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CAGR 計算|年平均成長率・72の法則・業界別/主要指数リターン30区分

開始値・終了値・年数を入れるだけでCAGR(Compound Annual Growth Rate=年平均成長率)を瞬時計算します。事業売上・ARR・顧客数の成長分析、株価・投資ファンドのリターン評価、業界平均・S&P500・日経平均との比較、IPO予実評価、市場規模予測、DCF法の永久成長率設定まで、複利的な成長を扱うすべての経営・投資場面で必須の指標を可視化。単純成長率との違い・72の法則(2倍になる年数)・Rule of 40(SaaSの健全性指標)・業界別/主要指数の30区分ベンチマークとあわせて、投資判断・事業計画・株主総会説明・M&A評価の意思決定を5秒で支援する完全無料ツールです。

最終更新:2026年7月26日/監修:計算ツールズ編集部

CAGR 計算ツール

期初の売上・株価・市場規模など。

計算式と単純成長率との違い

CAGR =(終了値 ÷ 開始値)^(1 ÷ 年数)− 1

例:開始100→終了200・5年 →(2)^(1/5)− 1 = 1.1487 − 1 = 14.87% CAGR。複利的に均した平均成長率。単純成長率100%を5年で割った20%(算術平均)とは異なります。

単純成長率 vs CAGR

期間単純成長率(累計)年平均(算術)CAGR(幾何)
100→150(3年)50%16.7%14.5%
100→200(5年)100%20.0%14.9%
100→300(10年)200%20.0%11.6%
100→500(10年)400%40.0%17.5%
100→1000(10年)900%90.0%25.9%
100→50(5年)-50%-10.0%-12.9%

投資・事業評価では必ずCAGR(幾何平均)で年率換算することが世界共通のルールです。算術平均は分散が大きいデータで実態を歪めます(例:+50%と-50%を交互に繰り返すと算術平均0%だが実際は-13.4%)。

業界別CAGR相場(14業界)

業種・成長ステージ別のCAGR目安を、経済産業省・帝国データバンク・Statista・IDC等の公開データからまとめました。あくまで市場全体・平均値であり、個社のCAGRは大きくばらつきます。

業界・指標典型的なCAGR備考
SaaS(シード〜シリーズA)100-300%/年ARR 1M〜10M USD
SaaS(シリーズB〜C)50-100%ARR 10M〜50M USD
SaaS(成熟・上場後)15-30%ARR 100M USD超
EC(メルカリ・楽天等)20-40%ARR成長期
DX関連コンサル15-30%2020年以降加速
製造業(東証プライム平均)3-7%売上高ベース
小売業(GMS・SM)1-4%成熟市場
不動産・建設2-5%景気連動
金融(銀行)1-3%マイナス金利下
EV市場(2020-2030予測)22%IEA/BloombergNEF
生成AI関連(2023-2030)36%Grand View Research
サイバーセキュリティ12-15%Gartner予測
クラウドインフラ17-20%IDC 2024
日本GDP(過去20年)0.5-1.5%名目・実質とも低成長

主要指数の長期年率リターン

「投資して長期保有すると平均何%増えるか」の目安。CAGR算定の代表的な比較基準です。

指数・資産クラス期間年率CAGR
S&P 500(配当込み)過去30年10.7%
S&P 500(配当込み)過去100年10.0%
NASDAQ 100過去20年13.5%
日経平均(配当込み)過去30年5.2%
日経平均(配当込み)過去10年8.9%
TOPIX(配当込み)過去30年3.8%
MSCI World(世界株)過去30年7.5%
MSCI Emerging Markets過去30年7.2%
米国国債10年過去30年4.5%
米国投資適格社債過去30年5.8%
米国REIT(不動産)過去30年9.5%
金(ゴールド・USD)過去30年5.9%
米国インフレ率(CPI)過去30年2.6%
日本インフレ率(CPI)過去30年0.5%
世界人口過去50年0.9%

72の法則とダブリングタイム

2倍になる年数 ≒ 72 ÷ CAGR(%)

複利計算の近似則で、細かい対数計算をせずとも「何年で2倍になるか」を暗算できる経営者・投資家必須の経験則です。ドイツの数学者ヤコブ・ベルヌーイの複利研究がルーツで、CAGR 6〜10%程度の範囲で誤差1〜2%以内の高精度近似となります。

CAGR2倍になる年数10年後の倍率20年後の倍率
1%72年1.10倍1.22倍
3%24年1.34倍1.81倍
5%14.4年1.63倍2.65倍
7%10.3年1.97倍3.87倍
10%7.2年2.59倍6.73倍
15%4.8年4.05倍16.4倍
20%3.6年6.19倍38.3倍
30%2.4年13.8倍190倍
50%1.7年57.7倍3,325倍
100%1年1,024倍104.9万倍

SaaSのRule of 40と目標CAGR

SaaS企業の健全性を測るVCベースの共通指標です。「成長率 + 利益率(FCFマージン or EBITDAマージン)= 40%以上」を満たすことが上場・グロース株評価の目安。

