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鉄骨H形鋼S造JIS G 3192

鉄骨重量 計算ツール|H形鋼・角パイプ・アングル・C形鋼の単位重量とトン集計

H形鋼(H-100~H-400)・角パイプ・等辺アングル・C形鋼の単位重量(kg/m)と長さ×本数から総重量(kg・トン)を即算出。S造(鉄骨造)の建方計画・積算・搬入計画・クレーン揚重能力判定まで対応。JIS G 3192「熱間圧延形鋼」・JIS G 3466「一般構造用角形鋼管」の規格値に基づき、SS400/SN400B/SN490Bの材種別単価・工賃・鋼材市況まで現場実務に直結する内容で解説します。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

鉄骨重量(H形鋼・角パイプ・アングル)ツール

計算式と規格概要

基本式

総重量 (kg) = 単位重量 (kg/m) × 長さ (m) × 本数

トン集計 (t) = 総重量 ÷ 1000

鉄骨重量の計算は「単位重量×長さ×本数」の単純な積です。ただし、単位重量の元データを何から取るかで精度が変わります。JIS G 3192「熱間圧延形鋼」に規定された単位重量表を直接使うのが最も正確で、板厚から断面積計算すると2-5%の誤差が出るため、実務では公表値の使用が標準です。

関係規格

鉄骨部材の規格は形状ごとに分かれています。JIS G 3192「熱間圧延形鋼の形状・寸法・質量及びその許容差」がH形鋼・I形鋼・C形鋼・等辺アングル・不等辺アングル・T形鋼を規定。JIS G 3466「一般構造用角形鋼管」が角パイプ・矩形鋼管を規定。JIS G 3444「一般構造用炭素鋼鋼管」が丸鋼管を規定します。単位重量表はいずれもJISで公表されており、フリーで閲覧可能です。

近年の主流材種

2000年以降の建築物はSN400B/SN490B(建築構造用圧延鋼材)が主流。阪神大震災(1995)後にSN規格が制定され、旧来のSS400(一般構造用)より靭性・降伏比・成分制限が厳しくなりました。トン単価はSS400の1.2-1.4倍ですが、建築確認上SN指定が必須の用途もあります。

H形鋼 単位重量早見表(JIS G 3192準拠)

建築構造で最も使用頻度が高いH形鋼の主要サイズ。「H-200×200×8×12」表記は「せい×フランジ幅×ウェブ厚×フランジ厚」を意味します。

呼称寸法(mm)単位重量(kg/m)6m材1本(kg)
H-100100×100×6×817.2103
H-125125×125×6.5×923.8143
H-150150×150×7×1031.5189
H-175175×175×7.5×1140.2241
H-200200×200×8×1249.9299
H-250250×250×9×1472.4434
H-300300×300×10×1594.0564
H-350350×350×12×19137822
H-400400×400×13×211721030
細幅H-300300×150×6.5×936.7220
細幅H-400400×200×8×1366.0396
細幅H-500500×200×10×1689.6537
細幅H-600600×200×11×17106636
細幅H-700700×300×13×241851110
細幅H-800800×300×14×262101260

角パイプ・アングル・C形鋼 単位重量早見

角パイプ (JIS G 3466)

呼称寸法(mm)単位重量(kg/m)
□5050×50×2.33.34
□7575×75×3.27.01
□100100×100×3.29.52
□125125×125×4.516.6
□150150×150×4.520.1
□150(厚肉)150×150×626.4
□200200×200×635.8
□250250×250×859.5
□300300×300×981.1

等辺山形鋼(等辺アングル)

呼称寸法(mm)単位重量(kg/m)
L-3030×30×31.36
L-4040×40×42.42
L-5050×50×53.77
L-6565×65×65.91
L-7575×75×66.85
L-9090×90×1013.3
L-100100×100×1014.9
L-130130×130×1223.4
L-150150×150×1533.8

C形鋼(溝形鋼、チャンネル)

呼称寸法(mm)単位重量(kg/m)
C-7575×40×5×76.92
C-100100×50×5×7.59.36
C-125125×65×6×813.4
C-150150×75×6.5×1021.4
C-200200×90×8×13.530.6
C-250250×90×11×14.540.2
C-300300×90×12×1648.6

