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法律家事離婚算定表

養育費 計算ツール|算定表準拠・年収と子供数から月額目安を即算出

義務者(支払う側)と権利者(受け取る側)の年収・子供の人数と年齢区分から、養育費の月額目安を算定します。2019年12月改定の家庭裁判所「養育費・婚姻費用算定表」の考え方に基づく簡易計算で、離婚協議・調停・審判の初期検討や、面会交流・不払い対応の目安づくりに活用できます。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

養育費 月額目安の計算

算定表と計算式の考え方

算定表(2019年改定)の位置づけ

日本の家庭裁判所では、離婚時の養育費や婚姻費用について、司法研修所編「養育費・婚姻費用算定表」(2019年12月改定版)が実務標準として運用されています。旧算定表(2003年)から、統計データ(税・社会保険料の実額、標準的生活費)の更新により全体的に増額傾向になりました。

基本的な計算ロジック

月額 ≒ (義務者の基礎収入 − 権利者の基礎収入按分) × 子供の生活費指数 ÷ 12

算定表の背後にある計算は「標準算定方式」と呼ばれ、給与所得者は総支給額から公租公課・職業費・特別経費を差し引いた基礎収入を求め、子供の生活費指数(0〜14歳=62、15歳以上=85、大人=100)で按分します。当ツールは実務上の目安を素早く出すための簡易近似で、正確な調停用資料の作成は算定表の直接参照や弁護士相談を推奨します。

算定表の見方

算定表は「子1人(0〜14歳)」「子1人(15歳以上)」「子2人(0〜14歳)」…と全19種類の表があり、縦軸に義務者年収、横軸に権利者年収を取り、交点の帯(2万円刻み)を読みます。裁判所公式サイトからPDFで無料入手可能で、下記「参考文献」からリンクしています。

年収別 月額目安早見表(子供2人・0〜14歳)

義務者(給与所得者)・権利者(給与所得者)の年収組み合わせによる養育費月額の目安です。算定表本表(2019年版)から代表値を抜粋しました。実際の裁判所判断は個別事情で上下します。

義務者年収→
権利者年収↓
300万円500万円700万円1000万円1500万円
0円(専業主婦等)4〜6万円8〜10万円12〜14万円18〜20万円26〜28万円
100万円4〜6万円8〜10万円10〜12万円16〜18万円22〜24万円
200万円2〜4万円6〜8万円10〜12万円14〜16万円20〜22万円
300万円2〜4万円6〜8万円8〜10万円12〜14万円18〜20万円
500万円4〜6万円6〜8万円10〜12万円14〜16万円

子供が3人以上、年齢が15歳以上の場合は月額が増加します。自営業者(事業所得)は同額の給与年収より基礎収入が高めに算出されるため、算定表の「自営」欄を確認してください。

子供の年齢と生活費指数

算定表は子供の年齢を0〜14歳(義務教育)15歳以上(高校生以上)の2区分で扱います。15歳以上は教育費の増加を反映して指数が高くなります。

区分生活費指数備考
0〜14歳62義務教育の基本水準
15歳以上85高校進学以降の教育費増を反映
大人100権利者・義務者の按分基準

私立学校・大学の学費、塾・部活・習い事の費用は算定表に含まれないとされるため、これらを養育費と別枠で「特別費用」として合意することがあります。

支払期間と終期

養育費の終期は「20歳に達する日の属する月まで」とするのが一般的でしたが、2022年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられた後も、養育費の実務では「大学卒業まで」「22歳に達した後の3月まで」といった延長合意も広く見られます。合意書・調停調書に終期を明記することが重要です。

利用シーンと現場実務

離婚協議書の作成

協議離婚で夫婦間の合意書に養育費を盛り込む際の目安算出。公証役場で「強制執行認諾文言付き公正証書」にしておくと、後の不払い時に直接強制執行が可能になり、権利者保護の実効性が高まる。

家裁調停・審判

家庭裁判所の離婚調停・養育費調停で算定表を用いた協議に入る前の下準備。義務者・権利者双方の年収資料(源泉徴収票・確定申告書)を用意し、当ツールで大まかな帯を把握しておく。

