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不動産譲渡所得3000万円控除確定申告

不動産譲渡所得税 計算ツール|短期・長期・3000万円特別控除・10年超軽減

不動産売却の譲渡所得税を、売却価格・取得費・譲渡費用・所有期間・マイホーム特例から計算します。短期(5年以下)39.63%、長期(5年超)20.315%、マイホーム10年超軽減14.21%に対応。3,000万円特別控除、取得費不明時の概算5%ルール、譲渡費用の範囲、確定申告(分離課税)の実務までを国税庁タックスアンサーの一次情報に照らして整理します。買換特例・空き家3,000万円控除・住宅ローン控除との併用可否・住民税精算までカバー。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

譲渡所得税 計算機

譲渡所得税の計算式

基本式

譲渡益 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用

課税譲渡所得 = 譲渡益 − 特別控除(3,000万円等)

譲渡所得税 = 課税譲渡所得 × 税率

不動産譲渡所得は他の所得と分離して課税される「分離課税」です。給与所得や事業所得と合算しないため、給与が高くても不動産譲渡には固有の税率が適用されます。

所有期間の判定

所有期間は売却した年の1月1日時点で判定します。例えば2021年6月に取得して2026年8月に売却した場合、2026年1月1日時点で4年7か月しか経過していないため「短期」扱いになります。「5年経ったから」と勘違いして売ると税額が倍近く変わるため要注意。

税率一覧(短期・長期・軽減)

税率は所有期間・マイホーム該当・特例適用によって大きく変わります。所得税・復興特別所得税(2.1%上乗せ)・住民税の合算値です。

区分所有期間所得税住民税合計税率
短期譲渡5年以下30.63%9%39.63%
長期譲渡5年超15.315%5%20.315%
10年超軽減(6,000万円以下)10年超マイホーム10.21%4%14.21%
10年超軽減(6,000万円超部分)10年超マイホーム15.315%5%20.315%

10年超軽減税率は、課税長期譲渡所得のうち6,000万円までを14.21%、6,000万円超部分を20.315%で計算する二段階税率である点に注意してください。

復興特別所得税

2013〜2037年の間、所得税額の2.1%が復興特別所得税として上乗せされます。長期譲渡所得税15%×1.021=15.315%、短期30%×1.021=30.63%が実質税率です。

取得費・譲渡費用の範囲

取得費に含まれるもの

  • 購入価格(土地・建物)
  • 購入時の仲介手数料
  • 登録免許税・司法書士報酬(取得時)
  • 不動産取得税
  • 売買契約書の印紙税
  • 建物解体費用(取得後に取り壊した場合)
  • 設備工事費・改良費(資本的支出)
  • 取得のための借入金利子(使用開始日まで)

建物の減価償却

建物取得費は減価償却後の残存価額で計算します。マイホーム(非事業用)は法定耐用年数の1.5倍で償却率を出し、経過年数分を差し引きます。

建物構造法定耐用年数非事業用の償却率
木造(住宅)22年0.031
軽量鉄骨造27年0.025
鉄骨造34年0.020
RC造(マンション)47年0.015

取得費不明時の概算5%

相続で古い家を取得したり、購入時の契約書を紛失した場合は売却価格の5%を取得費とみなす(概算取得費)ことができます。ただし、実額の方が有利なら領収書・登記簿・住宅ローン返済表等の証拠を集めて実額計算するのがベター。

譲渡費用に含まれるもの

  • 売却時の仲介手数料(3%+6万円+消費税が上限)
  • 売買契約書の印紙税
  • 建物解体費(更地売却の場合)
  • 測量費・境界確定費用
  • 立退料(賃借人退去のため支払った場合)
  • 売却のための広告費

固定資産税・都市計画税・修繕費(維持管理のもの)・引越し費用は譲渡費用に含まれません

マイホーム3,000万円控除

マイホーム(居住用財産)を売却した場合、譲渡益から最大3,000万円を控除できる特例(措法35条)。所有期間を問わず適用可能で、譲渡益が3,000万円以下ならほぼゼロ課税になります。

適用要件

  • 自ら居住していた家屋の売却(過去に居住・現に居住どちらも可)
  • 居住しなくなった日から3年経過する年の12月31日までの売却
  • 売主と買主が親子・夫婦・生計を一にする親族・同族会社等でないこと
  • 売却前2年以内に他のマイホーム特例を受けていないこと
  • 災害で消失した家屋の場合、居住停止から3年以内かつ災害の日から7年以内

10年超軽減税率との併用

3,000万円控除と10年超軽減税率は同時適用可能です。例えば長期譲渡所得5,000万円のマイホーム(10年超所有)を売却:

  • 譲渡益 5,000万円 − 特別控除 3,000万円 = 課税所得 2,000万円
  • 2,000万円 × 14.21% = 譲渡所得税 284万円
  • もし3,000万円控除を使わないと 5,000万円 × 14.21% = 710万円 → 426万円の節税

買換特例と空き家特例

マイホーム買換特例(措法36条の2)

