介護費用 月額シミュレーター|要介護度別の自己負担(在宅・施設)
介護費用の月額自己負担を、要介護度と在宅/施設の別から試算します。在宅は区分支給限度基準額をいっぱいまで使った場合の1割、施設は食費・居住費を含めた自己負担の目安です。
介護費用月額ツール
計算式と前提
在宅 = 区分支給限度基準額(単位) × 単位あたり単価 × 自己負担割合 施設 = 施設サービス費の自己負担 + 食費 + 居住費 + 日常生活費
在宅の金額は、要介護度ごとに定められた1か月の区分支給限度基準額を上限まで使い、1単位を10円、自己負担割合を1割として計算したものです。既定値の要介護3・在宅なら、限度額は月27,048単位なので費用の総額はおよそ27万円、その1割にあたる27,000円が自己負担になります。本ツールは1,000円単位に丸めた目安を表示しています。
施設の金額は、施設サービス費の1割に加えて、食費・居住費・日常生活費を含めた月額の目安です。要介護3・施設なら100,000円と表示されます。実際の金額は施設の種類、居室の型(多床室かユニット型個室か)、所得段階によって大きく変わります。
要介護度別 早見表
在宅サービス(限度額いっぱいまで利用した場合)
「1割」の列が計算機の表示と一致します。2割・3割の列は、自己負担割合が上がった場合の金額です。
| 要介護度 | 区分支給限度 基準額(単位/月) | 費用の総額 (1単位10円) | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
|---|---|---|---|---|---|
| 要介護1 | 16,765単位 | 約167,650円 | 17,000円 | 34,000円 | 51,000円 |
| 要介護2 | 19,705単位 | 約197,050円 | 20,000円 | 40,000円 | 60,000円 |
| 要介護3 | 27,048単位 | 約270,480円 | 27,000円 | 54,000円 | 81,000円 |
| 要介護4 | 30,938単位 | 約309,380円 | 31,000円 | 62,000円 | 93,000円 |
| 要介護5 | 36,217単位 | 約362,170円 | 36,000円 | 72,000円 | 108,000円 |
※参考までに、要支援1は5,032単位、要支援2は10,531単位です。1単位あたりの単価はサービスの種類と地域区分により10円から11円台まで幅があり、都市部ほど高くなります。
施設サービス(食費・居住費を含む月額の目安)
「施設」の列が計算機の表示と一致します。在宅との差は、食費と居住費が加わることによるものです。
| 要介護度 | 在宅(1割) | 施設(目安) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 要介護1 | 17,000円 | 60,000円 | +43,000円 |
| 要介護2 | 20,000円 | 80,000円 | +60,000円 |
| 要介護3 | 27,000円 | 100,000円 | +73,000円 |
| 要介護4 | 31,000円 | 120,000円 | +89,000円 |
| 要介護5 | 36,000円 | 140,000円 | +104,000円 |
※施設の金額は自己負担割合1割・標準的な所得段階を前提とした目安です。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は原則として要介護3以上が対象です。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、これに家賃相当額や管理費が別途かかるため、月額はさらに大きくなります。
介護費用の構造を詳しく理解する
在宅の介護費用がこの水準になるのは、要介護度ごとに1か月に使えるサービス量の上限が「区分支給限度基準額」として単位で定められているためです。要介護3なら27,048単位で、1単位を10円とすれば費用の総額は約27万円。このうち利用者が払うのは原則1割なので、限度額をいっぱいまで使っても月27,000円という計算になります。要介護1の16,765単位から要介護5の36,217単位まで、限度額は約2.2倍に広がりますが、必要となる介護の量はそれ以上に増えるため、重度になるほど限度額を使い切る世帯の割合が高くなります。実際には限度額の6割前後の利用にとどまる世帯も多いため、この表の金額は「制度の枠内で最大限使った場合」の上限として読むのが正確です。