再婚・事情変更

義務者の再婚(扶養家族増)・失業・大幅減収、権利者の再婚(再婚相手が養子縁組)などの事情変更に伴う減額・免除交渉。事情変更が客観的に確認できる場合、増減額の家裁調停が可能。

不払い対応・強制執行

債務名義(公正証書・調停調書・審判書)がある場合の給与差押え・預金差押え。2020年民事執行法改正で財産開示手続の実効性が強化された。

面会交流とセット協議

養育費と面会交流は別々の権利義務だが、実務では合意書に併記されることが多い。月1回・宿泊・電話等の頻度と養育費水準はセットで検討する。

ひとり親支援制度との併用

児童扶養手当・ひとり親家庭医療費助成・住居家賃補助などの公的支援と養育費は別建て。養育費受領が児童扶養手当額に影響する(所得認定)ため、自治体窓口に事前確認を。

増減額の請求と事情変更

いったん取り決めた養育費でも、事情変更が生じた場合は増減額請求が可能です(民法880条準用)。認められやすい事情には、義務者の失業・大幅減収・再婚による扶養家族増、権利者の再婚と養子縁組、子供の進学に伴う特別費用発生などがあります。逆に単なる「支払いが苦しい」「相手を許せない」といった主観的理由では認められません。家裁調停でも合意できない場合は審判に移行します。

不払い時の強制執行

養育費不払いは日本では長年の社会問題で、厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査」でも継続受給率は3割前後にとどまります。公正証書・調停調書・審判書等の債務名義があれば、以下の手続で回収可能です。

  • 給与差押え ― 義務者の勤務先に対する債権差押命令。養育費は民事執行法152条3項により給与手取の1/2まで差押可能(通常債権は1/4)。
  • 預貯金差押え ― 銀行支店を特定して差押命令。2020年民事執行法改正で第三者(銀行本店)への照会制度が整備された。
  • 財産開示手続 ― 義務者に財産開示を義務付ける手続。不出頭・虚偽陳述に刑事罰(6か月以下懲役等)が科される。
  • 養育費立替制度 ― 一部自治体(明石市等)で立替制度あり。詳細は各自治体窓口へ。

よくある間違い・注意点

  • 「相場」と「算定表」を混同 ― SNS・ネット記事で見る「養育費の相場」は個別事案の平均値に過ぎず、法的な根拠は算定表(2019年版)です。まず算定表で標準額を把握してください。
  • 合意書を作らない口約束 ― 口頭合意だけでは不払い時に強制執行できません。公正証書または家裁調停調書で「債務名義」を取得しておくことが最重要です。
  • 再婚を隠して受領 ― 権利者の再婚と養子縁組は減額・免除の事情変更事由。虚偽申告・過剰受給は不当利得返還請求のリスクあり。
  • 時効消滅の見落とし ― 養育費請求権は民法169条により5年で消滅時効(2020年改正民法)。定期的に受領記録・催告書を残す運用が必要です。
  • 「一括払い」を安易に受け入れる ― 一括払い受領後の事情変更(子の高等教育費増、権利者の再婚解消等)には対応困難。原則は月払いです。
  • 面会交流と紐付けた条件交渉 ― 「面会させないなら払わない」は法的に認められない。両者は独立した権利義務です。
  • 算定表の枠外を独自解釈 ― 年収2000万円超、高額所得者、外資系役員報酬等は算定表の想定外。専門家(弁護士・家庭裁判所調査官)の判断が必要です。

関連する法令・規則

  • 民法766条 ― 離婚後の子の監護に必要な事項(監護者・養育費・面会交流)を父母の協議で定める。協議不成立時は家裁が定める。
  • 民法877条 ― 直系血族・兄弟姉妹の扶養義務。親の子に対する扶養は「生活保持義務」で自己と同水準の生活を保障する。
  • 民法880条 ― 扶養の程度・方法の事情変更による変更・取消請求権。養育費増減額の根拠。
  • 民事執行法151条の2 ― 養育費等の間接強制。定期金債権全額の履行遅滞前でも将来分の差押が可能。
  • 民事執行法152条3項 ― 給与差押えの範囲。養育費は手取の1/2まで(一般債権は1/4)。
  • 民事執行法196条以下 ― 財産開示手続(2020年改正で強化)。不出頭・虚偽陳述に6か月以下懲役等の刑事罰。
  • 家事事件手続法別表第2 ― 家事調停・審判事件の管轄。養育費請求は家庭裁判所の専属管轄。
  • 公証人法・公証人手数料令 ― 強制執行認諾文言付き公正証書の作成手続と手数料。