ステージARR規模成長率CAGR利益率Rule of 40 例
シード〜シリーズAARR 1M USD以下200-500%-80〜-200%成長優先で利益率考慮外
シリーズA〜BARR 1M〜10M USD100-200%-50〜-100%成長優先
シリーズB〜CARR 10M〜30M USD50-100%-30〜-10%Rule of 40 意識開始
シリーズC〜IPO前ARR 30M〜100M USD30-60%-10〜+15%Rule of 40 達成必須
上場後・成熟ARR 100M USD超15-30%+15〜+30%Rule of 40 継続

Salesforce(時価総額約2000億USD)は成長率10-12%+利益率20-25%でRule of 40達成、Snowflakeは成長率30%+利益率-5%で35と若干下回るなど、企業別評価にも活用されます。

シーン別の使い方

事業計画の売上目標設定

3年前の売上と目標売上からCAGRを逆算し、市場成長率と比較。「業界CAGR 5%なのに社内目標15%は過大か」を客観判断できます。

投資リターンの複数商品比較

投信・ETF・個別株の年率換算リターンを揃えて比較。「5年で30%上昇のA」と「3年で20%上昇のB」はCAGR 5.4% vs 6.3%でBが優位、と即判定。

市場規模予測の妥当性検証

調査会社レポートの「XX年市場規模Y兆円」の背後にあるCAGRを開始値・終了値から逆算し、業界平均と比較して妥当性を判定します。

IPO/M&A評価のバリュエーション

DCF(割引キャッシュフロー)法の永久成長率設定、比較企業のPER・PSRの正当化にCAGRを使用。ROI計算と併用推奨。

採用KPI・顧客数の成長分析

採用数・アクティブユーザー数・顧客数のCAGRを算定し、事業計画とのギャップを可視化。ボードミーティングの必須指標です。

資産形成の目標逆算

「20年後に資産3,000万→CAGR何%必要か」を逆算。現在500万なら6,000万÷500万 =12倍で20年→CAGR 13.1%必要と即算出。複利計算で詳細検証。

DCF・IPO評価での実務

DCF(Discounted Cash Flow)法では、企業価値=将来キャッシュフローの現在価値の合計で算定します。CAGRは以下の場面で必須です。

  • 予測期間(5〜10年)の売上・FCF成長率:業界CAGR+α(マーケットシェア拡大分)で設定。
  • 永久成長率(Terminal Growth Rate):長期GDP成長率並みの1〜3%が実務上限。過大設定は評価バリューを膨張させる典型的な誤り。
  • 比較企業のバリュエーション補正:PSR・EV/Sales・EV/EBITDAの倍率妥当性判定にCAGRを使用。
  • IPO時の目論見書:過去3〜5年のCAGR記載が実務標準。監査法人・引受証券会社のレビュー対象。

詳細はコーポレートファイナンス標準テキスト(マッキンゼー『企業価値評価』・アスワス・ダモダラン『バリュエーション』)や、金融庁のIPO・開示ガイドラインを参照してください。

よくある間違い・注意点

  • 算術平均をCAGRと呼ぶ — 単純平均(総成長率÷年数)は「算術平均成長率」であり、CAGR(幾何平均)とは別物。投資業界では必ず幾何平均で年率換算が国際共通ルールです。
  • 短期CAGRで長期を予測 — 3年のCAGRを10年伸ばして予測するのは危険。市場飽和・競合参入・景気循環・規制変更でCAGRは急変します。特に急成長スタートアップは3年で50%→10年で15%に鈍化するのが典型パターン。
  • マイナス値でのCAGR計算 — 開始値・終了値のいずれかがマイナスだとCAGRは数学的に定義困難(複素数解になる)。営業利益・EBITDA等のマイナスを含む値では別指標を使用してください。
  • 基準期の恣意的選択 — 「リーマン後の底値からのCAGR」等、都合の良い年を基準にすると成長率は膨らみます。5年・10年・20年など複数期間で比較するのが公正です。
  • インフレ調整の忘却 — 名目CAGRとインフレ率の差=実質CAGR。過去30年のインフレ率が年2%なら、名目10%のCAGRは実質8%。長期投資評価では必ず実質ベースで比較してください。
  • 複利前提のはずが変動を無視 — CAGRは「毎年一定率で成長した仮想値」であり、途中の分散(ドローダウン・ボラティリティ)を反映しません。同じCAGR 10%でも、標準偏差5%と30%では投資判断が真逆。
  • 売上と利益のCAGRを混同 — 売上CAGR 20%・利益CAGR 5%なら「成長投資フェーズ」、逆なら「収穫フェーズ」。両者を分けて追うことが経営判断の鉄則です。

参考文献・公的資料

CAGR・成長率・投資リターンの正確なデータや実務ガイドは、以下の公的機関・業界団体の一次資料を参照してください。

※本ページのCAGR計算結果および業界別・指数別のリターン数値は概算値・目安であり、投資判断・事業計画・M&A評価・IR資料への転用にあたっては、必ず監査法人・証券会社・投資顧問・M&Aアドバイザー等の専門家確認をあわせてご利用ください。過去のCAGRは将来のリターンを保証するものではなく、市場環境・規制・技術変化により大きく変動します。投資は自己責任・元本保証なしが原則で、金融商品取引法に基づく登録業者・金融商品取引業者への相談を推奨します。

よくある質問(FAQ)

CAGRと単純成長率の違いは?

