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離婚慰謝料養育費財産分与年金分割算定表

離婚 慰謝料・養育費・財産分与計算|裁判所算定表準拠で総額と月額を試算

離婚事由・子供の数・夫婦年収・婚姻年数・共有資産から、慰謝料・養育費・財産分与・年金分割の総額と月額を試算。2019年12月改定の家庭裁判所養育費算定表、原則2分の1の財産分与ルール、婚姻期間中の厚生年金を最大50%分割する年金分割制度に対応。弁護士相談・調停申立前のセルフチェックに。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

離婚 慰謝料・養育費・財産分与計算ツール

計算式と根拠

離婚時の金銭は4本柱

受取総額 = 慰謝料 + 養育費(月額×支払月数) + 財産分与 + 年金分割

離婚時の金銭請求は、①有責配偶者からの慰謝料(民法709条・710条)、②子供の養育費用の養育費(民法766条・877条)、③夫婦共同で築いた財産の財産分与(民法768条)、④婚姻期間中の厚生年金の年金分割(厚生年金保険法78条の2)の4本柱で構成されます。それぞれ請求根拠と時効が異なるため、要件と期限の把握が重要です。

慰謝料の考え方

慰謝料 = 有責行為の程度 × 婚姻期間係数 × 精神的損害

性格の不一致は原則慰謝料請求困難で、不倫(不貞行為)、DV、悪意の遺棄など民法770条1項の法定離婚事由があれば、100〜500万円が判例相場。時効は原因を知ってから3年(民法724条)、離婚成立から3年(民法771条)。

養育費の考え方

養育費(月額) = 家庭裁判所算定表(2019年12月改定)から支払者・受取者の年収と子の数・年齢で決定

本ツールは算定表を近似する簡易式で、支払者と受取者の年収差に子供数別の係数を掛けて月額を算出。18歳まで(2022年成人年齢引き下げ後も養育費は原則18歳まで、大学進学時は22歳まで延長可)の支払月数で総額を試算します。実際の額は算定表を必ず参照してください。

財産分与の考え方

財産分与 = 婚姻中に夫婦共同で築いた資産 × 1/2

専業主婦(夫)、収入格差があっても原則2分の1ルール(判例確立)。婚姻前の預貯金・親からの相続・贈与は「特有財産」で対象外。住宅ローンオーバー(債務超過)は分与額ゼロ。

離婚事由と慰謝料相場

事由民法770条該当慰謝料相場証拠の重要度
性格の不一致該当なし0〜50万円(協議次第)
不貞行為(不倫)1号100〜300万円特高(写真・LINE・GPS・興信所)
悪意の遺棄2号50〜200万円高(生活費未払い記録)
3年以上の生死不明3号
強度の精神病4号医師の診断書
DV(身体的暴力)5号100〜300万円特高(診断書・警察届出・写真)
DV(モラハラ・精神的暴力)5号50〜200万円高(録音・LINE・日記)
セックスレス(長期・悪意)5号相当50〜150万円中(日記・カウンセリング記録)
ギャンブル・浪費5号相当50〜200万円中(借金記録・給与流用証拠)
宗教トラブル5号相当ケース別中(強要記録)

慰謝料増額要因:婚姻期間が長い、子供が幼い、有責配偶者の年収が高い、複数回の不貞、暴力の激烈さ・回数、うつ病等の発症診断書。減額要因:短期婚姻、既に別居長期、双方に責任、被害者側の落ち度。

養育費算定表(2019年改定・概算)

2019年12月、司法研修所が16年ぶりに算定表を改定。旧表より1〜2万円/月 上乗せされる傾向。以下は「支払者会社員・受取者会社員・子1人0-14歳」の概算値です。

支払者年収受取者100万受取者200万受取者300万受取者400万
300万円2-4万2-4万1-2万0-2万
400万円4-6万4-6万2-4万2-4万
500万円6-8万4-6万4-6万4-6万
600万円8-10万6-8万6-8万4-6万
700万円8-10万8-10万6-8万6-8万
800万円10-12万8-10万8-10万6-8万
1000万円12-14万12-14万10-12万8-10万
1200万円16-18万14-16万12-14万12-14万
1500万円18-20万18-20万16-18万14-16万
2000万円22-24万20-22万20-22万18-20万