参考文献・公的資料

正確な算定表・実務運用や、養育費不払い対策の最新制度は、以下の公的機関の一次資料を参照してください。

※本ページの計算結果および月額目安は算定表の考え方に基づく簡易概算であり、家庭裁判所の判断・調停成立額を保証するものではありません。実際の離婚協議・調停・審判に用いる金額算定は、上記裁判所公表の算定表(2019年版)を直接参照し、事案の個別事情(義務者の再婚・扶養家族数・特別費用等)については弁護士・家庭裁判所・法テラス等の専門機関にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

算定表(2019年改定)と旧算定表(2003年)はどう違う?

2019年12月の改定で、税・社会保険料の負担増(手取り減)を反映して基礎収入割合が見直され、全体的に養育費が増額傾向になりました。既存の取り決めが旧算定表に基づく場合、事情変更(改定という事情)を理由にした増額請求が認められた事例もあります。

共働きで権利者にも十分な年収がある場合は?

算定表は両者の年収を比較按分するため、権利者の年収が高いほど義務者の負担額は減ります。権利者が義務者と同等以上の年収なら養育費がゼロになるケースも算定表上あり得ますが、子供の生活水準維持の観点で最低限の支払を合意する例も多いです。

自営業者と給与所得者で計算が違う?

算定表は「給与」「自営」で欄が分かれ、自営業者は同額の給与年収より基礎収入が高めに算出されます(職業費控除がない等)。確定申告書の「所得金額」を基準に、算定表の自営欄を参照してください。

養育費を一括で支払ってもらうことは可能?

合意があれば一括払いも可能ですが、原則は月払いです。一括払いの場合、贈与税課税リスク(税務署の判断)、事情変更時の再交渉困難、資産形成の観点等のデメリットがあり、税理士・弁護士に事前相談が必須です。

公正証書と調停調書、どちらが強い?

強制執行力はどちらも同じ「債務名義」として扱われます。公正証書は当事者合意で作成でき手続が早い(1〜2週間)、調停調書は家庭裁判所の調停成立で作成され、養育費以外の争点(親権・面会交流等)も一括解決できるメリットがあります。

養育費の時効は?

2020年4月施行の改正民法により、養育費の消滅時効は5年間(民法166条1項1号)です。5年分をまとめて請求することは可能ですが、定期的な催告書・受領記録で時効中断(更新)しておくことが重要です。

義務者が転職・退職した場合の対応は?

給与差押中は勤務先変更で差押効力が及ばなくなるため、権利者側で新勤務先を調査・特定する必要があります。2020年改正民事執行法により、市町村・年金機構・登記所への第三者情報取得手続で勤務先照会が可能になりました。

子供が18歳になったら養育費は打ち切り?

民法上の成人年齢が18歳になりましたが、養育費実務では「20歳まで」「大学卒業(22歳)まで」の合意も引き続き有効です。合意書・調停調書で「終期」を明記していれば、成人年齢改正の影響を受けません。

面会交流を拒否されたら養育費を止められる?

止められません。養育費(親の子への扶養義務)と面会交流(親子の交流権)は独立した権利義務です。面会交流拒否には別途、面会交流調停・間接強制(1回不履行につき5万円等)の手続で対応します。

権利者が再婚した場合は減額請求できる?

再婚しただけでは自動減額されません。再婚相手と子が養子縁組した場合は、養親が第一次扶養義務者となるため実質的な減額・免除が認められやすくなります(事情変更調停で協議)。単なる同居では減額事由になりません。

養育費と児童扶養手当は両方もらえる?

両方受給可能ですが、児童扶養手当の所得制限判定に「養育費の8割」が算入されます(児童扶養手当法施行令2条4項)。養育費が月5万円なら4万円が所得認定され、手当が減額される場合があります。

養育費未払い時はどこに相談すべき?

債務名義がある場合は地方裁判所の民事執行係で強制執行申立。債務名義がない場合は家庭裁判所の調停から始めます。費用面で困難なら法テラス(日本司法支援センター)で民事法律扶助の相談が無料で可能です。