実務でもっとも判断が分かれるのは、在宅を続けるか施設に移るかです。金額だけを見れば在宅のほうが圧倒的に軽く、要介護3で比べると月73,000円の差があります。ただし在宅の数字には、家族が負担している時間と、そのために減った収入が含まれていません。日中の見守りが必要な状態になると、同居する家族の就労時間が削られ、介護離職に至れば世帯全体の収入が失われます。この機会費用まで含めて比べると、判断は逆転することがあります。一方で特別養護老人ホームは原則として要介護3以上が対象で、地域によっては入所までに時間がかかるため、在宅を続けながら申し込んでおく進め方が現実的です。
見落とされやすいのは、介護保険の対象外になる支出です。限度額を超えて使ったサービスは全額が自己負担になり、1割の10倍の金額が請求されます。おむつ代・食費・理美容代・日常生活費は保険給付の対象外で、通所サービスの食事代も別途かかります。施設に入る場合の食費と居住費も原則は自己負担ですが、所得や資産が一定以下であれば負担限度額認定を受けることで軽減されます。また、月々の自己負担には高額介護サービス費という上限があり、世帯の所得区分に応じた金額を超えた分は申請により払い戻されます。医療費と介護費の両方が重い世帯には、年単位で合算して上限を設ける制度もあります。住宅改修は生涯で20万円まで、福祉用具の購入は年10万円までが限度額とは別枠で使えるため、手すりの設置や段差の解消は早めに検討する価値があります。
条件による違いも大きく出ます。自己負担割合は本人の合計所得金額と世帯の年金収入等によって1割・2割・3割に分かれ、毎年7月に交付される負担割合証で確認します。要介護3の在宅なら、1割の27,000円が3割では81,000円になり、年間では65万円近い差です。1単位あたりの単価も地域区分によって異なり、都市部ではおおむね1割程度高くなります。40歳から64歳までの人は第2号被保険者として保険料を払っていますが、サービスを利用できるのは加齢に伴う特定の疾病が原因である場合に限られます。制度の適用や区分の判断は個別性が高いため、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してください。
よくある間違い・注意点
- 限度額を超えた分も1割で済むと考える:区分支給限度基準額を超えて使ったサービスは全額自己負担です。1割なら1,000円だったものが10,000円になるため、ケアプランの作成時点で限度額内に収まるかを必ず確認してください。
- 自己負担割合を1割だと思い込む:本人の合計所得金額と世帯の年金収入等によって2割・3割になります。毎年7月に届く負担割合証で確認できます。要介護3の在宅では、1割の27,000円が3割では81,000円になります。
- 保険給付の対象外の支出を計算に入れない:おむつ代、通所サービスの食事代、理美容代、日常生活費は保険の対象外です。施設の食費・居住費も原則は自己負担で、これらを合わせると月2万〜5万円上乗せになる世帯が多くなります。
- 高額介護サービス費の払い戻しを申請しない:月々の自己負担には世帯の所得区分に応じた上限があり、超えた分は申請すれば戻ります。初回は申請が必要で、自動では支給されません。医療費と合算する制度もあります。
- 住宅改修や福祉用具を限度額の中で考える:住宅改修は生涯20万円まで、福祉用具の購入は年10万円までが区分支給限度基準額とは別枠です。月々のサービスを削って改修費に回す必要はありません。
出典・参考資料
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造・区分支給限度基準額」https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「高額介護サービス費」https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)」https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「介護保険事業状況報告」https://www.mhlw.go.jp/
- 独立行政法人福祉医療機構「介護サービス情報の公表」https://www.wam.go.jp/
- 地域包括支援センター(お住まいの市区町村の窓口)
- 国民健康保険中央会「介護給付費等実態統計」https://www.kokuho.or.jp/
- 国税庁 タックスアンサー No.1120「医療費控除の対象となる介護保険サービス」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
- e-Gov法令検索「介護保険法」https://elaws.e-gov.go.jp/
※本ツールは自己負担割合1割・1単位10円を前提とした概算です。地域区分による単価の違い、サービスの組み合わせ、施設の種類と所得段階、高額介護サービス費による払い戻しは反映していません。実際の費用やサービスの組み立ては、担当のケアマネジャーまたはお住まいの地域包括支援センターにご相談ください。
よくある質問(FAQ)
区分支給限度基準額を超えて使うとどうなりますか?
