合成抵抗 計算ツール|直列・並列・複合回路の抵抗値・カラーコード・E系列早見
抵抗器の直列・並列・直並列複合の合成抵抗を最大10個まで即時算出。Ω・kΩ・MΩ単位で切替可能。オームの法則、カラーコード(4本帯・5本帯・6本帯)、E系列(E6/E12/E24/E96)標準値、許容電力(1/8W〜5W)、キルヒホッフの法則、ブリッジ回路、テブナン等価回路まで、電気工事士・電子工作・電験三種・アマチュア無線・情報処理試験の学習と実回路設計をカバー。JIS C 5062・IEC 60063・IEC 60062の国際規格に基づく実務ガイドです。
合成抵抗 計算機
計算式(直列・並列)
直列接続
R = R₁ + R₂ + R₃ + ...
電流が一直線に流れる接続。合成抵抗は各抵抗の単純和で、最大の抵抗より必ず大きくなります。分圧回路・電流制限・センサー信号調整に多用されます。
並列接続
1/R = 1/R₁ + 1/R₂ + 1/R₃ + ...
電流が枝分かれして流れる接続。合成抵抗は逆数の和の逆数で、最小の抵抗より必ず小さくなります。同値のN個並列ならR/Nで簡略化可能。電源の並列化・冗長化・大電流化に使用します。
2個の並列(暗記推奨)
R = (R₁ × R₂) / (R₁ + R₂)
「和分の積」として電気工事士試験で頻出。同値2個並列なら値が半分になります。
オームの法則と電力の関係
V = I × R(電圧=電流×抵抗)
P = V × I = I² × R = V² / R
抵抗値・電圧・電流・消費電力の4変数の相互関係。1つの抵抗にどれだけ電力が消費されるかはP = I²RまたはP = V²/Rで計算します。抵抗選定では計算した消費電力の2倍以上の許容電力を持つ抵抗を選ぶのが安全設計の基本原則です。
代表的な計算例
| 接続 | 抵抗値 | 合成抵抗 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 100Ω×3 直列 | 100+100+100 | 300Ω | 単純和 |
| 100Ω×3 並列 | 1/(1/100+1/100+1/100) | 33.33Ω | R/N |
| 1kΩ+2kΩ 直列 | 1000+2000 | 3kΩ | — |
| 1kΩ+2kΩ 並列 | 1×2/(1+2) | 667Ω | 和分の積 |
| 10kΩ+10kΩ 並列 | 10×10/(10+10) | 5kΩ | 同値2個で半分 |
| 4.7kΩ+10kΩ 並列 | 4.7×10/14.7 | 3.2kΩ | E24系列 |
| 1Ω×10 並列 | 1÷10 | 0.1Ω | 大電流用 |
| 1MΩ+1MΩ 直列 | 1M+1M | 2MΩ | 高抵抗 |
カラーコードの読み方
抵抗器の値は色帯(カラーコード)で表示されます。JIS C 5062・IEC 60062の国際共通ルール。
4本帯(一般抵抗、5%誤差品)
- 第1色:10の位
- 第2色:1の位
- 第3色:乗数(10のn乗)
- 第4色:誤差(金5%・銀10%)
例:茶(1)黒(0)赤(×100)金(±5%) = 10×100 = 1kΩ ±5%
5本帯(精密抵抗、1%誤差品)
- 第1色:100の位
- 第2色:10の位
- 第3色:1の位
- 第4色:乗数
- 第5色:誤差(茶1%・赤2%)
例:茶(1)黒(0)黒(0)赤(×100)茶(±1%) = 100×100 = 10kΩ ±1%
6本帯(高精度・温度係数付き)
5本帯 + 第6色(温度係数ppm/℃)。産業用計測・医療機器で使用。
カラーコード早見表
| 色 | 数字 | 乗数 | 誤差 |
|---|---|---|---|
| 黒 | 0 | ×1 | — |
| 茶 | 1 | ×10 | ±1% |
| 赤 | 2 | ×100 | ±2% |
| 橙 | 3 | ×1k | — |
| 黄 | 4 | ×10k | — |
| 緑 | 5 | ×100k | ±0.5% |
| 青 | 6 | ×1M | ±0.25% |
| 紫 | 7 | ×10M | ±0.1% |
