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H形鋼曲げ応力度たわみ構造計算

H形鋼 梁の許容曲げ・たわみ確認

鋼種と断面、スパンと等分布荷重から、H形鋼梁の曲げ応力度・たわみ量と許容値との比を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

H形鋼 梁の許容曲げ・たわみ確認ツール

単純梁の最大曲げモーメントは等分布荷重×スパンの二乗÷8です。既定値では12kN/m×6m×6m÷8=54.0kN・m。H-300×150の断面係数481cm3で割ると曲げ応力度は112.3N/mm2となり、SS400の長期許容曲げ応力度156.7N/mm2に対する比は0.72です。たわみは5wL⁴÷(384EI)で、ヤング係数205,000N/mm2・断面二次モーメント7,210cm4を用いて13.70mm、スパン÷たわみは437.9となり1/300の制限20mmを満たします。

H形鋼の断面性能

呼称断面係数 Z断面二次モーメント I単位重量
H-200×100×5.5×8181cm31,810cm420.9kg/m
H-250×125×6×9317cm33,960cm429.0kg/m
H-300×150×6.5×9481cm37,210cm436.7kg/m
H-400×200×8×131,170cm323,500cm465.4kg/m

支持条件による係数の違い

支持の条件最大モーメント最大たわみ
単純梁wL²÷85wL⁴÷(384EI)
両端固定wL²÷12wL⁴÷(384EI)
片持ち梁wL²÷2wL⁴÷(8EI)
連続梁中間支点で最大条件により変動

※参考計算です。機材の仕様・規格・法令は改定されるため、実機の仕様書と最新の告示を確認してください。

H形鋼 梁の許容曲げ・たわみ確認の詳しい解説

鋼製の梁で断面が決まるとき、応力よりたわみが先に効くことが少なくありません。曲げ応力度は断面係数に反比例するのに対し、たわみは断面二次モーメントに反比例し、しかもスパンの四乗で増えます。スパンを1.5倍にすると応力は2.25倍ですがたわみは5倍を超えるため、長いスパンほど変形が支配的になります。応力に余裕があるのに梁せいを上げる判断は、この関係から来ています。

判断が分かれるのはたわみの制限値です。構造の安全という意味ではスパンの1/250でも成立しますが、天井の仕上げにひび割れが出る、扉の建て付けが狂う、床の揺れが体感されるといった使用上の不具合はこれより手前で現れます。仕上げ材の種類や用途に応じて1/300から1/600の範囲で使い分けるのが実務で、居室の床では振動の観点からさらに厳しく取ることもあります。

見落とされやすいのが横座屈です。この計算は断面が面内で曲がることだけを見ており、圧縮側のフランジが横に逃げる現象は考慮していません。実際には梁の上フランジが床スラブや小梁で拘束されているかどうかで許容曲げ応力度が変わり、拘束のない長い梁では大幅に低減されます。自重や仕上げ、積載の区分ごとに荷重を積み上げる作業も必要で、等分布荷重の設定そのものが結果を左右します。

条件による違いも大きく、両端が固定に近い納まりでは中央のたわみが単純梁の五分の一に収まりますが、実際の接合部が完全な固定になることはまれで、剛性に応じた中間の挙動になります。片持ち梁は同じスパンでも桁違いに不利で、先端のたわみは単純梁の数十倍に達します。ここでの数値は断面選定の見当をつけるためのもので、実際の設計は構造計算書に基づき、構造設計者の確認を受けてください。

梁の選定は単体で完結せず、周辺との調整が必要になります。梁せいを上げれば変形は抑えられますが、階高や天井裏の設備経路と干渉します。せいを抑えたいなら断面積を増やすか、スパンを分割して小梁を入れる方法があります。開口を設ける場合はその位置で断面が弱くなるため、補強の検討も要ります。断面を決める段階でこれらの制約を並べて比較しておくと、後戻りの少ない設計になります。

業界・現場での使い方

鉄骨造の断面仮定

設計初期に必要な梁せいの見当をつけ、階高や納まりとの整合を確認します。

リフォームでの補強検討

既存梁のスパンと荷重から応力とたわみを試算し、補強の要否を判断します。

仮設構台の計画

重機や資材の荷重に対して使用する部材が成立するかを概算します。

設備架台の設計

機器重量を等分布に置き換え、たわみが許容範囲に収まるかを確認します。

よくある間違い・注意点

  • 応力だけを確認してたわみを見ない — たわみはスパンの四乗で増えるため、応力に余裕があっても制限を超えることがあります。
  • 横座屈を考慮しない — 圧縮側フランジが拘束されていない梁では、許容曲げ応力度が大きく低減されます。
  • 接合部を完全な固定とみなす — 実際の納まりは中間的な剛性で、両端固定の計算値より大きくたわみます。
  • 自重や仕上げの荷重を積み忘れる — 梁自身と床材、天井、設備の重量を加えると荷重が想定を上回ります。
  • たわみの制限を一律に決める — 仕上げ材と用途で必要な水準が変わり、居室の床では振動も考慮が必要です。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

スパン6mに12kN/mを載せるとどうなりますか?

H-300×150では曲げ応力度112.3N/mm2、たわみ13.70mmで、いずれも許容値以内です。

許容曲げ応力度はどのように決まりますか?

長期では基準強度Fを1.5で割った値が用いられます。SS400はF=235N/mm2なので約157N/mm2です。

たわみの制限はどのくらいが一般的ですか?

スパンの1/300前後が多く用いられます。仕上げや用途によって1/250から1/600まで幅があります。

片持ち梁はどれくらい不利ですか?

同じスパンと荷重でモーメントは4倍、たわみは単純梁の数十倍になります。

横座屈とは何ですか?

圧縮側のフランジが横に逃げてねじれる現象です。拘束が無いと許容曲げ応力度が低減されます。

SN材とSS材の違いは何ですか?

SN材は建築構造用として溶接性や板厚方向の性能が規定された鋼材です。基準強度は同等でも用途が異なります。

等分布荷重はどう求めますか?

床の単位面積あたりの荷重に梁の負担幅を掛けます。梁自身の重量も加えます。

この計算だけで設計してよいですか?

断面の見当をつけるための概算です。実際の設計は構造計算に基づき、構造設計者の確認を受けてください。