方位角・方向角・逆方位角の換算
【ご注意】このページの計算結果・情報は参考値です。正確性・最新性は保証できません。税務・法務・お金・設計・施工・安全などに関わる判断は、公式の資料と専門家の確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。免責事項
度分秒の方位角を十進度・ラジアン・グラードに換算し、逆方位角・象限方位・方向角への読み替え、別の角との加減(60進の繰り上げ・繰り下げ)を算出します。トラバース計算、野帳の整理、方位の表記変換に使います。
方位角・方向角・逆方位角の換算ツール
計算式
度分秒から十進度への換算は 度+分/60+秒/3600 で、既定値の 125°30′15.5″ は 125.504306° です。逆方位角は 180° を足して 360° を超えたら引く(既定値では 305°30′15.5″)、ラジアンは ×π/180(2.190459rad)、グラードは ×400/360(139.4492gon)です。
象限方位は 90° ごとに読み替え、第2象限の 125.5° は S(180°−125.5°)E=S54°29′44.5″E。真北方向角 γ が −0.35°(真北が座標北より西)のとき、座標北を基準にした方向角は 方位角−γ=125°51′15.5″ です。度分秒の加減は秒・分の 60進の繰り上げ・繰り下げに注意し、125°30′15.5″+95°20′30″=220°50′45.5″、差は 30°09′45.5″ になります。
象限方位の読み替え
| 方位角の範囲 | 象限 | 方位の書き方 | 例 |
|---|---|---|---|
| 0°〜90° | 第1象限(北東) | N(方位角)E | 53°07′ → N53°07′E |
| 90°〜180° | 第2象限(南東) | S(180°−方位角)E | 125°30′ → S54°30′E |
| 180°〜270° | 第3象限(南西) | S(方位角−180°)W | 233°08′ → S53°08′W |
| 270°〜360° | 第4象限(北西) | N(360°−方位角)W | 305°30′ → N54°30′W |
3つの北と角の呼び方
| 基準 | 角の呼び方 | 差の名前と大きさ | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 真北(地理上の北極方向) | 方位角 | — | 天文観測・GNSS・地図上の方位 |
| 座標北(平面直角座標の X 軸) | 方向角 | 真北方向角 γ:系の原点で 0、端で 1° 前後 | 座標計算・トータルステーション |
| 磁北(コンパスの北) | 磁針方位角 | 偏角:日本では西偏 4〜10°(東京付近 約7〜8°) | コンパス・概略の方向 |
度分秒の加減の例
| 計算 | 秒 | 分 | 度 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 125°30′15.5″+95°20′30.0″ | 45.5″ | 50′ | 220° | 220°50′45.5″ |
| 125°30′15.5″−95°20′30.0″ | 15.5−30=−14.5 → 45.5″(1分借りる) | 29−20=9′ | 30° | 30°09′45.5″ |
| 359°59′50″+0°00′20″ | 70″ → 10″(1分繰り上げ) | 60′ → 0′(1度繰り上げ) | 360° → 0° | 0°00′10″ |
| 10°00′00″−20°00′00″ | 0″ | 0′ | −10° → 350° | 350°00′00″ |
※本ツールは計算式による参考計算です。公共測量・登記測量の成果は、公共測量作業規程の準則および国土地理院の公式計算・成果に従ってください。
方位角・方向角・逆方位角の換算の詳しい解説
測量で扱う角には、基準の違いと表し方の違いが混在しています。基準の違いとは「どの北から測るか」で、地理上の北極方向を真北、平面直角座標の X 軸方向を座標北、コンパスの針が指す方向を磁北と呼びます。真北から時計回りに測った角が方位角、座標北から測った角が方向角、磁北から測った角が磁針方位角です。表し方の違いとは、0〜360° の一周で表すか、東西南北の象限で表すか、度分秒か十進度かラジアンかグラードか、という形式の問題です。このページはその両方の変換をまとめて行います。
方位角と方向角の差が真北方向角です。平面直角座標系では系の原点を通る子午線が X 軸に重なるので原点上では真北と座標北が一致しますが、原点から東西に離れると子午線は原点の子午線に対して傾き、その傾きぶんだけ真北が座標北からずれます。東側では真北が座標北より東寄り(γ が正)、西側では西寄り(γ が負)になり、系の端では 1° 前後に達します。GNSS で得た方位角や天文観測の方位角を座標計算に使うときは、方向角=方位角−γ で座標北基準に直し、逆に座標計算で出た方向角を地図上の方位として示すときは γ を足します。
磁北はさらに別の話です。地磁気の北極は地理上の北極とずれているため、コンパスの北は真北から偏角ぶんずれ、日本では西に 4〜10°、東京付近では 7〜8° 程度です。偏角は場所と年で変わるので、国土地理院の磁気図で確認します。測量の成果に磁針方位角を使うことはありませんが、現地での概略の方向確認や、古い図面に「磁北」と書かれた方位を読むときに換算が要ります。
象限方位は N30°E のような表記で、方位角を 90° ごとに区切って東西南北の組み合わせで表します。北または南のどちらから、東または西へ何度振るかを示すので、角の値は 0〜90° の範囲に収まります。方位角から象限方位への変換は、第1象限ならそのまま、第2象限は 180° から引き、第3象限は 180° を引き、第4象限は 360° から引く、という4通りです。逆方位角は 180° を足すか引くかで、ある測線を反対側から見たときの方位角で、トラバース計算で次の測線の方位角を求めるときに毎回使います。
