計算ツール
お金社会保険介護給与天引き

介護保険料 計算ツール|第1号・第2号被保険者の月額・年額を年齢×年収で即算出

介護保険料40歳の誕生日の前日属する月から生涯にわたり徴収されます。40〜64歳は第2号被保険者(健康保険料に上乗せ)、65歳以上は第1号被保険者(市区町村ごとに9〜13段階の所得別定額)と、負担の仕組みが大きく変わります。本ツールは年齢・年収・加入保険(協会けんぽ/組合健保/国民健康保険)から介護保険料の月額・年額を即算出。2025年度全国平均料率1.82%(協会けんぽ)、市区町村の基準額(平均月6,225円)、被扶養配偶者の特例まで実務レベルで解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

介護保険料 月額・年額 計算機

計算式と保険料の仕組み

第2号被保険者(40〜64歳)の計算式

介護保険料(月) = 標準報酬月額 × 介護保険料率 ÷ 2(労使折半)

会社員(協会けんぽ・組合健保・共済組合)は健康保険料に上乗せする形で徴収され、労使折半で会社と本人が半分ずつ負担します。給与から天引きされる自己負担分は保険料率の半分です。

第1号被保険者(65歳以上)の計算式

介護保険料(月) = 市区町村の基準額 × 所得段階倍率

市区町村ごとに設定される「基準額」(全国平均月額6,225円)に、所得段階(9〜13段階、標準は9段階)ごとの倍率を掛けます。基準額は3年に1度改定され、当該市区町村の高齢者数・介護給付費見込みで決まります。

国民健康保険加入者の介護分

自営業者・無職の国民健康保険加入者は、国保料に「介護分」が上乗せされます(40〜64歳のみ)。所得割・均等割・平等割の組合せで、市区町村ごとに料率が異なります。

第1号・第2号被保険者の違い

項目第1号被保険者第2号被保険者
対象年齢65歳以上40〜64歳
保険料計算所得段階別 定額健康保険料に上乗せ(率)
徴収方法年金天引き(特別徴収)/納付書(普通徴収)給与天引き/国保料に上乗せ
労使折半なし(全額本人)会社員はあり(本人半額)
介護給付の受給要件要支援・要介護の認定特定疾病(16疾病)+要介護認定
被扶養配偶者個別に納付協会けんぽ・組合健保は追加負担なし

特に第2号被保険者の被扶養配偶者は、協会けんぽ・組合健保では扶養に入っていれば追加保険料負担がありません(第2号被保険者全員で負担)。ただし2017年以降、大企業健保等で「特定被保険者制度」を導入し、被保険者が40〜64歳未満でも配偶者が40〜64歳なら別途負担する例が増えています。

2025年度 料率と全国平均

協会けんぽ 介護保険料率

協会けんぽの介護保険料率は全国一律で、2025年度は1.82%(労使折半で本人負担0.91%)です。過去の推移:

年度料率本人負担(労使折半)
2020年度1.79%0.895%
2021年度1.80%0.90%
2022年度1.64%0.82%
2023年度1.82%0.91%
2024年度1.60%0.80%
2025年度1.82%0.91%

健康保険組合の料率

組合健保は組合ごとに異なりますが、平均は1.7〜2.0%程度。財政力の強い組合は料率が低く、財政悪化の組合は高い傾向。

65歳以上の基準額(第1号被保険者・月額)

2025年度〜2027年度の全国平均基準額は月額6,225円(年額74,700円)。市区町村別の主な水準:

自治体基準額(月額)特徴
大阪市約8,100円全国最高水準
京都市約7,100円高齢化率高い都市部
横浜市約6,900円大都市平均
東京都特別区平均約6,000〜6,500円区により差
名古屋市約6,400円
仙台市約6,000円
地方町村約4,500〜5,500円高齢化率低い自治体

