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離婚時の養育費・財産分与・年金分割 完全計算|算定表・2分の1ルール・合意分割で離婚後総額を一括算定

夫婦の年収・子の人数と年齢・婚姻期間・夫婦の資産・住宅ローン残高・厚生年金加入期間を入力するだけで、養育費(最高裁算定表)・財産分与(2分の1ルール)・年金分割(合意分割 0〜50%)・慰謝料を一括算定。子が独立するまでの総養育費と月次分割額、離婚後の受取総額まで一画面で出力します。有責配偶者・共働き・専業主婦・熟年離婚など、パターン別ケーススタディも網羅した完全無料シミュレーターです。

最終更新:2026年8月14日/監修:計算ツールズ編集部

離婚時給付 計算ツール

給与所得者は源泉徴収票の支払金額、自営業は課税所得+青色申告控除で計算。
15歳以上は基礎生活費の指数が高く、養育費算定表でも別枠。
婚姻前の特有財産、相続財産は分与対象外。純資産(資産−負債)が分与対象。
婚姻中に厚生年金・共済年金に加入した期間。合意分割で最大50%まで分割可。
有責配偶者からの請求は分与額に影響、慰謝料は有責側から受領。

離婚後給付の内訳フロー

  1. 養育費:義務者年収と権利者年収の比率で算定表から月額を決定、子ごとに加算
  2. 養育費総額:月額 × 12か月 × 子が20歳(大学卒22歳合意可)になるまでの年数
  3. 財産分与:婚姻中に形成した純資産(資産−負債)を原則2分の1で分配
  4. 年金分割:婚姻中の厚生年金記録(標準報酬)を最大50%(合意分割)または3号分割で自動分割
  5. 慰謝料:有責事由がある場合、有責側から100〜500万円
  6. 離婚後総額:養育費総額+財産分与+慰謝料+年金分割による将来受取増

結果の見方

離婚時の金銭給付は「養育費」「財産分与」「慰謝料」「年金分割」の4本柱で構成されます。それぞれ根拠法・算定方法・支払形態が異なるため、混同しないことが重要です。

  • 養育費月額:最高裁「養育費算定表」で夫婦年収と子人数・年齢から自動計算される標準額。手取りではなく総支給ベースで判定。
  • 養育費総額:月額×12か月×独立までの年数。子が15歳になった時点で増額改定するのが実務慣行。
  • 財産分与:婚姻期間中に夫婦で築いた財産(預貯金・不動産・退職金・株式・生命保険解約返戻金)から負債を引いた純資産を、原則2分の1で分配。
  • 年金分割:婚姻中の厚生年金の標準報酬記録を最大50%まで分割。老齢厚生年金として将来受給するため、離婚時に一括金は入りません。
  • 慰謝料:不貞行為・DV等の有責事由がある場合のみ発生。婚姻破綻の主因になった側から他方へ100〜500万円。

計算の仕組みと算定基準

養育費算定表(最高裁令和元年12月改定版)

最高裁が公表する養育費算定表は、夫婦の給与年収(自営は事業収入から必要経費控除後)と、子の人数・年齢別に月額のマトリクスを掲載しています。標準的算定式は以下。

養育費月額 ≈ (義務者基礎収入 × 子の生活費指数 ÷ (100 + 子指数)) × 義務者/(義務者+権利者) ÷ 12

子の生活費指数:0〜14歳=62、15歳以上=85(親の指数100を基準)。基礎収入は年収の34〜42%(給与所得者)または47〜52%(自営業)。

財産分与(民法768条・2分の1ルール)

財産分与 = (婚姻中形成の純資産) × 50%
純資産 = 預貯金 + 不動産評価額 + 退職金 + 株式 + 保険解約返戻金 - 住宅ローン残高 - 借入金

専業主婦(主夫)でも2分の1ルールが原則。婚姻前の特有財産、相続財産、贈与財産は分与対象外。住宅ローン残高が資産を超える「オーバーローン」の場合は分与ゼロ。

年金分割(合意分割・3号分割)

  • 合意分割:婚姻期間中の厚生年金記録を、夫婦の合意(または裁判所決定)で0〜50%の範囲で分割。両者の合意または家庭裁判所への申立てで実施。
  • 3号分割:2008年4月以降の第3号被保険者期間(専業主婦期間等)については、合意なしで自動的に50%分割可。請求は離婚後2年以内。

慰謝料(民法709条・710条)

