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ターンバックルJIS A 5540ブレース保証荷重鉄骨

ターンバックルの規格と保証荷重(JIS A 5540・A 554

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ターンバックルのねじの呼び・製品の区分と、ブレースが受け持つ水平力・構面の幅と高さから、ブレース1本の張力を求めて JIS A 5540 の保証荷重(短期許容応力に相当)と比べます。中あき長さ・胴の寸法・引張強度と、必要な最小の呼びも表示します。

最終更新:2026-10-16/監修:計算ツールズ編集部

ターンバックルの規格と保証荷重(JIS A 5540・A 554ツール

ブレースの張力

ブレースが受け持つ水平力を Q、構面の幅を L、高さを H とすると、斜めのブレースに生じる張力は次のとおりです。

T = Q ÷ n × √(L² + H²) ÷ L

n は水平力を分け合う引張側のブレースの本数です。ターンバックルブレースは細い丸鋼なので圧縮には効きません。X 形に組んだ構面では、引張側の1本だけで水平力を受けるとして計算します。

保証荷重と比べる

JIS A 5540 の保証荷重は短期許容応力に相当します。地震や風による力(短期)は保証荷重と比べます。鋼材の長期の許容引張応力度は短期の1/1.5なので(建築基準法施行令 第90条)、常時かかる力と比べるときは保証荷重 ÷ 1.5 を使います。

計算例

幅5 m・高さ3.5 m の構面で、ブレース1本が水平力30 kN を受けるとき、ブレースの長さは6.103 m、角度は約35.0度で、張力は 30 × 6.103 ÷ 5 = 36.62 kN。M16 の保証荷重38.3 kN に対して 95.6% で足ります。M14(28.4 kN)では128.9%で足りません。

保証荷重の中身

保証荷重は、羽子板ボルトの軸径の最小値 d1 の断面積に235 N/mm² を掛けた値になっています。M16 なら d1=14.41 mm、断面積163.1 mm² で、163.1 × 235 = 38.3 kN です。引張強度は同じ断面積に400 N/mm² を掛けた値です。

ターンバックルの性能(JIS A 5540 表2・単位 kN)

ねじの呼び炭素鋼・溶融亜鉛めっき付き炭素鋼ステンレス鋼中あき長さ(参考)
引張強度(最小)保証荷重引張強度(最小)保証荷重
M68.304.87——50 mm
M815.38.96——60 mm
M1024.214.231.514.270 mm
M1235.220.745.820.7100 mm
M1448.428.4——115 mm
M1665.238.384.838.3120 mm
M1881.147.6——140 mm
M2010360.213360.2150 mm
M2212674.316474.3165 mm
M2414886.819286.8170 mm
M27191112——200 mm
M30235138——200 mm
M33289170——220 mm

※保証荷重は短期許容応力に相当(表2 注b)。溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品は M10〜M33。中あき長さは長さ調整のための参考寸法(表1)。

ターンバックル胴(JIS A 5541 表2・表3)

ねじの呼び胴の長さ L有効ねじ部 A(最小)胴の引張強度(炭素鋼)胴の保証荷重割枠式の質量(最小)
M6100 mm9 mm10.6 kN4.87 kN—
M8125 mm12 mm19.4 kN8.96 kN—
M10150 mm14 mm30.9 kN14.2 kN0.153 kg
M12200 mm17 mm44.9 kN20.7 kN0.300 kg
M16250 mm23 mm83.1 kN38.3 kN0.640 kg
M20300 mm28 mm131 kN60.2 kN1.20 kg
M24350 mm34 mm188 kN86.8 kN2.09 kg
M30400 mm42 mm299 kN138 kN3.66 kg
M33450 mm46 mm369 kN170 kN4.94 kg

※抜粋。計算機は M6〜M33 の全13行を持っています。炭素鋼製品のパイプ式は M6〜M33、割枠式は M10〜M33。L の許容差は±3%。

ターンバックルボルトの材料(JIS A 5540 附属書A)

