計算ツール
中綴じ製本ホッチキスパンフ

中綴じ最大ページ数 計算ツール|用紙厚・ホッチキス能力から実用限界を即算出

中綴じ(サドルステッチ)製本の実用最大ページ数を、用紙厚(0.05〜0.25mm)ホッチキス機の綴じ枚数限界(16〜50枚)から瞬時に算出。標準機80P・業務機100P・重厚機200Pの目安、束厚(そくあつ)の限界、無線綴じ・平綴じとの使い分け、雑誌・カタログ・パンフレット・小冊子・広報誌の設計標準を、日本製本工業組合連合会の標準仕様・JIS Z 8305印刷用語・食品表示等の関連規格に基づき解説します。

最終更新:2026-08-08/監修:計算ツールズ編集部

中綴じ最大ページ数 計算機

中綴じ製本の基本原理

1枚=4ページ(表裏×2面)

最大ページ数 = 綴じ限界枚数 × 4ページ(表裏×2つ折り)

最大束厚 = 綴じ限界枚数 × 用紙厚(mm)

中綴じ製本(サドルステッチ)は、大判紙を二つ折りにし、折り目の中央をホッチキスで綴じる製本方式です。1枚の大判紙から表・裏・折の外側・折の内側で計4ページ(4pt=4P)取れるため、ページ数は必ず4の倍数(4P・8P・12P・16P・20P…)になります。ホッチキス機の綴じ枚数限界がそのままページ数上限に直結します。

ページ数の実務目安

「4の倍数ルール」に加え、実務では「16の倍数(16面付け・8つ折り)」または「8の倍数」で設計することがコスト最適の観点で重要です。印刷機・折機・断裁機のロス最小化のため、日本の印刷業界は台割(だいわり:一つの大判紙が担当するページ番号割当)を16Pや32Pで設計するのが標準です。

束厚(そくあつ)の限界

ホッチキス機の綴じ枚数限界は、単に「機械が刺せる枚数」だけでなく、「折り目の外周が伸びて中央の紙束からはみ出す物理限界」も考慮されます。用紙厚0.09mm×25枚=2.25mmの束厚あたりから、小口(外側)のページが中央より数mm飛び出す「クリープ現象」が顕著になり、断裁と面付け設計での対策が必要になります。

用紙厚別の対応ページ表

用紙厚と綴じ枚数の組み合わせで、最大ページ数と束厚をまとめました。日本の商業印刷でよく使われる用紙で早見できます。

用紙厚用紙目安16枚時20枚時25枚時30枚時50枚時
0.06mm薄葉紙・辞書用64P/0.96mm80P/1.2mm100P/1.5mm120P/1.8mm200P/3.0mm
0.08mmコート73kg・上質55kg64P/1.28mm80P/1.6mm100P/2.0mm120P/2.4mm200P/4.0mm
0.09mm上質70kg(標準)64P/1.44mm80P/1.8mm100P/2.25mm120P/2.7mm200P/4.5mm
0.11mm上質90kg64P/1.76mm80P/2.2mm100P/2.75mm120P/3.3mm200P/5.5mm
0.13mmコート110kg・上質110kg64P/2.08mm80P/2.6mm100P/3.25mm120P/3.9mm200P/6.5mm
0.17mmマットコート135kg64P/2.72mm80P/3.4mm100P/4.25mm120P/5.1mm200P/8.5mm
0.20mmコート180kg・厚口64P/3.2mm80P/4.0mm100P/5.0mm120P/6.0mm200P/10.0mm

厚みが5mmを超えると、中綴じでは開きにくく針が抜けやすくなるため、実務では束厚5〜8mmが中綴じの実用限界とされます。これを超えるなら無線綴じ(グル)、あるいはPUR綴じに切り替えます。

ホッチキス機の種類と能力

卓上手動機(16〜20枚)

小規模事務所・学校で使う中綴じホッチキス(マックス社SL-D10L等)。16枚まで綴じ可能、最大64P。1冊ずつ手作業で綴じるため大量には向かないが、小ロット社内資料に最適。

業務用小型機(20〜25枚)

小規模印刷所・製本会社の一般機。ミューラーマルティニ・堀内・光文堂等の中綴じ機で20〜25枚(80〜100P)対応。時間あたり2,000〜5,000冊の生産能力。