子供が2人・3人、15歳以上、大学進学、特別支援教育、私立学校等で加算があります。詳細は最高裁判所「養育費・婚姻費用算定表」を参照してください。

財産分与の対象と2分の1ルール

資産財産分与の対象備考
婚姻中の預貯金○ 全額対象名義に関係なく共有と推定
婚姻中に購入した自宅・不動産○ 対象ローン残債は控除
婚姻中の投資信託・株式○ 対象離婚時の時価で評価
退職金(見込み分)○ 婚姻期間相当を対象すでに近い場合が明確
企業年金・iDeCo○ 婚姻期間相当を対象受給時点で分与
生命保険(解約返戻金)○ 対象離婚時の解約返戻金相当
婚姻前の預貯金・資産× 特有財産持ち込み分は除外
親からの相続・贈与× 特有財産受贈者個人の資産
婚姻前の借金× 特有債務個人債務
婚姻中のギャンブル・浪費借金△ 状況により共同の生活費でなければ除外傾向

専業主婦(夫)でも原則2分の1(判例確立)。ただし医師・弁護士等の高収入で相手の貢献が薄い場合は6:4等の変則配分もあり得ます。財産分与請求権の時効は離婚成立から2年(民法768条2項)で、除斥期間のため中断できません。

年金分割制度(合意分割・3号分割)

合意分割(2007年4月〜)

婚姻期間中の厚生年金保険料納付記録を最大2分の1まで分割。夫婦の合意または裁判所の決定が必要。婚姻期間全体の記録が対象。国民年金(1階部分)は分割不可。

3号分割(2008年5月〜)

専業主婦(夫)の第3号被保険者期間の厚生年金を、相手の合意なしで自動的に2分の1分割。2008年4月以降の期間のみ対象。婚姻期間全体には合意分割の申立も必要。

手続き

年金事務所で「年金分割のための情報通知書」を取得(発行に約3週間)。分割割合を合意・調停で決定後、離婚成立から2年以内に年金事務所で手続き。期限厳守(除斥期間)。

金額の目安

厚生年金加入20年・年収500万円の相手と分割で、月額2-4万円の増額が典型的。離婚時に確定するのは「持分」で、実際の受給は自身の受給開始年齢(65歳〜)からです。

離婚手続きの3ルート

ルート期間費用成立の条件
協議離婚(役所届)即日ほぼ0円夫婦の合意のみ、9割がこのルート
調停離婚(家庭裁判所)3-12ヶ月2万円+弁護士5-30万調停委員会の仲介で合意成立
訴訟離婚(裁判)1-3年数十万〜100万+民法770条の法定離婚事由必要

協議離婚でも「離婚協議書」を作成し公正証書化することが強く推奨されます。養育費未払い時に即強制執行(給与差押え)が可能な「執行受諾文言付き公正証書」なら、裁判なしで支払わせる法的手段が使えます。手数料は1万〜5万円程度、公証役場で作成します。

シーン別の使い方

離婚を検討中の方

調停・訴訟前のセルフ試算に。慰謝料・養育費・財産分与・年金分割の見込総額を把握し、離婚後の生活設計(住居費・生活費・教育費)を検討する材料として活用。感情ではなく数字ベースで話し合いを進めるための第一歩。

弁護士・司法書士

初回相談時のクライアントへの数値説明ツールとして。特に養育費算定表の理解が困難なクライアントに、視覚化された金額を示すことで、方針決定を早められます。

FP・ライフプランナー

離婚後のキャッシュフロー相談、シングルマザー・ファザーの家計再建、養育費受給を前提とした住宅ローン再検討などのシミュレーション。児童扶養手当・寡婦控除等の公的支援と組み合わせた設計。