| 灰 | 8 | ×100M | ±0.05% |
| 白 | 9 | ×1G | — |
| 金 | — | ×0.1 | ±5% |
| 銀 | — | ×0.01 | ±10% |
| 無色 | — | — | ±20% |
覚え方の定番語呂:「黒い礼服(0黒 1茶 2赤 3橙 4黄)緑にみどり葉の紫(5緑 6青 7紫)灰色白い(8灰 9白)」。電気工事士・電子工作の基礎として暗記が必須です。
E系列標準値(E6/E12/E24/E96)
市販抵抗はE系列という等比数列の標準値で製造されます。IEC 60063で規定。
| 系列 | 誤差 | 10進デケード内の個数 | 用途 |
|---|---|---|---|
| E6 | ±20% | 6 | 1.0, 1.5, 2.2, 3.3, 4.7, 6.8 |
| E12 | ±10% | 12 | 1.0, 1.2, 1.5, 1.8, 2.2, 2.7, 3.3, 3.9, 4.7, 5.6, 6.8, 8.2 |
| E24 | ±5% | 24 | 電子工作の主流 |
| E48 | ±2% | 48 | — |
| E96 | ±1% | 96 | 金属皮膜精密抵抗 |
| E192 | ±0.5% | 192 | 計測・精密回路 |
ネット通販や秋葉原の電子部品店で購入する場合、まずE24系列(1.0/1.1/1.2/1.3/1.5/1.6/1.8/2.0/2.2/2.4/2.7/3.0/3.3/3.6/3.9/4.3/4.7/5.1/5.6/6.2/6.8/7.5/8.2/9.1)の値を把握しておくと設計時の値選定がスムーズです。
許容電力と発熱設計
| 抵抗タイプ | 定格電力 | 形状・寸法目安 | 用途 |
|---|---|---|---|
| チップ抵抗 1005 | 1/16W | 1.0×0.5mm | スマホ・小型基板 |
| チップ抵抗 1608 | 1/10W | 1.6×0.8mm | 民生電子機器 |
| チップ抵抗 2012 | 1/8W | 2.0×1.25mm | 電子工作標準 |
| カーボン皮膜抵抗 | 1/4W | φ2.3×6mm | 電子工作汎用 |
| 金属皮膜抵抗 | 1/4W〜1W | φ2.5×7mm | 精密・低雑音 |
| 酸化金属皮膜抵抗 | 1〜5W | φ5×14mm | 電源回路 |
| セメント抵抗 | 5W〜20W | 矩形10×10×24mm等 | 放電・電源 |
| ホーロー抵抗 | 10W〜300W | 大型円筒 | 電力用・産業機器 |
実消費電力の2倍以上の許容電力を持つ抵抗を選ぶのが基本。放熱条件が悪い密閉筐体では3倍のマージンを見込むと安心です。抵抗が熱くなりすぎると値が変動(温度係数)し、最悪の場合断線・発煙します。
キルヒホッフの法則とブリッジ回路
キルヒホッフの第一法則(電流則)
回路のある1点に流入する電流の総和は流出する電流の総和に等しい(ΣI_in = ΣI_out)。並列回路の分岐電流計算に使用。
キルヒホッフの第二法則(電圧則)
閉回路を一周したとき、起電力の総和は電圧降下の総和に等しい(ΣV_source = ΣIR)。複雑回路の電流分布計算で不可欠。
ブリッジ回路(ホイートストンブリッジ)
4つの抵抗を「ひし形」に配置し、対角に電源と検流計を接続。R₁×R₄ = R₂×R₃のとき検流計電流ゼロ(平衡)。ひずみゲージ・熱電対・精密測定の基本回路で、電験三種・情報処理試験・計測工学で頻出。
テブナンの定理
複雑な線形回路は1つの等価電圧源+1つの等価直列抵抗で置き換え可能。負荷抵抗を変えたときの動作点計算が劇的に簡単になります。回路解析の中核的な考え方です。
活用シーン別ケーススタディ
電気工事士2種・電験三種
合成抵抗・オームの法則・キルヒホッフは毎年出題の定番。本ツールで数値を触りながら「和分の積」「同値並列=R/N」の感覚を掴むと計算問題の得点源になります。
Arduino・Raspberry Piの電子工作
LED点灯用の電流制限抵抗(Vf 2V・If 20mA・電源5Vなら (5-2)/0.02 = 150Ω)、プルアップ/プルダウン抵抗(10kΩ標準)、ボリューム分圧など、電子工作の基礎に。