重厚業務機(30〜40枚)

中規模製本会社の主力機。30枚(120P)〜40枚(160P)対応。折り→中綴じ→三方断裁が一連の自動ラインで、時間5,000〜15,000冊。

大型フルオートライン(50枚)

大手雑誌印刷会社の生産設備。ハイデルベルグSTAHL・ミューラーマルティニPresto等の大型機で最大50枚(200P)対応。週刊誌・月刊誌の量産で稼働。時間20,000〜40,000冊。

電動ホッチキス(オフィス設備)

オフィス複合機に接続する仕上げオプション。25〜50枚対応で、A4二つ折りA5冊子として出力可能。社内報・議事録・研修資料の内製化で活用。

手作業ホッチキス(針足長)

特殊業務用の長針ホッチキス(針足12〜25mm)で50枚超も可能。ただし均一な位置決めが困難なため大量生産向きではなく、特注冊子・記念誌・カタログの一点物向け。

中綴じ・無線綴じ・平綴じ比較

製本方式の選定は、ページ数・用途・コスト・耐久性で判断します。

方式推奨ページ数コスト特徴・用途
中綴じ(サドルステッチ)4〜80P (最大200P)最安雑誌・パンフ・小冊子。開きが平ら
平綴じ(サイドステッチ)10〜100P社内報・議事録・薄型カタログ
無線綴じ(グル)32〜500P雑誌・書籍・カタログ主流
PUR綴じ(ポリウレタン)32〜800P中〜高高耐久・180°開き・写真集
アジロ綴じ32〜400P無線綴じの改良版・強度高
糸かがり綴じ32〜1000P書籍・辞書・教科書・上製本
上製本(ハードカバー)50〜1500P最高単行本・記念誌・図録
リング綴じ30〜300Pノート・マニュアル・カレンダー

ページ数が80P超なら無線綴じ、耐久性重視なら糸かがり・PUR綴じ、コスト重視なら中綴じというのが業界の実務判断フレームワークです。

ページ設計の実務ルール

ページ数の4の倍数ルール

中綴じは1枚=4ページのため、総ページ数は必ず4の倍数。データ入稿時に4Pに満たない場合は、白ページや広告ページで調整します。多くの印刷会社が「4P単位で受注」の運用です。

台割(だいわり)の設計

台割は「どの大判紙にどのページが印刷されるか」の一覧表。16P台(4枚1組)・8P台(2枚1組)・4P台(1枚)が標準構成。カラーページを台の中に集約すると印刷コスト削減になるため、雑誌の「特集記事は連続カラーページに」といったレイアウト設計にも影響します。

面付け(めんつけ)の考慮

大判紙上の各ページの位置関係を計算する工程。中綴じでは折り位置・綴じ位置を基準にページ順を並べる必要があり、「16面付け中綴じ用データ」として印刷会社に入稿するかは事前確認が必要です。DTPソフト(InDesign等)の面付け機能を使うのが一般的です。

ノド(内側マージン)の確保

中綴じでもノド側(綴じ側)には最低5mm、写真等の重要要素は10mm以上のマージンを確保。ホッチキス針の周囲は文字禁止エリアです。

クリープ(小口ズレ)対策

中綴じ製本でページ数が多くなると、外側のページ(表紙側)が内側のページ(中央)より小口方向に飛び出す「クリープ現象」が発生します。厚みのある冊子ほど顕著で、40P以上では対策が必要です。

クリープ量の目安

ページ数クリープ量目安対策
16P以下0.5mm以下通常設計でOK
32P1〜2mm断裁時に均一化
48P2〜3mm面付けでシフト設計
64P3〜5mmクリープ補正必須
80P以上5mm超設計時にページシフト・大幅マージン

対策は「ページシフト機能を使ってレイアウト時に補正」すること。中央ページほど小口側にレイアウトを寄せる面付け処理が業界標準です。DTPソフトのプロファイル設定で自動処理可能。

中綴じ製本のコスト構造

中綴じ製本の見積は「印刷費+紙代+製本費+送料」で構成されます。小ロット(100〜500部)と大ロット(5,000部以上)でグラム単価が大きく変わります。

仕様100部500部1,000部5,000部
A5・16P・カラー3〜5万6〜10万10〜15万25〜40万
A5・32P・カラー5〜8万10〜15万15〜25万40〜60万
A4・16P・カラー5〜8万10〜15万15〜25万40〜60万
A4・32P・カラー8〜12万15〜25万25〜40万60〜100万
A4・64P・カラー12〜18万25〜40万40〜60万100〜150万

