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相続税金基礎控除

相続税ざっくり計算機|遺産総額×法定相続人で基礎控除・概算税額を即算出

相続税のざっくり試算に特化した無料電卓。遺産総額と法定相続人の数を入力すると、基礎控除(3,000万+600万×人数)を差し引いた課税遺産総額と、超過累進10〜55%の税率階段を適用した概算相続税額が瞬時に算出できます。「うちは相続税かかるのか」「基礎控除内で収まるのか」を家族会議・親の生前対策の一次判断に使える設計。2015年の税制改正で基礎控除が「5,000万+1,000万×人数」から「3,000万+600万×人数」に縮小されて以降、都市部で自宅を持つ層は相続税課税の対象になりやすくなっています。配偶者の税額軽減(1.6億 or 法定相続分まで非課税)、小規模宅地等の特例(自宅330㎡まで80%減額)、生命保険非課税枠(500万×法定相続人)、生前贈与110万非課税枠等の主要な節税ポイントも解説。国税庁「No.4152 相続税の計算」に準拠した簡易試算です。

最終更新:2026年7月28日/監修:計算ツールズ編集部

相続税ざっくりツール

現金・預貯金・不動産(相続税評価額)・有価証券・保険金の合計。借金は控除。
配偶者+子(子がいなければ父母、兄弟姉妹)。養子は最大2人まで。

相続税の計算式

相続税の計算は①基礎控除の判定→②課税遺産総額の算出→③法定相続分で按分→④税率適用→⑤合計税額を実際の相続分で按分という多段階のステップを踏みます。本ツールは簡略化して「合計税額のざっくり試算」を出力しています。

【基礎控除】
 基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
 法定相続人2人 → 4,200万円 / 3人 → 4,800万円
【課税遺産総額】
 課税遺産総額 = 遺産総額 − 基礎控除
【税率(超過累進)】
 1,000万円以下:10%
 3,000万円以下:15% − 50万
 5,000万円以下:20% − 200万
 1億円以下:30% − 700万
 2億円以下:40% − 1,700万
 3億円以下:45% − 2,700万
 6億円以下:50% − 4,200万
 6億円超:55% − 7,200万

例:遺産5,000万・相続人2人 → 基礎控除4,200万 → 課税800万 → 税率10% → 相続税80万円。遺産1億・相続人2人 → 基礎控除4,200万 → 課税5,800万 → 税率30% − 700万 → 相続税1,040万円。

遺産×相続人別・概算税額早見表

遺産総額相続人1人相続人2人相続人3人相続人4人
4,000万40万000
5,000万160万80万20万0
7,000万480万320万220万100万
1億1,220万1,040万830万640万
2億4,860万4,340万3,900万3,500万
3億9,180万8,610万8,050万7,500万

出典:国税庁 No.4152「相続税の計算」/相続税法第16条・第17条・第21条の12

基礎控除と課税ラインの目安

2015年(平成27年)の税制改正で相続税の基礎控除が「5,000万+1,000万×人数」から「3,000万+600万×人数」に4割縮小。都市部で自宅を持つ層は課税対象になりやすくなり、課税件数は改正前の約2倍に増加しました。

法定相続人基礎控除非課税ライン課税対象例
1人3,600万円3,600万まで非課税4,000万→400万に課税
2人4,200万円4,200万まで非課税5,000万→800万に課税
3人4,800万円4,800万まで非課税6,000万→1,200万に課税
4人5,400万円5,400万まで非課税7,000万→1,600万に課税
5人6,000万円6,000万まで非課税8,000万→2,000万に課税

遺産総額が基礎控除以下なら相続税ゼロ・申告不要。ただし小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使う場合は、税額ゼロでも申告が必要(適用要件)。国税庁の統計では相続税課税対象は全相続の約9%(2022年)で、都市部(首都圏・関西圏)ほど比率が高くなっています。

配偶者の税額軽減

相続税の最大の節税枠が「配偶者の税額軽減」。配偶者が相続する財産のうち、1億6,000万円 or 法定相続分までは相続税がかかりません。この枠内なら配偶者の相続税はゼロになります。

遺産総額配偶者法定相続分配偶者非課税枠備考
5,000万2,500万(1/2)1.6億まで(=全額)全額非課税
1億5,000万(1/2)1.6億まで(=全額)全額非課税
3億1.5億(1/2)1.6億(1.6億が有利)1.6億まで非課税
10億5億(1/2)5億(法定相続分が有利)5億まで非課税