マイホームを売って新しいマイホームに買い換えた場合、譲渡益への課税を将来に繰り延べる特例。売却額 ≤ 新居購入額なら課税されず、超過分のみ課税されます。ただし将来売却時に課税されるため「非課税」ではなく「先送り」です。

  • 売却年の1月1日で所有期間10年超
  • 売却額1億円以下
  • 売却の前年〜翌年の3年間に新居を取得
  • 新居は床面積50㎡以上、土地500㎡以下
  • 3,000万円控除・10年超軽減とは選択適用(併用不可)

空き家3,000万円控除(措法35条3項)

被相続人が住んでいた古い家(実質空き家)を相続後に売却する場合、譲渡益から3,000万円控除できる特例。少子高齢化で全国的に空き家問題が深刻化しており、2019年4月〜2027年12月31日まで延長されています。

  • 被相続人が単身で居住していた家屋
  • 1981年5月31日以前に建築(旧耐震基準)
  • 相続開始から3年経過する年の12月31日までに売却
  • 売却額1億円以下
  • 耐震リフォームまたは取り壊し後の更地譲渡

こんな人におすすめ

マイホームを売却予定の会社員

「税金がいくらかかるか」を先に把握できると、売却タイミング・買換の判断がしやすい。所有期間が5年ギリギリの場合は「1月1日基準」を意識して売却時期を調整するだけで税額が半減します。

投資用不動産オーナー

アパート・区分マンションの売却時に、購入時と売却時の差額から税額を見積もり。減価償却の残存簿価計算にも使えます。長期保有(5年超)にすることで税率半減のインセンティブが働きます。

相続で不動産を取得した人

被相続人からの取得費引継ぎ(所有期間・取得価額)、空き家3,000万円特例、10年超軽減税率の適用可否をまとめて確認。相続開始から3年10か月以内の売却なら「相続税額の取得費加算」も使えます。

買換を検討しているファミリー層

売却額と新居取得額の差から、買換特例と3,000万円控除どちらが有利かを比較。買換特例は課税繰延なので、生涯保有前提なら3,000万控除+10年超軽減が有利になるケースが多い。

離婚・財産分与で不動産を渡す人

財産分与でも譲渡所得税が発生します(判例)。夫婦間の名義変更のつもりでも税務署は課税対象と判断するため、事前試算が必須。共有名義の場合の按分計算にも活用。

空き家を売却する相続人

親から相続した実家の売却で、要件を満たせば3,000万円控除。耐震リフォーム済み or 取り壊し後の更地譲渡が条件。2027年末までの期限つき特例なので急ぐ人が増えています。

確定申告と住民税

確定申告(分離課税)

不動産を売却した年の翌年2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。譲渡所得が赤字(損失)でも、以下の場合は申告推奨:

  • 3,000万円控除を使う場合 — 適用に申告が必須
  • 10年超軽減税率を使う場合 — 申告に登記事項証明書等を添付
  • 買換特例を使う場合 — 申告に売買契約書等を添付
  • マイホーム譲渡損失で他の所得と損益通算する場合 — 申告で還付

必要書類

書類入手先
譲渡所得の内訳書(税務署配布)国税庁HP/税務署
売買契約書(売却時・購入時)自宅保管
登記事項証明書法務局
仲介手数料等の領収書不動産会社
住民票の除票(3,000万円控除)市区町村
戸籍附票(住所変遷)市区町村

住民税の精算

住民税は確定申告の翌年6月から徴収開始。給与所得者は特別徴収(給与天引き)で6月〜翌年5月に12分割、または普通徴収(納付書)で6月・8月・10月・翌年1月の4回分割で納付します。譲渡所得税と住民税を合わせた資金準備が必要です。

よくある間違い・注意点

  • 所有期間5年を「取得日から5年」と勘違い — 判定は「売却した年の1月1日時点」。実際に5年経過していても、1月1日時点で4年11か月なら短期扱いで税率が倍近く変わります。
  • 取得費を「購入価格」だけで計算 — 仲介手数料・登録免許税・不動産取得税・司法書士報酬も取得費に含められます。数十万〜100万円単位で節税可能。
  • 建物の減価償却を忘れる — マイホーム(非事業用)は法定耐用年数の1.5倍で計算しますが、償却後の残存簿価を使うのを忘れると譲渡益を過小計算してしまい、後で追徴課税されます。
  • 3,000万円控除と買換特例の併用不可 — 選択適用のため、両方を使うことはできません。譲渡益・新居取得額・将来の売却予定から有利判定を行う必要があります。
  • 親族・同族会社への売却 — 生計を一にする親族・同族会社への売却は3,000万円控除が使えません。相場より安く売っても税務署が時価で計算し直します。
  • 相続後3年10か月ルールの見落とし — 相続税額の取得費加算特例は相続開始から3年10か月以内の売却が条件。この期限を過ぎると節税効果が消えます。
  • 住民税の資金確保漏れ — 譲渡所得税(所得税・復興税)は翌年3月に納付、住民税はさらに翌年度6月〜。両方合わせた税額を1〜2年分プールする必要があります。
  • ふるさと納税の上限に影響 — 譲渡所得は分離課税ですが、住民税所得割の課税対象になり、ふるさと納税の上限額計算に影響します。売却年は寄附上限を控えめに。