超えた分は全額自己負担になります。限度額内なら1割で済んでいたサービスが、超過分については10割の請求になるため、1万円分の超過で自己負担が1万円増える計算です。ケアプランを作る段階でケアマネジャーが限度額内に収まるよう調整するのが通常ですが、家族の都合で急にサービスを追加した月などに超えることがあります。超過が続くようなら、要介護度の区分変更申請を検討する場面かもしれません。
特別養護老人ホームと介護老人保健施設はどう違いますか?
特別養護老人ホーム(特養)は生活の場で、原則として要介護3以上の方が長期に入所します。介護老人保健施設(老健)は在宅復帰を目指してリハビリテーションを受ける施設で、入所期間は数か月単位が想定されています。費用は施設の種類だけでなく居室の型でも変わり、多床室よりユニット型個室のほうが居住費が高くなります。特養は待機者が多い地域もあるため、必要になってから探すのではなく早めに相談しておくことが実務上は重要です。
家族の負担はどう見積もればよいですか?
金額に表れない時間の負担が大きく、そこから介護離職につながることがあります。在宅の自己負担が施設より月7万円安くても、介護のために勤務時間を減らして月10万円収入が落ちれば、家計としては施設のほうが有利です。仕事を続けながら介護をするための制度として、介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割可)と介護休暇があり、介護休業給付金も受けられます。辞める前に、勤務先の人事と地域包括支援センターの両方に相談してください。
自己負担が高額になったときの救済制度はありますか?
高額介護サービス費があります。1か月の自己負担合計が世帯の所得区分に応じた上限を超えた場合、超過分が申請により払い戻されます。一般的な所得区分では月44,400円が上限で、住民税非課税世帯はさらに低く設定されています。初回は市区町村への申請が必要で、以降は同じ口座に自動で振り込まれるのが通常です。また、医療費と介護費の年間合計が高額になる場合は、高額医療・高額介護合算療養費制度でさらに軽減されます。
40代・50代でも介護保険は使えますか?
40歳から64歳までは第2号被保険者として保険料を負担していますが、サービスを利用できるのは、末期がんや初老期における認知症など、加齢に伴う特定の疾病が原因で介護が必要になった場合に限られます。交通事故など特定疾病以外が原因の場合は介護保険の対象外となり、障害者総合支援法によるサービスなど別の制度を利用することになります。判断に迷う場合は市区町村の介護保険担当窓口に確認してください。
介護費用は医療費控除の対象になりますか?
一部が対象になります。訪問看護や訪問リハビリテーションなど医療系のサービスの自己負担は医療費控除の対象で、これらと併せて利用する訪問介護などの居宅サービスも対象に含まれる場合があります。施設サービスでは、介護老人保健施設や介護医療院の自己負担額(食費・居住費を含む)が対象、特別養護老人ホームは自己負担額の2分の1が対象という扱いです。対象範囲は細かく分かれているため、確定申告の際は領収書を保管し、税務署または税理士に確認してください。
要介護認定の区分は変えられますか?
状態が変わった場合は、有効期間の途中でも区分変更の申請ができます。認定調査と主治医意見書をもとに審査され、結果が出るまでは通常30日程度かかります。認定が変われば使える限度額も変わるため、サービスが足りていないと感じたら早めにケアマネジャーに相談してください。なお、認定の効力は申請日にさかのぼるため、申請から結果までの間も暫定のケアプランでサービスを利用できます。