65歳以上(第1号被保険者)の所得段階

厚生労働省の標準は9段階ですが、多くの自治体は独自に13段階以上に細分化。所得の低い層は基準額の30〜50%、高い層は250%以上と、所得再分配機能があります。

段階対象倍率月額例(基準6,225円)
第1段階生活保護・世帯全員非課税・年金80万以下×0.285約1,774円
第2段階世帯全員非課税・年金80〜120万×0.485約3,019円
第3段階世帯全員非課税・年金120万超×0.685約4,264円
第4段階本人非課税(世帯課税)・年金80万以下×0.9約5,603円
第5段階本人非課税(世帯課税)・年金80万超×1.0約6,225円
第6段階本人課税・合計所得120万未満×1.2約7,470円
第7段階本人課税・合計所得120〜210万×1.3約8,093円
第8段階本人課税・合計所得210〜320万×1.5約9,338円
第9段階本人課税・合計所得320〜420万×1.7約10,583円
第10段階以上合計所得420万超(自治体別)×1.9〜2.5約11,828円〜15,563円

2024年度の制度改正で、高所得者の負担を強化する目的で13段階以上への細分化が全国的に進んでいます。「合計所得金額」は給与所得控除・年金所得控除後の額で、住民税課税所得とは異なる点に注意。

40〜64歳(第2号被保険者)の計算方法

会社員(協会けんぽの例)

介護保険料(月・本人負担) = 標準報酬月額 × 0.91% + 標準賞与額 × 0.91%

例:月給30万円(標準報酬30万円)の会社員の介護保険料は月額30万円×0.91%=2,730円。健康保険料(介護分を除く)4,935円と合計で7,665円が給与から天引きされます。

健康保険組合の場合

組合ごとの料率で計算。料率と労使負担割合は組合の規約で定められています。労使折半でない組合(会社負担多め)もあり、その場合は本人負担が減ります。

被扶養配偶者の扱い

協会けんぽ・組合健保:被扶養配偶者が40〜64歳でも、被保険者本人の保険料に含まれる形で処理され、追加負担なし(全被保険者で共同負担)。
「特定被保険者制度」を導入する健保組合の場合:被保険者本人が40歳未満でも、被扶養配偶者が40〜64歳なら別途保険料負担があります。

国民健康保険加入者の介護分

自営業者・フリーランス・無職の国民健康保険加入者は、国保料に「介護分」(40〜64歳のみ)が加算されます。

介護分の計算式

介護分保険料 = 所得割(旧ただし書き所得×料率)+ 均等割(1人あたり) + 平等割(1世帯あたり)

市区町村の例(2025年度・介護分のみ)

自治体所得割率均等割介護分 上限
東京都特別区1.86%18,700円/人17万円
大阪市2.05%18,900円/人17万円
横浜市1.72%16,900円/人17万円
名古屋市1.62%15,300円/人17万円
札幌市1.65%15,600円/人17万円

介護分の年間上限は全国一律で17万円(2025年度)。世帯全体で40〜64歳の該当者ごとに計算します。所得が一定以下の世帯は7割・5割・2割の軽減措置あり。

こんな方が影響を受ける

40歳の誕生日を迎える会社員

40歳の誕生日が属する月の分から給与天引き開始。年収500万円なら月額約2,275円(本人負担・協会けんぽ)が新たに引かれます。健康保険料と合算されるため、明細では「健康保険料」欄が増額されて表示される点に注意。

65歳を迎える会社員・退職者

65歳になると第2号→第1号に切替。給与天引きから年金天引き(特別徴収)に。年金額15万円以上/月なら年金から天引き、それ未満は納付書で年6回納付。

年金生活の高齢者夫婦

夫婦とも65歳以上ならそれぞれ第1号として個別に納付。所得段階も個別判定で、住民税非課税世帯なら基準額の30〜50%と割安に。夫が課税、妻が非課税なら妻は第4段階になる可能性大。