度分秒の加減は 60進法の繰り上げと繰り下げが誤りの元です。秒どうしを足して 60 を超えたら 60 を引いて分に 1 を繰り上げ、分も同じように度へ繰り上げます。引き算で秒が負になったら分から 1 借りて 60 を足します。結果が 360° を超えたら 360° を引き、負になったら 360° を足して 0〜360° に収めます。トラバースでは「前の測線の方位角+180°+観測角」を測点ごとに繰り返すので、この加減を確実にこなすことが計算全体の精度を支えます。表計算ソフトで扱うときは、度分秒を十進度に直して計算し、表示のときだけ度分秒に戻すのが最も間違いが少ない方法です。
別の条件での計算例
トラバースで前の測線の方位角が 233°07′48.4″ のとき、次の測点で測った観測角(右回り)が 210°15′30.0″ だったとします。まず逆方位角 53°07′48.4″ を求め、観測角を足すと 53°07′48.4″+210°15′30.0″=263°23′18.4″ が次の測線の方位角です(秒 78.4→18.4 で 1分繰り上げ、分 22+1=23)。象限方位なら第3象限なので S(263°23′18.4″−180°)W=S83°23′18.4″W です。この現場の真北方向角が +0°45′00″(真北が座標北より東)なら、座標北基準の方向角は 263°23′18.4″−0°45′00″=262°38′18.4″ になり、座標計算にはこちらを使います。もし方位角のまま座標計算すると、200m の測線で 200×sin(0.75°)=2.6m の横ずれが出ます。系の端の現場で「座標が合わない」と相談を受けたとき、最初に確かめるのがこの γ の適用漏れです。
業界・現場での使い方
トラバース計算の方位角伝達
前測線の逆方位角に観測角を足して次の方位角を出す手順を、繰り上げ・繰り下げ込みで確認します。
GNSS・天文方位角の座標化
真北基準の方位角に真北方向角を適用して、座標北基準の方向角に直します。
図面の方位表記の統一
象限方位で書かれた古い図面の方位を方位角に直し、現在の座標計算に使えるようにします。
海外図面・機器との単位換算
グラード表示の機器やラジアンで書かれた計算式との換算に使います。
よくある間違い・注意点
- 方位角と方向角を同じものとして扱う — 真北と座標北の差(真北方向角)が系の端で 1° 前後あります。座標計算は方向角で行います。
- 磁北の方位を真北として使う — 日本では偏角が西に 4〜10° あります。コンパスの方位は測量成果に使えません。
- 象限方位の南北・東西を取り違える — 第2象限は S…E、第4象限は N…W です。方位角の範囲で機械的に決めます。
- 度分秒の繰り上げを忘れる — 秒や分が 60 を超えたら繰り上げます。表計算では十進度に直して計算するのが確実です。
- 逆方位角で 360° を超えたまま使う — 180° を足して 360° を超えたら 360° を引きます。
関連する規格・公的資料
- 国土地理院 — 基準点成果・ジオイドモデル・平面直角座標系の告示と解説
- 国土地理院 測量計算サイト — 緯度経度と平面直角座標の換算・ジオイド高の公式計算サービス
- 公共測量作業規程の準則(国土地理院) — 基準点測量・水準測量の方法と許容範囲
- e-Gov 法令検索(測量法・測量法施行令) — 測量法と、平面直角座標系を定める施行令
- 日本測量協会 — 測量技術の普及と測量士・測量士補の教育
- 日本測量調査技術協会 — 測量技術者の団体。技術資料と研修
- 日本測地学会 — 測地学・ジオイド・座標系の学術団体
- 国土交通省 — 道路構造令と公共測量の制度
- 土木学会 — 土木工学の学術資料
- 産業技術総合研究所 計量標準総合センター — 長さ・角度の国家計量標準
- 日本産業標準調査会(JISC) — JIS B 7912(測量機器)などの規格
- 国際測地学協会(IAG) — GRS80 楕円体などの国際的な測地基準
- 国土地理院 磁気図(偏角) — 磁北と真北の差(偏角)の分布
- 国土地理院 平面直角座標系の解説(真北方向角) — 真北方向角の定義と計算
- 計量法(角度の単位) — 度・分・秒・ラジアン・グラードの定義
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
度分秒を十進度に直すには?
度+分/60+秒/3600 です。125°30′15.5″ は 125.504306° です。
逆方位角はどう求めますか?
180° を足し、360° を超えたら 360° を引きます。既定値では 305°30′15.5″ です。
象限方位とは何ですか?
N30°E のように北または南から東または西へ振った角で表す方位です。既定値の 125.5° は S54°29′44.5″E です。
方位角と方向角の違いは?
方位角は真北基準、方向角は座標北基準です。差が真北方向角 γ で、方向角=方位角−γ です。
真北方向角はどこで分かりますか?
緯度経度と平面直角座標の換算ツールで表示します。系の原点で 0、端で 1° 前後です。
磁北との差はどのくらいですか?
日本では西に 4〜10°、東京付近で 7〜8° 程度です。国土地理院の磁気図で確認します。
グラードとは何ですか?
直角を 100 とする角の単位(gon)で、一周 400gon です。一部の測量機器や海外の図面で使われます。
度分秒の足し算で秒が 60 を超えたら?
60 を引いて分に 1 を繰り上げます。分も同様に度へ繰り上げます。
引き算で負になったら?
360° を足して 0〜360° の範囲に収めます。10°−20° は 350° です。