材種と単価目安(SS400/SN400/SN490)

鋼材の材種は用途と要求性能で選定します。建築確認の対象となる建物では、耐震設計上SN材の指定が必須のケースが多いのが実務。単価は市況で変動します(2026年目安)。

材種用途降伏点(N/mm²)単価目安(円/kg)
SS400一般構造用(仮設・農機小物)235以上100-150
SN400A建築構造(溶接なし)235以上110-160
SN400B建築構造(溶接あり、主流)235以上130-180
SN400C建築構造(板厚方向溶接)235以上150-200
SN490B建築構造(高強度、中大規模)325以上150-200
SN490C建築構造(板厚方向、高層)325以上170-220
SM490A橋梁・機械構造(溶接構造用)325以上140-190

加工工賃(切断・穿孔・組立・塗装)は50-100円/kgが2026年市況目安。鉄骨造1棟(住宅・小規模ビル)で20-100トンの鋼材使用、鉄骨費用だけで500万〜3000万円になります。市況変動が大きく、月次で価格改定される業界。ミルシート(鋼材の品質証明書)の管理も重要な実務です。

建方計画とクレーン揚重

建方(たてかた)は鉄骨造工事の最大の山場。1階柱2-3本+梁10-15本を1日で組み立てるペースが標準で、クレーン揚重能力・部材束重量・搬入順序を厳密に管理します。

クレーン種別主用途揚重能力目安
25tラフター低層(2-3階)住宅・小規模建物半径10mで6-8t
50tラフター中規模ビル・工場半径10mで15-20t
100tラフター大規模ビル・体育館半径10mで30-40t
200tクローラー超高層・大スパン建物半径10mで60-80t
タワークレーン超高層(20階以上)半径50mで5-15t

クレーンの吊り重量は半径増で急減するのが特徴。半径10m時の能力表(定格荷重表)で判定します。H-400柱1本×6m=1030kg、H-300梁1本×6m=560kgと重量物ばかりのため、25t/50tクレーンでは半径による揚重能力表と照合しながら段取ります。「重量」だけでなく「重心位置」「玉掛け作業員数」「風速制限(10m/s以下)」も安全要素です。

業界・現場での使い方

S造(鉄骨造)建方業者

建方1日あたり10-50トンペース。クレーン能力・搬入トラック台数・現場占有時間の計画。1階柱→2階梁→2階柱→3階梁の順序で組み上げ、専門鳶職6-10人+クレーン運転士1名の体制。1週間で1棟(500-1000㎡)組み上げるのが標準。

工場・倉庫・体育館(大スパン建物)

H形鋼柱+H形鋼梁のシンプルな架構。スパン10-30mで100-500トン規模。ラチス梁・トラス梁を採用する場合は特に総重量が増える。冷蔵倉庫・物流倉庫は無柱スパンが多く、H-800級の大型H形鋼が使われます。

鉄骨加工工場(ファブリケーター)

購入鋼材の切断・穿孔・組立・塗装。加工歩留り管理(端材率5-10%)と工場搬出前の全体重量確認が重要。ミルシートと現物のトレーサビリティを保つのが品質管理のカギ。国土交通大臣認定のグレード(J・R・M・H・S)で対応可能物件が決まります。

設計事務所・ゼネコン積算

基本設計段階では概算重量(0.10-0.20t/㎡)、実施設計では部材毎の詳細重量集計。単価×kgで工事費見積し、材料費+工賃+運搬費で3層構造。市況変動月次リスクをどう見積書に織り込むかがゼネコン積算の要諦です。

鉄骨解体・スクラップ業

解体時の鋼材回収でも単位重量は必須。スクラップ単価は市況次第で20-70円/kg。10tトラック満載で40-45トンの鋼材回収が標準。分別状態(素鋼・切削屑・混合)で買取単価が変わり、事業規模と重量計算が売上に直結します。

DIY・小規模鉄骨工事

ガレージ・カーポート・棚等の小規模鉄骨で角パイプ・アングル・C形鋼を使用。10kg/m未満の小径材が中心で、板金屋・鉄工所への発注時に事前重量計算で見積照合。個人買いは市中単価170-250円/kg(単発少量割高)。

