従業員支援プログラム)・健診等で年5-15万/人。近年はメンタル起因の休職・退職が増え、予防投資の重要性が上昇中。

コンプライアンス・監査対応

個人情報保護・労務コンプライアンス・上場企業のJ-SOX対応で人件費に加え、社労士・顧問弁護士・監査法人費用が発生。上場企業なら1人年10-30万相当。

SIer・受託開発の人月単価設計

受託開発・SES・BtoBサービスの単価は、雇用コストから逆算して設計します。粗利率30-50%を確保するには、雇用コストの1.7〜2.5倍の売上単価が必要。

人月単価 =(年間雇用コスト ÷ 稼働可能月数)×(1 ÷(1 − 目標粗利率))

年収500万エンジニアの単価設計例

  • 年間雇用コスト:750万円
  • 稼働可能月数:11ヶ月(有休・休職・教育で1ヶ月控除)
  • 月間雇用コスト:約68万円
  • 目標粗利率30% → 月間売上単価 = 68 ÷ 0.7 = 約97万円/人月
  • 目標粗利率50% → 月間売上単価 = 68 ÷ 0.5 = 約136万円/人月

これに間接費(営業・管理・オフィス)を上乗せすると、SIer相場の80〜150万/人月が正当化されます。人月単価計算で詳細シミュレート可能。

シーン別の使い方

採用可否判断(1名増員)

年収500万でオファーする場合、初年度は採用費80万+雇用コスト750万=合計830万の投資。回収するには最低830万の売上・利益貢献が必要と見積もれます。

スタートアップの資金計画

調達額 ÷ 月次バーン率=ランウェイ月数。エンジニア5名・年収600万なら月次雇用コスト約375万+オフィス200万=月575万バーン。1億調達で17ヶ月分。

組織全体の人件費予算策定

社員数×平均年収×1.5倍で総額試算。50名・平均年収500万なら人件費予算3.75億が目安。CAGRで採用計画の複利効果も評価できます。

役員報酬設定の税務対策

役員報酬は税務上の定期同額給与規制あり。社会保険料の会社負担・法人税との関係を試算し、給与vs配当vs退職金の最適配分を検討。

外注化のROI判定

正社員750万 vs 業務委託550万で年200万コスト削減可能。3年で600万のキャッシュフロー改善効果を投資判断に反映できます。

ボーナス・昇給の原資判定

粗利成長率 > 人件費成長率であれば増員・昇給可能。逆なら削減優先。マーケROIと組み合わせた成長投資バランスも見える化。

採用ROI・リファラル・中退共

採用手法別コスト比較

採用手法年収500万人材の採用費特徴
人材紹介(エージェント)150-175万(年収30-35%)質高・スピード早・高コスト
求人媒体(Green・Wantedly等)30-80万掲載料型・中間コスト
ダイレクトリクルーティング50-150万ツール月額+人件費
リファラル(社員紹介)10-30万(報奨金)質高・低コスト・拡張性低
SNS・オウンドメディア10-100万ブランディング型・長期投資
採用イベント・スカウト20-80万/人中コスト・ターゲ絞れる

中小企業退職金共済(中退共)

中小企業向けの退職金積立制度。月5,000〜30,000円/人の掛金で40年勤続なら退職金2,400万円受取(月30,000円積立時)。掛金は全額損金算入で節税効果も高く、中小企業の8割以上が加入。独立行政法人 勤労者退職金共済機構が運営。

よくある間違い・注意点

  • 「年収=会社負担」と誤解 — 年収500万の社員には会社は約750万を支払っています。社員視点の「税引き後手取り」と会社視点の「実支出」のギャップが労使不和の主因。
  • 賞与を月給に含めて計算 — 賞与は社会保険料・退職金引当・所得税計算で別枠。基本給と賞与を分けて管理しないと社労士・税理士とのコミュニケーションで誤解が生じます。
  • 採用費を初年度に一括計上せず均等分割 — 中途採用の紹介料150万は初年度PLで一括計上が原則。均等分割すると初年度の採用ROIが甘く見え、乱発の原因に。
  • 退職金引当を計上しない — 大手・中堅は退職給付会計基準で必ず引当計上が必要。中小でも将来キャッシュアウトに備え内部留保しないと退職時に資金繰り悪化。
  • 業務委託契約の実態が偽装請負 — 指揮命令・時間拘束・場所指定があると業務委託でも「実質雇用」と判定され、労基法・社会保険法の適用対象に。中小の税務調査で頻発する指摘。
  • 役員報酬の変更を期中に行う — 役員報酬は事業年度開始から3ヶ月以内の改定のみ損金算入。期中の増額は損金不算入で法人税増、期中減額は業績連動証明が必要と厳格。
  • 中退共・確定拠出年金の未加入 — 節税・人材定着効果の高い制度を導入しないのは機会損失。中退共は掛金全額損金、DCは従業員拠出分が所得控除対象で福利厚生投資として高ROI。

参考文献・公的資料

雇用コスト・社会保険料・労働法規に関する正確な情報は、以下の公的機関の一次資料を必ず参照してください。

※本ページの計算結果および社会保険料率・雇用コスト倍率はあくまで概算値・目安であり、実際の雇用管理・給与計算・社会保険手続き・税務申告にあたっては、必ず社会保険労務士・税理士・弁護士等の専門家、および所轄年金事務所・労働基準監督署・税務署の確認をあわせてご利用ください。社会保険料率・雇用保険料率は毎年改定されるため、最新の厚生労働省・全国健康保険協会・日本年金機構の公示値を優先してください。役員報酬・退職金・ストックオプション等の設計は、税務・会計・法務の総合判断が必要で、事案性が高いため個別相談を推奨します。

よくある質問(FAQ)

なぜ給与の1.5倍が真の雇用コスト?