オーディオ・自作アンプ
入力アッテネータ、ボリューム、フィードバック回路、抵抗のノイズ設計。金属皮膜抵抗の低雑音特性を活かした精密設計が音質を左右します。
センサー回路・IoT開発
サーミスタ・フォトレジスタ・ひずみゲージのブリッジ回路、A/D変換前の分圧、電流測定用シャント抵抗。IoT時代の基本スキル。
アマチュア無線・自作機器
ダミーロード(送信機負荷)、ATT、Qメーター、SWR計。合成抵抗と許容電力の計算がRF設計の入口。
情報処理試験・基本情報技術者
論理回路の前段としての抵抗計算、TTL/CMOSのプルアップ・プルダウン、シリアル通信の終端抵抗。ハードウェア基礎知識として出題されます。
よくある間違い・注意点
- 並列合成を単純和で計算:並列は「逆数の和の逆数」。単純和で計算すると値が10倍以上ずれます。中学理科でつまづく典型ポイント。
- 単位の混同(Ω/kΩ/MΩ):1kΩ=1,000Ω、1MΩ=1,000,000Ω。抵抗値を計算するとき単位を揃えないと3桁ずれるミスが頻発。
- 消費電力を無視した抵抗選定:カラーコードが合っていても許容電力を超えると焼損。P=I²Rで必ず確認し2倍マージン確保。
- カラーコード金・銀の位置誤読:金・銀は基本的に第4色(誤差)または乗数の低い値。読み取り方向を間違えると値が逆転します。両端の色が明確なほうから読み始めるのが定石。
- 短絡(0Ω)を並列に含める:0Ωを並列接続に入れると合成抵抗も0Ωで短絡状態。本ツールは空欄を除外して計算します。
- 温度係数無視:カーボン皮膜は±1,000ppm/℃、金属皮膜は±50ppm/℃と桁違い。精密回路では必ず金属皮膜以上を選定。
- E系列外の値で設計:市販品にない値(例:713Ω)で設計すると必ずE系列近傍値(680Ω/750Ω)に置換が必要。設計段階からE系列を意識するのがプロの流儀。
関連する規格・法令
- JIS C 5062 ― 抵抗器及びコンデンサの表示記号。カラーコード・数値表示の国内標準。
- JIS C 5201 ― 電子機器用固定抵抗器 通則。試験方法・分類。
- IEC 60062 ― Marking codes for resistors and capacitors。抵抗・コンデンサのマーキング国際規格。
- IEC 60063 ― Preferred number series for resistors and capacitors。E系列(E6/E12/E24/E96等)の国際規格。
- IEC 60115 ― Fixed resistors for use in electronic equipment。電子機器用固定抵抗器の国際規格。
- EIA-96 ― SMD抵抗3桁マーキングの米国規格(Electronic Industries Alliance)。
- RoHS指令(EU) ― 電子部品の有害物質規制。抵抗器もRoHS適合品が主流。
- 電気事業法・電気用品安全法(PSE) ― 民生電子機器で使用する部品の関連法令。
参考文献・公的資料
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS C 5062等の電子部品規格の公式検索。
- 国際電気標準会議(IEC) ― IEC 60062/60063の国際規格原本。
- 電気学会(IEEJ) ― 電気工学の学術団体。教科書・技術資料の中核。
- IEEE(米国電気電子学会) ― 電子回路・信号処理の国際規格。
- 電子情報技術産業協会(JEITA) ― 日本の電子部品業界団体。技術資料・統計。
- 電気技術者試験センター ― 電気工事士・電気主任技術者試験公式。
- 情報処理推進機構(IPA) ― 基本情報技術者試験・応用情報等の公式。
- 日本アマチュア無線連盟(JARL) ― アマチュア無線の技術・免許資料。
- 経済産業省 電気用品安全法(PSE) ― 電子機器・部品の安全法令。
- ローム 抵抗器の基礎知識 ― 半導体メーカーによる技術解説(参考資料として)。
よくある質問(FAQ)
直列と並列で何が違う?
