物質密度比較計算機|120物質のg/cm³早見・1L重量・浮力チェック
物質密度をg/cm³で比較する無料電卓。空気・水・氷・アルミ・鉄・銅・鉛・金・オスミウム・水銀など120物質の密度プリセットと1L重量、浮力チェック(水に浮くか沈むか)、SI単位換算に対応。建築構造計算・輸送重量・宇宙工学・化学プラント・宝飾鑑定の現場で使う密度データを、JIS/計量法・NIST・IUPAC等の公的資料に照らして解説します。
物質密度ツール
計算式と単位系
基本式
密度 ρ = 質量 m ÷ 体積 V (g/cm³)
1 g/cm³ = 1000 kg/m³ = 1 g/mL = 1 kg/L
密度は単位体積あたりの質量で、g/cm³ または kg/m³ の単位を持つ物性値です。水の密度が1.000 g/cm³(4℃)であることを利用して、実用計算では「1L=1kg」の近似が広く使われますが、金・鉛・水銀のような重金属では大きくズレます(金1Lは19.32kg、水銀1Lは13.55kg)。
1L重量の求め方
1L=1000cm³ なので、密度(g/cm³)×1000で「1Lあたりのグラム数」、÷1000で「1Lあたりのキログラム数」が得られます。つまり密度(g/cm³)の数値がそのまま1L重量(kg)になります。金19.32 g/cm³なら1L=19.32kg、鉛11.34 g/cm³なら1L=11.34kg、というシンプルな関係です。
比重(無次元)との関係
比重は「基準物質(通常4℃水=1.0000 g/cm³)に対する密度の比」で無次元量です。基準を4℃水にとれば、密度(g/cm³)の数値と比重の数値は完全に一致します。学術・工業規格では基準物質を明示することが必須です。より詳細は比重・密度計算ツールを参照。
密度と比重の違い
| 項目 | 密度 (Density) | 比重 (Specific Gravity) |
|---|---|---|
| 定義 | 単位体積あたりの質量 | 基準物質に対する密度の比 |
| 単位 | g/cm³、kg/m³ | 無次元 |
| 基準物質 | なし | 通常は水4℃または20℃ |
| 温度依存 | 絶対値そのもの | 基準温度で数値が変わる |
| 使用場面 | SI単位系・国際標準・輸送 | 比重計・現場測定 |
実務では「1Lあたりのkg」を暗算するときに密度が便利、「同種の物質どうしを比べたい」ときに比重が便利、という使い分けが一般的です。
身近な物質の密度早見表
身の回りの素材と密度をまとめました。産業技術総合研究所(AIST)計量標準総合センターおよび日本化学会「化学便覧」に基づく代表値です。
| 物質 | 密度 g/cm³ | 1L重量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 空気(20℃1気圧) | 0.00120 | 1.20g | 大気の基準 |
| コルク | 0.24 | 0.24kg | ワイン栓・断熱 |
| 杉(スギ) | 0.38 | 0.38kg | 建築構造材 |
| 檜(ヒノキ) | 0.44 | 0.44kg | 建築仕上げ |
| 松(マツ) | 0.53 | 0.53kg | 家具・建築 |
| ナラ(オーク) | 0.68 | 0.68kg | 家具・洋樽 |
| 氷(0℃) | 0.917 | 0.917kg | 水に浮く |
| ポリエチレン | 0.94 | 0.94kg | レジ袋・容器 |
| 水(4℃) | 1.000 | 1.000kg | 密度の基準点 |
| 水(20℃) | 0.998 | 0.998kg | 工学基準 |
| 海水 | 1.025 | 1.025kg | 塩分3.5% |
| 牛乳 | 1.03 | 1.03kg | 脂肪分3.5% |
| ポリスチレン | 1.05 | 1.05kg | 発泡箱・断熱材 |
| 黒檀(コクタン) | 1.25 | 1.25kg | 水に沈む木 |
| 塩化ビニル(PVC) | 1.38 | 1.38kg | 配管・電線被覆 |
| コンクリート | 2.30 | 2.30kg | 建築構造 |
| ガラス(ソーダ) | 2.50 | 2.50kg | 窓・食器 |
| 大理石 | 2.70 | 2.70kg | 建材・彫刻 |
| ダイヤモンド | 3.52 | 3.52kg | 宝石・工具 |
金属・合金の密度早見表
板金・切削・鉄骨工事の重量計算に頻用する金属・合金の密度です。JIS G 3192「熱間圧延形鋼」やJIS H 4000「アルミニウム板」等の規格値に基づきます。
| 金属・合金 | 密度 g/cm³ | 1L重量 | 主要用途 |
|---|---|---|---|
| マグネシウム(Mg) | 1.74 | 1.74kg | ノートPC筐体 |
| アルミニウム(純Al) | 2.70 | 2.70kg | 建材・電線 |
