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離職人事

離職コスト 計算ツール

社員1人離職時の損失を試算。採用費用・教育・引継ぎ・生産性低下。

離職コスト 計算機

計算式と前提

1人あたり損失 = 採用費 + 教育費(年収×50%)+ 引継ぎ・生産性ロス(年収×30%)

採用費 = 求人広告50万円/人材紹介は理論年収×35%/社員紹介20万円

離職コスト = 1人あたり損失 × 離職者人数

既定値の年収500万円・3人・求人広告なら、採用費50万円、教育費250万円、引継ぎ・生産性ロス150万円で1人あたり450万円、年収比90%となり、3人で1,350万円と表示されます。教育費の50%は後任が戦力化するまでの半年分の人件費、30%は引継ぎ工数と欠員期間の生産性低下を合わせた係数です。

採用方法・年収別の早見表

年収500万円・離職者3人で、採用方法だけを変えたときの計算機の出力です。

採用方法採用費1人あたり損失年収比3人合計
社員紹介(20万円)200,000円4,200,000円84%12,600,000円
求人広告(50万円)500,000円4,500,000円90%13,500,000円
人材紹介(理論年収の35%)1,750,000円5,750,000円115%17,250,000円

教育費250万円と引継ぎ・生産性ロス150万円は採用方法によらず同じです。採用方法の違いが動かすのは全体の3割ほどで、残りは年収そのもので決まります。

年収別の1人あたり損失(求人広告50万円・1人)

離職者の年収教育費引継ぎ・生産性ロス1人あたり損失年収比
300万円1,500,000円900,000円2,900,000円97%
400万円2,000,000円1,200,000円3,700,000円93%
500万円2,500,000円1,500,000円4,500,000円90%
700万円3,500,000円2,100,000円6,100,000円87%
1,000万円5,000,000円3,000,000円8,500,000円85%

採用費が定額のため、年収が上がるほど年収比は下がります。人材紹介を使う場合は採用費も年収に比例するので、年収比はどの年収帯でも115%で一定になります。

離職1人の損失が年収1倍前後になる理由

離職の損失は、後任を採る費用、後任が戦力になるまでの費用、辞める側と周囲で失われる生産性という3つに分かれます。この計算機は2つ目を年収の50%、3つ目を30%と置いています。合計が年収の8割から1.15倍になるのは、後任が同じ成果を出すまでに3〜6か月かかり、その間も給与と社会保険料が満額発生するためです。採用費だけを見ると損失を大きく見誤ります。

教育費の50%は、半年分の人件費を丸ごと立ち上がり費用とみなす置き方です。初月からある程度は働けるので過大に見えますが、この係数には受け入れ側の負担も含みます。既存社員が引継ぎや同行、質問対応に月20時間を3か月割けば60時間で、その社員の時給が4,000円なら24万円が消えます。3つ目の30%は、退職を決めてから最終出社までの1〜2か月の稼働低下、欠員期間の残業増、顧客や取引先の担当変更に伴う調整の合計です。1人抜けた穴を残りが埋めるため、表面上は業務が回り損失が見えません。

実務で判断が分かれるのは、この金額を現金支出として扱うか機会損失として扱うかです。採用費と外部委託費は実際に出ていく現金ですが、教育費と生産性ロスは既に払っている給与の中身が変わるだけで、追加の支出は生じません。むしろ欠員期間は人件費が浮きます。経営会議に数字を出すなら、現金支出と機会損失を分けて示さないと、対策の予算規模を誤ります。一方で採用が長引き外注や派遣で穴を埋めるなら、その分は明確な現金支出として上乗せすべきです。

見落とされやすい項目もあります。退職金、未消化の年次有給休暇に伴う非稼働期間、社会保険や雇用保険の資格喪失にかかる事務工数は、この計算機に入っていません。面接工数も見えにくく、面接官2人が1時間、1人の採用に対して10人と面接すれば20時間分の人件費が動きます。人材紹介には早期離職時の返金規定があるのが通例ですが、返金割合は在籍月数で段階的に下がるため、期待どおりに戻らない場合があります。1人の離職が周囲の離職確率を押し上げる連鎖も、単純な足し算では表せません。

条件による違いも大きく、定型的な業務なら立ち上がりは1〜2か月で済み、50%という教育費係数は明らかに過大です。逆に専門職や法人営業は担当先との関係構築に半年から1年、管理職はさらに長くかかり、係数を引き上げるほうが実態に近くなります。人員に余裕のない組織ほど、代替要員がいないぶん生産性ロスが大きく出ます。この計算機は職種や階層を反映せず係数が固定です。桁を把握して予算感を持つ道具として使い、投資対効果を精緻に議論する段階では自社の実績で係数を置き換えてください。

よくある間違い・注意点

  • 採用費だけを離職コストと呼ぶ — 既定値では採用費50万円に対し1人あたり損失は450万円です。採用費は全体の1割程度にすぎません。
  • 全額を現金支出として説明する — 教育費と生産性ロスは既存の人件費の内訳が変わるものです。予算要求に使うなら、現金支出と機会損失を分けて示してください。
  • 職種を問わず同じ係数で語る — 定型業務は立ち上がりが1〜2か月、管理職や専門職は1年前後かかります。同じ年収でも実損は倍以上ひらきます。
  • 面接工数を数えない — 面接官の時給×人数×時間は、応募者が多いほど積み上がります。採用単価を語るなら内定承諾1人あたりに割り戻してください。
  • 紹介手数料の返金を当てにする — 早期離職の返金は在籍月数に応じて段階的に下がるのが通例です。契約書の返還規定を採用前に確認してください。

参考資料

よくある質問(FAQ)

教育費が年収の50%なのはなぜですか

後任が前任者と同等の成果を出すまでにおおむね半年かかるという前提で、その期間の人件費を立ち上がり費用とみなしています。受け入れ側が引継ぎや質問対応に割く時間もこの係数に含めています。

引継ぎ・生産性ロスの30%には何が入っていますか

退職を決めてから最終出社までの稼働低下、欠員期間の残業増、担当先の変更に伴う調整の合計です。個別に積み上げていない概算係数のため、業務の属人性が高い職場では過小になります。

表示された金額は実際に出ていく現金ですか

採用費は現金支出ですが、教育費と生産性ロスは既に払っている人件費の内訳が変わるものです。欠員期間はむしろ人件費が浮きます。予算要求に使う場合は分けて説明してください。

人材紹介の35%は何に対する割合ですか

採用した人の理論年収に対する割合です。この計算機では入力した年収に35%を掛けています。実際の契約では月給に賞与見込みを加えた金額を基準とすることが多く、手数料率も業種や職種で幅があります。

職種によって係数を変えるべきですか

変えたほうが実態に近づきます。定型業務は教育費を年収の10〜20%程度、専門職や管理職は50〜100%程度に置くと現場感に合います。この計算機は係数が固定のため、出力を読み替えて使ってください。

早期離職なら紹介手数料は返ってきますか

返金規定を設けているのが通例ですが、在籍月数に応じて返還割合が段階的に下がります。自己都合か会社都合かで扱いが変わる契約もあるため、条件は契約書でご確認ください。

離職率が何%なら問題といえますか

一律の基準はありません。産業や規模で平均が大きく異なるため、公的統計の同業・同規模の数値と比べるのが実務的です。全体の率より、入社3年以内や特定部署に偏っていないかを見るほうが対策につながります。

※本ツールの計算結果は概算です。税務・医療・法律にかかわる判断は、税理士・医師・弁護士など専門家にご相談ください。