有責配偶者(不貞・DV等)から他方への損害賠償。判例上、婚姻期間・子の有無・有責事由の悪質性を考慮して50〜500万円のレンジ。詳細は慰謝料相場 完全計算を参照。

養育費算定マトリクス(月額、円)

義務者年収(給与所得)×権利者年収×子人数の主要組み合わせ。1万円単位で概算表示。

義務者年収権利者0万権利者200万権利者400万権利者600万
年収400万・子1人(0-14)6万円4万円2万円1万円
年収600万・子1人(0-14)8万円6万円4万円3万円
年収600万・子2人(0-14)12万円8万円6万円4万円
年収800万・子1人(15+)12万円10万円8万円6万円
年収800万・子2人(混在)16万円12万円10万円8万円
年収1000万・子2人(0-14)18万円14万円10万円8万円
年収1000万・子3人22万円18万円14万円10万円
年収1500万・子2人24万円20万円16万円14万円
年収2000万・子1人28万円24万円20万円18万円

有責/無責・共働き/専業 比較

共働き無責共働き有責専業無責専業有責
養育費標準標準(有責は無関係)標準(権利者収入0で高額)標準
財産分与2分の12分の1(分与に有責は原則無関係)2分の12分の1
年金分割合意分割50%合意分割50%3号分割50%(自動)3号分割50%
慰謝料0円100〜500万円0円100〜500万円
婚姻費用低額低額高額(別居中)高額
離婚後生活両者自立被害者側優位権利者側に扶助必要権利者側優位

「有責」は主に慰謝料に影響し、財産分与・養育費・年金分割の額そのものは原則影響を受けません。ただし有責側からの離婚請求は婚姻継続困難な例外事由が必要で、実務上は他方に不利な条件を出せない構造になります。

ケーススタディ:世帯別の離婚後総額

① 夫年収600万・専業妻・子2人(0-14歳)

婚姻10年、資産2000万、住宅ローン残高2500万(オーバーローン)。が20年間の総受取。養育費が中心、財産分与はゼロ、年金分割は将来の受給増として反映。

② 夫年収1000万・専業妻・子1人(15歳)

婚姻15年、資産4000万、ローンなし。。子の大学卒業までの高額養育費(月15万円前後)と2000万円の財産分与で総額は大きく上昇。

③ 共働き夫800万妻500万・子3人

婚姻12年、資産3000万、ローン1500万。。妻の収入があるため養育費は月8-10万円に抑えられるが、財産分与750万、年金分割で老後受給増。

④ 有責配偶者・不貞事案

夫700万・妻300万・子1人、夫の不貞で妻が離婚。。慰謝料200-300万円が加算、養育費は算定表通り、財産分与も2分の1ルールで受領。

⑤ 熟年離婚(婚姻30年・年金分割中心)

夫年収600万・妻専業、子は既に独立、資産3000万。。養育費なし、財産分与1500万+年金分割で妻の将来年金が月3〜5万円増(生涯累計1000万円超)。

離婚交渉のポイント

養育費の合意は「公正証書」で強制執行力を

離婚時の口約束や離婚届のみで済ませると、養育費不払いのリスクが高くなります(厚労省調査で継続受給率は約24%)。強制執行認諾文言付き公正証書を作成すれば、不払い時に給与差押えが可能。作成費用は1〜3万円程度で、20年で数千万円の養育費を守る最重要ステップです。

財産分与は「離婚から2年」の除斥期間

財産分与請求権は離婚成立から2年で除斥(消滅)します。慰謝料(3年)とは異なる短い期間である点に注意。離婚届提出前に必ず財産分与の合意書を作成し、退職金・企業年金・生命保険解約返戻金など「見えにくい資産」も含めて調査してください。

年金分割は「離婚から2年以内」に請求

年金分割の請求は日本年金機構への手続で、離婚から2年以内に「年金分割のための情報通知書」を取得し、標準報酬改定請求を行います。合意分割は分割割合を合意(または調停・審判)で決定、3号分割は請求のみで自動50%分割。

住宅ローンの処理

ローン残高が家の評価額を超える「オーバーローン」の場合、住宅は分与対象外(実質価値0)。離婚後もローン契約者が返済継続、または売却して残債を清算するかの2択。連帯保証人・連帯債務者になっている場合は債務も残るため、事前に金融機関と協議が必須です。

⚠ 当ツールは概算です。実際の養育費・財産分与・年金分割は、個別の家計状況、資産構成、家庭裁判所の判断により変動します。離婚協議前に必ず弁護士または離婚専門家に相談してください。

よくある質問(FAQ)

養育費の相場はいくらですか?

