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認定司法書士 費用計算|簡裁代理140万円上限・過払い金・任意整理・自己破産の相場

簡易裁判所での代理権(1社あたり請求額140万円以下)を持つ認定司法書士の費用を、業務別に試算。任意整理は1社あたり着手金3〜5万円+減額報酬10%+過払金報酬20%、自己破産(書類作成型)は25〜35万円、個人再生(書類作成型)は30〜40万円が相場です。司法書士法3条2項の代理権範囲、日本司法書士会連合会「報酬アンケート」(2024年)、消費者庁の啓発資料に基づき解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

認定司法書士 費用シミュレーター

計算式と代理権範囲

認定司法書士の代理権範囲(司法書士法3条2項)

代理可能:簡易裁判所での訴訟代理・和解代理・示談交渉(1件140万円以下)

「認定司法書士」とは、法務省が実施する研修と考査に合格し、日本司法書士会連合会に登録された司法書士のこと(司法書士法3条2項)。1社(1件)あたりの請求額が140万円以下に限り、簡易裁判所での訴訟代理・示談交渉ができます。この上限を超える案件、または地方裁判所以上での訴訟は弁護士の業務です。

任意整理の費用式

合計 = 着手金 × 債権者数 + 減額報酬(減額分×10%)+ 過払金報酬(回収額×20-22%)+ 実費

日本司法書士会連合会「業務報酬アンケート」(2024年)によると、任意整理の着手金は1社3〜5万円、減額報酬は10%、過払金回収報酬は20〜22%(訴訟の場合25%)が最頻値。事務所の裁量で±30%の幅があります。

自己破産・個人再生(書類作成型)

司法書士は破産・再生の代理はできませんが、書類作成業務は可能。裁判所への同行はできず、依頼者本人が出頭する必要があります。費用は破産25〜35万円、再生30〜40万円が相場。弁護士(代理型)より20〜40%安いのが特徴です。

不動産登記の報酬

不動産売買登記(所有権移転)は評価額1000万円あたり5〜8万円が相場。相続登記は1件8〜12万円+複数不動産で+3〜5万円。実費(登録免許税)は評価額×0.4%(相続)〜2%(売買)が別途必要です。

任意整理の費用相場

任意整理は将来利息のカット・分割再設定を貸金業者と交渉する手続き。認定司法書士は1社140万円以下に限り代理可能。

項目相場(税抜・1社あたり)備考
着手金3万〜5万円債権者数×該当額
減額報酬減額分の10%元本100万→80万なら2万
過払金報酬(任意交渉)回収額の20%過払い発生時のみ
過払金報酬(訴訟)回収額の25%訴訟提起した場合
実費1万〜2万円郵券・印紙・振込手数料

ケーススタディ:債権者3社・債務200万円

着手金4万円 × 3社 = 12万円
減額報酬(200万→150万)50万 × 10% = 5万円
過払金報酬(30万回収)30万 × 20% = 6万円
実費1.5万円
合計24.5万円(税抜)

この案件で50万円の減額+30万円の過払回収があり、費用24.5万円を差し引いても55.5万円のメリット。ただし信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に事故情報が5年間登録される点は不変です。

過払い金請求の費用相場

過払い金は、利息制限法(15〜20%)を超えて支払った利息の返還請求。最後の返済から10年で時効のため、2010年6月以前の借入は要注意です(貸金業法改正で完全施行)。

手続着手金報酬回収の目安
任意交渉(内容証明)0〜3万円回収額の20〜22%元本の40〜70%
訴訟提起3〜5万円回収額の25%元本の80〜100%+利息5%

認定司法書士でも、過払い元金140万円超は簡裁代理権外で地裁移管、弁護士対応となります。10年以上の長期取引・高金利時代(29.2%)の借入では容易に140万を超えるため注意。

自己破産の費用相場(書類作成型)

自己破産は債務全額の免責を得る手続き。司法書士は書類作成のみ、依頼者本人が裁判所に出頭します(本人申立て同伴不可)。

費目金額備考
司法書士報酬(書類作成)20万〜30万円同時廃止想定
予納金(同時廃止)約2万円裁判所へ納付
予納金(管財事件)20万〜50万円財産・免責事由問題時
収入印紙1,500円申立書貼付
郵券(予納郵便切手)約4,000〜5,000円債権者数による

同時廃止(財産なし・免責事由問題なし)なら合計25〜35万円、管財事件(財産あり)なら合計45〜85万円が目安。弁護士代理型より20〜30万円安いのがメリットですが、本人負担(裁判所出頭・書面追加提出)が大きい点は要検討。

個人再生の費用相場(書類作成型)

個人再生は、住宅ローン特則により住宅を残しつつ債務を最大1/5(下限100万円)まで減額する手続き。小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。

