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配管排水建築

排水勾配計算機|配管径別の必要勾配

排水勾配を配管径別に自動計算する無料電卓。建築基準法施行令および公益社団法人空気調和・衛生工学会(SHASE)のSHASE-S 206「給排水衛生設備規準」に基づく標準勾配(65mm以下=1/50・75mm=1/60・100mm=1/100・125mm=1/125・150mm=1/150)を採用。排水勾配は自浄作用(Self-cleansing action)を保つ最重要設計パラメータで、勾配不足は詰まり・悪臭・逆流・害虫発生の原因、勾配過大(1/25以上)は水だけ先に流れ汚物が残留する「後追い現象」の原因になります。標準勾配で流速0.6〜1.5m/sを確保し、下水道法・水質汚濁防止法・建築設備士試験の必須知識に対応。住宅・店舗・工場・雨水・浄化槽の各排水系統に応用可能な設計基準を網羅しています。

最終更新:2026年7月26日/監修:計算ツールズ編集部

排水勾配ツール

計算式と基準勾配

落差 (mm) = 配管長 (m) × 1,000 × 勾配 (%) ÷ 100
必要勾配は配管径により決定:
 65mm以下:1/50(2.0%)
 75mm:1/60(1.67%)
 100mm:1/100(1.0%)
 125mm:1/125(0.80%)
 150mm:1/150(0.67%)
 200mm以上:1/200(0.50%)

排水勾配は配管径で決まる必須勾配。配管径が大きくなるほど勾配は緩やかで良いのは、断面積の増加により流速が確保されるため。SHASE-S 206「給排水衛生設備規準」および下水道法施行令に基づく標準値です。屋内排水と屋外排水(宅内桝〜下水本管)で若干異なる場合があるため、地方自治体条例も参照が必要です。

配管径別の標準勾配一覧

配管径(mm)勾配(分数)勾配(%)10m時の落差用途
501/502.0%200mm洗面台・手洗器・器具排水
651/502.0%200mm台所・浴室器具排水
751/601.67%167mm台所・浴室・洗濯機排水管
1001/1001.0%100mm汚水横主管・トイレ排水
1251/1250.80%80mm集合住宅横主管
1501/1500.67%67mm大型建物本管
2001/2000.50%50mm公共下水道支管
2501/2500.40%40mm公共下水道主管
3001/3000.33%33mm大規模下水本管

出典:SHASE-S 206給排水衛生設備規準、建築基準法施行令、下水道法施行令

排水種類別の設計基準

排水種類推奨最小勾配特記事項
雑排水(風呂・キッチン・洗濯)1/50〜1/100油分・毛髪堆積注意
汚水(トイレ)1/100大便器は100mm以上必須
雨水排水(縦樋・横樋)1/100大雨対応は集水面積計算
浄化槽引き込み管1/100〜1/50浄化槽施工要領準拠
屋外埋設排水管配管径基準凍結深度以下埋設
グリストラップ排水1/50油分堆積対策で急勾配
雨水浸透桝接続1/100以上透水性維持

計算例と落差表

ケース1:75mm・10m配管

勾配1/60(1.67%)・落差167mm。台所〜屋外桝までの標準ケース。勾配確保に約17cmの高低差が必要。

ケース2:100mm・20m配管

勾配1/100(1.0%)・落差200mm。集合住宅の横主管ケース。屋根裏や天井裏を通す場合は落差を要考慮。

ケース3:150mm・50m配管

勾配1/150(0.67%)・落差333mm。大型建物の敷地内本管。深さ確保のため掘削工事が発生。

ケース4:屋外桝〜本管100mm・8m

勾配1/100・落差80mm。敷地内埋設管の宅内排水と公共桝の接続に。凍結深度以下(0.5m以深)に埋設必須。

よくあるトラブル

詰まり・逆流

勾配不足で自浄流速0.6m/s未満→油脂・毛髪堆積。再施工or清掃頻度アップで対応。

後追い現象(汚物残留)

勾配過大(1/25以上)で水が先に流れ汚物残留。標準勾配に修正が必要。特に長距離配管で発生。

下がり配管の水溜り

逆勾配や水平部分で水が溜まる。悪臭・害虫・凍結の原因。勾配再施工が唯一の対策。

屋外埋設管の破損

沈下・不同沈下で勾配狂い。凍結・水圧・車両通行の重量で破損。更生工法(内側管挿入)で改修可能。

雨水排水オーバーフロー

集水面積に対する配管径不足。ル・シャトリエの式で必要断面積算出し、配管サイズ増径を検討。

宅内桝と下水本管の高低差不足

宅内桝が浅すぎて下水本管接続時に勾配確保困難。ポンプアップ(強制排水)で対応するか本管深さ調整。

シーン別の使い方

戸建て新築設計

キッチン・浴室・トイレの排水経路と勾配確認。敷地の高低差・下水本管深さから逆算して床下配管ルート設計。

マンション設計

横主管(125-150mm)の勾配確保で天井裏スペース必須。長距離横引きは分岐・通気管の設置が重要。

店舗・飲食店

グリストラップ経由でグリーストラップ→桝→本管の排水経路。グリスの堆積で勾配が乱れるため定期清掃必須。

浄化槽設置

浄化槽までの引き込み管の勾配確認。浄化槽メーカーの施工要領(各社1/50〜1/100)に従う。

戸建てリノベーション

既存排水配管の勾配計測(水糸・レーザー水準器)→改修必要判断。床下配管の総入替は数十万円コスト。

雨水排水設計

屋根面積×降雨強度で流量算出→配管径・勾配決定。集中豪雨対応(100mm/h対応)は都市部で必要。

よくある勘違い

1. 勾配が急なほど良いと誤解

勾配1/25以上は「後追い現象」を起こす。水と汚物の流速差により汚物が残留し詰まりの原因。標準勾配を守るのが正解。

2. 配管径を小さくして節約

配管径を1サイズ下げてもコストは大差ないのに詰まりリスク急増。100mm(1/100)を75mm(1/60)にすると急勾配で落差取得できず、施工上のトラブル増加。