| A5052(Al-Mg) | 2.68 | 2.68kg | 船舶・車両 |
| A7075(超々ジュラルミン) | 2.81 | 2.81kg | 航空機 |
| チタン(純Ti) | 4.51 | 4.51kg | 医療・化学プラント |
| Ti-6Al-4V | 4.43 | 4.43kg | 航空機構造材 |
| 亜鉛(Zn) | 7.13 | 7.13kg | めっき・電極 |
| クロム(Cr) | 7.19 | 7.19kg | ステンレス添加 |
| スズ(Sn) | 7.29 | 7.29kg | はんだ・食缶 |
| 鉄(炭素鋼) | 7.87 | 7.87kg | 建築構造・機械 |
| SUS304 | 7.93 | 7.93kg | 厨房・食品機械 |
| SUS316 | 7.98 | 7.98kg | 海水・化学プラント |
| 真鍮 C2801 | 8.40 | 8.40kg | 装飾・電気接点 |
| ニッケル(Ni) | 8.90 | 8.90kg | 合金添加 |
| 銅(Cu) | 8.94 | 8.94kg | 電気導体 |
| 銀(Ag) | 10.49 | 10.49kg | 装飾・電子接点 |
| 鉛(Pb) | 11.34 | 11.34kg | 放射線遮蔽・鉛蓄電池 |
| 水銀(Hg) | 13.55 | 13.55kg | 気圧計・血圧計 |
| ウラン(U) | 19.05 | 19.05kg | 核燃料 |
| タングステン(W) | 19.30 | 19.30kg | 切削工具・電球 |
| 金(Au) | 19.32 | 19.32kg | 装飾・電子接点 |
| 白金(Pt) | 21.45 | 21.45kg | 触媒・装飾 |
| イリジウム(Ir) | 22.56 | 22.56kg | 点火プラグ・電極 |
| オスミウム(Os) | 22.59 | 22.59kg | 最重量金属 |
板・丸棒・パイプの重量計算は金属比重表・材料重量計算で対応しています。
液体・気体の密度早見表
主な液体(20℃)
| 液体 | 密度 g/cm³ | 実務用途 |
|---|---|---|
| ガソリン | 0.75 | 1L=750g、車両燃料 |
| エタノール | 0.789 | アルコール・消毒液 |
| 灯油 | 0.80 | 暖房・ジェット燃料 |
| 軽油 | 0.83 | ディーゼル燃料 |
| オリーブ油 | 0.918 | 食用・化粧品 |
| グリセリン | 1.26 | 化粧品・食品添加物 |
| 塩酸36% | 1.18 | 洗浄剤 |
| はちみつ | 1.42 | 糖度80%相当 |
| 硫酸98% | 1.84 | バッテリー原料 |
主な気体(0℃1気圧)
| 気体 | 密度 kg/m³ | 空気比 |
|---|---|---|
| 水素(H₂) | 0.0899 | 0.070 |
| ヘリウム(He) | 0.1786 | 0.138 |
| メタン(CH₄) | 0.7168 | 0.554 |
| 窒素(N₂) | 1.2506 | 0.967 |
| 空気(乾燥) | 1.293 | 1.000 |
| 酸素(O₂) | 1.4290 | 1.105 |
| プロパン | 1.967 | 1.522 |
| 二酸化炭素 | 1.977 | 1.529 |
地球・月・惑星の平均密度
惑星の平均密度は組成推定の鍵。JAXAおよびNASAが公開する太陽系天体データの代表値です。
| 天体 | 平均密度 g/cm³ | 組成の推定 |
|---|---|---|
| 土星 | 0.687 | ガス主体、水より軽い |
| 木星 | 1.33 | ガス主体 |
| 天王星 | 1.27 | 氷・ガス |
| 海王星 | 1.64 | 氷・岩石 |
| 月 | 3.34 | ケイ酸塩岩石 |
| 火星 | 3.93 | 岩石 |
| 金星 | 5.24 | 岩石+鉄 |
| 地球 | 5.51 | 鉄ニッケルコア+岩石 |
| 水星 | 5.43 | 大型鉄コア |
土星は水(1.000)より密度が小さいため「水槽があれば浮く」と例えられます。地球の平均5.51は表層岩石の2.7〜3.0と鉄ニッケルコアの10前後の混合結果です。
業界での応用
建築・土木の構造計算
鉄骨(7.85)・コンクリート(2.30)・木材(0.38-0.68)の密度から自重を算定し、梁のたわみ・地盤支持力・基礎設計に反映。JIS A 1225(土の湿潤密度試験)、JIS A 1108(コンクリート供試体)などで基準化されています。
物流・輸送の重量計算
液体燃料、原材料、金属コイルの積載重量を密度から算出。ガソリン1L=750g、水1L=1000g、鉛1L=11.34kgの差は輸送コストに直結。危険物ローリー・鉄鋼メーカー・化学プラントの搬入計画で必須。
宝飾鑑定・貴金属取引
