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商標登録費用 計算ツール|出願料・登録料・更新料・弁理士報酬を区分数と5年/10年で即算出

商標登録費用を、特許庁公表の出願料(3,400円+区分数×8,600円)・登録料(区分数×32,900円/10年、16,400円/5年分納)・更新料(区分数×43,600円/10年)と弁理士報酬の目安から即算出。ニース分類45区分、ファストトラック審査、拒絶理由通知への意見書・補正書、無効審判・不使用取消審判、TMview/J-PlatPatによる先行商標調査まで、商標法・特許庁料金体系に基づき解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

商標登録費用ツール

計算式と料金体系

特許庁の公式料金(2026年8月時点、商標法40条・41条の2に基づく)

出願料 = 3,400円 + 8,600円 × 区分数
登録料(10年一括)= 32,900円 × 区分数
登録料(前期5年分納)= 16,400円 × 区分数
更新登録料(10年)= 43,600円 × 区分数
更新登録料(前期5年)= 22,800円 × 区分数

商標登録に必要な特許庁への納付金は、大きく分けて出願料・登録料・更新料の3種類です。いずれも「区分数(指定した商品・役務の分類数)」に応じて増減します。1区分・10年一括なら特許庁分は44,900円(=3,400+8,600+32,900)ですが、5区分になると204,900円まで跳ね上がります。弁理士報酬を加えると1件あたり10〜40万円が一般的な相場です。

実効コスト比較(弁理士なし・自力出願)

区分数出願料登録料10年登録料5年10年一括合計
1区分12,000円32,900円16,400円44,900円
2区分20,600円65,800円32,800円86,400円
3区分29,200円98,700円49,200円127,900円
5区分46,400円164,500円82,000円210,900円
10区分89,400円329,000円164,000円418,400円

1区分10年 = 出願料12,000円 + 登録料32,900円 = 合計44,900円(特許庁印紙のみ)

ニース分類45区分の一覧

商標の指定商品・役務はニース協定に基づく国際分類で1〜45区分に分けられています。1〜34類が「商品」、35〜45類が「役務(サービス)」です。区分数が増えると登録料が比例して上がるため、必要最小限を見極めることが費用最適化の要となります。

区分主要な商品・役務典型的な業種
3類化粧品、石けん、香水コスメ・美容
5類医薬品、サプリメント製薬・健康食品
9類ソフトウェア、電子機器IT・SaaS・家電
10類医療機器メドテック
14類宝飾品、時計ジュエリー
16類紙製品、印刷物出版・文具
18類革製品、バッグファッション雑貨
25類被服、靴アパレル
28類玩具、スポーツ用品玩具・スポーツ
29〜32類食品、飲料食品飲料メーカー
35類広告、小売・卸売、経営コンサルEC・小売・広告代理店
36類金融、保険、不動産金融・不動産
38類通信、放送通信・SNS
41類教育、娯楽、スポーツ興行スクール・エンタメ
42類SaaS、Webサイト提供、研究開発IT・SaaS事業
43類飲食物提供、宿泊飲食・ホテル
44類医療、美容、農業クリニック・エステ
45類法律サービス、警備士業・セキュリティ

ECサイトを運営する場合、商品類(例:25類 アパレル)と35類「小売業務におけるサービス」を両方指定するのが定石。SaaS事業は9類(ダウンロード可能なソフトウェア)と42類(SaaS提供)のセットが標準です。

出願から登録までの流れ

商標出願から登録までは通常8〜12か月、ファストトラック審査なら約6か月です。特許庁の商標審査便覧に沿った標準的な進行を示します。

ステップ期間の目安ポイント
1. 先行商標調査(J-PlatPat)1〜2日類似商標・不使用商標の確認
2. 出願書類作成・提出1週間特許印紙貼付、電子出願も可
3. 方式審査1か月形式不備の補正指示
4. 実体審査6〜10か月類似商標・識別力の審査
5. 拒絶理由通知(該当時)意見書・補正書で応答(3か月以内)
6. 登録査定審査後1〜2週間納付期限30日以内に登録料納付
7. 登録・公報掲載納付後2〜3か月権利発生、®マーク使用可