ただし「二次相続」(配偶者の相続時)で子への課税負担が増えるため、一次相続で全額配偶者に集中させる戦略は必ずしも最適解ではありません。子が最終的に負担する相続税の合計を最小化する視点で、一次相続の配分を設計するのが実務的。日本税理士会連合会や税理士への相談推奨。

小規模宅地等の特例・生命保険の非課税枠

相続税の代表的な節税策として、「小規模宅地等の特例」「生命保険金の非課税枠」があります。

  • 小規模宅地等の特例:被相続人の自宅の敷地について330㎡まで相続税評価額を80%減額。1億の土地→2,000万円評価に。同居親族・配偶者・家なき子(賃貸暮らしの子)が要件を満たすと適用可能
  • 生命保険金の非課税枠:受取人が相続人の生命保険金について500万円×法定相続人まで非課税。相続人3人なら1,500万円まで非課税で受取可能
  • 退職金の非課税枠:死亡退職金にも同じ500万円×法定相続人の非課税枠
  • 墓地・仏壇の非課税:墓地・仏壇・祭具は相続税の非課税財産

小規模宅地特例の適用可否は自宅の相続税評価額を大きく左右するため、遺産総額判定の最重要ポイント。生命保険は受取人を子に指定して非課税枠を最大活用する設計が節税上有利。国税庁 No.4152に詳細解説あり。

生前贈与と暦年課税・精算課税

相続税対策として活用される生前贈与には2つの制度があります。

比較項目暦年課税相続時精算課税
非課税枠年110万円累計2,500万円
超過分の税率10〜55%(贈与税)一律20%
相続時の扱い7年遡って加算(2024〜順次拡大)全額相続財産に加算
適用者誰でも60歳以上の親→18歳以上の子・孫
戻る可能性可能不可(一度選択で確定)

暦年課税は年110万円まで非課税で、複数年に分けて贈与すれば少しずつ財産を移転可能。ただし2024年からの税制改正で相続開始前7年間の贈与が相続財産に加算される(従来3年→段階的に7年に拡大)ため、早めの贈与開始が有利。相続時精算課税は累計2,500万まで一括贈与可だが、全額相続時に加算されるため単純な節税ではなく、資産の早期移転手段。国税庁 No.4402参照。

シーン別の使い方

家族構成・遺産規模別に、相続税ざっくり試算をどう使うかを整理。基礎控除内で収まるか、節税策の検討が必要か、税理士相談が必要かの一次判断に活用してください。

遺産3,000万以下・相続人1〜2人

基礎控除3,600〜4,200万以下なら相続税ゼロ・申告不要。ただし小規模宅地特例を使う場合は税額ゼロでも申告必須。相続放棄・遺産分割協議書の作成のみ検討。

遺産5,000万・自宅あり・相続人2人

自宅を小規模宅地特例(80%減)で評価すれば基礎控除4,200万以下に収まるケース多数。特例適用で相続税ゼロにできる可能性大。税理士相談で特例適用要件を確認。

遺産1億・都市部自宅・相続人3人

基礎控除4,800万→課税5,200万→概算830万円。配偶者控除・小規模宅地・生命保険非課税枠を組合せて実質税額を圧縮。生前贈与も併用推奨。

遺産3億・富裕層・相続人3人

基礎控除4,800万→課税2億5,200万→概算8,000万円超。本格的な相続対策必須。生命保険・信託・不動産法人化・海外資産等の高度な対策を税理士+弁護士で設計。

親の生前対策シミュレーション

親が健在なうちに相続税シミュレーションを実施。基礎控除内なら安心、超えるなら生前贈与110万×子2〜3人×10年=2,200〜3,300万円の資産移転を検討。

兄弟姉妹が相続人(子なし)

被相続人に子・親がいない場合、兄弟姉妹が相続人。相続税は2割加算される(配偶者・1親等以外)。基礎控除内でも兄弟数が少ないと課税リスク。遺言書作成推奨。

よくある勘違い

1. 「基礎控除以下なら申告不要」は例外あり

遺産が基礎控除以下なら申告不要が原則。ただし小規模宅地特例・配偶者の税額軽減を適用する場合は税額ゼロでも申告必須。申告しないと特例が使えず、後から追徴課税リスク。

2. 生命保険金も相続財産に含める

受取人指定の生命保険金は民法上「受取人固有の財産」だが、相続税法上は「みなし相続財産」として課税対象。ただし500万×法定相続人の非課税枠あり。遺産に含めて計算する必要。

3. 「養子で相続税を減らせる」は上限あり

養子縁組で法定相続人を増やし基礎控除を拡大できるが、相続税計算上の養子カウント上限は「実子あり1人・実子なし2人」まで。5人養子にしても基礎控除は増えない。ただし民法上の相続人としては全員有効。