関連する法令・規則

  • 所得税法(第33条 譲渡所得) ― 譲渡所得の定義・計算方法の基本規定。
  • 租税特別措置法(措法31条・32条・35条・36条の2) ― 短期/長期税率・3,000万円控除・買換特例の根拠法令。
  • 租税特別措置法施行令・施行規則 ― 特例適用の詳細要件と手続。
  • 地方税法(第32条・第35条) ― 住民税の分離課税規定(5%・9%等)。
  • 復興特別所得税法 ― 2013〜2037年の所得税額2.1%上乗せの根拠。
  • 相続税法(第19条の2 相続税額の取得費加算) ― 相続後3年10か月以内の売却で相続税額を取得費に加算できる特例。
  • 宅地建物取引業法 ― 仲介手数料の上限(売買代金3%+6万円+消費税)の根拠。

参考文献・公的資料

個別事案では国税庁のタックスアンサー、国税局電話相談、税理士への相談を推奨します。

※本ページの計算結果は概算であり、個別事案は所有期間の判定、取得費の詳細、特例の適用可否、他所得との関係で異なります。実際の申告・納税は国税庁タックスアンサーの最新情報および税理士・国税局電話相談窓口の確認を優先してください。相続・離婚・買換など複合的な事案は必ず税理士に相談することを推奨します。

よくある質問(FAQ)

短期と長期の判定はいつ基準?

売却した年の1月1日時点で所有期間を判定します。2021年6月取得→2026年8月売却なら、2026年1月1日時点で4年7か月しか経過しておらず短期扱い(税率39.63%)。実際に5年経っても年をまたぐ前の売却は要注意です。

取得費がわからない古い家は?

売却価格の5%を概算取得費として計上できます(概算5%ルール)。ただし実額の方が高ければ実額計算が有利。相続で取得した場合は被相続人の取得価額を引き継げるため、契約書・領収書・住宅ローン返済表を探すのが節税の第一歩です。

3,000万円控除の要件は?

自ら居住していた家屋(過去に居住・現に居住どちらも可)を、居住しなくなった日から3年経過する年の12月31日までに売却すること。売主と買主が親子・夫婦・生計を一にする親族等でないことなどが要件。所有期間の制限はありません。

10年超軽減税率とは?

マイホームで所有期間10年超の場合、課税長期譲渡所得のうち6,000万円以下部分は14.21%、6,000万円超部分は20.315%で計算する二段階税率。3,000万円控除と併用可能で、大幅な節税になります。

買換特例と3,000万控除はどちらが有利?

買換特例は課税繰延(将来売却時に課税)、3,000万控除は非課税。生涯保有前提や次の売却が20年以上先なら3,000万控除+10年超軽減が有利。すぐに更に大きな買換を予定するなら買換特例が有利です。両者は選択適用で併用不可。

相続した空き家を売る特例は?

2019年4月〜2027年12月31日限定で、被相続人が単身居住していた1981年5月以前築の家屋(旧耐震)を、耐震リフォーム or 取り壊し後の更地譲渡すると3,000万円控除可能。相続開始から3年経過する年末までの売却が条件。

投資用マンションの売却税は?

マイホーム特例が使えないため、短期(5年以下)39.63%、長期(5年超)20.315%が適用されます。減価償却済み建物の残存簿価と土地簿価を合算した取得費で譲渡益を計算。売却損は他の不動産譲渡益とのみ通算可能(給与所得とは通算不可)。

離婚時の財産分与でも譲渡税は発生する?

判例では時価による譲渡があったものとして課税されます(慰謝料代わりでも)。ただし夫婦間の3,000万円控除は使えないため税負担が大きい。共有→単独名義への変更や、離婚後の売却など税務戦略が重要です。

売却損が出た場合は?

不動産譲渡損は原則、他の所得(給与等)と通算できません。ただしマイホームの譲渡損失で買換or住宅ローン残債超過の場合は、給与所得等と損益通算・3年繰越控除ができる特例(措法41条の5・41条の5の2)があります。

確定申告はいつ・どこで?

売却した年の翌年2月16日〜3月15日に、住所地の税務署に申告。e-Taxならスマホから可能。譲渡所得の内訳書・売買契約書・登記事項証明書・住民票除票等の添付が必要。3,000万円控除・買換特例を使うには申告必須です。

住民税はいつ払う?

確定申告の翌年6月〜。給与所得者は特別徴収(給与天引き)で6月から翌年5月に12分割、または普通徴収で6月・8月・10月・翌年1月の4回。譲渡所得税(所得税+復興税)を3月に納付、その後住民税、と1〜2年にわたって支払うため資金プールが必要。

税理士に頼むメリットは?

取得費の掘り起こし・特例の有利選択・減価償却の正確計算・書類作成で、報酬(10〜30万円)以上の節税効果があるケースが大半。特に相続不動産・買換・離婚案件は複雑なので専門家依頼を推奨します。日税連の相談窓口や税務署の無料相談も活用可能。