500部を超えると1部あたり単価が急激に下がり、5,000部で製本費は数円/冊まで低減します。大ロット雑誌の製本費が驚くほど安いのはこの規模効果によるものです。オンデマンド印刷(1〜100部)は単価が高いですが、少部数の展示会用パンフ・記念冊子に適しています。

業界・現場での使い方

雑誌・広報誌の編集部

月刊・季刊誌の企画時にページ数=製本方式の同時決定。80P以下は中綴じ、80P超は無線綴じで見積を取り、印刷コスト差を判断。台割で連続カラー配置を最適化します。

カタログ・パンフレット制作

商品カタログ(30〜80P)、企業案内(8〜32P)、イベントパンフ(8〜16P)といった用途で中綴じを選定。ページ数=商品数=情報量の設計。

社内報・議事録・研修資料

社内印刷での小ロット中綴じ製本。オフィス複合機のフィニッシャー機能で内製化可能。10〜60P程度の小冊子が最多用途。

印刷会社・製本会社の営業

顧客へのページ数×製本方式×コストの提案資料作成。80Pで無線綴じ切替の判定タイミングを説明できるかが受注率を左右します。

同人誌・自費出版

コミケ・文学フリマ等の即売会向け冊子。オフセット・オンデマンド両方の対応が可能で、中綴じ12〜60Pが主流ページ数。

広告代理店・デザイン事務所

クライアント向け提案資料、コンペ用作品集、プレゼンハンドアウト。中綴じ16〜32Pの薄型冊子で高品質印刷を目指す小ロット案件が中心。

よくある間違い・注意点

  • ページ数上限超えて無理に中綴じ — ホッチキスの綴じ限界を超えると綴じ穴が広がり、針の脱落・ページ抜けが発生。開きにくくなり読者体験も悪化。80Pを超えるなら無線綴じに切り替えるのが実務の鉄則です。
  • 厚紙で高ページ数を設計 — 用紙厚0.15mm×30枚=4.5mm束厚は中綴じ限界超え。厚紙(コート135kg以上)で60P超は無線綴じ推奨。設計前に「用紙厚×枚数=束厚」を必ず確認を。
  • ページ数が4の倍数でない — 中綴じは物理的に4の倍数のみ対応。データ入稿時にページ数がズレていると、白ページ挿入や広告差し替えの再作業が発生。企画段階で4の倍数設計が必須です。
  • クリープ補正なしで厚冊子設計 — 60P超の中綴じでは、外側ページが小口方向に3〜5mm飛び出します。断裁で切り落とされる領域を想定せず設計すると、重要な文字・写真が切れます。ページシフト補正を必ず。
  • 折込ページを1Pカウント — 折り込みページ(観音開き・4つ折り等)は開いた状態で4〜6P換算。ページ数配分を誤ると綴じ位置ズレ・端が切れる問題に。
  • ノド(綴じ側)マージン不足 — 中綴じでもノド側5mm、写真等重要要素は10mm以上のマージンが必要。ホッチキス針位置とレイアウトの干渉を事前確認。
  • コート紙の反り(カール)を想定せず — コート135kg以上の厚手コート紙は湿度で反りやすく、20枚超の中綴じで開閉時に紙が波打つケースがあります。長期保存前提なら上製本・無線綴じ推奨。

関連する規格・法令

  • JIS Z 8305 ― 印刷用語(製本編)。中綴じ・無線綴じ・上製本等の用語定義。
  • JIS P 0138 ― 紙加工仕上寸法・A列/B列判の寸法規格。
  • JIS P 8118 ― 紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法。用紙厚の測定基準。
  • JIS P 3801 ― 印刷用紙の等級・坪量規格。
  • 日本製本工業組合連合会 標準仕様 ― 中綴じ・無線綴じ・上製本の業界標準仕様と品質基準。
  • 日本印刷産業連合会 印刷業CSR認定 ― 印刷・製本業界の品質管理基準。
  • PL法(製造物責任法) ― 冊子の脱落・怪我等に対する製本会社の責任範囲。
  • 景品表示法 ― カタログ・パンフレットの表示内容に対する規制。

参考文献・公的資料

※本ページの計算結果は概算値です。実際の中綴じ製本可能ページ数は、ホッチキス機の機種・針種類・用紙質・湿度環境で変動します。大量印刷・特殊仕様の場合は製本会社に事前相談し、日本製本工業組合連合会の標準仕様・JIS規格・機械メーカー仕様書に基づいて設計してください。

よくある質問(FAQ)

中綴じの最大ページ数は?