拒絶理由通知が届いた場合、意見書・補正書の提出で反論できます。応答期間は発送日から3か月(在外者は4か月)で、応答しないと拒絶査定となり登録できません。

通常審査とファストトラック

特許庁は2018年からファストトラック審査を運用しており、以下の条件を全て満たせば審査期間を約半分に短縮できます。追加料金は不要で、費用を増やさず登録スピードを上げられる制度です。

ファストトラックの条件

①指定商品・役務を全て特許庁の「類似商品・役務審査基準」または「商標法施行規則別表」に記載の表示のみで記載、②出願時から補正なし、③電子出願(オンライン)、の3点をクリアすると、出願から約6か月で審査結果が届きます(通常は8〜12か月)。

早期審査制度(別枠)

既に商標を使用している/使用予定がある案件で、権利化を急ぐ必要がある場合、早期審査を申請できます。追加料金なしで審査期間を平均2〜3か月まで短縮できますが、事情説明書の提出が必要で、弁理士に依頼するのが一般的です。

指定商品・役務の書き方

「衣類」「アプリケーションソフトウェア」など、施行規則別表の用語をそのまま使うと審査がスムーズです。独自の用語(例:「AIチャットボットアプリ」)を使うと拒絶理由通知の対象となり、審査期間・費用が増えます。

電子出願とオンライン納付

「インターネット出願ソフト」から電子出願すると、書面出願より1件あたり1,200円+書面枚数×700円が安くなります。特許印紙もペイジー・クレジット納付が可能で、実務ではほぼ全件電子出願が主流です。

弁理士報酬の相場

弁理士への依頼は必須ではなく、自力で出願(本人出願)も可能です。ただし識別力の判定・類似判断・意見書作成には専門知識が必要で、実務では約85%が弁理士経由で出願されています(特許庁「特許行政年次報告書」)。

フェーズ個人・小規模中堅事務所大手事務所
調査・出願手数料5〜8万円8〜15万円15〜25万円
拒絶理由応答(意見書・補正書)3〜5万円5〜10万円10〜20万円
登録手数料(成功報酬)3〜5万円5〜8万円8〜15万円
更新手続手数料2〜3万円3〜5万円5〜10万円

報酬は事務所によって幅がありますが、日本弁理士会の「業務標準額調査」では商標出願1件あたり平均約10万円が実務標準です。複数区分や海外出願を絡めるとその倍額以上になるケースもあります。

更新(10年ごと)と失効

商標権の存続期間は登録日から10年で、その後は10年ごとの更新登録申請で半永久的に維持できます(商標法19条)。ただし更新期限を過ぎると権利が消滅し、再取得の保証はありません。

更新期限と料金

更新料(10年一括)= 43,600円 × 区分数
更新料(前期5年分納)= 22,800円 × 区分数
存続期間満了前6か月から満了日までに納付

1区分の場合、10年に一度43,600円の更新料が必要です。存続期間満了前6か月から満了日までが更新料納付の期限で、失念すると6か月の割増納付期間(倍額)に入り、それも過ぎると商標権は消滅します。長期的なランニングコストを見込んで管理カレンダーに登録することが重要です。

無効審判・不使用取消審判

不使用取消審判(商標法50条)

登録から3年以上使用実績がない商標は、第三者が「不使用取消審判」を請求できます。使用証拠を提出できないと登録が取消されるため、実際に使わない商標は防衛出願であっても定期的に使用実績を残しておく必要があります。審判費用は特許庁印紙55,000円+弁理士報酬15〜30万円が相場です。

無効審判(商標法46条)

類似商標や識別力の欠如などを理由に、第三者や利害関係人が「登録の無効」を請求できます。無効となると出願時に遡って権利が消滅。特許庁印紙は15,000円+区分数×40,000円と高額で、争いになると総額30〜100万円規模の費用が発生します。

異議申立て(商標法43条の2)

商標公報掲載から2か月以内であれば、誰でも登録に対して異議を申立てできます。印紙は3,000円+区分数×8,000円と比較的安価。相手の商標登録を阻止したい競合や利害関係者が使う制度です。