3. 排水横主管の途中で径を小さくする

下流側は必ず同径以上にする。小さくすると流量ボトルネックで逆流・オーバーフロー発生。JIS規格でも「縮流禁止」明記。

4. 屋外配管の凍結対策忘れ

寒冷地は凍結深度以下(0.5〜1.2m)への埋設必須。浅い埋設は冬期凍結で破裂・排水停止。地域の凍結深度は自治体条例で確認。

5. 通気管を設けない

長距離横引き排水には通気管必須(SHASE-S 206規定)。通気なしだとサイフォン現象で封水破壊→悪臭発生。通気管サイズは排水管の半分以上。

6. 屋内と屋外の勾配基準を混同

屋外埋設排水は自治体条例で基準が異なることがある。公共下水道への接続時は必ず自治体の指定業者・下水道台帳で確認。

7. 建築確認申請時の設計ミス

排水経路と勾配は建築確認申請の必須項目。建築設備士or給水装置工事主任技術者による設計が必要。DIYや素人設計は違法。

参考リンク・公的資料

本ツールはSHASE-S 206「給排水衛生設備規準」および建築基準法・下水道法に基づく標準的な排水勾配計算です。実際の設計・施工は自治体条例(下水道条例・排水設備基準)・浄化槽メーカー施工要領・寒冷地凍結対策・地盤条件などを総合考慮する必要があり、建築設備士・給水装置工事主任技術者・排水設備工事責任技術者・浄化槽設備士等の有資格者による設計・施工が法的に必要です。DIYや無資格者による排水配管工事は下水道法・建築基準法違反となる場合があります。実際の設計は必ず有資格者にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

勾配が小さすぎるとどうなる?

詰まりリスク大。流速0.6m/s未満で油脂・毛髪・固形物が堆積し、時間経過で完全閉塞。悪臭・逆流・害虫発生の原因。定期清掃だけでは根本解決せず、勾配再施工が必要。

勾配が大きすぎるとどうなる?

汚物残留のリスク。勾配1/25以上で水だけ先に流れ汚物が管底に残る「後追い現象」が発生。時間経過で詰まりに発展。標準勾配を守るのが正解。

屋外配管の規格は?

基本は屋内と同基準だが、下水道条例で自治体独自の追加基準あり。埋設深さ(凍結深度以下0.5-1.2m)・車両通行部の管種指定・宅内桝設置間隔15m以内などが規定される場合がある。

勾配の測り方は?

水糸・水準器・レーザーレベル・トランシット・光学水準器などで測定。10mスパンで100mm下がっていれば1/100(1%)。既設配管の勾配確認は水準器で管の上部を計測。

ポンプアップが必要な条件

宅内桝が下水本管より低い場合、または勾配確保できない場合は強制排水(汚水ポンプ)が必要。地下室・半地下住宅・低地の建物で多用。ポンプ選定は必要揚程・流量から。

通気管の必要性

長距離横引き排水(15m以上)や高低差の大きい配管には通気管必須(SHASE-S 206規定)。通気なしだとサイフォン現象で封水破壊、悪臭・害虫侵入・スムーズな排水阻害。

雨水排水の勾配

基本1/100以上。屋根雨水は集水面積×降雨強度(都市部100mm/h対応)で必要断面積算出→配管径決定→勾配1/100〜1/50確保。雨水浸透桝接続で敷地内浸透化も可能。

浄化槽の排水勾配

浄化槽メーカー施工要領(各社1/50〜1/100)に準拠。浄化槽までの引き込み管は勾配確保が重要で、逆勾配や水溜りは汚水逆流・悪臭・処理不良の原因。

グリストラップ排水の勾配

飲食店・厨房のグリストラップは1/50以上推奨(急勾配)。油分堆積で勾配が徐々に乱れるため、月1-2回の清掃と、勾配の定期点検が必要。

寒冷地の凍結対策

凍結深度以下(北海道1.2m・東北0.6-0.9m)に埋設。露出部は保温材・電気ヒーター併用。氷点下では排水後の残水も凍結するため、勾配確保で残水量最小化。

宅内桝の設置間隔

SHASE基準では15m以内ごとに設置。方向転換部・分岐部・勾配変化部にも必ず設置。桝は保守点検口の役割で、詰まり時の清掃口として機能する。

建築確認申請時の設計

排水経路と勾配は建築確認申請の必須項目。建築設備士or給水装置工事主任技術者による設計必要。図面には配管径・勾配・落差・桝位置・通気管を明記し、建築確認機関で審査される。