金19.32、白金21.45、銀10.49の密度差から偽物判定が可能。水中重量法(アルキメデス法)で0.1g精度の測定ができ、質屋・貴金属買取店の一次チェックに使用。K18(75%金)は密度15.5前後になります。
宇宙工学・天体研究
惑星の平均密度から内部構造(コア/マントル/大気)を推定。JAXA・NASAの探査ミッションで密度データを蓄積し、系外惑星の岩石・水・ガス組成推定にも応用。土星0.687、地球5.51など密度が組成の指紋になります。
化学プラント・薬液調製
原液密度から希釈mL量を逆算。硫酸1.84、水酸化ナトリウム40%液で1.43、次亜塩素酸ナトリウムで1.20など、SDS(安全データシート)の密度欄が調製の基本情報。労働安全衛生法・毒物劇物取締法対象品も多数。
食品・醸造品質管理
糖度Brix・アルコール度数・塩分濃度は密度と相関。ビール醸造ではOG(初期比重)-FG(終了比重)からアルコール度数を推定、日本酒では日本酒度(密度の派生指標)が甘辛度の指標。密度計は醸造所必携。
よくある間違い・注意点
- 「1L=1kg」を全物質に適用 — 水近似の1L=1kgは水・海水・牛乳など水系液体でのみ有効。ガソリン1L=750g、金1L=19.32kg、水銀1L=13.55kg。石油ローリー・貴金属・水銀計器などで誤ると重大事故に直結します。
- 温度を無視して密度を比較 — 液体は温度で密度が変わります。水の密度は4℃で最大1.000、20℃で0.998、100℃で0.958。ガソリンは1℃上昇で約0.07%密度が下がります。石油業界は15℃補正が国際基準です。
- g/cm³とkg/m³の混同 — g/cm³×1000=kg/m³。水は1 g/cm³ = 1000 kg/m³。海外の設計図書ではkg/m³表記が標準のため、換算漏れは配管サイズや構造計算のミスに直結します。
- 圧縮性物質を非圧縮と扱う — 気体は圧力・温度で密度が桁単位で変わります(空気0℃1atm=1.293、15℃で1.225、500m深海水=1.028)。標準状態(STP/NTP)条件の明示が必要です。
- 合金・複合材料を単純密度で近似 — SUS304(7.93)とSUS316(7.98)は同じ「ステンレス」でも密度が異なり、板金重量に反映されます。純金属値ではなく合金グレード別の密度データを参照してください。
- 木材の含水率無視 — 木材密度は気乾状態(含水率15%)の値が一般的。生木や乾燥後(含水率8%)では10%以上の差が生じ、荷重計算・輸送重量で無視できません。
- 浮力チェックで平均密度を使う — 中空構造物(タンク・船体・気球)は平均密度が水より小さければ浮きますが、材質単独の密度で判断すると「鉄なのに浮く船」が理解できません。全体の見かけ密度で判断してください。
関連する規格・法令
- JIS Z 8807 ― 固体の密度及び比重の測定方法。アルキメデス法・ピクノメーター法など公式基準。
- JIS Z 8804 ― 液体比重測定方法。ピクノメーター・比重計・振動式密度計による液体密度測定。
- JIS G 3192 ― 熱間圧延形鋼の形状・寸法・単位質量、鉄骨計算の重量算定の根拠。
- JIS H 4000 ― アルミニウム及びアルミニウム合金の板・条、密度と単位質量の規格値。
- JIS K 2249-1 ― 原油及び石油製品-密度の求め方(標準温度15℃)。石油業界計量標準。
- 計量法(日本) ― 取引・証明用の計量器は検定合格品を使用(第16条)。密度計にも適用。
- NIST SP 811 ― 米国国立標準技術研究所のSI単位使用ガイド。密度・比重の国際単位表記標準。
- IUPAC Recommendations ― 国際純正・応用化学連合の物性データ標準。
参考文献・公的資料
- 産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ) ― 日本の国家計量標準機関。密度の一次標準を保有し、認証標準物質(CRM)を頒布。
- 経済産業省 計量法 ― 計量法・計量単位令等、取引・証明の計量ルール。
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS規格の公式索引。JIS Z 8807・8804・G 3192等を検索・閲覧。
- NIST Chemistry WebBook ― 米国国立標準技術研究所の流体物性データベース。温度・圧力別の密度検索が可能。
- IUPAC(国際純正・応用化学連合) ― 化学物質の物性値の国際基準。
- 日本化学会 ― 化学便覧・化学大辞典等、化学物性データの標準的な引用元。
- JAXA宇宙科学研究所 ― 太陽系天体の平均密度・組成の観測データ。
- NASA Planetary Fact Sheet ― 惑星・月の質量・体積・密度の公式データ。
- 気象庁 ― 空気密度・湿度に関する気象データ。
- 日本金属学会 ― 金属・合金の物性データと材料研究の学術基盤。
よくある質問(FAQ)
地球の平均密度は?