種類M6〜M10M12〜M33
羽子板ボルト(丸鋼)SS400SNR400B
羽子板ボルト(平鋼及び板)SS400SN400B
両ねじボルトSS400SNR400B
ステンレス羽子板ボルト・両ねじボルトSUS304A

※入力した内容はお使いのブラウザの中だけで処理され、サーバーには送信されません。表の値は JIS A 5540・A 5541 の規格票の値です。この計算は1本のブレースの張力と保証荷重を比べる概算で、架構全体の水平力の配分、羽子板とガセットプレートの接合、取付けボルト、溶接の検討は含みません。建築物の設計は建築士・構造設計者が行ってください。

ターンバックルの規格と保証荷重(JIS A 5540・A 554の詳しい解説

ターンバックルは、左ねじと右ねじを切った胴を回して、両側のボルトを引き寄せたり離したりする金具です。建築では、鉄骨造の屋根面や壁面、小規模な倉庫や車庫の筋かい(ブレース)として、丸鋼のボルトと組み合わせて使われます。JIS A 5540 は建築用ターンバックル(胴1個とボルト2本の組み合わせ)を、JIS A 5541 はその胴を規定しています。この2つの規格は2008年に改正されています。

建築用ターンバックルの性能の要は保証荷重です。JIS A 5540 は、保証荷重に相当する力を加えた後に使用上有害な変形が生じないこと、引張強度が規定の最小値以上であることを求め、表の注に「保証荷重は短期許容応力に相当する」と書いています。つまり保証荷重は、地震や風のような短期の力に対して、そのブレースが受け持てる力の上限として使える値です。

数値の中身を確かめておきます。M16 の保証荷重38.3 kN は、羽子板ボルトの軸径の最小値14.41 mm の断面積163.1 mm² に、235 N/mm² を掛けた値と一致します。引張強度65.2 kN は同じ断面積に400 N/mm² を掛けた値です。235 N/mm² は SS400・SNR400B の基準強度、400 N/mm² は引張強さの下限にあたります。ねじの部分ではなく、細い軸部の断面で決まっていることが分かります。M6〜M22 のどの呼びでも、この関係で表の保証荷重が再現できます(規格の値は端数を切り捨てた3桁)。

ブレースの張力は、構面の幅と高さで決まる角度から求めます。水平力 Q を受けるブレースの張力は Q ÷ cosθ(θ は水平からの角度)で、幅5 m・高さ3.5 m なら θ は約35度、張力は水平力の約1.22倍です。ブレースが寝ているほど(構面が横長なほど)張力は小さく、立っているほど大きくなります。高さが幅の2倍の縦長の構面では、張力は水平力の約2.24倍になります。

ターンバックルブレースは細い丸鋼なので、圧縮の力はほとんど受けられません。そのため X 形に組み、地震や風が右から来ても左から来ても、引張になる側の1本で水平力を受けるように配置します。このツールの「水平力を分け合う引張側のブレースの本数」は、同じ向きの水平力に対して引張になるブレースの本数です。X 形1組なら1本です。

製品の区分にも注意します。炭素鋼製品は M6〜M33 ですが、溶融亜鉛めっき付きは M10〜M33、ステンレス鋼製品は M10・M12・M16・M20・M22・M24 だけが規定されています。ステンレス鋼製品は引張強度が高く定められていますが、保証荷重は炭素鋼製品と同じ値です。強い材料を使っても、設計で使える値は増えません。

中あき長さは、胴の中で左右のボルトの先端の間に必要な長さの参考寸法で、ターンバックルの呼び長さ(一対のボルトの長さに中あき長さを足したもの)を決めるときに使います。胴の有効ねじ部の長さ A は最小値が決められていて、ボルトのねじが胴に十分かみ合うことを保証しています。締め付けて張力を入れたときに、胴の両端から見えるボルトのねじ山の長さが極端に違うのは、片側のかみ合いが不足しているサインです。