よくある間違い・注意点

  • 断面積計算で単位重量を出す — 手計算で断面積×7.85(鋼の密度g/cm³)で単位重量を出すと、フィレット部(コーナーR)を考慮しない分、実際より2-5%低く見積もることになります。必ずJIS G 3192の公表値を使ってください。
  • SN材とSS材の単価を同じと想定 — SN材はSS材の1.2-1.4倍。積算時に材種を明記しないと後工程で差額請求が発生。建築確認上SN材指定が必須のケースが多いため、設計図面と発注書の材種一致を確認。
  • 揚重能力を半径小さい方で判定 — クレーンの吊り重量は半径10mより15mで50%減など急減します。設置位置から最遠部材までの実距離で判定しないと、現場で揚重不能が発覚します。
  • 細幅H形鋼と広幅H形鋼を混同 — 「H-300」だけで発注すると「300×300(94kg/m)」なのか「300×150(36.7kg/m)」なのか特定できません。4桁または「せい×フランジ幅」で必ず記入。単位重量が2倍以上違います。
  • ミルシートを保管しない — 鋼材の材質証明書(ミルシート)は建築基準法上5年保管義務。建築確認完了検査で提示を求められる場合があります。加工工場から必ず入手・保管。
  • 塗装重量を無視 — 錆止め塗装で鋼材重量が0.5-1%増加。運送・揚重計画では素材重量+塗装分で見積もる必要があります。特に大量発注では見落としがち。
  • 設計変更で数量集計が古いまま — 実施設計変更で部材数量が変わったのに、購入発注書が旧数量のまま=不足発生。数量集計は設計最終版で確認してください。

関連する規格・法令

  • JIS G 3192 ― 熱間圧延形鋼の形状・寸法・質量及びその許容差。H形鋼・I形鋼・C形鋼・等辺/不等辺アングル・T形鋼の単位重量を規定する基本規格。
  • JIS G 3466 ― 一般構造用角形鋼管。角パイプ(□型)・矩形鋼管(角形)の寸法と単位重量。
  • JIS G 3444 ― 一般構造用炭素鋼鋼管。丸鋼管(STK)の規格。
  • JIS G 3101 ― 一般構造用圧延鋼材。SS400等の材質規格。
  • JIS G 3106 ― 溶接構造用圧延鋼材。SM400/SM490等、溶接構造用の材質規格。橋梁・機械構造で使用。
  • JIS G 3136 ― 建築構造用圧延鋼材(SN材)。SN400A/B/C・SN490B/C。阪神大震災後の耐震設計対応で制定。
  • 建築基準法 第20条 ― 構造耐力上の基準。鉄骨造は施行令第79条以下で詳細規定。
  • 建築基準法施行令 第64条 ― 鉄骨造の一般規定。ボルト・リベット径、板厚、防食措置を規定。
  • 労働安全衛生規則 第194条以下 ― 鉄骨組立作業の安全基準。高所作業・玉掛け・クレーン運転の資格要件を規定。

参考文献・公的資料

設計・積算・施工の実務で参照される一次資料。

※本ページの単位重量および計算結果はJIS G 3192等の公表値に基づく参考値です。実際の発注・積算では、鋼材メーカーのミルシート実測値と、材種(SS/SM/SN)・設計荷重条件・使用環境(屋外/屋内/耐火要求)による適切な材種選定が必要です。建築確認申請対象物件では、有資格者(構造設計一級建築士・構造計算適合性判定員等)による構造計算書の作成・審査が法令上必須となります。安全上重要な用途では必ず専門家に確認してください。

よくある質問(FAQ)

H-300×300×10×15の単位重量は?

94.0 kg/m(JIS G 3192規定値)。6m材1本で564kg、12m材で1128kg。10t車1台で約8本(6m材)積載可能。50tラフタークレーンで半径10m時なら1本を余裕を持って揚重できます。ちなみに細幅H-300(300×150)は36.7kg/mで大幅に軽くなるため、発注時は必ず4桁で指定してください。

SS400とSN400Bの違いは?

SS400=一般構造用鋼(強度・靭性のばらつき許容)、SN400B=建築構造用鋼(靭性・降伏比・化学成分の下限を厳格規定)。阪神大震災(1995)後にSNが制定・標準化されました。建築確認対象の建物ではSN材指定が実質必須で、SS材は仮設・機械台座・非構造部材に用途限定されます。単価差はSNがSSの1.2-1.4倍。

鋼材単価の目安は?