約5.51 g/cm³。表層岩石(2.7〜3.0)と鉄ニッケルコア(10前後)の混合結果です。太陽系の惑星では水星の5.43と並んで最大級の密度で、これが「地球型惑星」に鉄コアが存在することの決定的証拠になっています。NASAの惑星ファクトシートで公開されています。
一番重い金属は?
オスミウム(Os) 22.59 g/cm³。同族のイリジウム(22.56)とほぼ同値で、両者はしばしば混同されます。プラチナ族の希少金属で、点火プラグ・万年筆ペン先・精密機械軸受などに用いられます。金19.32・タングステン19.30より約16%重い、地球上で最も密度の高い元素です。
氷が水に浮くのはなぜ?
氷の密度は0.917 g/cm³で水(1.000)より小さいためです。水素結合による隙間の多い結晶構造が原因で、凍ると体積が約9%膨張します。この特異性のおかげで湖沼が表面のみ凍結し、水中生物が生存可能になっています。ほとんどの物質は固体のほうが液体より密度が高くなります。
土星が「水に浮く」は本当?
本当です。土星の平均密度は0.687 g/cm³で水(1.000)より小さく、仮に土星が入る巨大水槽があれば理論上は浮きます。土星はほぼ水素・ヘリウムのガス惑星で、太陽系で唯一水より軽い惑星です。JAXA・NASAの探査データで確認されています。
金と偽物を密度で見分ける方法は?
純金は19.32 g/cm³と特異的に大きく、水中重量法(アルキメデス法)で0.1g精度の測定が可能。空気中重量÷(空気中重量−水中重量)=密度で算出します。タングステン(19.30)と極めて近く、精巧な偽物には注意が必要。K18は約15.5、K24でも純度差により18.0-19.3の幅があります。
1L=1kgはいつ有効?
水・海水・牛乳・希薄水溶液など水系液体でのみ近似が有効。ガソリン1L=750g・金1L=19.32kg・水銀1L=13.55kgと大きく異なります。輸送業・化学工場・貴金属店では密度×体積で正確計算しないと事故・過積載・鑑定ミスの原因になります。
気体の密度は圧力・温度でどう変わる?
理想気体の状態方程式 ρ=PM/(RT) から、圧力に比例し温度に反比例します。空気は0℃1気圧で1.293 kg/m³、20℃で1.204、100℃で0.946。地上と山頂ではジェット機の揚力計算にも影響します。標準状態(0℃/1atm)か常温常圧(20℃/1atm)かの明示が必須です。
木材の密度は樹種で大きく違う?
はい。バルサ材0.10-0.20、桐0.29、杉0.38、檜0.44、松0.53、ナラ0.68、チーク0.66、黒檀1.20-1.30。黒檀は水に沈む唯一級の木材で、楽器・仏具・高級家具に使われます。木材は含水率15%の気乾密度が業界標準値です。
密度の国際単位は?
SI単位系ではキログラム毎立方メートル(kg/m³)が正式単位。実用計算ではg/cm³が広く使われ、1 g/cm³ = 1000 kg/m³の関係です。海外の設計図書ではkg/m³表記が標準のため、換算注意。NIST SP 811がSI単位使用の国際基準です。
体積を密度から重量に換算する方法は?
重量(kg) = 密度(g/cm³) × 体積(L)。金2Lなら19.32×2=38.64kg、ガソリン100Lなら0.75×100=75kg。密度(g/cm³)の数値がそのまま「1L重量kg」になる点が便利です。輸送・保管容量計算の基本式です。
プラスチックは水に浮く?沈む?
種類次第。ポリエチレン(0.92-0.97)・ポリプロピレン(0.90)は水に浮き、ポリスチレン(1.05)・PVC(1.38)・PET(1.38)は水に沈みます。リサイクル選別の一次分別で密度差を利用した「浮沈分離」が実用されており、海洋プラスチック問題でも参考にされる指標です。
密度は温度でどれくらい変わる?
液体は1℃で約0.02〜0.1%変化。水は4℃で最大密度、100℃で0.958と約4%減少。ガソリンは1℃で約0.07%減少。石油業界では15℃基準の体積補正(API MPMS Ch.11.1)が国際慣習で、大型ローリー1台で数万円の売買差が生じます。