短期と長期の区別も確かめておきます。建築基準法施行令 第90条は、鋼材の許容応力度を長期と短期に分け、引張では長期が基準強度 F の1/1.5、短期が F としています。地震や風のように一時的にかかる力には短期の値を、建物の重さのように常にかかる力には長期の値を使います。ブレースは通常、地震と風だけを受けるので保証荷重(短期)と比べます。常時引張がかかる使い方(吊り材など)なら、保証荷重を1.5で割った値と比べます。M16 なら短期38.3 kN、長期は約25.53 kN です。

施工時の注意として、ターンバックルは締めすぎないことが大切です。ブレースはたるみを取る程度に張るもので、強く締め込むと、地震や風が来る前から軸部に張力が入り、受け持てる余力がそのぶん減ります。架構が倒れたまま締めて建て方の歪みを直そうとするのも、ブレースに大きな初期張力を残します。建て入れ直しは別の治具で行い、ブレースは最後にたるみを取る程度に締めます。締め終えたら、胴の両端から出ているボルトのねじ山の長さがほぼ等しいこと、胴のねじ部にボルトが有効ねじ部の長さ以上かみ合っていることを目で確かめます。

最後に、このツールが扱わない部分です。ブレースの強さは、軸部だけでなく、羽子板の有効断面、羽子板とガセットプレートの溶接、取付けボルトのせん断、ガセットプレートのはしあきでも決まります。地震の力を受けるブレースでは、軸部が降伏する前に接合部が壊れないこと(保有耐力接合)の確認も必要です。架構全体の水平力の配分と合わせて、構造設計者が確かめてください。

業界・現場での使い方

鉄骨造の構造設計

ブレースが受け持つ水平力から、ターンバックルの呼びの見当をつけます。

既存建物の改修・調査

現地で確認した呼びと構面の寸法から、ブレースの受け持てる水平力を逆算します。

鉄骨の施工・検査

製品の区分(めっき・ステンレス)の規格の有無と、胴の寸法を確かめます。

仮設・小規模建物

倉庫や車庫の壁面ブレースの呼びを選ぶ目安にします。

積算・発注

呼びごとの胴の長さと中あき長さから、部材の寸法を確認します。

よくある間違い・注意点

  • 水平力と保証荷重をそのまま比べる — ブレースは斜めなので、張力は水平力 ÷ cosθ に増えます。
  • X 形の2本で水平力を分ける — ターンバックルブレースは圧縮に効きません。引張側の1本で受けます。
  • ステンレスなら保証荷重が上がると考える — ステンレス鋼製品の保証荷重は炭素鋼製品と同じです。
  • めっき品を M6・M8 で探す — 溶融亜鉛めっき付きは M10〜M33 だけが規定されています。
  • 軸部だけで安全と判断する — 羽子板・溶接・取付けボルト・ガセットプレートの検討が別に要ります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

M16 のターンバックルの保証荷重は?

JIS A 5540 で38.3 kN です。引張強度(最小)は炭素鋼製品で65.2 kN です。

M12 のターンバックルの保証荷重は?

20.7 kN です。

保証荷重とは何ですか?

その力を加えても使用上有害な変形が生じない荷重で、JIS は短期許容応力に相当するとしています。

長期の許容値はいくつですか?

鋼材の長期の許容引張応力度は短期の1/1.5なので、保証荷重 ÷ 1.5 が目安です。M16 なら約25.5 kN です。

ブレースの張力はどう求めますか?

水平力 ÷ 本数 × ブレースの長さ ÷ 構面の幅 です。

中あき長さとは何ですか?

胴の中で左右のボルトの先端の間に必要な長さの参考寸法です。M16 で120 mm です。

割枠式とパイプ式の違いは?

胴の形の違いです。炭素鋼製品のパイプ式は M6〜M33、割枠式は M10〜M33 が規定されています。

ステンレスのターンバックルはどの呼びがありますか?

M10・M12・M16・M20・M22・M24 です。保証荷重は炭素鋼製品と同じです。

ターンバックルブレースは圧縮に効きますか?

ほとんど効きません。X 形に組んで、引張側で水平力を受けます。