DV被害者支援・NPO

被害者への金銭見通し提示。慰謝料・養育費が確定していない状態で避難する不安を、大まかな金額提示で緩和。法テラス紹介・シェルター・母子生活支援施設への橋渡しに。

年金事務所・社労士

年金分割の情報通知書取得後の相談に。合意分割の割合交渉、3号分割の自動適用範囲の説明、離婚後の受給見込額シミュレーションで活用。

家庭裁判所調停委員

算定表適用の判断参考として。特に自営業者・変動所得者の場合の年収認定、複数子供の年齢別配分、大学進学時の養育費延長など、複雑ケースの整理に。

よくある間違い・注意点

  • 性格不一致で慰謝料を期待 — 民法770条の法定離婚事由(不貞・DV・悪意の遺棄等)に該当しない場合、慰謝料請求は原則困難。「不倫の証拠」を集めずに感情論で請求すると裁判で棄却されます。
  • 養育費強制執行の未活用 — 未払い率は5割超。執行受諾文言付き公正証書があれば裁判なしで給与差押え(手取り月額最大1/2まで、養育費は民事執行法特例)、預金差押えが可能。作成しないと後で膨大な弁護士費用がかかります。
  • 財産分与の時効(2年)を見落とす — 離婚成立から2年で消滅する除斥期間で中断できません。感情的にすぐ離婚してから請求すると受け取れないケース多発。離婚届提出前に必ず取り決めを。
  • 年金分割の申立漏れ — 離婚成立から2年以内に年金事務所で手続きしないと権利消滅。合意分割は「合意」だけでは効力なし、必ず年金事務所での手続きが必要です。
  • 特有財産の主張立証を怠る — 婚姻前の預金・親からの相続は財産分与対象外ですが、「特有財産である証拠」の立証責任は主張側。通帳・相続書類・贈与契約書の保存が必要。
  • 子供の親権を金銭カードにする — 「親権を渡すから養育費なし」の取り決めは、子の福祉の観点から後日変更請求可能。裁判所は「養育費は子の権利」として、親の合意より子の福祉を優先します。
  • 公正証書化を軽視した口約束 — 口約束・私文書だけでは強制執行ができず、裁判(1-2年+費用数十万)が必要になります。公正証書化に数万円惜しんで数百万円失うのは典型的な失敗パターン。
  • 離婚届提出前に別居を放置 — 別居中でも婚姻費用(生活費)分担義務あり(民法760条)。婚姻費用分担請求は財産分与より高額(生活費全額)なので、離婚成立前は請求権を活用すべき。

関連する規格・法令

  • 民法766条 ― 子の監護に関する事項の定め等。養育費・面会交流の基本規定。
  • 民法768条 ― 財産分与。時効2年(除斥期間)。
  • 民法770条 ― 裁判上の離婚の法定事由5号。不貞・悪意の遺棄・3年以上の生死不明・強度の精神病・その他重大事由。
  • 民法877条 ― 扶養義務。親の子への養育費支払い義務。
  • 民法709条・710条・724条 ― 不法行為に基づく慰謝料請求と3年の消滅時効。
  • 厚生年金保険法78条の2 ― 年金分割の請求権。合意分割・3号分割の根拠法。
  • 民事執行法151条の2 ― 養育費の強制執行特例。将来分の給与差押えが可能。
  • DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律) ― 保護命令(接近禁止・退去命令)、警察・シェルター連携。
  • 司法研修所「養育費・婚姻費用算定表」(2019年12月改定) ― 家庭裁判所実務の標準表。

参考文献・公的資料

離婚関連の正確な情報や公的支援制度は、以下の公的機関の資料を参照してください。個別事案は必ず弁護士等の専門家に相談することを推奨します。

※本ツールは公表資料と一般的な判例相場に基づく参考計算です。実際の慰謝料・養育費・財産分与額は、個別事案の証拠、婚姻期間、双方の収入、資産、子の年齢・人数・特別費用、有責の程度により大きく変動します。DV・不貞等の重大事案では、必ず弁護士(日本弁護士連合会・法テラス経由)に相談してください。年金分割の正確な見込額は、日本年金機構「年金分割のための情報通知書」の発行を受けて確認してください。財産分与2年、慰謝料3年の時効(除斥期間)にご注意ください。

よくある質問(FAQ)

性格不一致で慰謝料を請求できる?