自営業・フリーランス

国民健康保険料に介護分(40〜64歳のみ)が加算。所得割+均等割+平等割の組合せで、市区町村により大きく異なる。青色申告特別控除を活用した所得圧縮が保険料軽減にも効きます。

専業主婦(協会けんぽ被扶養配偶者)

40〜64歳でも被保険者(夫)が会社員なら個別の保険料負担なし。第2号被保険者全体で共同負担する仕組み。ただし2017年以降、大企業健保等で「特定被保険者制度」を導入し個別負担を求める例あり。

高所得の65歳以上(第13段階)

合計所得720万円超で基準額の2.5倍(月額約15,563円、年額約186,750円)に。近年、市区町村で13段階以上への細分化と最上位段階の倍率引き上げ(3.0倍等)が進んでおり、高所得高齢者の負担強化傾向にあります。

よくある勘違い・注意点

  • 「40歳になる月から」ではなく「40歳の誕生日の前日属する月」 — 4月2日生まれなら4月から、4月1日生まれなら3月から徴収開始。誤解しやすい起算日ルールに注意。
  • 「65歳以降は保険料なし」は誤り — 65歳以降も生涯にわたり第1号被保険者として保険料を支払います。年金天引きが原則で、支払いが止まることはありません。
  • 「主婦は保険料払わなくていい」は誤解を招く — 協会けんぽ・組合健保の被扶養配偶者は個別負担が無いだけで、全被保険者の保険料に含まれています。「保険料ゼロ」ではなく「共同負担」。
  • 「介護サービスを使わないと保険料が返ってくる」は誤り — 社会保険なので、給付を受けなくても保険料は還付されません。「使わないと損」ではなく、使わないで済むこと自体が幸運と捉えるべき。
  • 「引越しで保険料が変わる」は正しい — 65歳以上は市区町村の基準額が異なるため、大阪市→地方町村で月額3,000円以上下がるケースも。高齢者の移住時は要試算。
  • 「賞与にはかからない」は誤り — 標準賞与額(月額報酬と同料率)にもかかります。年収700万円で夏冬各100万円のボーナスなら、年間の介護保険料は月給部分に加えて18,200円追加負担。
  • 「所得税確定申告で介護保険料も控除できる」は正しい — 支払った介護保険料は社会保険料控除の対象で、全額所得控除可能。年金天引き・給与天引き分も含めて。
  • 「所得段階は住民税課税所得で決まる」は誤り — 「合計所得金額」で判定されます。給与所得控除・年金控除は差し引いた額ですが、社会保険料控除・扶養控除は差し引き前の額です。

関連する法令・制度

  • 介護保険法 ― 1997年制定・2000年施行。介護保険料徴収と介護給付の根拠。3年ごとに事業計画・保険料見直し。
  • 健康保険法 ― 協会けんぽ・組合健保加入者からの介護保険料徴収の根拠。第39条「介護保険第2号被保険者たる被保険者」。
  • 国民健康保険法 ― 自営業者・無職の介護分保険料徴収の根拠。
  • 地方税法 ― 65歳以上の年金天引き(特別徴収)の根拠。
  • 介護保険特定疾病 ― 40〜64歳が介護給付を受けられる16疾病リスト(末期がん・ALS・脳血管疾患・関節リウマチ等)。
  • 特定被保険者制度 ― 健康保険組合が被扶養配偶者の介護保険料を別途徴収する制度。組合規約で任意に定められる。
  • 介護保険料減免制度 ― 災害・失業・所得激減時の減免。市区町村条例により対応。

参考資料・公的機関の情報

介護保険料率・所得段階・軽減措置の詳細は、以下の一次資料を参照してください。

※本ページの計算結果は代表的な料率・基準額による目安であり、実際の保険料額は加入している健康保険組合・居住市区町村の運用で変わります。特に65歳以上の第1号被保険者の基準額と所得段階倍率は市区町村ごとに異なり、13段階以上への細分化が進んでいます。正確な保険料額は加入健保・市区町村の介護保険課・年金事務所にご確認ください。制度改正(3年ごとの事業計画見直し)で料率・基準額が変わる可能性があります。

よくある質問(FAQ)

いつから徴収される?