費目金額備考
司法書士報酬25万〜35万円住宅ローン特則ありは+5〜10万
予納金(個人再生委員)15万〜25万円東京地裁は原則選任
収入印紙10,000円申立書貼付
郵券約4,000〜6,000円債権者数による

合計40〜65万円が目安。住宅ローン残債務がある人が対象で、債務総額500〜5,000万円のケースに使われます。5,000万円超は個人再生を利用できません(民事再生法221条)。

相続登記・売買登記の費用

相続登記(2024年4月から義務化)

相続登記は2024年4月1日から義務化(不動産登記法76条の2)。相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料。

費目金額
司法書士報酬8万〜12万円
複数不動産(2件目以降)+3万〜5万/件
登録免許税固定資産評価額×0.4%
戸籍謄本・住民票取得代行1〜3万円
実費(郵送・登記事項証明書)5,000〜10,000円

不動産売買登記(所有権移転)

売買代金決済と同日に所有権移転登記を行うのが実務。買主負担が原則。

費目金額
司法書士報酬5万〜8万円(評価額1000万円あたり)
登録免許税固定資産評価額×2%(土地は軽減で1.5%)
住宅ローン抵当権設定+3万〜5万
実費10,000円前後

司法書士と弁護士の違い

項目認定司法書士弁護士
代理権上限1件140万円以下(簡裁のみ)上限なし・全裁判所
任意整理費用1社3〜5万円1社4〜7万円
自己破産費用25〜35万円(書類作成のみ)35〜60万円(代理)
個人再生費用30〜40万円(書類作成のみ)40〜70万円(代理)
裁判所出頭本人出頭必要(同行不可)弁護士が代理出頭
過払い元金140万超対応不可(地裁移管)対応可

相談パターン別ガイド

クレカ・カードローン中心3〜5社の任意整理

各社100万円以下なら認定司法書士で完結可能。費用は総額20〜35万円。弁護士より10〜20万円節約できます。時効(5年)接近している債権は先に手続きを。

10年以上前の消費者金融取引

過払い金の可能性大。最後の返済から10年以内なら請求可能。任意交渉で元金の40〜70%回収、訴訟なら80〜100%+利息5%を回収できます。140万超は弁護士へ。

住宅ローン残債+多重債務

個人再生を検討。住宅ローン特則で家を残しつつ、他債務を最大1/5に圧縮。総債務500〜5,000万円、継続収入がある場合に有効です。

親からの相続登記(義務化対応)

2024年4月から義務化、3年以内に登記しないと10万円以下の過料。不動産1件で司法書士報酬8〜12万円+登録免許税(評価額×0.4%)。

マイホーム購入時の登記

住宅ローン利用時は所有権移転+抵当権設定を同時登記。銀行指定の司法書士が実務対応することが多く、報酬10〜15万円+登録免許税が標準。

会社経営者の債務整理

個人保証付き債務が1件140万超なら弁護士案件。連帯保証・信用毀損リスク・経営者保証ガイドラインの適用可否があるため、専門弁護士(倒産法)への相談が必須です。

よくある間違い・注意点

  • 140万円上限を「債務総額」と誤解 — 上限は「1社(1件)あたり」の金額。3社合計200万でも各社100万以下なら認定司法書士で対応可能。逆に1社で140万超なら代理不可。
  • 減額報酬の計算基準を勘違い — 減額報酬は「元本の減少分×10%」であり、将来利息カット分は含めない事務所が主流。契約前に基準を必ず確認してください。
  • 過払い金の時効を放置 — 最後の取引から10年で時効消滅(民法166条)。心当たりがあれば早めに調査依頼を。取引履歴の開示請求は無料です。
  • 着手金の分割払い可否を確認しない — 多くの司法書士は着手金の3〜6回分割に対応。契約前に分割回数・月々の負担額を明示させましょう。
  • 破産・再生で司法書士に代理を期待 — 司法書士は書類作成のみ。裁判所への出頭・審尋対応は本人が行う必要があります。同行不可の点は事前確認必須。
  • 相続登記の期限を見逃す — 2024年4月から義務化、相続を知った日から3年以内。過去の未登記も2027年3月末までに登記が必要です。
  • 信用情報への影響を軽視 — 任意整理・破産・再生いずれもCIC/JICC/KSCに5〜10年登録され、クレジットカード・住宅ローン審査が通らなくなります。ライフプランへの影響を確認を。