2026年市況目安で、SS400 100-150円/kg、SN400/SN490 130-200円/kg、加工組立工賃50-100円/kg。塗装(錆止め+仕上げ)は別途50-100円/kg。市況は月次で変動(鉄鋼原料の鉄鉱石・原料炭・スクラップ相場に連動)。大型物件の年間契約は市況スライド条項付きが慣習です。

建方1日あたりの重量は?

物件規模によるが、低層住宅で20トン/日、中規模ビルで30-50トン/日、大規模工場で50-100トン/日が標準ペース。50tラフター1台・専門鳶職6-10人の体制。天候(風速10m/s超で作業中止)・搬入トラック台数・現場占有時間で日進捗が決まります。

形鋼と鋼管どちらが軽い?

同じ断面積なら鋼管の方が単位重量小(中空だから)。ただし、H形鋼は曲げに強く、鋼管はねじりに強いという特性違いがあり、用途で使い分けます。柱にはH形鋼・鋼管両方使われますが、梁は圧倒的にH形鋼が主流。柱鋼管+梁H形鋼のCFT構造(コンクリート充填鋼管)も高層で採用増。

ミルシート(鋼材成績書)とは?

鋼材メーカーが発行する材質証明書(引張強度・化学成分・熱処理履歴等を記載)。鋼材ロット単位で発行され、建築確認・完了検査で提示を求められます。建築基準法上5年保管義務。加工工場での組合せ管理(トレーサビリティ)が重要で、部材と材質が一致しないと建築物として認められません。

鉄骨造の躯体重量は㎡あたりどのくらい?

用途で大きく異なる。2-3階建て住宅=0.08-0.12t/㎡、事務所ビル=0.15-0.25t/㎡、工場・倉庫=0.10-0.20t/㎡、体育館=0.20-0.30t/㎡、超高層ビル=0.30-0.50t/㎡。基本設計段階の概算積算で使用する単位重量原単位。詳細設計後の実測値で修正します。

クレーンの吊り能力表(定格荷重表)の見方は?

ブーム長さ×半径の組合せで吊り上げ可能な荷重が決まります。25tラフター(実質全ラフター)は「25t」=最大能力(半径3m時)で、半径10mでは6-8tまで低下。100tクラスでも半径30mになると10t以下に。設置位置から最遠部材までの実距離+作業姿勢余裕を見込んで能力判定してください。

C形鋼(チャンネル)はどこに使われる?

C形鋼は片側が開いた溝形で、倉庫・工場の胴縁(壁下地)、母屋(屋根下地)、階段の側桁等に使用。単独では曲げ耐力弱いため主構造材にはあまり使わず、2本合わせて箱形にして使うのが一般的。軽鋼(リップ付きC形鋼)は住宅の外壁下地・鉄骨階段に多用されます。

角パイプはH形鋼より高価?

同じ強度で比較すると、角パイプはH形鋼の1.5-2.0倍高価(冷間成形の加工費が上乗せ)。ただし、意匠上美しい・柱として全方向に等強度・4面均等接合可能等のメリットで採用。ローカルコラム(角形鋼管柱)は中高層ビル柱で標準化。工場・倉庫の柱にも増えています。

鋼材のスクラップ買取価格は?

2026年市況で普通スクラップ(素鋼)40-70円/kg、加工スクラップ20-50円/kg、混合15-40円/kg。市況変動が大きく、月次でスクラップ問屋の買取価格が変わります。10tトラック1台で40-45トン積載、100万円前後の売上。解体現場は分別次第で数百万〜数千万円のスクラップ売上になります。

鉄骨造とRC造の重量比較は?

躯体重量では鉄骨造=0.10-0.30t/㎡、RC造=0.60-0.90t/㎡で、RC造は鉄骨造の3-6倍重い。地盤・基礎コストが大きく変わります。ただし、鉄骨造は耐火被覆・防錆処理が別途必要。工期は鉄骨造の方が2-3割短く、大規模建物ほど鉄骨造(またはS+RC混構造)採用が増える傾向です。