侵害訴訟の損害賠償

他人の商標権を侵害すると、差止請求・損害賠償請求の対象となります(商標法36条・38条)。損害額の推定規定があり、侵害者利益や逸失利益に基づき算定。訴訟費用は原告側300〜500万円、被告側400〜800万円が相場です。

こんな場面で使う

新ブランド立ち上げ時

店名・商品名・サービス名を決める前に、必ずJ-PlatPatとTMviewで類似商標の有無を確認。既登録があると使用差止・商品回収リスク。特許庁の指定した「識別力あり」の名称かつ他社未登録の名称を、35類(小売・広告)と関連商品類の両方で押さえるのがEC事業の定石。

ECサイト・SaaS事業

楽天市場・Amazon・Shopifyでのブランド保護には35類、SaaSは9類(ダウンロード型)と42類(クラウド提供)の両方を指定。Amazon Brand Registryも商標登録が前提条件で、模倣品削除申請・広告優遇に不可欠。

海外展開・マドプロ活用

マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願(マドプロ)は、日本の商標登録を基礎に一括で複数国申請可能。1か国あたり3〜10万円で最大128か国に出願でき、個別出願より1〜2割安く済むケースが多い。

M&A・投資評価

スタートアップの企業価値算定では、登録商標の資産価値(ブランドバリュー)が評価対象。デューデリジェンスでは指定区分の網羅性・更新期限・不使用取消リスクを弁護士・弁理士がチェック。

フランチャイズ・ライセンス

フランチャイズ本部はブランド名を35類・43類等で登録し、加盟店にライセンス供与する形が一般的。使用許諾契約書に商標登録番号を明記することで、加盟店の権利範囲を明確化。

よくある間違い・注意点

  • 1区分だけで十分と思い込む — ECサイトなら35類(小売サービス)、SaaSなら42類(クラウド提供)も同時指定が必須。抜け漏れがあると競合に取られて実質使えなくなります。
  • 先行商標調査を省略 — J-PlatPat無料検索を怠り、類似商標があるまま出願すると拒絶査定+出願料没収(返金なし)。少なくとも指定区分内の登録商標・出願中商標を検索してください。
  • 更新期限を失念 — 10年に一度の更新は忘れやすく、失効すると再登録の保証なし。管理カレンダーへの登録、または弁理士事務所の年金管理サービス(年間5,000〜1万円)の利用を推奨。
  • 不使用取消のリスクを軽視 — 「防衛出願」として使わない区分まで取ると、3年後に不使用取消審判を請求されて権利消滅の可能性。実際に使う区分に絞るのがコスト・リスク両面で正解です。
  • ®マークとTMマークの混同 — 登録前は「TM」、登録後は「®」を使用。未登録で®を付けると景品表示法違反や不当競争防止法の対象になるリスク。
  • 地域団体商標との違いを理解していない — 「〇〇りんご」等の地域ブランドは地域団体商標(商標法7条の2)で組合等が出願する特殊制度。通常の商標出願とは要件・費用体系が異なります。

関連する法令・規則

  • 商標法(昭和34年法律第127号) ― 商標権の付与・存続・侵害・審判に関する基本法。40条(登録料)、41条の2(分割納付)、43条の2(異議申立)、46条(無効審判)、50条(不使用取消審判)を参照。
  • 商標法施行令 ― 手数料・料金の詳細規定。特許印紙の額を定める根拠。
  • 商標法施行規則 ― 出願書類の様式、指定商品・役務の記載方法、別表に列挙された用語集を規定。
  • 特許法(準用規定) ― 電子出願手続、弁理士による代理、審判手続などが準用される。
  • 弁理士法 ― 弁理士が代理できる業務範囲と報酬規定の枠組み。
  • ニース協定 ― 商標登録における商品・役務の国際分類(1〜45類)の基礎条約。
  • マドリッド協定議定書 ― 国際登録出願(マドプロ)の根拠条約。日本を基礎とした国際出願で128か国に一括申請可能。
  • 不正競争防止法 ― 未登録でも周知性のある商品等表示は保護の対象。商標登録との使い分けが重要。

参考文献・公的資料

商標登録費用や手続の最新情報は、以下の公的機関の一次資料をご確認ください。

※本ページの料金・手続情報は2026年8月時点の特許庁公表資料に基づく概算です。区分数の判定、識別力の有無、拒絶理由通知への応答方針、更新期限管理などは事案ごとに異なります。実際の出願・訴訟にあたっては、必ず弁理士・弁護士に相談してください。料金体系は法改正で変更されることがあり、公式サイトの最新情報を参照してください。

よくある質問(FAQ)

弁理士に依頼するといくら?