基本給に加えて賞与2〜5ヶ月・社会保険料の会社負担15〜17%・退職金引当5〜10%・福利厚生5〜20%が積み重なるためです。年収500万の社員を雇うには会社は約750万の実支出が必要。社員視点の「税引き後手取り」と会社視点の「実支出」の認識ギャップが労使不和の主因となるため、経営者・人事は必ず総額で管理してください。

業務委託の方が安いのは本当?

はい。業務委託(フリーランス)は社保負担なし・賞与なし・退職金なしで年収の1.0〜1.2倍のコストで済みます。年収500万相当なら会社支出は550〜600万で、正社員750万と比較して年150〜200万の差。ただし指揮命令・場所拘束があると「偽装請負」と判定され、社保・労基法の遡及適用リスクがあるので契約書設計は慎重に。

中途採用の人材紹介手数料は?

年収の30-35%が業界標準。年収500万なら150-175万の紹介手数料が発生します。1年以内退職で半額返金規定を設ける代理店が多数。リファラル採用(社員紹介)なら手数料ゼロで、報奨金10-30万円が一般的。コスト比では1/5以下で済むため、リファラル制度の整備は経営インパクト大です。

退職金の相場は?

大手で月給の3-5ヶ月分×勤続年数、中小は1-2ヶ月分×勤続年数が相場。中小企業退職金共済(中退共)は月5,000〜30,000円/人の掛金で、40年勤続なら退職金2,400万円(月30,000円積立時)を受け取れます。退職金規定は法令上任意のため、就業規則で有無・支給基準を確認してください。

採用 vs 外注の判断基準は?

1. 業務量が継続的でフルタイム必要なら採用、2. プロジェクト型・専門性高い業務は外注、3. 「コア業務はインハウス、ノンコアは外注」が原則、4. 教育コスト・離職率・機会費用まで加味、5. 1人採用する前に外注で試すのが賢明。年額200-300万の外注で成果検証してから正社員化すればリスクが激減します。

スタートアップのランウェイ計算方法は?

調達額 ÷ 月次バーンレート=ランウェイ月数。エンジニア5名(年収600万)+オフィス200万/月+その他50万/月=月次バーン約575万。1億円調達なら約17ヶ月ランウェイ。ランウェイ12ヶ月切ったら次ラウンド調達か削減開始が業界セオリー。CAGRでMRR成長も併せて追跡してください。

役員報酬と社員給与の違いは?

役員報酬は定期同額給与規制があり、期中の増額は損金不算入で法人税増につながります。決算後3ヶ月以内の改定のみ税務上OK。逆に社員給与は昇給・賞与を柔軟に設計可能。役員報酬は税務・社会保険料・厚生年金の観点で最適水準を税理士と設計するのが定石です。

2024年の社会保険料率の最新は?

健康保険料5.0%(協会けんぽ東京・労使折半)・厚生年金9.15%・介護保険0.9%(40歳以上)・子ども子育て拠出金0.36%・雇用保険0.95%・労災0.3-1.0%(業種別)で、合計会社負担は15-17%(40歳未満)/16-18%(40歳以上)です。詳細は厚生労働省協会けんぽの公示値を参照。

離職コストはいくら?

正社員1名の離職で年収の6ヶ月〜1年分のコスト損失が発生。内訳は①採用費(150万)、②教育投資回収不能(100万)、③空席期間の機会損失(100万)、④残業増・チーム負荷(50-100万)で、年収500万の社員なら300-500万の総損失。離職防止投資(1on1・研修・給与見直し)は年10-30万/人でROIが極めて高い。

SIerの人月単価はどう決まる?

人月単価=(年間雇用コスト ÷ 稼働月数11)÷(1 − 目標粗利率)で計算。年収500万エンジニア(雇用コスト750万)で粗利30%目標なら月97万/人月、粗利50%目標なら136万/人月が正当化されます。SIer相場80〜150万/人月はこの構造から導出されます。詳細は人月単価計算で。

雇用調整助成金・キャリアアップ助成金の活用は?

景気変動時の雇用維持(雇用調整助成金)・正社員化(キャリアアップ助成金)・障害者雇用(特定求職者雇用開発助成金)等、厚労省の助成金は上手く活用すれば年数百万の給付を受けられます。社労士に相談し、就業規則整備と受給要件チェックを同時に進めるのが効率的です。

リモートワークで雇用コストは下がる?

オフィス関連(賃料・光熱・交通費)は削減可能で年1人当たり50-100万削減事例あり。ただしIT環境整備(PC・回線・セキュリティ)で年30-50万は追加。総合的には年20-50万の削減が現実的。採用地域を全国化できるため、地方採用でさらに人件費20-30%削減可能というメリットも大きい。