原則請求困難です。民法770条の法定離婚事由は「不貞・悪意の遺棄・3年以上の生死不明・強度の精神病・その他婚姻を継続し難い重大事由」で、性格の不一致はこれに該当しません。ただし協議離婚では、双方合意で解決金として一定額を支払うケースもあります(50万円以下が多数)。

養育費の相場はどれくらい?

2019年改定の家庭裁判所算定表準拠で、支払者会社員600万円・受取者会社員300万円・子1人0-14歳で月6-8万円が典型例。年収・子の数・年齢で大きく変動するため、必ず算定表本体を参照してください。私立学校・大学進学・特別支援教育で加算あり。

養育費はいつまで支払う?

原則18歳になる年度末までですが、大学進学時は22歳(卒業年度末)まで延長可能。2022年の成人年齢18歳引き下げでも、養育費は「経済的自立まで」という考えで、大学進学を認めた父母合意なら22歳までが判例主流です。

養育費が支払われない場合の対処法は?

執行受諾文言付き公正証書または家庭裁判所調停調書があれば、裁判なしで給与差押えが可能(民事執行法151条の2)。将来分も一括で差押えでき、養育費は手取り月額最大1/2まで(通常債権は1/4)。無い場合は履行勧告→履行命令→再度の調停・審判が必要。

財産分与の2分の1は必ず?

専業主婦(夫)でも原則2分の1(判例確立)。ただし医師・弁護士等の高収入で相手の貢献が薄い場合は6:4等の変則配分もあり。婚姻前の預金・親からの相続は「特有財産」で対象外です。

住宅ローンが残っている家はどうなる?

時価-ローン残債で純資産を算定。マイナス(オーバーローン)なら財産分与の対象外。売却して残債を清算、または一方が住み続けて他方に代償金を払うなど、個別ケースで対応。連帯保証を外す手続きを忘れると、離婚後も相手のローン滞納で請求されるリスクがあります。

年金分割の金額はどれくらい?

厚生年金加入20年・年収500万円の相手と分割で月額2-4万円の増額が典型的。3号分割(2008年4月以降の専業主婦期間)は自動、それ以前は合意分割の申立が必要。日本年金機構で「情報通知書」を取得すれば正確な見込額が分かります。

不倫の慰謝料は誰に請求できる?

配偶者と不倫相手の両方に連帯債務として請求可能。合計300万円なら片方から300万円全額を取ることも可能(内部負担割合は別途調整)。証拠(LINE・写真・興信所調査書等)の質と量で認容額が大きく変動します。時効は原因を知ってから3年。

調停と裁判の違いは?

調停は話し合い(調停委員が仲介)で、成立には双方の合意が必要。不成立なら裁判へ移行。裁判は判決で強制決着しますが、民法770条の法定離婚事由がないと離婚は認められません。日本では9割が協議、残りが調停・裁判です。

弁護士費用の目安は?

着手金20-40万+報酬金(獲得額の10-20%)+実費が一般的。協議書作成のみなら5-15万。法テラス(所得基準あり)なら弁護士費用の立替制度あり(月額5000円等の分割返済)。DV被害者は所得基準緩和・返還免除の可能性も。

公正証書は必ず作るべき?

強く推奨。口約束や私文書では強制執行ができず、養育費未払い・慰謝料未払い時に裁判(1-2年+費用数十万)が必要。公正証書化に数万円の初期投資で、後日数百万円の未払い回収が容易になります。公証役場で作成、手数料は1-5万円程度。

親権は父母どちらに有利?

日本の家庭裁判所実務では母親優先の傾向(乳幼児は特に)ですが、近年は父親親権も増加。判断基準は「子の福祉」(監護実績・監護能力・経済力・住環境・きょうだい関係・子の意思(15歳以上))。育児実績を客観的に示せる父親は認容例が増えています。共同親権制度は民法改正で2026年頃導入予定。