個人・小規模事務所で1件8〜15万円、中堅で15〜25万円、大手なら25〜40万円が相場。区分数、拒絶理由応答の有無、海外出願の有無で変動します。日本弁理士会「業務標準額調査」では商標出願平均約10万円が実務標準。

ニース分類45区分とは?

商標が指定する商品・役務の国際分類。1〜34類が商品(例:3類 化粧品、25類 アパレル、9類 ソフトウェア)、35〜45類が役務(例:35類 小売・広告、42類 SaaS、43類 飲食・宿泊)。ECサイトは商品類+35類の組み合わせが基本です。

5年分納と10年一括、どちらが得?

10年一括の方が2〜3%割安。10年一括32,900円/区分に対し、5年分納は前期16,400円+後期16,400円=32,800円で数字上ほぼ同じですが、5年後の納付事務コスト・失念リスクを考慮すると10年一括推奨。ただし短期使用予定のブランドは5年分納で様子見が合理的です。

ファストトラック審査の要件は?

①指定商品・役務を「類似商品・役務審査基準」または「施行規則別表」記載の用語のみで記載、②出願後の補正なし、③電子出願、の3点。すべて満たせば審査期間が通常8〜12か月から約6か月に短縮されます。追加料金は不要。

個人でも商標登録できる?

できます。特許庁の「インターネット出願ソフト」で電子出願可能。ただし識別力の判定・類似判断・意見書作成には専門知識が必要で、初出願で拒絶査定になると出願料が返金されないため、事前にJ-PlatPatで類似商標を綿密に調査するか、弁理士の無料相談(日本弁理士会)を利用することを推奨します。

更新を忘れるとどうなる?

存続期間満了後6か月間は「割増納付期間」となり、通常料金の2倍を納付すれば復活可能。この6か月も過ぎると商標権が消滅し、他人が同じ商標を出願・登録できる状態になります。長年育てたブランドを失うリスクがあるため、期限管理は必須です。

拒絶理由通知が来たら?

特許庁から拒絶理由通知が届いたら、発送日から3か月以内に意見書または補正書で応答します。応答しないと拒絶査定となり、登録できなくなります。弁理士に依頼する場合の応答料は3〜10万円、追加で成功報酬が発生することもあります。

®マークはいつ付けられる?

登録査定後、登録料を納付して商標登録原簿に登録された後から使えます。登録前・出願中は「TM」マークを使用。未登録で®を付けると景品表示法や不当競争防止法の対象となるリスクがあります。

不使用取消審判の対象になる?

登録から3年以上使用実績がない商標は、第三者が不使用取消審判を請求できます(商標法50条)。使用証拠(広告・請求書・パッケージ)を提出できないと登録が取消されます。防衛出願であっても実際の使用実績を残すことが重要です。

海外でも商標を守るには?

マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願(マドプロ)を活用。日本の商標登録を基礎に、最大128か国に一括出願できます。1か国あたり3〜10万円で個別出願より1〜2割安く、事務も一元化。中国・アメリカ・EU・韓国は個別出願の方が確実というケースもあります。

「ロゴ+文字」と「文字のみ」は別出願?

別出願です。ロゴ商標と文字商標では権利範囲が異なり、両方を押さえるのが商標保護の定石。ただし費用は倍になるため、まずコアな文字商標を登録し、ブランド定着後にロゴ商標を追加する運用が実務では多く見られます。

類似商標との判断はどう見る?

特許庁は「外観・称呼・観念」の3要素で類似判断します。称呼(読み方)が同じなら文字が違っても類似、観念(意味)が同じでも類似判定されることが多い。J-PlatPatの「称呼検索」で「シンビ」「シンビィ」「シムビ」など称呼の似た商標を洗い出すのが実務調査の定石です。