4. 生前贈与「110万非課税」は7年内は加算

暦年課税110万円は贈与時点では非課税だが、相続開始前7年間の贈与は相続財産に加算(2024年〜順次拡大、従来3年)。死期が近い駆込贈与は節税効果が限定的。早めの贈与開始が有利。

5. 「不動産は評価額が下がる」で節税可

不動産の相続税評価は路線価(時価の約8割)で計算。現金より2割ほど圧縮される。小規模宅地特例で自宅は8割減となり、1億の自宅→2,000万評価になるため大幅節税。ただし換金性低下のリスクも。

6. 相続放棄しても生命保険は受取可

相続放棄すると民法上の相続財産(現金・預貯金・不動産)は受取不可だが、受取人指定の生命保険金は放棄後も受取可能(受取人固有の財産のため)。ただし相続税は課税される。

7. 相続税の申告・納付は10ヶ月以内

相続開始(被相続人死亡)から10ヶ月以内に相続税申告+納税が必要。遅れると延滞税・無申告加算税。10ヶ月以内に遺産分割協議が終わらない場合は「未分割申告」で暫定申告→分割後に修正申告の流れ。

8. 「遺言書があれば税金ゼロ」は誤り

遺言書は遺産の分配方法を決めるだけで、相続税自体は変わらない。ただし遺言で配偶者・子への配分を工夫すれば配偶者控除の活用、二次相続を含めた最適化は可能。

9. 「借金は相続財産に含めない」は誤り

被相続人の借金・住宅ローン・未払金・保証債務も相続財産に含める(マイナス財産)。プラス財産から差引した「純資産」に相続税がかかる。借金過多なら相続放棄も検討(3ヶ月以内)。

参考リンク・公的資料

本ツールは相続税の基礎控除と超過累進税率を適用した簡易概算です。実際の相続税額は配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例・生命保険金/退職金の非課税枠・障害者控除・未成年者控除・相続時精算課税制度・生前贈与加算等の複数の特例と控除が絡み合い、遺産の内訳(現金・不動産・有価証券・借金)や相続人の実際の取得分配で大きく変動します。特に不動産の相続税評価額(路線価・固定資産税評価額)は個別鑑定が必要で、税額に大きく影響します。相続税は相続開始(死亡)から10ヶ月以内の申告・納税義務があり、遅延で延滞税・加算税のペナルティが発生します。相続対策・生前贈与・遺言作成は個別事情により最適解が異なるため、税理士・弁護士・司法書士等の専門家へ必ずご相談ください。国税庁・財務省の公表資料と本ツールの計算結果に差異がある場合は公式資料が優先されます。

よくある質問(FAQ)

基礎控除はいくら?

3,000万円+600万円×法定相続人の数。相続人2人なら4,200万円、3人なら4,800万円、4人なら5,400万円。遺産総額が基礎控除以下なら相続税ゼロ・申告不要(特例適用時は申告必要)。2015年改正で従来の「5,000万+1,000万×人数」から4割縮小されたため、都市部の自宅所有層は課税対象になりやすい。

配偶者控除の枠は?

1億6,000万円 or 法定相続分のいずれか大きい方まで非課税。配偶者が相続する分の相続税はこの枠内ならゼロ。ただし「二次相続」(配偶者死亡時)で子への課税負担が増えるため、配偶者に全額集中させる戦略は必ずしも最適解ではない。子が最終負担する相続税合計を最小化する視点で税理士と設計を。

生前贈与は何円まで非課税?

暦年課税で年110万円まで非課税。ただし2024年改正で相続開始前7年間の贈与は相続財産に加算(従来3年→段階的に7年拡大)。早めの贈与開始で節税効果最大化。相続時精算課税なら累計2,500万円まで一括贈与可(相続時に全額加算)。国税庁 No.4402参照。

小規模宅地等の特例とは?

被相続人の自宅の敷地について330㎡まで相続税評価額を80%減額する特例。1億の土地→2,000万円評価に圧縮でき、相続税が大幅に減る。同居親族・配偶者・「家なき子」(賃貸暮らしの子)が要件を満たすと適用可能。事業用宅地や貸付用宅地にも別枠あり。適用には申告必須(税額ゼロでも)。

生命保険金は相続税がかかる?

受取人指定の生命保険金は「みなし相続財産」として課税対象。ただし500万円×法定相続人の数まで非課税。相続人3人なら1,500万円まで受取っても相続税ゼロ。相続対策として保険加入・受取人指定を工夫することで実質的な節税が可能。

相続税の申告期限は?