単純成長率は(終値-始値)/始値×100で表す累計値です。CAGRは毎年の複利平均成長率で、幾何平均で算定します。例えば100→200を5年で達成した場合、単純成長率は100%ですが、CAGRは14.87%(毎年14.87%ずつ複利成長した結果として2倍)。投資・事業評価では期間の違いを吸収するため、必ずCAGRで年率換算します。

72の法則との関係は?

72 ÷ CAGR = 2倍になる年数」の経験則です。CAGR 10%なら7.2年で2倍、5%なら14.4年で2倍。事業計画で「目標CAGRを達成できるか」の判断軸、投資商品の複利効果の直感的把握に活用されます。CAGR 6〜10%の範囲で誤差1〜2%以内の高精度近似で、細かい対数計算なしに暗算可能なため経営者・投資家に必須の指標。

マイナス成長のCAGRは計算できる?

開始値・終了値のいずれもプラスであれば計算可能です。例:100→80の5年でCAGR = (80/100)^(1/5) - 1 = -4.36%。持続的なマイナスCAGRは事業終焉のサインで、新規事業・事業構造転換・撤退判断が必要になります。ただし、開始値または終了値がマイナスの場合(営業赤字等)、数学的に定義困難なので別指標を使用してください。

SaaSビジネスの目標CAGRは?

成長ステージ別の目安:シード〜シリーズA(ARR 1M USD以下)は年200-500%、シリーズB(10-30M USD)は年50-100%、上場後(100M USD超)は年15-30%です。Rule of 40(成長率+利益率=40%以上)が上場SaaSの健全性指標として広く使われ、Salesforce・Snowflake・ServiceNow等の評価基準になっています。

過去CAGRから将来を予測する際の注意点は?

過去成長率は将来を保証しません。市場飽和・競合参入・規制変更・技術破壊でCAGRは急変します。特に急成長スタートアップは3年CAGR 50%が10年で15%に鈍化する典型パターンあり。投資判断には市場規模・競争環境・成長ドライバー・S字カーブの位置を併せて分析することが不可欠です。

S&P500の長期CAGRは何%?

配当込みで過去100年間の平均は約10%、過去30年は10.7%です。株式投資の長期リターン基準として世界的に参照される数値で、これを上回るファンド・銘柄はアウトパフォーム、下回るとインデックス投資に劣ると判定されます。ただし途中のドローダウン(2000年ITバブル-50%、2008年リーマン-56%)を経ての結果である点は忘れずに。

日経平均のCAGRは?

配当込みで過去10年(2015-2025)は8.9%、過去30年(1995-2025)は5.2%です。1989年バブル高値からの30年CAGRは0%近くと長期低迷でしたが、2013年以降のアベノミクス・NISA拡大・自社株買い増加でリターンは大きく改善。米国株には及びませんが、直近10年は世界株平均並みの成績です。

実質CAGRと名目CAGRの違いは?

名目CAGRは表面上の成長率、実質CAGRはインフレ率を差し引いた実質購買力の成長率です。実質CAGR ≒ 名目CAGR − インフレ率CAGRで、長期投資評価では実質ベースで比較するのが正確。米国CPI過去30年年率2.6%、日本CPI過去30年年率0.5%を控除して国際比較すべきです。

CAGRとIRRの違いは?

CAGRは開始値・終了値の2点間のみで算定、IRR(Internal Rate of Return)は途中のキャッシュフロー流入・流出も加味した年率リターンです。不動産投資・事業投資・PE投資では途中CFがあるためIRRが標準、単純な株価・資産評価はCAGRを使うのが実務。詳細はROI計算のIRR近似式を参照。

DCF法の永久成長率設定の目安は?

実務上の上限は1〜3%(長期GDP成長率並み)。日本市場評価では0.5〜1.5%、米国市場評価では2〜3%が標準。過大設定はTerminal Value(残存価値)を膨張させ、評価バリューを非現実的に押し上げる典型的な誤りとなり、監査法人・M&Aアドバイザーが最も慎重にレビューする箇所です。

CAGRだけで投資判断してもよい?

不十分です。CAGRは平均値なので、途中のボラティリティ(変動幅・ドローダウン)を反映しません。同じCAGR 10%でも標準偏差5%と30%では投資判断が真逆になります。シャープレシオ(超過リターン÷標準偏差)や最大ドローダウン、ソルティノレシオ等の複合指標で総合評価するのがプロの投資判断です。

CAGRの計算をExcel/Googleスプレッドシートで行うには?

Excel/Sheetsでは=(終値/始値)^(1/年数)-1で計算可能。または専用関数=RATE(年数,0,-始値,終値)=RRI(年数,始値,終値)(Excel 2013以降)が使えます。年数を「小数」(例:3.5年)で入れれば端数期間にも対応。四半期データなら年数=四半期数/4に換算してください。