関連法令・規則

  • 司法書士法 3条2項 ― 認定司法書士の簡裁代理権(1件140万円以下)を規定。
  • 司法書士法 施行規則 ― 業務範囲・報酬基準・研修義務等の細則。
  • 民事再生法 221条 ― 個人再生の債務総額上限5,000万円。
  • 破産法 15条・248条 ― 破産申立要件・免責許可要件。
  • 利息制限法 1条 ― 元本10万未満20%、10万〜100万未満18%、100万以上15%の上限金利。
  • 貸金業法 ― 総量規制(年収の1/3)・グレーゾーン金利の廃止(2010年6月完全施行)。
  • 不動産登記法 76条の2 ― 相続登記の義務化(2024年4月〜)、3年以内の登記義務。
  • 登録免許税法 ― 相続登記0.4%、売買登記2%(土地は特例1.5%)の税率。

参考文献・公的資料

認定司法書士の代理権範囲・報酬基準・法令の最新情報は、以下の公的機関を参照してください。

※本ページの計算結果は日本司法書士会連合会「業務報酬アンケート」(2024年)を参考にした概算値です。実際の費用は個別事案・事務所方針・地域により変動します。特に自己破産・個人再生では裁判所の運用差(東京地裁と他地裁で予納金・個人再生委員選任基準が異なる)があります。ご依頼前に複数事務所での見積り比較、法テラス等の公的相談窓口の活用、契約前の「業務委任契約書・報酬規定書面」の交付確認を必ず行ってください。認定司法書士の代理権(1件140万円以下)を超える案件は弁護士対応が必要です。

よくある質問(FAQ)

認定司法書士と一般の司法書士は何が違う?

認定司法書士は法務省の研修と考査に合格し、日本司法書士会連合会に登録された司法書士(司法書士法3条2項)。1件140万円以下に限り簡易裁判所での代理・和解交渉ができます。一般の司法書士は登記・書類作成のみで、代理業務はできません。

140万円上限は債務総額?1社ごと?

「1社(1件)あたり」の請求額です。3社合計200万円でも各社100万以下なら認定司法書士で対応可能。逆に1社の債務が140万超なら代理不可で、弁護士対応となります。過払い金請求も同じ上限が適用されます。

任意整理の費用相場はいくら?

1社あたり着手金3〜5万円+減額報酬10%+過払金報酬20%+実費が相場。3社200万債務なら合計20〜30万円程度。日本司法書士会連合会「業務報酬アンケート」(2024年)の最頻値に基づく試算です。

過払い金は今からでも請求できる?

最後の返済から10年以内なら請求可能(民法166条・改正前167条)。ただし貸金業法完全施行(2010年6月)以降の借入では上限金利内で発生しないケースが多く、2010年前後の長期取引が主なターゲットです。取引履歴の開示請求は無料。

自己破産と個人再生、費用はどちらが安い?

司法書士書類作成型では破産25〜35万円、個人再生30〜40万円で破産のほうが安価。ただし個人再生は住宅ローン特則で家を残せる利点があり、選択基準は費用だけでなく「住宅保有・継続収入・免責事由の有無」で判断してください。

司法書士でも破産の代理はできる?

できません。破産・再生は司法書士の代理権外で、書類作成業務のみ可能。裁判所への同行・審尋対応は本人が行う必要があります。代理を希望する場合は弁護士(30〜60万円)への依頼が必要です。

相続登記の費用はいくら?

司法書士報酬8〜12万円+登録免許税(評価額×0.4%)+実費が相場。評価額2,000万円なら登録免許税8万円+司法書士報酬10万円=約18万円が目安。2024年4月から義務化され、3年以内に登記しないと10万円以下の過料。

着手金は分割払いできる?

多くの司法書士は3〜6回分割に対応。契約前に分割回数・月々負担額・完済時期を明示させ、書面(業務委任契約書)で確認してください。法テラスの民事法律扶助を使えば分割払いも公的に可能です。

信用情報にはいつまで登録される?

任意整理は完済から5年間(CIC・JICC)、個人再生・自己破産は5〜10年間(CIC 5年、JICC・KSCは7〜10年)。この間はクレジットカード・住宅ローン・自動車ローンの審査が通らないため、ライフプランへの影響を確認してください。

法テラスとは?

日本司法支援センターの通称。収入基準を満たせば司法書士・弁護士費用を立替え(民事法律扶助)、月々5,000〜10,000円で返済可能。無料法律相談(1事件3回まで)も利用でき、多重債務・家庭問題等で広く活用されています。

報酬に消費税はかかる?

司法書士報酬には消費税10%が加算されます。本ページ表示は税抜(税別)の目安。契約書には税込み金額を明示させてください。登録免許税・印紙代は非課税です。

過払い金が140万を超えたら?

認定司法書士の代理権外で、原則地方裁判所での訴訟となり弁護士対応が必要。ただし司法書士が任意交渉の代理まで行い、訴訟段階で弁護士へ引き継ぐ協働パターンもあります。事務所により対応が異なるため事前確認を。