最高裁の養育費算定表による標準額は、義務者年収500万円・権利者年収200万円・子1人(0-14歳)で月4〜6万円、子2人で6〜8万円、義務者年収1000万円なら子1人で月10〜12万円、子2人で16〜18万円。実務上はこの表を「相場」として交渉が進みますが、私立学校進学・医療費など特別費用は別途負担するのが定石です。

養育費はいつまで払う必要がありますか?

原則として子が20歳になるまでですが、大学進学が一般的な家庭では合意により22歳(大学卒業)まで延長するケースが増えています。成年年齢引下げ(18歳)による影響について、2021年の最高裁見解では「養育費終期の合意は年齢ではなく経済的自立時点」と示されており、18歳一律終了ではありません。

専業主婦でも財産分与は半分もらえますか?

もらえます。判例は「専業主婦が家事育児で夫の収入形成に寄与した」と評価し、原則2分の1ルールを適用します。ただし、夫の特殊な才能・専門性による高収入(弁護士・医師等)は寄与割合が3〜4割に下げられる判例もあります。婚姻期間が短い(3年未満)場合は貢献度が低いと評価されやすいので注意。

年金分割で自分の年金が増える具体額は?

婚姻期間20年・夫の平均標準報酬月額40万円のケースで、妻の年金が月2〜3万円増(年30〜36万円)。65歳から生涯受給するため、平均余命25年で累計750〜900万円の年金増となります。ただし、離婚時に一括で受け取るわけではなく、老齢厚生年金の受給時に反映される点に注意。

子どもの高校・大学の学費は養育費に含まれますか?

算定表の養育費には「公立高校までの標準教育費」が含まれますが、私立高校・大学の学費は含まれません。これらは「特別費用」として別途協議し、負担割合を決めるのが原則。判例では「両親双方の学歴・経済力・進学に対する意向」を考慮して負担割合が判断されます。事前に離婚合意書に明記しておくと後日の紛争予防に有効です。

養育費を払わない元配偶者から回収する方法は?

公正証書または調停調書・審判書があれば、裁判所を通じて給与差押え(給与の1/2まで)または預貯金差押えが可能。2020年の民事執行法改正で、財産開示手続の実効性が強化され、勤務先が不明でも「第三者情報取得手続」により裁判所経由で勤務先照会ができるようになりました。強制執行費用は数万円〜10万円程度、費用倒れになりにくいです。

不貞相手にも慰謝料請求できますか?

できます。判例上、不貞行為は配偶者と第三者の共同不法行為と評価され、合計200〜300万円を上限に、配偶者と第三者から分担して受領可能です。ただし二重取りはできません。詳細は慰謝料相場 完全計算を参照してください。

離婚後に養育費や慰謝料を減額されることはありますか?

あります。義務者の失業・大幅減収、権利者の再婚(新配偶者と養子縁組)、権利者の収入激増などの「事情変更」があれば、養育費減額調停・審判で減額される可能性があります。逆に義務者の収入激増、子の大病・進学等で増額されることもあります。減額調停の平均審理期間は6〜12か月です。

離婚時の税金はどうなりますか?

養育費・慰謝料・財産分与は原則非課税(贈与税・所得税とも)。ただし①財産分与として不動産を渡す側には譲渡所得税がかかる、②社会通念上不相当に多額な場合は贈与税対象になる、③年金分割による年金は将来受取時に雑所得として課税される、点に注意。特に不動産分与時の譲渡所得税は数百万円になることもあるため、税理士事前確認が有効です。

離婚届を出す前に何を決めておくべきですか?

①養育費の額・支払方法・支払期間(公正証書化)、②親権者と面会交流の頻度・方法、③財産分与の内訳と受渡し方法、④住宅・住宅ローンの処理、⑤年金分割の割合、⑥慰謝料の額と支払方法、⑦離婚後の姓(婚氏続称)と戸籍。特に養育費と面会交流は離婚届提出前に公正証書化することが重要。離婚届のチェック欄「養育費・面会交流の取決めをした」は、していない場合も届出可能ですが、後日の紛争予防のため必ず取り決めてください。

出典・参考資料

※本記事の計算結果はあくまで概算です。実際の養育費・財産分与・年金分割の額、慰謝料は個別の家計状況・資産構成・家庭裁判所の判断により大きく異なります。離婚協議・調停前には必ず弁護士にご相談ください。