直列は電流が一直線に流れる接続で合成抵抗は増加(最大の抵抗より大)、電流量が同じ。並列は電流が枝分かれする接続で合成抵抗は減少(最小の抵抗より小)、電圧が同じ。電源電圧が同じなら並列のほうが大電流が流れ消費電力も大きくなります。
抵抗値が0Ωの場合(短絡)は?
並列回路に0Ωが含まれると合成抵抗も0Ω(完全短絡)で、他の抵抗は無視されます。本ツールでは空欄・0値を除外して計算しています。実回路で0Ω抵抗(ジャンパ)を意図的に使う場合は問題ありませんが、ショート事故では発火リスクがあります。
カラーコードの読み方(茶黒赤金)は?
茶(1)黒(0)赤(×100)金(±5%誤差)=10×100=1,000Ω=1kΩ ±5%。読む方向は誤差色(金・銀)を右側に置くのが基本。両端の色が明確なほうから読むと読み違いを防げます。5本帯は精密1%品、6本帯は温度係数付き。
抵抗器の許容電力の選び方は?
実消費電力(P=I²R または P=V²/R)を計算し、2倍以上の許容電力を持つ抵抗を選定。密閉筐体・高温環境では3倍以上のマージン。電子工作標準は1/4W、電源回路は1〜5W、産業機器の放電用途は10〜300Wセメント/ホーロー抵抗を使用します。
E24系列とは何ですか?
市販抵抗の標準値。1デケード(例:1〜10Ω)を24分割した等比数列で、1.0/1.1/1.2/1.3/1.5/1.6/1.8/2.0/2.2/2.4/2.7/3.0/3.3/3.6/3.9/4.3/4.7/5.1/5.6/6.2/6.8/7.5/8.2/9.1の24個。誤差±5%品に対応。電子工作の主流系列です。
LEDの電流制限抵抗はどう計算する?
R = (電源電圧 − LED順電圧Vf) ÷ 電流If。例:5V電源・赤LED(Vf=2V)・20mAなら (5-2)÷0.02=150Ω。E系列近傍の150Ω(E24標準値)を選定。消費電力は (5-2)²÷150=0.06W、1/8Wでも十分ですが1/4W標準を推奨。
プルアップ・プルダウン抵抗は何のため?
デジタル入力ピンが浮遊状態(フローティング)にならないよう、信号がないときのレベルを固定する抵抗。10kΩが標準値。1kΩ以下だと消費電力増、100kΩ以上だとノイズ耐性低下。マイコン・スイッチ回路の基本です。
チップ抵抗のマーキング「103」の読み方は?
EIA-96方式で10×10³ = 10kΩ。「472」なら47×10² = 4.7kΩ、「1002」なら100×10² = 10.0kΩ(4桁は1%精度品)。R記号は小数点で「4R7」は4.7Ω、「R47」は0.47Ω。SMD部品の実装作業では必須知識です。
抵抗器の温度係数(ppm/℃)とは?
温度1℃変化で抵抗値が何ppm(100万分の1)変化するかの指標。カーボン皮膜±1,000ppm/℃、金属皮膜±50〜100ppm/℃、金属箔±5ppm/℃。精密計測・アナログ回路では低温度係数抵抗を選定します。ppm換算:100ppm/℃なら±0.01%/℃。
抵抗のノイズは何が違う?
抵抗自体が発生する熱雑音(ジョンソンノイズ)は全抵抗共通の物理現象。加えてカーボン皮膜は電流雑音(過剰雑音)が大きく、金属皮膜・金属箔は最小。オーディオ・低雑音アンプ・センサー前段では金属皮膜が定石です。
可変抵抗(ポテンショメータ)は合成抵抗計算できる?
可変抵抗は3端子で2つの抵抗(AB間とBC間)の分圧器として動作します。全抵抗値をR、ワイパ位置比をk(0〜1)とすると分圧はkR/(R)=k。合成抵抗計算は各アーム独立に扱います。オーディオAカーブ、リニアBカーブなど特性選択も重要です。
キルヒホッフの法則が必要になるのはどんな回路?
複数の電源・多分岐がある複雑回路。単純な直列並列に還元できない場合、電流則(節点方程式)と電圧則(閉路方程式)を連立方程式で解きます。電験三種・大学電気工学の中核テーマで、テブナン等価回路と組み合わせて解析するのが定石です。