相続開始(被相続人死亡)から10ヶ月以内に申告+納税が必要。遅れると延滞税・無申告加算税。10ヶ月以内に遺産分割協議が終わらない場合は「未分割申告」で暫定申告→分割後に修正申告の流れ。相続放棄は3ヶ月以内(家裁への申立)。

養子縁組で相続税は減らせる?

養子で法定相続人を増やし基礎控除を拡大できるが、相続税計算上の養子カウント上限は「実子あり1人・実子なし2人」まで。5人養子にしても基礎控除は増えない。ただし民法上の相続人としては全員有効で、遺産分割協議での配分は変えられる。孫養子は相続税2割加算対象。

不動産の相続税評価額は?

不動産は路線価(時価の約8割)で評価。現金より2割ほど圧縮される。小規模宅地特例が適用できれば自宅はさらに8割減で、実質時価の16%まで圧縮可能。ただし換金性が低いため納税資金の確保が課題。国税庁 路線価図で自宅の路線価を確認可能。

借金は相続財産にどう影響する?

被相続人の借金・住宅ローン・未払金・保証債務も相続財産に含める(マイナス財産)。プラス財産から差引した「純資産」に相続税がかかる。借金過多で純資産マイナスなら相続放棄(3ヶ月以内)または限定承認を検討。ただし団信付住宅ローンは死亡時に自動完済され借金にならない。

相続放棄しても生命保険は受取れる?

受取れる。相続放棄すると民法上の相続財産(現金・預貯金・不動産)は受取不可だが、受取人指定の生命保険金は「受取人固有の財産」で放棄後も受取可能。ただし相続税は課税される(みなし相続財産)。500万×法定相続人の非課税枠は放棄しても使えるケースあり。

兄弟姉妹が相続する場合の注意点は?

被相続人に子・親がいない場合、兄弟姉妹が相続人。相続税は2割加算(配偶者・1親等以外は加算対象)。兄弟数が少ないと基礎控除が小さく課税リスク高。遺留分もないため、遺言書で他の親族や第三者への遺贈が可能。ライフスタイル多様化で子なし相続は増加中。

相続税が払えない場合は?

不動産中心の相続で現金が少ない場合、「延納」(最大20年分割)「物納」(不動産・株式で納税)の制度あり。延納は利子税がかかり、物納は不動産の売却困難時の最終手段。生前対策として生命保険を納税資金にする設計が推奨される。500万×相続人の非課税枠を活用して受取れば実質税負担ゼロで納税資金確保可能。

都市部と地方で相続税課税率は違う?

国税庁統計では相続税課税対象は全相続の約9%(2022年)だが、都市部(首都圏・関西圏)ほど比率が高い。東京23区は20%超、地方は3〜5%。地価の高さで自宅の相続税評価額が高くなり、基礎控除を超えやすいのが主因。都市部の自宅所有層は必ず相続税シミュレーションを。

相続財産のリストアップ手順

相続税シミュレーションの前提となる「遺産総額」の正確な把握は、生前対策・相続開始後どちらでも最重要作業です。以下の項目を漏れなくリストアップしましょう。①預貯金(全金融機関の残高)、②不動産(自宅・土地・投資物件の相続税評価額)、③有価証券(株式・投資信託・国債)、④生命保険金・死亡退職金、⑤自動車・美術品・貴金属・骨董品、⑥貸付金・売掛金、⑦事業用資産(自営業の場合)、⑧マイナス財産(借金・住宅ローン・未払税金・葬儀費用)。金融機関の残高証明書、法務局の登記事項証明書、証券会社の残高報告書、保険会社の証明書を取り寄せて客観的に把握。生前に「エンディングノート」で整理しておくと相続人の負担が大幅に減ります。

二次相続を含めた最適配分

相続税対策で最も見落とされがちなのが「二次相続」の存在。一次相続(父の死亡)で配偶者控除をフル活用して母に全額集約すると、母(配偶者)の死亡時=二次相続で配偶者控除が使えず、子への課税が急増するリスクがあります。

ケース一次相続二次相続合計税額
母に全額集中0円(配偶者控除)高額(母の資産+一次分)合計高め
子に多めに配分課税発生母の資産のみ合計最小化
法定相続分どおりやや発生中間中間

例:遺産1億・母+子2人。一次で母全額→二次で子への相続税約1,220万。一次で法定相続分(母5,000万・子2,500万×2)→一次330万・二次320万=合計650万で節税効果あり。配偶者の年齢・健康状態・二次相続時の子の状況を踏まえた総合的な設計が必要で、税理士シミュレーションが不可欠。