40歳の誕生日の前日が属する月から徴収開始です。4月2日生まれなら4月分から、4月1日生まれなら3月分から。この起算日ルールは民法上の「年齢計算に関する法律」に基づく特殊ルールで、多くの人が誤解しやすいポイントです。

給与から天引きされる?

会社員・公務員(協会けんぽ・組合健保・共済組合)は健康保険料と合算して給与から天引きされます。40歳の誕生月から自動的に始まり、明細では「健康保険料」の欄が増額されて表示されるのが一般的。65歳以上は年金天引き(特別徴収)または納付書(普通徴収)に切替。

介護保険料はどうやって決まる?

40〜64歳の第2号は標準報酬月額×介護保険料率(労使折半、協会けんぽ2025年度1.82%)。65歳以上の第1号は市区町村の基準額×所得段階倍率(全国平均月6,225円)。3年に1度、市区町村の事業計画で見直されます。

介護サービスを使うには何が必要?

市区町村への要介護・要支援認定申請が必要です。認定調査員による訪問調査+主治医意見書で判定され、要支援1〜2・要介護1〜5の7段階に区分されます。介護給付を受けられるのは40〜64歳の第2号被保険者は16の特定疾病による要介護に限定されますが、65歳以上の第1号は理由を問いません。

専業主婦は保険料を払わなくていい?

協会けんぽ・組合健保の被扶養配偶者は個別負担なし。第2号被保険者全体で共同負担する仕組みで、被保険者本人の保険料に含まれる形。ただし一部の健保組合で「特定被保険者制度」を導入し、配偶者分を別途徴収する例あり。国民健康保険加入世帯は40〜64歳の妻分も別途負担が必要。

65歳を過ぎたら保険料は?

第1号被保険者として市区町村に直接納付します。年金月額15万円以上なら年金からの天引き(特別徴収)、それ未満は納付書での支払い(普通徴収)が原則。所得段階は9〜13段階で、住民税非課税世帯なら基準額の30〜50%と割安に。

65歳の誕生月は保険料が二重に取られる?

いいえ、二重徴収にはなりません。65歳の誕生日の前日が属する月からは第1号被保険者に切替となり、その月分からは第2号としての給与天引きは終了します。給与天引きと年金天引きが同月に発生することはありません。

賞与にもかかる?

かかります。標準賞与額×介護保険料率で計算されます。年間の賞与合計が573万円までが対象(上限)。夏冬のボーナスから合わせて数千円〜数万円が天引きされます。年収評価では見落としがちなポイント。

所得税で控除できる?

できます。支払った介護保険料は全額社会保険料控除の対象で、確定申告・年末調整で所得から控除可能。給与天引き分は源泉徴収票の「社会保険料等の金額」に含まれています。年金天引き分は市区町村から送付される「介護保険料額決定通知書」で確認。

失業・災害で払えなくなったら?

市区町村ごとに介護保険料減免制度があります。災害・失業・所得激減時は減免申請が可能。必要書類は罹災証明・離職票・確定申告書等。生活保護受給者は第1段階(基準額の30%)に自動的に該当。

介護保険料を滞納するとどうなる?

1年以上滞納で介護サービス費用がいったん全額自己負担となり、後日9割還付される「償還払い」に変更。1年6ヶ月以上で還付が差し止められ、2年以上で自己負担率が3割に引き上げられます。時効消滅した保険料は追納できず、介護給付が制限されます。

3年ごとに変わる?

はい、市区町村の第1号被保険者基準額は3年ごとに改定されます(介護保険事業計画)。次期改定は2027年度〜2029年度分。協会けんぽの介護保険料率は毎年3月の運営委員会で見直され、4月から新料率が適用されます。