ホッチキス機能力で決まります。標準機(16枚)で64P、業務用小型(20枚)で80P、重厚業務機(30枚)で120P、大型フルオート機(50枚)で最大200P。ただし束厚5〜8mmが実用限界で、これを超えると開きにくく針脱落リスクが上がります。

無線綴じとの使い分けは?

ページ80P未満または開き重視=中綴じ、80P以上または高耐久重視=無線綴じが業界の基本判断。中綴じは開いた際に完全にフラットになる利点があり、写真集・設計図面・楽譜など「開いて見る」用途に最適。無線綴じは書棚に立てる書籍向け。

ホッチキス以外の中綴じ方式は?

ミシン綴じ(糸で縫う)、ホースシュー綴じ(馬蹄形の針)、蝋引き綴じ(伝統本用)等があります。針脱落を嫌う高級冊子・記念誌ではミシン綴じが選ばれます。ただし製造コストは針綴じの2〜3倍です。

中綴じと無線綴じのコスト比較は?

中綴じ=最安、平綴じ=安、無線綴じ=中、糸かがり=高、上製本=最高。同じ64P印刷でも、中綴じは無線綴じの60〜70%のコストで製本可能。小ロット・低予算での冊子製本に適しています。

中綴じ製本のページ数は必ず4の倍数?

はい、物理的に4の倍数(4P・8P・12P・16P…)のみ可能。1枚=表・裏・折の外・折の内で4Pを構成する構造のためです。データ入稿時にページ数が合わない場合は、白ページや広告ページで調整します。

用紙厚の目安は?

本文用紙で0.08〜0.11mm(上質55〜90kgまたはコート73〜110kg)が標準。表紙は本文より厚めの0.15〜0.25mm(コート135〜180kg)を使用。用紙厚に×ページ数(÷4)で束厚を算出できます。

クリープ(小口ズレ)とは何?

中綴じでページ数が多くなると、外側ページが内側ページより小口方向に飛び出す現象。60P超の中綴じで3〜5mmずれます。断裁で見た目は均等になるものの、外側ページの文字が切れないよう、DTPソフトで「ページシフト」補正が必須です。

ノド(綴じ側)マージンはどれくらい必要?

中綴じでも最低5mm、写真等の重要要素は10mm以上のマージンを確保。ホッチキス針の周囲は文字禁止エリアです。無線綴じではノドが完全に開かないため、15〜20mmが推奨マージンになります。

A5冊子24Pだと何枚の紙で作れる?

24P÷4=6枚のA4紙で作れます(A4二つ折りでA5)。表紙・本文を含めて6枚のA4に2Pずつ両面印刷し、ホッチキスで中央綴じ。小ロット社内印刷で最も一般的な構成です。

折込ページや観音開きは何ページ扱い?

折込は開いて4P扱い、観音開き(左右両側から折込)は6P扱い、8Pジャバラ折込は8P扱い。ページ配分計算では「見開き時の見えるページ数」で数えます。台割設計時に必ず折込ページの位置を確認してください。

コート紙とマットコートの中綴じ適性は?

コート紙は表面光沢で写真映えするものの、湿度で反りやすく厚みのある冊子で波打ちが発生。マットコートは反りが少なく開閉安定性が高いため、40P超の中綴じにはマットコート推奨。写真集用途はコート、実用冊子はマットコートが業界の使い分けです。

電動ホッチキス機の耐用年数は?

業務用中綴じ機は毎日稼働で5〜10年、月次稼働で15〜20年程度。針送り機構・カッター・折機の摩耗が主な劣化要因。年間数十万冊生産の印刷会社では消耗品(針・爪等)の月次交換と半年ごとの本格メンテナンスが業界標準です。